http://www.asyura2.com/11/genpatu12/msg/213.html
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政府の強い要望を受け入れ、5月14日に停止された浜岡原発5号機は、その停止過程で復水器の細管が破損し、400トンの海水が復水器に流れ込み、その一部5トンが原子炉圧力容器にも流入したと中部電力から発表され報道もされた。
阿修羅でも、新世紀人さんの「浜岡原発停止操作もまともにできず炉に海水流入 (ちきゅう座)」(http://www.asyura2.com/11/genpatu11/msg/447.html)という投稿があり、私も、そのコメント欄に、
「この頃は疑り深くなっているので...。
この事故の記事をいくつか読みながら、本当なら深刻な話だし、ウソなら悪質だなと思っていました。
05年に稼働を始めたばかりで、運転停止作業中に大量の細管破断とは、ちょっとね...という気持ちです。
原子炉圧力容器に5トンほど入ったので、廃炉には都合がいい話になる。
ここまでくると、津波対策しても運転再開はしなくてよくなる。
津波対策をしても日米同盟が続く限り浜岡の運転再開はないと考えているものの妄想です。」
と書いた。
その後、保安院にどのような「事故報告」が載るのか待っていたが、今日の午前中段階でまったくの音沙汰ナシである。
確かに、中部電力のサイトには、写真付きで事故の内容が掲載されている。
このレポートのタイトル自体がピンとこない曖昧なものなのだが...
「浜岡原子力発電所5号機 主復水器の電導率上昇に関する点検について (続報)」
原子力発電所で事故が起きた場合、まあここまでというくらい軽微なものまで経産省(原子力安全・保安院)に報告しなければならないことが法令で定められている。
「事故・故障等の通報・連絡基準」(中部電力)によれば、
「電気事業法」
原子力発電工作物を設置する者は、その原子力発電工作物に関
して、次に掲げる事故が発生したときは、経済産業大臣に報告
しなければならない。
四 主要電気工作物の破損事故(前三号及び次号に掲げるもの
を除く。)
http://www.chuden.co.jp/resource/energy/hinf_about_03.pdf
浜岡原発5号機で1日に起きた主復水器の細管破損とそれにともなう原子炉への海水流入は、もちろん大きな事故で、経産省への報告義務を負うものである。
さらに、保安院の検査官が、事故が起きた当時から浜岡原発に立入検査で入っているはずである。
「中部電力株式会社浜岡原子力発電所第4号機及び第5号機の原子炉停止の状況の確認について(立入検査の実施) 2011年5月12日
原子力安全・保安院
原子力安全・保安院は、中部電力株式会社浜岡原子力発電所第4号機及び第5号機の原子炉停止※に係る状況について確認するため、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第68条第1項に基づき、5月13日から、立入検査を行います。
※政府の要請に対応する自主的な停止」
まだ、事故から20日も経っていないじゃないかという指摘もあろうが、過去の事故報告は以下にリストアップしたように迅速なタイムスパンで行われており、破損事故に関しては10日の遅れさえ見当たらない。
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※ 事故報告例:保安院サイトより、事故詳細はサイトでご確認ください。
●「東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所1号機における運転上の制限の逸脱について2011年5月6日」←5月5日22時発生事故
●「東北電力株式会社東通原子力発電所1号機における運転上の制限の逸脱及び復帰について 2011年4月11日」←4月7日〜9日にかけての余震による外部電源喪失事故の経緯
●「北海道電力株式会社泊発電所1・2号機における運転上の制限の逸脱及び復帰について2011年4月11日」←4月7日の余震による原子炉出力低下問題
●「平成23年4月9日(土) 東通原子力発電機における非常用ディーゼル発電機(B)の運転上の制限内への復帰について」←4月8日の事故
●「平成23年4月8日(金) 東北電力(株)女川原子力発電所1号機における非常用ディーゼル発電機A号機の損傷について」←4月1日発見の障害で4月8日に原因がわかったもの。
●「中部電力株式会社浜岡原子力発電所4号機における運転上の制限の逸脱及び復帰について 2011年4月4日」←中部電力は事故が起きた3月31日当日に報告
●「平成23年3月30日(水) 福島第二原子力発電所1号機タービン建屋における発煙について」←3月30日に発生した事象を当日に報告
●「平成23年3月28日(月) 日本原子力発電鞄穴C第二発電所における管理区域外への微量の放射性物質の放出について」←3月11日に発見したドレンファンネル(排水口)からの溢水の原因調査と各種分析を経ての報告で
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このようなことから、浜岡原発5号機で実際に主復水器細管破損があったのか、さらに疑問が募るのである。
事故がウソで、今後廃炉をするのに都合がいいためにやったというのなら、保安院にも事故報告をきちんと行い、保安院もそれをサイトに掲載しないとダメだよ。(ウソをつくこと自体がダメなんだが(笑))
事故がホントなら、原発監視行政が機能していないということになるから、保安院はすぐさま中部電力に厳重注意を行い、事故の報告をさせなければならない。
まさか、メディアに発表したり、自分のサイトに事故内容を掲載すれば、OKというわけではないだろうから。
メディアも、報道した原発の重大事故なんだから、フォローアップをしていただきたい。
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※ 参照記事
