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積算放射線量が基準超す恐れ 福島県、避難区域外の一部
図解http://www.asahi.com/national/update/0605/TKY201106050409.html
2011年6月6日3時3分 朝日新聞
東京電力福島第一原発の事故で、避難を求められる「計画的避難区域」の外側に位置する福島県伊達市と南相馬市の一部地区で、同区域指定の基準となる年間積算放射線量を超える恐れが出ている。これを受け、政府と伊達市は5日、説明会を開催。集まった住民からは不安の声が相次いだ。
年間の積算放射線量の基準は20ミリシーベルト。文部科学省の3日の発表によると、最新の測定値が継続すると仮定した場合の年間の積算推計値は、伊達市霊山町石田が20.1ミリシーベルト、同市霊山町上小国が20.8ミリシーベルト、南相馬市原町区大原で23.8ミリシーベルトとなった。
石田地区で開かれた説明会には約80人が出席。「胎児に影響しないか心配だ」「家畜の牧草を現物支給してほしい」などと不安や不満の声が続いた。
これに対し、政府の原子力災害現地対策本部の担当者は「20ミリシーベルトという基準は、国際的な放射線防護基準で最も少ない値」と安全性を強調。住民が「線量を下げる具体的方策を示してくれ」と迫ったが、「今後も観測を続ける」との答えに終始した。
政府の現地対策本部は、線量だけが基準ではなく、地域の事情も考慮して判断するとして、現時点では計画的避難区域の指定はしない考えだ。伊達市も指定を求めない方針。仁志田昇司市長は取材に「指定されると住民全員が強制的に避難させられる。20ミリシーベルトで直ちに大変だとは考えていない。移転する、しないが選択できた方がいい」と話す。
南相馬市も、対象の地区の住民に対する説明会を検討している。
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