http://www.asyura2.com/11/genpatu12/msg/401.html
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東電と政府は、なにを意図して、24時間も経たないうちに撤回するハメになる説明をするのだろう。
事故からすでに3カ月近くたつのにという以前に、今回のくるくる変わる説明は基本設計に関わる問題だから、少し真面目に検討すれば間違いようのない話である。
(NHKスペシャルでも原発事故の情報は政府の強い統制下にあると説明していたから、東電の発表も政府の許可済みであるはずだから政府も連帯責任)
上の図解は、最初の記事“水素ガス逆流説”のものである。
最初の記事の「排気水素の逆流原因」は、ちょっと前に出てきた3号機から4号機への水素ガスの流出原因と同じ話で、このときの水素ガスが“芸”ができる水素ガスでもないかぎり、爆発的燃焼を引き起こす濃度に達するほどの水素が「逆流」するようなことはないから、それだけで却下される原因の提示である。
水平に設備されている「非常用ガス処理系」の配管の弁が開いていただけでなく、仮にだが、排気塔に向かう排気管のほうにも弁がありそれが閉まっていたとすれば、建屋内に大量の水素が流入しただろう。
そうでなければ、もっとも軽い物質である水素は、垂直のベント管内を上昇し始めれば、横方向の脇道に曲がることはなく一気に上方に抜けていく。
(管に何かひっかかりがあって急に流量が絞り込まれるような状況があれば別だが、それでも、詰まるほどの量が入っていかなければ建屋内に大量に押し出される可能性はなく、平成13年に起きた浜岡原発1号機の水素ガス燃焼(爆発)による配管破断事故のように管内に滞留するはず)
【記事引用】
「東電はこれまで、1号機の水素爆発について「格納容器の外に通じる配管貫通部のすき間などが開いたことが原因で水素が漏れたのではないか」としていた」
【コメント】
格納容器の外に通じる配管貫通部の位置は、それほど高いわけではなく、水平方向の貫通部なので漏れてもたいした量ではないだろう。
(NHKスペシャルの図解でも格納容器の蓋の隙間とともに配管貫通部の隙間を水素流出経路として説明していた)
二つ目の記事にある最初の説明を自ら否定する理由が、「昨年の定期検査の記録を再確認したところ、逆流が疑われていた原子炉建屋に通じる排気管に二つある弁のうち、建屋からみて上流側の弁は電源が失われると自動的に閉じる仕組みになっていた」というのは、あまりにお粗末であろう。
きっと、多くの専門家もしくは親切な人たちから、「そりゃあないよ」と指摘されて前言を翻したのだろう。
1号機爆発、排気水素の逆流原因か 東電「設計に不備」[朝日新聞]
2011年6月4日3時2分
東京電力福島第一原発の事故をめぐり、3月12日に1号機の原子炉建屋を壊した水素爆発は、格納容器の損傷を防ぐ目的で行われたベント(排気)で建屋外に出したはずの水素ガスが、別の排気管を通じて建屋内に逆流したことから起きた疑いが強いことが分かった。長時間にわたる電源喪失で、逆流を防ぐ別の排気管の弁を操作できない状態だった。東電幹部は「水素爆発の事態を招いたことを考えれば、排気に関する設計に不備があったといえる」と話している。
福島第一原発では運転中だった1〜3号機が3月11日の地震で自動停止。その後に全電源が喪失し、原子炉が冷却できなくなった。1号機では12日午後3時半すぎ、3号機では14日午前11時ごろに水素爆発を起こし、原子炉建屋の上部が吹き飛んだ。1、3号機では爆発前、圧力が高まった格納容器のベントに向けた作業が実施されていた。
東電の内部資料などによると、1号機には、(1)原子炉建屋内のガスをフィルターを通じて外に出すための「非常用ガス処理系(SGTS)」(2)格納容器内のガスを外に出すための「耐圧ベント配管」――という、二つの非常用排気管が備えられていた。これらの排気管は合流して一つの管となり、建屋外の排気筒につながっている構造だ。
1号機でベントが実施された際、(1)の弁が原子炉の緊急停止で自動的に開いた状態になり、電源喪失で操作できなくなっていた。このため、(2)を通じて建屋外に出るはずだった水素ガスが、合流点から(1)に入り、建屋内に逆流していた疑いが強いことが新たに判明した。この水素ガスが爆発を引き起こしたとみられる。
さらに、逆流した建屋用の排気管には、2、3号機には備えられていた逆流防止専用の弁もついていなかった。3号機も水素爆発を起こしたが、電源喪失の影響を受けない逆流防止専用弁がついていたため、ガスの逆流をある程度抑えることができたという。
ベントを行う際の手順を決めた東電の内部資料では、建屋用排気管の弁が閉じていることを確認したうえで行うことになっているが、今回の事故で原子炉建屋の放射線量も高くなったため、弁の状態を確認できなかったとみられる。
1号機では、1971年に稼働した原子炉にもともと備わっていた建屋用排気管に加え、86年のチェルノブイリ原発事故の教訓から、炉心が大きく壊れる「過酷事故」に備えた格納容器用の排気設備が99年に設置された。
東電はこれまで、1号機の水素爆発について「格納容器の外に通じる配管貫通部のすき間などが開いたことが原因で水素が漏れたのではないか」としていた。
東電幹部は、「格納容器を守るためにベントをした判断には間違いはなかった」としたうえで、「電源喪失の中で水素ガスの逆流への考慮が足りなかった。排気設備の設計に問題があったと言われてもやむを得ない」と話している。(板橋洋佳)
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201106030574.html
水素ガス逆流の可能性「低い」 東電、1号機爆発で[朝日新聞]
2011年6月5日1時45分
福島第一原発1号機の水素爆発が、格納容器のベント(排気)で外に出したはずの水素ガスが逆流して起きた疑いがある問題で、東京電力は4日、設計上は別の排気管の弁が閉じる仕組みになっていた、と発表した。このため、水素ガスの逆流で爆発が起きた可能性は極めて小さいとみているが、実際に弁が閉まったかどうかは確認できていないとしている。
1号機は3月12日に水素爆発を起こした。原子炉建屋の排気管と、格納容器内の排気管が合流して排気筒につながっており、格納容器の損傷を防ぐ目的で12日に行われたベントで建屋外に出したはずの水素ガスが原子炉建屋用の排気管に逆流し、水素爆発の原因となった疑いが浮上。このため、東電は6月3日までに、経済産業省原子力安全・保安院にこの内容を報告していた。
だが、4日になって昨年の定期検査の記録を再確認したところ、逆流が疑われていた原子炉建屋に通じる排気管に二つある弁のうち、建屋からみて上流側の弁は電源が失われると自動的に閉じる仕組みになっていたという。東電は、構造が単純であることから上流側で止められたとみているが、今後、爆発の原因を検証する予定だ。
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201106040552.html
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