浜岡原発、海水通す細管が複数破損 部品が外れて衝突か[朝日新聞]
2011年5月20日22時28分
中部電力浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市、沸騰水型炉)5号機で、運転停止中に原子炉内に海水が流入した問題で、中部電は20日、海水を通す細管が複数本壊れているのが見つかったと発表した。近くの配管の部品が外れて飛び、衝突して壊れたとみられる。部品の溶接部が傷んでいた可能性があるという。
破損したのは、タービンを回した蒸気を水に戻す「復水器」の中を通る細管。チタン製で外径3センチ、管の厚みは0・5ミリ。約2万1千本のうち、少なくとも20本が割れるように壊れていた。
この近くで、別の配管の端をふさぐ直径20センチ、重さ約3・5キロの部品(エンドキャップ)が外れて落ちていた。中部電によると、配管に溶接されたエンドキャップが外れ、約1メートル離れた細管に衝突して穴があいた可能性が高いという。
5号機は、菅直人首相の要請を受けて14日に運転停止作業をしていたが、当時は部品が外れた配管にもポンプで水を流していた。エンドキャップが外れた理由について、同社の担当者は「溶接部分が傷んで外れた可能性があるが、詳しくは現時点ではわからない」と説明している。
エンドキャップは昨年3月から今年2月にかけて行った定期点検で点検したが、使う機会が少ないため、目視確認するだけだったという。
浜岡原発のような沸騰水型炉では、原子炉圧力容器の中で水を沸騰させ、発生した蒸気で発電機を動かす。その後、復水器で、海水の通る細管で蒸気を冷やして水に戻し、循環させる仕組みになっている。
5号機では14日に運転停止作業中、復水器内に海水約400トンが流入した。うち約5トンが圧力容器内に入ったとみられる。
中部電はこの事故で外部に放射性物質は出ていないとしている。
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201105200590.html
浜岡原発5号機、原子炉内に海水5トン 配管の破損で[朝日新聞]
2011年5月19日12時30分
中部電力浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の5号機で、運転停止作業中に配管の破損で原子炉圧力容器内に流れ込んだ海水が約5トンに上ることがわかった。原子炉内では通常、不純物の少ない真水が循環している。海水が入ったことで今後、運転再開への支障になる可能性がある。
破損したのは、タービンを回した後に炉内の水蒸気を冷やして水にする「復水器」の中を通る配管。熱交換用に、海水が使われている。5号機では、菅直人首相の要請を受けて14日に運転停止作業中、この復水器内に海水約400トンが流入した。このため、原子炉を冷やす注水を一時中断したが、間に合わず、約5トンが炉内に入ってしまったとみられる。
5号機のような沸騰水型炉(BWR)は、核燃料と直接触れた蒸気を海水で冷やす。配管が破損すれば、原子炉内の水と海水が混ざってしまう弱点がある。
同様の問題は過去にほかの原発でも起きていたが、5号機は2005年に運転を始めた新しい炉だった。
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201105190207.html
浜岡原発5号機に海水混入か 外部に放射能漏れ「なし」[朝日新聞]
2011年5月15日13時49分
中部電力は15日、運転を止めた浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)5号機(138万キロワット)の冷却作業中、原子炉を冷やす水に海水が混じった可能性があると発表した。放射性物質の外部への漏出はないといい、別のルートで冷却を続けた結果、ほぼ予定通りの同日正午過ぎに「冷温停止」の状態になった。これで13日から続けていた一連の停止作業が完了した。
中部電は5号機の運転を停止するため、14日午後1時に原子炉内に制御棒を完全に挿入、核分裂反応を止めた。その後、炉内を冷やす作業を続けていたが、同日午後4時半ごろ、タービンを回した蒸気を水に戻す復水器の水の塩分濃度が上昇。蒸気を冷やすためにポンプでくみ上げて循環させている海水が配管から漏れ、復水器に流入した可能性があると見て、原子炉への注水を一時停止した。流入した海水の量は約400トンと見られるという。
その後、冷却水のルートを切り替えて作業を再開。15日正午過ぎ、原子炉の温度が100度未満の安定した状態になる「冷温停止」の状態になった。中部電によると、このトラブルによる放射性物質の外部への漏れはなく、今後、原因を詳しく調べる。
中部電は菅直人首相の停止要請を受け、運転中だった4、5号機の停止作業を13日から続けていた。4号機はすでに冷温停止の状態になっており、今後は再稼働までの間、原子炉内や使用済み燃料プールに保管されている燃料棒が発する熱(崩壊熱)を冷却装置で冷やし続ける。(高山裕喜)
http://www.asahi.com/special/10005/NGY201105150003.html
細管複数に損傷 浜岡原発の海水流入 静岡[産経新聞地方ニュース]
2011.5.21 02:12
浜岡原発5号機に海水が流入した原因を調べている中部電力は20日、蒸気を水に戻す復水器の内部で海水を通す直径約3センチの細管のうち複数本に損傷が見つかったと発表した。
さらに、損傷部位付近で直径約20センチの再循環配管のキャップが脱落していることが確認され、中部電はキャップが落ちた際に細管を傷つけた可能性があるとして詳しく調べている。
海水の流入は5号機を冷温停止する過程の14日午後4時半ごろ確認された。復水器に約400トンの海水が流入し、そのうち約5トンが原子炉内に流れ込んだと推測されている。
http://sankei.jp.msn.com/region/news/110521/szk11052102120000-n1.htm
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