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内部被ばくの実態
http://www.asyura2.com/11/genpatu12/msg/273.html
投稿者 taked4700 日時 2011 年 6 月 03 日 22:12:36: 9XFNe/BiX575U
 

内部被ばくの実態

 5月16日、衆議院予算委員会でみんなの党の柿澤未途議員により、内部被ばくについての質問がされた。5月16日衆議院予算委員会、その最後の質問者である柿澤未途議員の部分の質問開始から10分30秒ほどしたところから、ホールボディカウンターの数値の質問が始まる。( 衆議院テレビ: http://www.shugiintv.go.jp/jp/wmpdyna.asx?deli_id=40987&media_type=wb&lang=j&spkid=20027&time=07:42:36.1 )

 ホールボディカウンターとは、体内被曝の程度を知るために、ガンマ線やベータ線の線量を体の外側から測る装置だ。各地の原発に備えられていて、3か月に一度内部被ばくの程度をチェックするために使われているようだ。福島第一原発では作業員の方があまりに多くなってしまい3か月に一度の計測さえできていないと言う。

 ベータ線も一応測れるそうだが、ベータ線はガンマ線ほど透過性が強くないことが多いのでベータ線は実際の内部被ばくの一部しか測れないはずだ。アルファ線についてはホールボディカウンターでは全く測れない。アルファ線は陽子2個と中性子2個からなるヘリウム原子核であり、生体内では1mmも進むことなく細胞壁にぶつかって吸収されるからだ。

 柿澤議員が質問したのは、福島第一原発の作業員ではなく、事故後福島県内に立ち寄った他の原発の作業員の方が各地の原発に復帰した時にホールボディカウンターで測った数値。「福島県に立ち寄った」の意味が分かりにくいが、福島第一原発で作業したと言うことではないようだ。ただ、単に旅行で立ち寄ると言うわけではないはずで、何らかの関係で福島第一原発での作業のために来たが作業をせずに帰還された方たちという意味だろう。どちらにしても、国会でのやり取りだけでは「立ち寄った」という表現しかされていない。

 精密検査が必要とされる1500CPMを超えた方が全国で4956名であり、その内福島県に立ち寄った方が4766名で、10000CPMを超えた方が1193名だという。

 CPMとは、カウント毎分ということで、一分あたりに放射線を感知した回数のことだ。ベクレルが1秒あたりに崩壊する放射性物質の原子の数なので、ベクレルで示された値を60倍するとCPMの値になる。

 単純に計算すると、1ベクレルが60CPM なので、1500CPMは25ベクレルであり、10000CPMとは167ベクレルになる。これらがどの程度危険なのかということはよく分からない。そもそも、内部被ばくに関する危険度を定めた公的な基準がないからだ。例えば、食品の出荷規制が行われる暫定規制値は野菜1kgあたり、放射性ヨウ素2000ベクレル、放射性セシウムは500ベクレル、ウランは100ベクレル、プルトニウムは10ベクレルと定められている。( http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001558e-img/2r9852000001559v.pdf )

 福島第一原発事故で放出された放射性物質は主に放射性ヨウ素と放射性セシウムだという。ヨウ素131はまずベータ線を出し、次にガンマ線を出して安定状態のキセノンに変わる。セシウム137もまずベータ崩壊して次にガンマ崩壊して安定する。どちらもベータ線は体外から検出はできないはずだからガンマ線をホールボディカウンターでは測っているはずだ。

 ところが、サーベィメータで野菜などを検査する場合、かなり近い距離で検査するのでベータ線もガンマ線も両方とも検知しているはずで、結果的にホールボディカウンターでの計測結果とはかなり異なるはずなのだ。

 ベータ崩壊は普通かなりの時間がかかり、こちらが多くの場合半減期の長さを決める要素になっている。ガンマ崩壊は数分で起こってしまうことが多い。

 注意しなければいけないのは、ホールボディカウンターではアルファ線の検知はできないし、ベータ線も多くの場合検知できていないと言うことだ。アルファ線は生体内で1o程度しか飛散できない。ベータ線も多くの場合は数センチ程度だ。つまり、ホールボディカウンターでの数値は実際の内部被ばくの程度よりも低く出るということだ。

 ここで、例えばAという放射性元素があり、ベータ崩壊してBという元素になり、次にそれがガンマ崩壊してCという安定元素になるとする。仮にAからBになるベータ崩壊の半減期が10分(600秒)、BからCになるガンマ崩壊が6秒だとする。Aという元素が1000個あったとしたら、10分後にどうなっているだろうか?それをホールボディカウンターで測った場合とサーベィメータで測った場合で考えてみよう。

 Aは常にバラバラにベータ崩壊してBに変化するが、10分後には500個のA元素が残っていることになる。そして、一分あたりにB元素が50個ずつ生まれる。Bは6秒で半分の数がCに変わってしまう。ホールボディカウンターで測るのはこのBの量で、もし秒単位で測ると、例えば10秒前に崩壊したものは測ることが出来ない。だから、ホールボディカウンターはCPMというようにcount per mintute、つまり一分あたりの量を測っている。

