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あっしらさんとのやり取り:注水の意義と、3号機についての推測
http://www.asyura2.com/11/genpatu12/msg/135.html
投稿者 metola 日時 2011 年 5 月 31 日 00:23:57: XbEFO1BzdtcZo
 

板新設にともなって、新しく投稿します。
あっしらさんとの対話の元記事、

Re: 「注水措置」や圧力容器の“穴”そしてメルトダウンの恐ろしさをめぐるmetolaさんとのやりとり
http://www.asyura2.com/11/genpatu11/msg/917.html
GP 917 2011/5/30 00:38:47

をまずご覧ください。

以下、●で返答いたします。

>コメント
>01. あっしら 2011年5月30日 02:53:08: Mo7ApAlflbQ6s : onVdTZ00nI
>metolaさん、こんばんは。
●こんばんは
>
>【引用】
>「●2号機は爆発の際に火炎が見えていることから、圧力による損傷だけでは
>説明がつきません(http://www.asyura2.com/11/genpatu7/msg/129.html
>)。」
>【コメント】
>参照記事は、2号機ではなく、3号機の話になっています。

●申し訳ない。私がコメントした覚えがあったので、検索して内容を確認せずに貼付けてしまいました。思い違いの可能性もあるので、再度検証します。

>【引用】
>「●地震直後、2号機の損傷が少なかったと、私もそう認識しています。そうで
>あっても、いや、だからこそ というべきかもしれませんが、注水の効果は、限定的
>であったことは否めません。」
>【コメント】
>注水の効果が限定的とは、結果論なのか、本来の機能に限界があったのか
>など、もう少し説明していただければ幸いです。

●本来の機能に限界があるという意味です。電源が回復して循環し、冷却水の漏洩箇所を潰すまでの応急処置としての意味合いしかない。あっしらさんは、蒸発量を補うと書いておられますが、本来、蒸発するということはあってはならないことです。注水そのものをするためには、炉内の圧を抜ききる必要があるがため、水蒸気が出ているくらいで騒がないでと事故当初から書いています。つまり、住人へ与える影響を考えれば満足に注水をすることは難しいだろうと思っています。

>【引用】
>「>このことから、事故後直ちに外部電源の復旧に注力していれば、最低でも
>> 2号機と4号機は現在のような惨状から逃れられたはずです。
>> (4号機原子炉建屋を爆破する必要もなかった)
>●これについても、いささか話がうますぎます。」
>【コメント】
>これも、どういう難点があったのかもう少し具体的に書いていただければ幸いです。

●これも、注水作業をどう評価しているかによると思います。応急処置に過ぎない注水にこだわるしかなかったということは、早い段階で外部電源の復旧が絶望的だったということに気がつくはずです。4号機については、正直なところよく分かりませんが、4号機単体でみれば、使用済燃料が飛散すること以外に危険性はないのでとくに注目していません。

>【引用】
>「●水をいれるのと同じことです。ボールと書いていますが、これはある程度
>小さな玉のことです。原子炉に注水するとき同時に金属の玉を入れてやれば
>いい。あるいは水無しで玉だけいれてももいいかもしれません。もちろん、詰ま
>らないように少しずつやるので、時間はかかります。もっとも、私の想定では、
>その必要はないと考えています。3号機を除いて。」
>【コメント】
>水を冷却材に使うメリットは、溶融した燃料が落ちた場所であれば妨げられる
>ことなく到達するであろうということです。
>金属球が極小であっても、原子炉内の構造物(シュラウドや支持板)などの
>存在もしくは残骸が発熱体に届くのを阻害するように思われます。
>とにかく、溶融し流れ落ちた燃料物質がどれくらいどこにあるのかが定かでは
>ないというのが難問です。

●金属の玉を注水と同じ経路で導入するのは、水の場合と同じく、溶融した燃料が落ちた場所に到達するからです。水を一緒にと書いたのは、「構造物が発熱体に届くのを阻害」するのを防ぐためです。あくまでも一例に過ぎません。極端な話をすればヘリから格納容器を満たすほどの量を投下してもいいです。ただ、それでは無駄が多いので、注水と同じ経路で導入すればいいといった程度の意味しかありません。

