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<原発撤退へ 立地県はいま>島根原発 10キロ圏内に県庁・中枢施設/住民の不安増大/知事も「結構とはならない」
「しんぶん赤旗」 2011年5月30日付 3面
東京電力福島第1原発事故の収束への道のりが見えないなか、全国で唯一県庁所在地にある中国電力島根原子力発電所(松江市鹿島町)に注目が集まっています。半径10`圏内に県庁、原子力防災センターなど中枢施設を抱え、地震・津波対策の不備も露呈。原発を推進してきた側からも慎重意見が噴き出しています。 (内田達朗)
東日本大震災と福島原発の事故を受けても中国電力は強気のままです。中国電力は3号機の建設を進め、2号機ではプルサーマル発電(ウラン・プルトニウム混合燃料を使用)の2015年度までの開始を計画。山下隆社長は3月28日、島根原発でのプルサーマル発電実施や原発の増設をこれまでどおり進めると表明しました。
一方、プルサーマル発電を了承(2009年)するなど原発を推進してきた溝口善兵衛県知事は違います。4月11日、プルサーマル発電について「了承持と状況が違う。新しい知見に基づいた検証が必要」とし、定期点検中の1号機の運転再開や3号機運転開始は「新しい知見に沿った対応がないと県として結構です』とはならない」と態度を変えました。
直近に宍道断層/訂正を繰り返す
福島原発事故で多くの住民が長期にわたって困難な避難生活を強いられているニュースが大きな影響を与えているのは間違いありません。とくに島根原発は、半径30`圏内に島根県松江、安来、雲南、出雲の4市と東出雲、斐川の2町、鳥取県境港、米子の2市があり、約42万人が暮らしています。出雲、米子の2空港、JR山陰線、出雲大社なども圏内です。10`圏内には、県庁、原子カ防災センター、県警察本部、松江市役所、島根大学など主要施設が集中しています。
松江市で22日に開かれた「原発問題を考える集い」(主催・日本共産党島根県委員会)に参加した米子市の男性は「島根原発で事故が起きれば…。福島原発事故は人ごとではない。不安でたまらない」と訴えました。
島根原発の危険性を県議会で追及してきた日本共産党の尾村利成県議は「陸域・海域の活断層の徹底した調査をしなくてはなりません」と強調します。
中国電力は建設当初、対策が必要な活断層は「ない」としてきましたが、98年に原発直近の「宍道断層」の存在を認めました。長さ「8`」と発表後、2004年には10`、08年には22`と訂正を繰り返してきました。
日本共産党は中国電力に対し、海域・陸域での活断層調査の実施、危険なプルサーマル発電中止などを求めてきました。専門家も、断層の全長が30`を超え、マグニチュード(M)7クラスの地震が起きる可能性などを警告しました。中国電力は調査地域を原発から半径30`の範囲に限定し、専門家から「不十分。信頼できない」と批判されています。
不正・不祥事を繰り返す中国電力の体質にも、住民は不信を強めています。同社は島根原発での511カ所の点検漏れを、昨年3月に発覚するまで1年間隠ペい。法令違反やデータ改ざんなどを繰り返してきました。
社長自身が「隠ペい体質やおごりがある」と言う事態に、県民から「もう中国電力は信用できない」「原発を運転する資格など無い」などの声が上がりました。原子力安全・保安院も商業原発の5段階評価で島根原発の安全・保守管理体制の評価を最低の「1」としました。
中国電力に不信/「撤退へ声広く」
23日に島根原発を調査した日本共産党の吉井英勝衆院議員は「政府は今年1月、島根原発で30年以内に震度6強以上の地震が起きる可能性を0.0%としたが、福島も同じ0.0%だった。活断層が連続して動いたときにどうなるかを含め徹底した調査が必要だ」と述べ、「地震動で建屋・機器が損傷する可能性があり、最悪の事態を想定して対策を急ぐべきだ」と指摘します。
中国電力は23日、津波の引き波をマイナス5.7bと想定する一方、1号機はマイナス2.4b」2号機はマイナス3.5bで冷却ができなくなると明らかにしました。
原発の総点検、プルサーマル発電中止を求めてきた「島根原発『30`』住民運動」の石橋寛事務局長は「原発を受け入れてきた住民からも『国や中国電力の言うことは信用できない』との声が出ています。宣伝・署名を広げ、原発からの撤退を求める声を広げていきたい」と話します。
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島根原発(島根県松江市鹿島町)▽1号機=1974年3月運転開始。沸騰水型炉、出力46万キロワット。現在、定期検査のため休止中▽2号機=89年2月運転開始。沸騰水型炉、出力約82万キロワット。2015年度までのプルサーマル発電開始を計
画▽3号機=12年3月に運転開始を予定。改良沸騰水型炉(浜岡原発5号機などと同じ)、出力137万3千キロワット
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