 ここでホールボディカウンターは体外から放射線を測るものであり、原則としてベータ線もアルファ線も測れないことを思い出そう。ホールボディカウンターで測れるのは基本的にガンマ線だけだ。つまり、上の例で言うと一分あたりに出てくるB元素の数だけを計測していることになる。単純化すれば、上の例では50CPMという検査数値が出てくるはずだが、現実には、その時点で500個のA元素と50個のB元素があることになる。

 サーベィメータで普通に野菜などを検査する場合を考えよう。ベクレルで測ることになるが、1秒あたりの崩壊数だから、上の仮定では600秒で500個のA元素がベータ崩壊するから、1秒あたり大まかに1個弱のA元素が崩壊してB元素になっていることになる。また、B元素がガンマ崩壊する程度も同期間に同程度起こっているから1秒に1個のB元素がC元素になっているとみなせる。よって、こちらは2ベクレルという数値が出てくる。これを単純に1分間の検出値にすると120CPMとなる。

 同じだけの放射性元素があっても、ホールボディカウンターでの数値は50CPMとなり、サーベィメータでの数値は2ベクレルで120CPM となる。これは、ホールボディカウンターはベータ崩壊を多くの場合検知できないからだ。その分、ホールボディカウンターの値は小さくなる。

 6月3日、次に引用するニュースが流れた。「内部被ばく量が最大で580ミリシーベルト」というのが、ホールボディカウンターでの計測値なのか、それとも、それから推測した値なのか、はっきりしない。更に、「放医研での診察の結果、健康状態に問題はなかった。特別な治療は必要ないという」のは、あまりに犯罪的だ。この程度の線量での被ばくなら急性障害は起こらない。つまり、数か月から数年、又は数十年後に出る晩成障害こそが問題だからだ。今回の内部被ばくで少ない見積もりでも250ミリシーベルトを超えていると言うことなので、数か月で影響が出だす可能性が高い。最初は倦怠感、全身に力が入らない、知能低下、下痢などが現れると言う。そして、数年の内に脳血管や心臓血管障害、または癌になるという。ビタミンや乳酸菌をとって免疫力を高めていくことが重要なはずだ。

 自分はついこの間まで知らなかったが、チェルノブイリ原発事故により、ウクライナやベラルーシ、ロシアの平均寿命が短くなっていると言う。平均寿命が低下しているのは幾つかのサイトで確認できる。最も放出量の多かったセシウムは半減期30年で1986年の事故からまだ25年しかたっていないので今後も数十年は影響が残るのだろう。これだけ影響が長引けば地下水への影響も出てくる。福島の事故もかなりの量の放射性物質を放出したのだから、今後関東から東北の大地はなかなか生活が大変になる。IAEAによるチェルノブイリの影響調査はこれらの晩成障害についてほとんど無視をしたのではないだろうか?

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc&k=2011060300645&j4
2人とも特例上限超える・福島第1=東電社員の内部被ばく量
 福島第1原発事故で、東京電力は3日、甲状腺から多量の放射性ヨウ素131が検出された社員2人について、内部被ばく量が最大で580ミリシーベルトに達する可能性が高いと発表した。国が定めた特例上限の250ミリシーベルトを超える初めてのケースとなるのは確実で、東電は厚生労働省に報告した。
 同日夕の政府・東電統合対策室の会見で、細野豪志首相補佐官は「東電の被ばくの管理に非常に大きな問題があった」と述べ、政府が直接関与して被ばく防止の改善を図る方針を示した。
 東電によると、社員は30代と40代の男性2人。放射線医学総合研究所(千葉市)で内部被ばく量を評価したところ、30代社員が210〜580ミリシーベルト、40代社員が200〜570ミリシーベルトと推定された。
 それぞれ外部被ばく量は73.71、88.70ミリシーベルトで、内部被ばくを最も少なく見積もった場合でも、合計で250ミリシーベルトを超えるという。
 2人はすでに同原発を離れており、放医研での診察の結果、健康状態に問題はなかった。特別な治療は必要ないという。
 2人とも原発の運転員として3月11日の震災当日を含め、3、4号機の操作や中央制御室からのデータ回収などに従事。5月23日の検査で、甲状腺からそれぞれ9760ベクレル、7690ベクレルのヨウ素131が検出された。(2011/06/03-20:28)

*6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から一連番号を付しています。<<582>>
 

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コメント
 
01. 2011年6月04日 00:12:23: 6t3Z2XpZpc
そろそろ東京の地価・不動産に影響が出るか。

気を見るに敏な人間はしばらく手を出さないだろう。


02. 2011年6月04日 00:33:22: CnN6YsDm8G
内部被曝の正確な推測が出てこない。
いったい福島、首都圏でどれだけの内部被曝を受け、どれだけのダメージがあるのか、だれもいわない。