>水で冷却し続けているだけなら、問題を解決するどころか汚染を拡大をさせて
>しまうというmetolaさんのお考えは理解できます。

●そうなんです。早急に水棺という発想から逃れなければ、被害は深刻になり続けます。しかし。あちこちに警告しつづけても無駄だったので、いまではもうどうでもいいかなと思っているところです。すでに、これ以上悪化しようのないほどに最悪の事態になっていると感じています。

>ところで、3号機についてはあまり触れられないようにされていますが、ここで書
>かれている「3号機を除いて」を少し説明していただければありがたいです。

●3号機については、考えるのも嫌なので、あくまでもリアルタイムに感じたことをそのまま書きます。

地震後まもなくメルトダウンが始まり、水素爆発で、圧力容器等に損傷が生じ、18日か19日か忘れましたが、黒煙が立ち上るという事象が生じたときには既に、溶け落ちた燃料などが圧力容器の鋼鉄の板を溶かしていたと考えています。

そして、吹き上げた煙が、首都圏含め「黄色い粉」を降らせた可能性も否定できません(つまり事前に、「原子炉からの黒煙」と「環境放射線」と「黄色い粉」というキーワードが引っ掛かるのをまっていたわけです)(もちろん、黄色い粉はなんらかの花粉であった可能性はおおいにあります。どなたか顕微鏡写真を持っていたら教えてください)。

わたしがメルトダウン、と書いているとおり、断続的な再臨界を伴う事象であったと考えています(ちゃんとデータは見ていないですが、圧力容器は、再臨界で反応がすすめば圧力があがり、臨界から外れれば圧力がさがるということを繰り返していたはずです)。

とけおちた燃料が格納容器を突き破ったかどうかについては、格納容器も損傷していれば、一般にいわれる、「コンクリートを溶かす」必要もなかった可能性があります。そして、詳細は分かりませんが時系列から考えて、4号機の爆発は、間接的に3号機のメルトダウンと関連があると考えています。

そして、3号機ついても、現時点ですでに行き着くところまでいってしまっているから、注水の効果は極めて限定的であると考えています。政府がするべきなのは、一刻も早くウランやプルトニウム、そしてストロンチウムの飛散・拡散調査を実施することです。これをすれば私の推測が間違っているか正しいかを確認でき、今後の対策も変わってきます(例えば、すでに底が抜けて、地下に潜り混んでいるのなら、水をつかった安定化は不可能と確定します)。水素爆発があった時点でこれを実施したと報道されない以上、なにかやましいことがあるだろうと推定されてもしょうがない対応をしていると、当局は認識すべきです。政府がすべき調査やすべき措置をしなかったため、今後、一台の測定器の測定結果をもとに国賠請求されてもやむなしと判断すべきです。

以上、あくまでもリアルタイムの報道などで感じたことをまとめました。おそらく、注水の効果をどう捕らえているかを別とすれば、あっしらさんと私の私見とはそれほど変わらないだろうと思います。  

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コメント
 
01. 2011年5月31日 22:41:02: cSpYl4JDao
閉じ込めは永遠に不可能です。冷却は何のために行っているのでしょう。
塊として残っていて回収可能だと考えているからでしょうか?

