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「がんばろう日本」どころでない  (ちきゅう座)
http://www.asyura2.com/11/genpatu12/msg/337.html
投稿者 新世紀人 日時 2011 年 6 月 05 日 10:59:03: uj2zhYZWUUp16
 

http://chikyuza.net/n/archives/10280

「がんばろう日本」どころでない

2011年 6月 2日 時代をみる 山崎久隆放射線被曝
<山崎久隆(やまさきひさたか):たんぽぽ舎会員>

放射能ストレス

 ちまたには「がんばろう日本」というスローガンが氾濫している。私はこの言葉が嫌いだ。ものごとにはがんばれないこともある。がんばってはいけないこともある。津波や地震に、何をどうがんばれというのかと皮肉を言っているのではない。「がんばろう」という一言が、場合によっては、人によっては、大変大きなストレスを与えることになるからでもあるが、さらに放射能に対してがんばれというのはお門違いだからでもある。放射能に対しては「逃げろ」しかないのだ。
 福島県内には、高い汚染地帯に多くの子どもたちが取り残されている。国が3.8マイクロシーベルト/時を活動制限値としたため、この値を下回っていると通常生活が可能としているが、言い換えるならば「この線量まではがんばれ」と言っているに等しい。
 放射線恐怖症という表現を文字通り使っている人間がいるのだ。長崎大学の山下教授は福島県が任命した「放射線健康リスク管理アドバイザー」として各地で講演をしているようだが、その中で「偏見や先入観、知識のなさが放射線恐怖症を引き起こしている」と触れ回っている。放射線を正しく怖がることは必要だが、カラ元気で無用な被曝をして良いはずが無い。さらにこの人物「国が20(ミリシーベルト)という指針を決めたのだから、それに従うのは国民の義務」とまで言い放ったという。
 なお、山下教授は100ミリシーベルトまでの被曝は健康に影響が無いという立場なので、まして20ミリシーベルトには何の問題も無いという立場だ。もちろん大人だろうと子供だろうと全く区別しない。
 このような発言を基準とされたら、多くの人は大変な恐怖を抱く。それに対しては「信じろ」というだけだ。基準は安全かと問われても「安全と言うことは簡単に言えない」としながら、これを基準として受け入れ、安心せよと「アドバイス」する。なるほど、信じてしまえばストレスは無いというわけだ。そんなものは科学でも何でも無かろう。健康被害は信じたからと言って回避されるわけがない。精神的ストレスにしても、原因を取り除かないで「気のせい」のごとくに取り扱うことが、PTSDを悪化させることを指摘している文献は多い。放射線被曝は痛くもかゆくも無いかもしれないが、被曝をしたという事実は確実に人々の心をむしばむ。
 そのうえ、文科省は信じがたい文章を配布している。その中には「放射線恐怖症」と捉えかねない表現がある。ほぼ山下教授の主張に沿った内容である。
 国はトンでも発言の山下教授の100ミリシーベルトまでの被曝は健康に影響ないというところを「いや20ミリを基準としている」として、それよりも配慮しているかに振る舞うことで、健康に重大な影響を与える恐れのある基準だという私たちの主張に対抗しようとしているようだ。

米国の規制値は3ピコキュリー

 良く比較される米国の水道水規制値は、3ピコキュリー/リットル(以下全てリットルあたりを省略)であり、これは日本の規制値のおよそ千倍も厳しい。
日本の乳児暫定指標は100ベクレルであり、1ベクレルは27ピコキュリーに相当し、100ベクレルはおよそ2700ピコキュリーに相当する。
 米国が西海岸などに到達した放射能について水道水への影響などを懸念したのは、これだけ厳しい基準を持っているからだ。日本では3ピコキュリー(逆に言えば0.1ベクレル)であれば最大検出時に、ほぼ東日本全域で規制値を超えることになったからだ。
 世界の水道水の基準はどうなっているのだろう。
 WHOの基準は1ベクレルで、高いほうに位置するが、それでも日本の100分の1、ドイツは0.5ベクレル、日本も実は3・11以前はWHO基準に準拠していたが、今回の大規模放出により一般300ベクレル、乳幼児100ベクレルの暫定基準を設定した。