舌鋒鋭い武田ブログもこの点は沈黙を守ったまま、小出さんも、よく分かる解説はしていない。

もはやとりかえしのつかなあた値を浴びてしまた、ということか。


03. 2011年6月04日 04:37:34: EszHBBNJY2
内部被爆(呼吸と飲食で)0.2マイクロで外部被爆の100ミリシーベルト相当
と週間現代6月11日発刊ですっぱ抜かれて、あなたは平気なの。

0.2マイクロなど当の昔に越えているのは、赤子でも理解できる。

科学者がいえるわけないだろう?
東電や政府は初めから知っていたよ。


04. taked4700 2011年6月04日 05:02:56: 9XFNe/BiX575U : iUHxUxxaDY
岡田克也が20キロ圏内を視察した時、20キロ圏外にも当然立ち寄った。そのとき、現地の方と話をするところの写真が報道され、現地の方が普通の姿で立ち会っているのに、岡田克也がガスマスクを外さずにいたのが話題になった。セシウムなどのエアロゾルが東京や神奈川まで来ているのは既に分かっているから、彼はセシウムを警戒したわけではないはずだ。セシウムよりも重い粒子、つまり、プルトニウムを警戒したのではないだろうか?彼は、多分、プルトニウムが未だに排出され大気中に漂っていることを知っているのだ。

05. taked4700 2011年6月04日 19:02:14: 9XFNe/BiX575U : iUHxUxxaDY
02さん、

>いったい福島、首都圏でどれだけの内部被曝を受け、どれだけのダメージがあるのか、だれもいわない。

これは、きちんとしたデータを持っていないと多分言えません。自分のような一般人では分からないのです。

そもそも、福島県内の子供の甲状腺の線量を測り「異常なし」のような結論を出した時、どのような検査結果だったのか、それさえもたしか報道に載っていないはずです。

福島県内の中学か高校か、ともかく、6月の衣替えを迎えて、半そでにするのではなくて長袖で通学するとしていたのが多分象徴的なことですよ。マスクをしないで長袖のジャージで通学することで被曝一般を防ぐことが出来ると考えられている様子です。しかも、その様子をさも当たり前というか、正常な対策であるようにNHKで流す。

多分、テレビ放送を通じた大規模なマインドコントロールが行われているのではと思ってしまいます。いえ、多分、もっと大規模でしょう。

もう一つ違和感があるのが、鼻血を出した子供がいると母親が心配していると言う阿修羅の記事でした。そんなに簡単に症状が出るなら、もっと大騒ぎになっているだろうと言うものです。二重三重に情報かく乱がされているように思います。


06. 2011年6月05日 03:07:07: vJW61Ise0M
ベクレルとCPMの関係は完全に間違っています。
CPMとはその測定機器特有の値であり、測定する機器の感度によってCPMは変化します。

簡単に説明すれば
感度の悪い中国製ガイガーカウンター 0.1μSv = 1cpm
感度の良いガイガーカウンター    0.1μSv = 100cpm
高性能サーベイメーター       0.1μSv = 10000cpm
超高性能放射線測定器        0.1μSv = 1000000cpm

という感じになります。
もちろん数値は大まかな値です。

cpmでベクレルを測定するためには、測定の方法や環境放射線の影響による係数率変化と、どの核種で換算するかによって変動するので、さらに値を出すのは難しくなります。


07. taked4700 2011年6月05日 11:40:39: 9XFNe/BiX575U : iUHxUxxaDY
06さん、ありがとうございます。

実際の機器の測定精度の誤差については触れていませんでした。しかし、仰るように何万倍もの誤差があるのでしょうか?

自分はベクレルとCPMの換算しか述べていません。確かにシーベルトは人体への影響度を述べるものですから、核種による、または受ける身体の部位による変移があるので、シーベルトとCPMの換算は単純にできるものではないのでしょうね。

それにつけても疑問なのは、シーベルトという数値がどんな形で計測されているのかという疑問です。だいたい、多くの計測機器はガンマ線とかベータ線、アルファ線のどれか一つしか測定できないはずです。それでいてシーベルトを表示してしまうのは疑問です。もっと断り書きをつけて、その場所でのガンマ線の影響をシーベルトで表示するとのようにするべきかと思います。


08. 2011年6月06日 03:09:23: vJW61Ise0M
>07
機器の測定誤差ではありません。感度です。

空気中を通過する放射線の中で、検出体(ガイガー菅やシンチレータなど)と反応し計測機器でカウントできるのはほんの一部なのです。(ほとんどの放射線はガイガー菅を素通りします)

一般的には物理的にガイガー菅やシンチレータの大きさの大きいものの方が感度がよくなります。測定精度はある程度感度に依存しますが、検出方式や機器の設計によって大幅に変わります。

CPMでは別の機器との測定結果の比較が出来ないので、それぞれの計測器で標準線源を計測し、1μシーベルトの場合のCPMカウント、0.1μシーベルトのCPMカウントなどを確認して校正します。

すべてネットで簡単に調べられる情報です。
疑問に思ったら阿修羅に書き込む前に自分で、よく調べてください。


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