東電“売り込み”ビジネス熾烈…放射能水浄化“魔法の粉”って？
写真http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20110606/dms1106061230008-n1.htm
2011.06.06　夕刊フジ

　年内収束が危ぶまれる福島第１原発の大事故。緊急の課題は施設内に大量にたまる汚染水の処理だが、東京電力では５日になってようやく浄化システムの試運転を始めたばかり。注水や降雨で汚染水は総計１０万トンを突破、いまも増え続け、外部漏れの危険性もささやかれる。そんななか、浄化を効率的に進める最新技術が続々と登場、企業も売り込みに躍起だ。

　増え続ける汚染水を効果的に処理する「粉末」が注目されている。金沢大医薬保健研究域（薬学系）の太田富久教授とクマケン工業（秋田）が開発した「特殊粉末」で、東電と協力し試運転を始めた仏・アレバ社製の除染方法と比べて、２０倍に相当する毎時１０００トンの浄化が可能という。

　粉末は、土壌汚染用の浄化剤を改良した吸着剤のゼオライトなど数種類の鉱物や化学物質を混ぜたもので、海水中の放射性物質を取り込み沈殿させる。

　実験では１〜１０ｐｐｍの濃度でセシウムを溶かした水１００ミリリットルに粉末１・５グラムを入れて１０分間かきまぜると、セシウムをほぼ１００％除去。ヨウ素やストロンチウムでも同様の結果だった。

　太田教授は「格納容器にたまった汚染水を循環し、冷却用に再利用するするシステムの構築が急がれている。われわれの技術を活用すれば、より安全性は高まり、作業効率も格段に向上する」と胸を張る。

　冷却システムが稼働すると、パイプ内のフィルターに放射性物質が目詰まりする懸念もある。それを回避する装置を売り込むのは専門商社テクノアルファ（東京）。小さな穴が無数にあいた膜を振動させることで不純物を取り除く「振動膜式濾過装置」を取り扱っている。

　同装置は、米ニューロジック・リサーチの製品で、ナノメートル（ナノは１０億分の１）レベルの微細な穴を持つ濾過膜と、その膜に１秒間で６０回以上の振動を与えるのが特徴。汚染水を濾過膜に通すと、放射性物質と塩分などの不純物がせき止められ、除去された水だけが通過する。テクノ社では「膜が常に振動しているため、目詰まりが防げる」（松村勝正社長）と話す。

　汚染水を丸ごと固体化する技術を確立したのは炭加工メーカー、森林研究所（愛媛）だ。金属、木片に接着し防さび効果を発揮するコンクリートをベースに開発した。

　同社代理店「ＣＪａｃ」（東京）の李柱哲代表は、「コンクリート製造には、腐食の問題から海水や海砂の使用が避けられていたが、炭の加工技術を応用することで、高い耐久性を保てるようになった。強度もあり低コスト、放射性物質の閉じこめや防さび効果も高い」と説明する。

　セメント１キログラムに対し、海水５００グラム、消石灰や樹脂、凝集作用をもつ化学物質を数種類組み合わせた混和剤（溶液５０グラム）を加えると数時間で海水ごとコンクリートになる。これを鉛などで覆えば、外部に運び出すことができ処理の道は広がる。各社とも東電や他の電力会社、関係省庁に猛アピールしている。
　