五重の壁はもうない

 原発の安全性を説明するときに、放射能は五重の壁により封じ込められていると言われてきた。しかし今はその壁が全て破壊されている。チェルノブイリ原発事故もそうだったが、チェルノブイリ原発は「格納容器がない」などとされていた。五重の壁が全て突破されたのは史上初めてのことなのだ。
 特に深刻なのは、今も冷却が完了していないことだ。冷やし続けなければメルトダウンが進行し、格納容器も破壊し、封じ込めることは出来なくなる。
 現在、燃料が溶け落ちた1、2、3号機の圧力容器内部は、粉砕された燃料が下に堆積している。3号機に至っては、崩れた燃料がシュラウドの内側に堆積し、冷却用の水がシュラウドと圧力容器の間にとどまっていると見られている。そのため冷却能力に支障を来しており、圧力容器の真下が破断してしまう危険性がある。そうなればもはや格納容器が破壊されるのは時間の問題となってしまう。
 燃料の全溶融により圧力容器が破壊され、格納容器も貫通していたことで、冷却に水棺方式をとることにも意味がなくなった。水浸しそのものが不可能になっただけでなく、大量の冷却材投入は汚染水を際限なく増やし、環境への大量漏えいが避けられない事態となるからだ。
 燃料をいわば「漉しとっている」のに等しいため、セシウムだけでなくストロンチウムやプルトニウムも漏出することになる。それが海に流れ出せば、取り返しのつかない大規模汚染になってしまう。
 既にこれまでに政府発表でも520トン、4700兆ベクレルもの放射能を放出したとされる。高レベル汚染水を溜めるためとして意図的に放出され、周辺諸国から批判された集中廃棄物処理施設の1万トンを超える廃液は全体でも0.1兆ベクレルだったのだから、その規模のすさまじさが分かるというものだ。このうえ1立方センチあたり100万ベクレル規模の廃液を1万トンも放出したら、いったい太平洋はどうなってしまうのだろうか。

 たんぽぽ舎「地震と原発事故情報 その85」より転載。

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔eye1435:110602〕


 2 81 +−  

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コメント
 
01. 2011年6月05日 11:25:36: r5cyrLAbZs
3号機が破損でMOXからプルトニウムが放出されたら、いったいどれだけの人間死ぬのか検討もつかない。あまりにも甚大すぎて、あまりにも恐ろしすぎて、皆、思考停止になってんだろ。ウラニウム20万倍の毒性、スプーン一杯で30万人くらい殺戮できるプルトニウム燃料がトン単位で装填されている。で、これの格納容器が破損して手のつけようがないわけだ。日本人はユダヤ人さながら、今後数千年にわたり海外で流浪の民になるかもしれない。

02. 2011年6月05日 14:00:08: pEgCpfCxXY
いいねえ、それ。日本人改め第二ユダヤ人。
1さんの想像力、一気にファンになりました。

03. 2011年6月05日 14:16:05: rIV9vR6jYg
海外を流浪するというのはやや見通しが甘いかなと思う。

その最悪の場合、日本人は放射性汚物としてどの国からも入国拒否を喰らうだろう。
そして日本列島は世界中からの放射性廃棄物が投棄される、核のゴミ箱となる。
日本人はそのゴミ山の作業者、言うなら墓守としてのみ生存を許されるという感じだろうか。


04. 2011年6月05日 15:06:18: pEgCpfCxXY
え、墓守だって?!いいねそれも。
2さんの想像力、一気にファンになりました。
カントの「永遠平和のために」1795年という恒久平和論は
オランダの宿屋の看板に墓地の絵が描いてあってそこに
「永遠平和のために」と書いてあったという話からはじまるんだよね。
カントの過激な認識だと、いわば「早い話、人間がみんな死んだら平和になる」ってわけ。
ところが2さんによれば、いわばこうだね、
「いや、死ぬ必要はないだろう。
人間がみんな、核のゴミ山の作業者、いうなら墓守としてのみ生存を
許されるなら平和が訪れる」と。まさしく日本国憲法第九条の方向へと
舵を切ることになる、と。

05. 2011年6月05日 15:24:57: xtELIBiTEM
日本は世界のゴミ箱化…そんな設定の漫画連載が12年位前に少年サンデーにあったなあ…人気出ずに直ぐに打ち切りになったけれども(笑)。

06. 2011年6月05日 15:38:29: fTU9zJh7hw
その漫画読んでみたい。
個人的には、浦沢直樹にそのテーマで漫画描いてほしいです。
3.11以降、まんが界にも変化がみられるのでしょうか。

07. 2011年6月05日 15:40:43: iQinVlOl1c
ブラックエンジェルス(週刊少年ジャンプ・平松伸二)を思い出した。
大震災によって隔離され、死の街と化した秩序の崩壊した暴力と悪が支配する関東地方が舞台だった。。
あの漫画を読んだ20年後にまさかこんなことが現実に起きようとしているなんて!

