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「独立性と公開性」に疑問が残る原発事故調査委員会の前途多難
http://diamond.jp/articles/-/12441
【第83回】 2011年5月27日 田中秀征政権ウォッチ :ダイヤモンド・オンライン
■注意すべき「事故調査・検証委」の人選
■“原子力村”の住民は排除を
福島第一原発の「事故調査・検証委員会」の設置が閣議決定され、5月中にも発足する見通しとなった。
委員長には畑村洋太郎・東大名誉教授の就任が決まり、委員は10人程度、原子力の専門家や法曹界から選び、事務局長は現職検事から起用するという。
注意すべきは、まず委員の人選だ。“原子力村”に参加していた人たちは排除して選ばなければならない。
原子力村の主要な構成員は、(1)資源エネルギー庁や原子力安全・保安院に在籍していた関係閣僚やOB、(2)東京電力をはじめ電力会社の経営者やOB、(3)政府や電力会社と関係の深い原子力学者、(4)原発推進派の族議員、(5)電力労組の役員やOB、である。
これらの人たちは、今回の調査・検証の対象であるから、言わば被告席側にいる。調査・検証委員会に入ると、被告が検事や裁判官役も兼務するようなことになり、検証結果の信頼性が疑われる。
当然のことながら、政府もその意向だが、人選が明らかにならなければ評価はできない。
■なぜ“三条委員会”にしなかったのか
■強制力なき調査では「国の信用」が落ちる
また、この調査・検証委員会の権限も気になるところだ。内閣官房に置くということだが、それでは1つのプロジェクト・チームのようになる恐れもある。
菅直人首相は、以前から「独立性や公開性の高い検証委員会をつくる」と豪語してきたが、また約束違反をしたようだ。
「事故調査・検証委員会」は内外から強い関心を持たれている。特に諸外国はその調査結果に注目している。注目点は2つある。1つは調査結果だが、もう1つは、日本政府は断固として調査・検証を進めることができるか、ということ。
やはりこの委員会は、公正取引委員会のような行政組織法上の“三条委員会”にすべきであった。設置法を国会で通し、委員の人選も国会の同意人事として、首相の言った通り「高い独立性と公開性」を確実なものにする必要があった。強制力のある調査権限を与えなければ、徹底した調査・検証をしようとしても限界がある。
首相は、公約をひるがえしてこのような委員会を大きく格下げにした理由を説明する責任がある。
おそらく首相は、「三条委員会」にしようとすると設置と人事に時間がかかると弁解するだろう。しかし、理由は他にあるのではないかと疑われるはずだ。
ひょっとすると首相は、強制力を持つ委員会から自分自身が調査・検証の対象とされるのを避けたのかも知れない。
仙谷由人官房副長官の記者会見で次の2点が気になった。
1つは、わざわざ菅首相や閣僚も調査の対象となると言ったこと。次に「調査を求められれば、正当な理由がない限り資料提出や事情聴取を拒むことはできない」と言ったこと。これでは疑問や異論をあらかじめ封じ込める意図があるような感じを与える。
この「事故調査・検証委員会」の果たす役割の重要性は測り知れないものがある。
このままでは、とても内外から期待される成果を挙げることはできないのではないか。中途半端な検証だと、政権の信用というより国の信用が落ちる。
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