地下水について、あるサイトでは次のように記しています。
>大陸地域の地下水の年齢は、アフリカのサハラ砂漠やテキサス州カリゾ砂岩では2万〜3万年という値が出ています。日本の平野部では、関東地方の地下水の年齢は、数十年から数百年と推定されています。・・・
地下水も、流れています。地表の流れの方向とは必ずしも一致しません。地下水の流れる方向は、地層の構造、地質によって規定されていますが、地下の地質は、地表のものとは一致するとは限らないからです。
 地下水の流れていくスピードは井戸を掘って実測したり、上で述べた地下水の年齢の降雨地域との距離から推測することが可能です。
 地下水の流速は、アフリカのサハラ砂漠やテキサス州カリゾ砂岩では1〜2m/年、日本の平野部では1m/日前後、武蔵野台地では3〜5m/日です。富士山麓の三島溶岩中では300〜500m/日と非常に早く、地下川とも呼ばれるほどです。
http://www1.tecnet.or.jp/earth/5Research/5_02/5_18.html
以下は、空耳、カルトに近い推測です。
汚染水は地下の深い所に圧力をかけて送られているのではないか。そのために原発近くで浅い地震を誘発しているのではないか。何万年ならしめたもの、60年でも時間的な余裕がある。
>人間が起こした地震 人間でも地震の引き金を引けるときがあるのです
http://shima3.fc2web.com/sekou9701damzisin.htm


02. 2011年5月31日 22:44:30: cSpYl4JDao
忘れた。この放射線量をどう解釈しますか?計器不良でしょうか、それともある程度現実を反映したものでしょうか?
http://atmc.jp/plant/rad/?n=1

03. metola 2011年6月01日 00:09:53: XbEFO1BzdtcZo : CKn1meLjE2
>>1
>空耳、カルトに近い推測です。
>汚染水は地下の深い所に圧力をかけて送られているのではないか。そのために原>発近くで浅い地震を誘発している

これに関しては私も不思議に思っていますが、震源の分布を見れば原発からはやや離れているので、断層がミシミシと言っているだけだろうと判断しています。
【参考】http://unit.aist.go.jp/actfault-eq/Tohoku/nairiku/index.html

>>2
壊れていないとすると、断続的に再臨界をおこしているか、測定点のすぐ近くに強い放射能を持つ燃料棒のかけらなどが水に流されてきているか、どちらかでしょうね。


04. あっしら 2011年6月01日 01:33:07: Mo7ApAlflbQ6s : onVdTZ00nI

metolaさん、こんばんは。

■ 2号機に関してのみ

【引用】
「●本来の機能に限界があるという意味です。電源が回復して循環し、冷却水の漏洩箇所を潰すまでの応急処置としての意味合いしかない。あっしらさんは、蒸発量を補うと書いておられますが、本来、蒸発するということはあってはならないことです。」

【コメント】
ECCSや原子炉隔離時冷却システムは緊急対応のもので冷温停止ができるものとは考えていませんが、「冷却水の漏洩箇所を潰すまで」という表現は気にかかります。

3月14日までの2号機の原子炉になんらかの“穴”があったとお考えなのでしょうか?
2号機だけは、地震で決定的な損傷を受けていないまま電源喪失事故を過ごしたと判断しています。

また、「本来、蒸発するということはあってはならないこと」と書かれていますが、いわゆる冷温停止の状態でもしばらくは燃料棒の周囲で蒸発が起きます。

事故後の2号機はそんなレベルですむ蒸発ではありませんが、復水(凝縮)器や熱交換器を使わない緊急避難的注水状況ですから、蒸発量を補う注水で燃料棒を冠水させ続けることが、電源が回復し本来の冷却システムが稼働するまでの間、何より必要な手立てだったと考えています。


※ 3号機や金属冷却に関してはお考えをより理解しました。


05. metola 2011年6月01日 22:24:48: XbEFO1BzdtcZo : ZjyxNoWyE6
>3月14日までの2号機の原子炉になんらかの“穴”があったとお考えなので
>しょうか?>>2号機だけは、地震で決定的な損傷を受けていないまま電源喪失事故を
>過ごしたと判断しています。
●はい、わたしも2号機には、大量の冷却水が失われるような損傷はなかっただろうと思っています。

