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三菱重工業は、放射線を遮蔽するキャビンの付いた特殊フォークリフトを開発した。東京電力福島第一原子力発電所の汚染されたがれきの処理に使う。有人施工できる建機の導入で、無人化施工による処理の効率改善を目指す。1号機を5月2日、2号機を5月20日に、大成建設・鹿島・清水建設JVへ納入した。
車両は全長7.3m、全幅2.5m、全高3.8m、重量30tで、荷役荷重は9t。三菱重工業製の15tフォークリフトをベースに、同社の厚板溶接や放射線の遮蔽・管理などの技術を駆使して、約1カ月の短工期で開発・製造した。
板厚100mmの鋼板と厚さ230mmの鉛ガラスからなる全辺が溶接構造の密閉キャビンを搭載しているのが特徴で、これにより放射線を可能な限り遮蔽して作業できる。
加えて、汚染物質を除去する特殊フィルターを装着しているので、汚染された粉じんなどを寄せつけず、浄化した空気だけをキャビン内に供給する。また、空気浄化装置でキャビン内を与圧して、外気の浸入をシャットアウトする。配管、配線類の貫通部も放射線を遮蔽する。
ヒンジドフォークや回転フォークなどのアタッチメントもあるので、多様な場面に迅速に対応できる。がれきをコンテナに収納することも可能だ。エアコンは装備している。
開発した放射線遮蔽キャビンは幅広い種類の車両に適用できるので、同社は今後、要望に応じて、軽量タイプや様々な建設機械向けのキャビンも製造していく方針だ。
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