08. 2011年6月05日 15:50:51: xtELIBiTEM
05→少年サンデーコミックス「ライジング•サン」武論 尊(原作) 松浦聡彦(作画)全3巻…だけども、はっきり言って全然ダメダメ作品だな〜。お勧め出来ないけれども興味がおありならド〜ゾ。

09. 2011年6月06日 00:26:01: jCNOQOJ7Ww
確かにこのままでは、日本は確実に終わる。
テレビだと何だか上手く行きそうな報道の仕方が鼻に付く!
そしてやばくなったら、軽く報道する!
これで国民はコロっと騙されてしまう・・・。
俺みたいに放射能防護のためにマスクしているだけで
「過剰反応しすぎ」とか「大袈裟な」とか言っている連中は
まるで危機感がない!
言いたければ言っていろ!!
少しでもリスクを避けるべきだろう、妻や子供達の為に!
ちなみに妻と子供は現在に疎開中なので少しは安心だ。

10. 2011年6月06日 00:59:49: 6PjF3RL2Xs
例の山下教授だが、ちゃんとした学問の世界では、素人向けの講演とだいぶ内容の違うことを書いているらしい。
http://www.asyura2.com/11/genpatu12/msg/222.html
ところで、もし、最近の山下教授が講演してきた内容と同じことを学会誌などに書いても、彼は学者としてやっていけるのだろうか?
あの小佐古氏でさえ、あの4月29日の涙の辞任劇で(子供の射線量を年間20ミリシーベルトに決めたことに)「それを認めたら自分は学者として終わりだ」とか言っていたはずだが。

>内閣官房参与の小佐古敏荘(こさこ・としそう)・東京大教授(61)=放射線安全学=は29日、菅直人首相あての辞表を首相官邸に出した。小佐古氏は国会内で記者会見し、東京電力福島第1原発事故の政府対応を「場当たり的」と批判。特に小中学校の屋外活動を制限する限界放射線量を年間20ミリシーベルトを基準に決めたことに「容認すれば私の学者生命は終わり。自分の子どもをそういう目に遭わせたくない」と異論を唱えた。同氏は東日本大震災発生後の3月16日に任命された。(毎日新聞記事より)

もちろん、小佐古氏は工学者(放射線安全学)で医学者ではない。つまり、工学の世界では「20mSv/yまでOK」というのは、それを言ったら、学者の世界から追放されるほどのトンデモであるが、医学の世界ではそうではないということなのだろうか??(素人考えでは、逆になりそうなものだが、学問の世界は不思議だ!)

ともあれ、海外の医学者の方たちなどが、最近の山下教授の発言を知ったら、どのように言われるのか、ぜひ聞いてみたい。


11. 2011年6月06日 01:28:20: EszHBBNJY2
日本人は致命的な打撃を体内に受け、欠陥だらけのDNAを子孫に受け継ぎ蓄積することが、避けられない。

どう、前向きに見てもDNA欠損はもう始まっている。

止められない以上、劣勢のDNAと優勢のDNAを分けた社会構造がいずれ
到来するだろう。
ハリウッドの映画で見た構成だな。

数百万人・数千万人の人口レベルで、この現象が如実になれば、隔離政策も
仕方ない。


12. 2011年6月06日 01:37:28: EGaQ73B5yp
>>11

「光る風」を読んで、あまりにも今の日本とそっくりなので
戦慄しました。


13. 2011年6月06日 08:44:04: xET0Qbpmgw
星新一「おーいでてこい」もどうぞ。むかしは教科書に載ってたんだけどね。
この教訓を忘れた結果がいまだね。


14. 2011年6月06日 14:42:08: pEgCpfCxXY
穴だと思って青森、福島、茨城、福井、新潟、などなど各地の穴に
金を生み出すゴミを、東京は運んでいた、そしたら何のことはない、
その穴の底が東京であり、世界の中の日本であったという落ちがついた。
これが星新一先生の愉快なおしえである、と。
http://hi.baidu.com/psy_%D0%C2%D4%C2%D6%AE%B7%E6/blog/item/db3eb0a3a21b35a4caefd0e7.html

15. 2011年6月08日 11:15:03: ocEuBAfVXY
●利権、名誉、お金、自分の立場...。
●地元に根差した生活、地域文化、住まわせていただいてる環境や自然、地球...。

健全な住民の生活と健康、仕事があって初めて国や地域が成り立つのでは?

国民が病んで、食料や水、水産資源の汚染、
そして少子化に拍車をかけて原子力研究や開発の大学の学科に
学生がが集まらず...。

目先の利権や保身優先で、いったいこの先、誰にどんな明るい未来が
待ち受けるのか?
気の毒な被害住民だけでなく、国も、御用学者も、電力会社も、
今の日本の状態が砂上の楼閣だということに気がつかないのか?

金持ちの海外移住も良いだろうが、それで永遠の発展となるものか?
国も地方自治体も、電力会社も、国民も、
少子高齢化の日本国で、未だ意識もさめずに目先だけのごまかしと先送り。

今、この助教授達の様に立ち上がらないと、何も変わらないだろうね。
嫌な話、万が一、こうしたことで立場危うくなり、旧態依然達に潰されても、
尚更日本の衰弱とともに権力者や利権者、見てみぬふりの大勢も
つぶれて行くだろう。 時間の問題では?

少子高齢化。 誰がこの先の原発の後始末が出来るのか?
そんなことも含めて、助教授達のように恐る恐るでも立ち上がり、
安心して住める国、子供を産んで育てたくなる日本への舵をとらないと
いけないと思う。 



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