コメント
01. 2011年6月06日 17:29:04: tEuMUcieh テレビで実演を見たが、効果はすごかった。 しかし、オガクズや新聞紙で汚染をとめようとしていた東電や政府の人には 理解は難しいでしょう。
02. 2011年6月06日 18:00:23: sOM5kQDn1w 明礬で泥を沈める。 質の悪い水にミョウバンを入れて不純物を沈殿させて飲用に使うこともあった。
03. 2011年6月06日 20:19:37: rvNqG7Fczo クマケン工業さんがんばってください。 茨城の　タイヤｓｈｏｐより
04. リベンジ 2011年6月06日 22:45:05: Qd30zXTdWrrwo : nOzs7GL7To 大体、日本人よりはるかに労働時間が短く、休暇の事を第一にしている国で、日本の技術よりもいいものが生み出せるわけがない。フランスが誇るTGV。この最高速度が新幹線より上回るのは平坦土地が多い国だからであり、最大速度を出す直線が長いからだと思う。実際、稼動運転中の平均速度は新幹線より低いと言うのが実感。日本国民性は徹底的に研究、生み出して作る。社会的基盤と裾野が広い。何故、フランスの中途半端な技術を採用するのだろう？たまに、日本に帰って、目・耳にする技術開発には唖然とさせられるもばかり。ただ、之を国際的に売り込むやり方が今までなかったような気がする。なんでもすぐ、大手商社に頼っていた感がするが・・現在、之も大きく変わりつつあるのではないだろうか？　是非、この汚染水処理も両者にさせてみるべきである。まだ、他にも、優れた汚染処理技術が色々日本にはあるような気がすると予感がするのは私だけだろうか？
05. 2011年6月07日 00:34:57: Ft8nZSfc2U 実験では１〜１０ｐｐｍの濃度でセシウムを溶かした水１００ミリリットルに粉末１・５グラムを入れて１０分間かきまぜると、セシウムをほぼ１００％除去。...と言うことは、吸着材の性能を最大によく見積もって、10mg/Lの濃度のセシウム水溶液100ｍＬ中に含まれるセシウムの量は1ｍｇとなりますね。これを吸着するために吸着材が1.5ｇ必要と計算されます。吸着を研究している研究分野では、吸着性能を、被吸着物質量mg／吸着材１ｇ当り、で表しますが、1mg/1.5gということで、0.667mg/gとなってしまいます。これを吸着しているとは水処理の専門分野ではとても言えません。単に、表面にセシウムが汚れとしてついているだけでしょう。ゼオライトにしても活性炭と同じ様に多孔体材料ですから、もともと粉物（つまり酸化ジルコニウムや酸化ウランとかプルトニウムとか）を捕捉することに効果はあっても、水溶性の高いセシウムをせめて数十mg/gオーダーで吸着しているとは考えられません。また、福島原発では海水を注入してしまっているので、海水成分と比べてセシウムが選択的に吸着できるかも疑問です。おそらく、ここにも情報の隠ぺいがあって、もともとゼオライトは原子炉外に漏れていることを公表すると騒ぎが大きくなるおそれがあった酸化ウランなどを捕捉するためにセシウム吸着という名目で使われているように思えます。 　今回の汚染水はとてつもない量が既に発生してしまっているので、生半可な性能の吸着材を使った方法ではとても対応できるものではないのです。したがって、化学（特に水処理）に携わっている方ならよく御存知のフェロシアン化銅や水酸化第二鉄、水酸化コバルト等の共沈試薬をpH調整後に添加することで137Cs,144Ce,106Ru,95Zr,90Srを共沈させる共沈法しか打つ手がないと言えます。ただし、つぎつぎに汚染水を処理するためには、共沈させた放射性物質を水から効率的に回収しないといけません。このため、適度な共沈処理の後でオレイン酸ナトリウムやオクタデシルアミンアセテートODAAなどの沈殿物に疎水性を持たせる試薬（浮選試薬：泡立てて汚れを浮かす石鹸と同様な試薬）を投入し、ついで、エアレーション（細かい空気の泡を処理槽の底からバブリング供給）することで、放射性物質を含んだ沈殿物をいっきに浮上分離させて、水面からスクラバーでかき取ってしまう手法が最も現実的です（下水処理場ではおなじみの技術です）。文献を一例挙げておきます。４０年も前の論文ですが、原子力がまだ黎明期だった当時は、つい最近までテレビ等で安全安心とロボットの様に性懲りもなく繰り返した御用学者達とは違って、まるで今回の様な大事故を想定していたかの様な研究もきちんと為されていたのです。大学等にお勤めの方であれば職場でダウンロードできるはずです。 文献：フローテイション法による核燃料再処理廃液の処理に関する基礎的研究、日本原子力学会誌, Vol.11, No4, (1969) p198-205
06. 2011年6月07日 01:24:00: 4WV2HM1H9Y 原口代議士は、日本にいくらでも対応できる技術があるのに、現政権が使おうとしないと言っていたが…
07. 2011年6月07日 18:16:00: NXogH0zLhM 売国奴どもは仏アレバ社からいくらキックバックをもらうのかな？

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