http://www.asyura2.com/11/genpatu12/msg/339.html
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小松英星 KOMATSU, Eisei 様ブログ記事
http://homepage3.nifty.com/gaia-as/current11.06a..html
より以下に一部転載
〔原発集積度=原発数÷1人当たり国土面積〕と定義して、原発による発電量上位5カ国ではこうなります(2008年データ)。
人口(百万人) 国土面積(ku) 原発数 1人当たり面積 原発集積度
1.アメリカ 305.8 9,629,100 104 31.5 3.3
2.フランス 61.6 551,500 59 9.0 6.6
3.日 本 128.0 377,900 55 3.0 18.3
4.ロシア 142.5 17,098,200 27 120.0 0.2
5.ドイツ 82.6 357,000 17 4.3 4.0
これを見ると、日本が突出していることは自明です。日本に多い山岳地を除けば、もっと極端な数値になるでしょう。
(中略)
まず次の金額規模をご覧ください。
・政府の原子力関連予算 約4,550億円/年
・電源開発促進税(電気料金に上乗せして徴収され、電源立地地域交付金等の財源となる) 約3,500億円
・14基の原発(「若狭・原発銀座」)を抱える福井県落ちた交付金(1974〜2009) 約3,200億円
・六ヶ所村再処理工場建設費 2兆円以上(1993年スタート時の見積 約7,600億円)
・六ヶ所村の固定資産税収入 約52億円(30年前の50倍)
・六ヶ所村の住民一人当たり所得 約1,360万円/年(青森県で2位の八戸市と1,000万円以上の差)
・原子力産業の市場規模 約1兆500億円/年(原発1基 約5,000億円、保守修繕費 3,000億円/年、核燃料費 5,000億円/年等)
・東電の設備投資 約6,000億円/年(10電力合計 約2兆円の3割)
・広告宣伝費(10電力+電気事業関連団体) 約1,000億円(内 東電 約240億円)
このようなお金が、いわゆる〔政・官・業・学+マスメディア〕の「鉄の結束」を通じて、原発立地市町村や一般国民を懐柔するために、どのように使われているでしょうか。
上記した原子力関連予算の、経済産業省の「取り分」は約1,900億円(資源エネルギー庁、原子力安全・保安院等)、文部科学省の「取り分」は約2,570億円(日本原子力研究開発機構等)です。
役人にとっては、予算獲得が生命線です。この2省が原発推進に懸命になる理由が、これだけでもわかるでしょう。
政治への影響力は、就任するや否や「省益」の代弁者になる大臣や副大臣を通じて、また政治家への「ご説明」によって発揮されます。
文部科学省は、学習指導(要綱)や教科書検定という「宝刀」によっても、中学生(公民教科)や高校生(社会科教科)を操縦します。
また、文部科学省と資源エネルギー庁が発行し配布する小中学校副読本として、『わくわく原子力ランド』(小学生用)、『チャレンジ!原子力ワールド』(中学生用)、『教師用 解説編』などというものがあります。これらは原発の利点を解説し、「電力源のベストミックス」を強調しています。
それに加えて、電気事業連合会が発行するDVD『偉人たちとの授業〜放射線を知る』も、学校に無料で配布される仕組みで、原発の危険性より有用性を強調する洗脳教育教材になっています。
(中略)
政治家への働きかけは、例えば電力各社が加盟する「電気事業連合会」からの献金として行われます(主に自民党宛て)。
一方、民主党に対しては、「連合」の最有力労働組合組織である「電力総連」が、原発推進を暗黙の条件として寄付や選挙協力を行っており、それは地方政治にも及んでいます。「電力総連政治活動委員会」という組織の傘下に、「東京電力労働組合政治連盟」等の公然とした組織があることが、それを物語っています。
学会に対する働きかけは大学への寄付があり、それを受けて大学では、原発に関する「寄附講座」や「寄付研究部門」を開設して、「御用学者」が学生や社会を洗脳する活動拠点にしています。
それらの学者は同時に、経済産業省の指名によって、「原子力委員会委員」や「総合資源エネルギー調査会委員」や「原子力安全委員会委員」などに納まり、原発推進に「貢献」することになります(その「最大集積地」は東大です)。
この路線に乗らない「硬派の」学者は、「官」からも「業」からも「干される」ことになり、研究資金などでたいへん苦労することになるようです。
マスメディアへの働きかけは、上記した1,000億円という広告宣伝費が如実に物語っています。地域独占の電力会社は、本来ならゼロでも済ませるはずなのに、トヨタやパナソニックを上回る広告出稿をするのです。