>また、「本来、蒸発するということはあってはならないこと」と書かれていますが、
>いわゆる冷温停止の状態でもしばらくは燃料棒の周囲で蒸発が起きます。

●わたしの書き方が悪かったのかもしれません。わたしは原子力の専門家ではないので、頭の中に描いているのは、あくまでも原子炉を一般的な「反応炉」のブラックボックスとみなしたモデルです。それで、圧力容器の損傷を絶対にしてはならないという第一の要求と、圧力容器内の「猛毒の生成物」を「極力」出さずに安定化させなさいという第二の要求があったという場合を想定しています。
ちょっと長くなりますが、概念を説明します。(概念なので枝葉末節は省略しています)

崩壊熱ーで、炉心からは、圧力容器全体の表面からの放熱量よりも多い熱量が出ている。それを水で冷やしているというところです。

まず、重要なパラメータは、圧力容器の「温度」と「圧力」です。これが、圧力容器の損傷をもたらすものであってはいけません。

次に重要なパラメータが、炉心の温度で、これが炉を構成する物質の融点を上回ると、そこから融けはじめて、やがて全体が破損します。ところが、これを計る計測器が今は備わっていない。それで、炉心を冷やしている水の「水位」と、圧力容器の温度から、炉心の温度をざっくりと見積もるということになります。見積り方は簡単で、圧力から、水の「沸点」が計算できます。それで、水に浸かっているところは、その表面が水の沸点近くまで上がっていて、内部に進むに連れて、発熱量に見合った温度上昇をする(さらにいうと、燃料棒は細長いので、クリティカルな条件でなければ内部まで計算しなくてもいいです)。水のないところについては、水蒸気の熱伝達率はすこぶる悪いので、やはり水に浸かっているところの表面の温度を基点として熱伝導問題として計算できる、といった具合です。

それで、普通は、水位の多少の上下で一喜一憂するんです。でもそれはあくまでも、早急に復帰するという見通しで物事を議論しているからです。今回の場合、早急に復帰するという見通しは絶望的だった。それで、そもそも「炉心からは、圧力容器全体の表面からの放熱量よりも多い熱量が出ている」ため、放っておくと圧力容器内の水は、内部の圧力が圧力容器を損傷させるところに行き着くまで、「沸騰」し続けるんです。(現象の様子から蒸発ではなく、沸騰と書きます)

そういう理由もあって、わたしは、水位はどうでもいいと最初に書いています。圧力容器を密閉している限り、注水しても、それが沸騰するところまで圧力があがるだけの話。やがて圧力容器の限界が来て、それ以上水位は上がらない(上げられない)というところまでいくでしょう。それで、圧力容器のガス抜き(ベント)をすることが重要になるわけです。

つまり、注水はベントという作業を前提として効果がある。すなわち、圧力容器の圧力を抜いて、「蒸発」させることになります。そして、蒸発によって失われた量を補うだけ、水を注入する。

そしてここで、第二の要求 − 圧力容器の中のものは極力 外に出してはならない − が効いてくるわけです。それで、「本来、蒸発するということはあってはならないこと」だと書いたわけです。だから、注水作業は満足に実行できないことになります。

わたしの観察が正しければ、現場は徹夜の作業をやっていて、真夜中に大量の湯気を出しながら、圧力容器の手動弁を解放しています。これは、注水を円滑に進め、圧力容器が破裂するのを防ぐためでしょう。とはいえ、これを真っ昼間やると目立ちすぎてしまう。ただでさえ、放射能汚染で批判が集中しているので、十分にガスを抜くことは難しかったのではないかと想像しています。事故当時の、「直ちに健康被害ない」というのも作業を進めるための方便で警告は十分与えられているのだから逃げればいい、というコメントは、こういった事態の進展から書いたものです。また、京大の小出について否定的なコメントをしていたのも、この注水作業についての見方が関係しています。

ここに書いたことは、一部の人にとってはかなり衝撃的な内容だと思うので、引用等は控えていただけると助かります。


06. あっしら 2011年6月04日 13:51:42: Mo7ApAlflbQ6s : onVdTZ00nI
metolaさん、こんにちは。

政局騒動にかまけてレスが遅くなり申し訳ありません。

お考えよくわかりました。

後半部の引用は控えることにします(笑)

またの機会にあれこれお話しできることがあればと思っています。


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