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http://www.47news.jp/CN/201105/CN2011053101000901.html
福島第1原発事故で、廃炉や避難者の所得補償などにかかる費用は今後10年間で5兆7千億〜20兆円にのぼるとする試算を、日本経済研究センター(東京)の岩田一政理事長が31日、国の原子力委員会で示した。
東京電力の利益剰余金や電力業界の再処理事業の積み立てを取り崩すことなどにより「事故が早く収束した場合、増税や電気料金引き上げの必要はない」としている。
所得補償は原発から半径20キロ圏内の避難者に限定し、圏外や県外の農林水産業などへの被害は入れずに試算した。
岩田理事長によると、廃炉費用が最も不確定要素が多く、旧ソ連のチェルノブイリ原発や米スリーマイルアイランド原発の事故を参考に、事故収束までに7400億〜15兆円かかると推計した。
所得補償は、福島県の平均給与から推計し、10年間続けるとして約6300億円。20キロ圏内の土地は最終的に政府が買い上げなければならなくなる可能性が高いとして、該当市町村の公示地価から4兆3千億円と見込んだ。
これらに充てる財源として岩田氏は、東電の利益剰余金と使用済み核燃料の再処理引当金、計約3兆7千億円や、年間4300億円ある国の原子力予算のうち高速増殖炉開発などを凍結させて捻出する計約2兆円、電力業界が将来の再処理事業のために積み立てる12兆円の半額の6兆円を挙げた。これらを合わせると10年間で計11兆7千億円になるとしている。再処理事業は凍結する。
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