中央や地方を問わず、マスメディアにとって安定した広告収入ほど有難いものはないので、「筆先の微妙な表現」でさえ、「広告引き揚げ」という事態にならないよう注意することになります。「報道は中立」というのは、神話に過ぎません。
それだけでなく、マスメディア幹部やOBへの接待攻勢は業界では「公然の秘密」のようなものらしく、東電会長の記者会見の席上でフリーランスの記者が、その会長自身がマスメディアOBを引き連れて海外旅行した件を質問したのは最近のことです。
(中略)
以上を総括すれば、今回の惨禍が起こるまでに日本人が溜め込んできた「核のカルマ」は次となります。
第一に、「核の教訓」から何も学ばず、人間の都合だけで、ここまで原発を増やしてきたこと。
第二に、それを実現するために、お金の力によって、有無を言わさず強引に事を進める人倫に反するやり方をしてきたこと。
第三に、「官」と「業」の癒着構造のもとで公正を欠いたやり方によって、「無数の欺瞞」に国民全体を巻き込んできたこと。
ここにいう「無数の欺瞞」は、挙げればキリがないほど多岐にわたっていますが、上記した以外のものを少し補足しておきましょう。
1. 使用済み核燃料を「再処理」することによって溜め込んできた「超危険物質プルトニウム」の実態を曖昧にしたまま、再処理の「国産化」を目指して、六ヶ所村に巨大再処理施設を建設しようとしています。プルトニウムの量は、過去に情報の一部を公表していた時点で既に50トンあったので、おそらく現在は100トンを越えているのではないでしょうか。ちなみに、原爆の「実用化」を目指した「マンハッタン計画」で、アメリカが20億ドルの巨費を投じて抽出した濃縮ウランとプルトニウムは僅か45キログラムです。その一部が「ヒロシマ」と「ナガサキ」で使われたわけです。
2. 危険な放射性核廃棄物は原発の正常運転や「廃炉」によって発生するものだけでなく、「再処理」をすることによって、さらに増える(英・仏への再処理委託によって発生したものも「返還」される)ことになり、中には何万年も放射線を出し続けるものがありますが、それをどう処置するかのメドがまったく立っていません。確かな展望が無いまま、なし崩し的に六ヶ所村を「核のはきだめ」にしようとしています。いま六ヶ所村にある巨大な「原子燃料サイクル施設」群で行われていることは、まさに「この世の地獄絵」です。――@ウラン濃縮工場(92年〜操業)、A再処理工場(2012年操業予定)、B(プルサーマル向け)MOX燃料工場(2016年操業予定)、C高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター(95年〜操業)、D低レベル放射性廃棄物埋設センター(92年〜操業)・・・・・これらはいずれも、国内には他にどこにも無いものです。そして操業に伴って大量の放射性廃棄物を含む液体が出るので、その一部が海水に放出されることが懸念されています(例えば半減期が1,570万年のヨウ素129)。これらプラントを構成する配管の総延長は、放射性物質が流れるものだけで60キロメートルあるといわれています。この付近に多い活断層のどこかで、巨大地震が起こったらどうなるでしょうか。
3. 原発は「クリーンでゼロエミッションのエネルギー源(当局の言い分)」であるだけでなく、最も安価なエネルギー源だと思わせるために、様々な関連費用を除外または減額したコスト計算を行っています。例えば、国が出している研究開発費や立地対策費、使用済み核廃棄物の冷却処理費用、安全対策費用、土壌の除染費用、廃炉のコストなど。さらに、正直に見積もれば天文学的な金額になると思われる、核廃棄物の最終処分費用や、事故に伴う賠償費用もあります。それに加えて、実態は35%程度しかない原発の稼働率を、計算上過大に見積もっています。原発は「最も高価なエネルギー源」だというのは世界の常識で、それを知らされていないのは日本人だけなのです。
(中略)
仮にM9.0でなくM9.5(強度が6倍)の地震が、東南海(紀伊半島沖)や南海(四国沖)で起これば、「若狭・原発銀座」はひとたまりもないでしょう。もちろん、若狭湾周辺で巨大地震が起こる可能性もあります。
すでに十分経験してきたように、「体験済みの事故」が起こることは希で、多少の津波対策をやれば済むというものではありません。
「若狭・原発銀座」の原発は、加圧水型に特有の「蒸気発生器」を持っており、蒸気タービンへは放射性物質が行かないという利点がある反面、配管を含めた全体構造はより複雑になっています。
地震で、核物質を含んだ配管が破断する可能性は大いにあります。
いま私たち日本人は、重大な岐路に立っています。事は一刻を争うのです。
皆さん一人ひとりが、真剣にこの問題を考え、確かな自分の意思を持つようにすることをお勧めします。
そして、その意思を実現するために、今できることに取組もうではありませんか。
(転載終了)
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