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東電甘すぎる新処理計画、原発汚染水「雨で増加」考えず
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20110604/dms1106041527009-n1.htm
2011.06.04 夕刊フジ
福島第1原発事故の収束作業を妨げている放射性物質を含む汚染水。東京電力が3日に新たな処理計画を示したが、雨による増加を考慮しておらず想定はかなり甘い。15日に水の放射性物質を減らす浄化システムを稼働させて外部への流出を防ぐ構えだが、梅雨や台風の時期を前に不安は尽きない。
汚染水の処理計画について「厳しい状況だが、環境中に漏出させることなく処理を進めていける」と説明した東電の松本純一原子力・立地本部長代理。
高濃度の汚染水の主な原因は、原子炉を冷やすために続けている注水。東電はこれが漏れて2、3号機を中心に水量が増える4つのケースを検討し、最も早いと20日に外部に漏れる可能性が生じるとした。
浄化システムを15日に稼働できれば、集中廃棄物処理施設にたまる水を1日1200トンのペースでタンクに移すことが可能としている。
だが、この計画は甘い。雨による汚染水の増加が考慮されていないためだ。
「大雨が降ると、15日よりも早く、漏れ出る位置まで水位が上がる恐れがある」(東電)。実際、台風2号で1日までに降った雨は汚染水の大幅増加を引き起こした。
東電は建屋に開いた穴をシートで覆う対策を取ると説明。だが大きく壊れた1、3、4号機の原子炉建屋は、雨の浸入を防ぐ手だてがない。
炉心への注水量を減らすのも選択肢の1つだが、冷却効果が落ちる。東電は汚染水があふれるのを防ぐため、建屋外の立て坑を埋める対策も講じたが、水位が上がって小さな亀裂から地面に染み出る懸念は残る。
10万トン超の汚染水に含まれる放射性物質の量は72万テラベクレル(テラは1兆)で、福島第1原発から1年間に外部に放出が許される量の約320万倍と多い。
経済産業省の西山英彦審議官(原子力安全・保安院担当)は「雨で厳しい状況になることも踏まえ、さらなる対策を考えてほしい。絶対に漏らさないという覚悟でやってもらいたい」と注文を付けたが、あらゆる失敗を繰り返す東電だけに不安は募るばかりだ。
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