http://www.asyura2.com/11/genpatu11/msg/702.html
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(もう、こんな投稿、やめたいよ(泣)。東電・政府・大手メディア幹部・学者など専門家のほとんどは、立花隆さんの「田中角栄研究」に対し知ってたことだとうそぶいたように、“1号機の地震瓦解”はわかっていることなんだからね。心あるひとは立ち上がって欲しいと心から願う。ひとりじゃクタクタだよ!)
東京電力及び原子力安全・保安院は、あれだけの原子力事故を引き起こしとんでもない災厄を今なおまき散らし続けている責任主体だというのに、従来とまったく変わらず、事実を隠蔽し国民を欺き自分たちの都合のいいほうに世論を誘導するため、とうてい黙過できないほどのとんでもない情報操作を行っている。
この間の大手メディアと合同で行っている“事故分析”ムーブメントや23日発表の東電レポート(今朝投稿関連)で危険な腐臭を感じていたが、政府(経産省・保安院)も、東電にシンクロするように(どちらがリーダーかは当然..)、“希望”の方向での事故分析総括に向けて地ならしを強化している。
保安院発表の「地震被害情報(第148報)5月24日12時00分現在」のなかに驚くべき記述がある。
「3.原子力安全・保安院等の対応」のなかのP.2:
「【5 月24 日】
原子力安全・保安院は、5 月23 日に東京電力(株)より受領した福島第一原子力発電所に係る運転記録及び自己記録等の分析及び影響評価に関する報告を踏まえ、以下のとおり評価した。
地震発生時に各プラントは正常に停止するとともに、地震による外部電源
喪失後に非常用ディーゼル発電機は正常に起動した。冷却機能についても
正常に機能していることを確認。しかし、津波の到達により、全交流電源
を失った上に、バッテリー、配電盤等の電源系も被水・冠水したため、電
源喪失期間が長期に渡り、現在の深刻な事態に至ることとなった。」
http://www.meti.go.jp/press/2011/05/20110524006/20110524006-1.pdf
なんと、“評価”責任者である保安院は、地震直後の1号機について、「冷却機能についても正常に機能していることを確認」と説明しているのだ。
保安院が“正常”と評価しそう宣言した根拠を探すためにいろいろ駆け巡ったら、東電のサイトで、「福島第一原子力発電所内外の電気設備の被害状況等に係る記録に関する報告を踏 まえた対応について(指示)に対する報告について(PDF 6.00MB)」なる資料が見つかった。
(URL:http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu11_j/images/110524d.pdf)
68ページにも及ぶがそれほど重い内容ではなく、事故発生当時の“生の一次データ”らしきもの(信頼を失っているからね)もふんだんにあり、なかなか貴重な資料なのである。
外部電源を失った経緯や原因が最初に述べられ、以下、号機別に地震発生時点の生データが掲載されている。
【1号機関連主要データ】(下記リストの5つは是非ともお読みいただきたい)
P.12:「プラントデータによる所内電源設備の挙動について」
P.15:1号機の地震発生時のパラメータ記録のプリントアウト
P.20:「当直長引継日誌」
P.57:「所内電源設備の挙動に基づく被害の分析について」
P.62:「1号機イベントデータ時系列表示」
この資料を読むと、保安院が「冷却機能についても正常に機能していることを確認」した根拠が、地震後津波前の格納容器スプレイ系の起動でしかないことがわかる。
そう、4時間も経たないうにメルトダウンすることになる炉心(燃料)が入っている原子炉圧力容器ではなく、その外側の格納容器上部からシャワーを降らせる冷却系が起動したことをもって、1号機の冷却機能が正常だったとノタマッているのだ。
(舌を出しながらか、会社や組織のためだと割り切ってかはわからぬが)
原子炉がスクラムで高温停止したのだから格納容器も冷やしたほうがいいのは当然だが、肝心な冷却は炉心の崩壊熱を除去するためのものだ。
(格納容器スプレイ系が起動した時刻(15:05)は、すでに、原子炉に繋がっている再循環パイプの“穴”から高温高圧の蒸気と高温の水が格納容器に漏れだしている。そのために起動した可能性もあると疑っている)
当該資料のP.58で2号機について、「非常用高圧配電盤の負荷として残留熱除去系のポンプ(RHR(A)及び(C)ポンプ)が地震後に起動している」と説明している。
しかし、1号機については、P.57で「格納容器スプレイ系(A)系及び(B)系ポンプが地震後に起動している」と書きながら、2号機とは構造が少し違うが装備されている外部電源喪失時の残留熱除去系の電源である非常用高圧原電について、「ディーゼル発電機や非常用高圧配電盤が、地震後正常に動作していることから、直流125V電源設備(1A、1B)は地震後健全であったことが確認できる。その後、津波により被害を受けたものと考える」と説明するのみで、1号機の残留熱除去系が起動したのかどうかにはまったく触れていない。
格納容器スプレイ系が起動したことをもって「冷却機能についても正常に機能していることを確認」と評価する“専門家”は末代まで恥をさらすことになる。
(恥を知らないとしか見えないひとたちにこんなことを言ってもむなしいが...)
日本における原発を今後どうしていくのかは、今回の福島第一の事故を踏まえてみんなが考えることになる。
1号機の無惨な結末が津波を原因としているなら、あんな大きな津波は何百年に一度かもしれず、防潮堤や予備電源の高台配置など対策をしっかりやっておけば乗り切れるかもしれないと判断するひとも多いかもしれない。
しかし、原因が津波ではなく、その前の震度6強の揺れで配管が損傷し、冷却材(水)が漏れ出し始め、緊急時の仕組みでの注水もほとんどできず大量の水漏れと蒸発が進み、わずか地震から4時間後にはメルトダウンが始まったという事実を知れば、地震列島日本における原発の存在をどのように考えるかまったく違ってくるはずだ。
このような投稿をしたからといって事態や動きが変わるとは思っていないが、誰か一人だけでも声を上げていただけることを願って終わりにしたい。
お願いだから、もう少しだけまっとうな事故分析を発表してよ。
※ 参照投稿
「1号機は津波ではなく地震による損傷でメルトダウン:再循環パイプの破損で津波前から毎時25トンの冷却水漏れ」
http://www.asyura2.com/11/genpatu11/msg/584.html
「衆議院予算委員会の審議でみたグラフをもとに「1号機問題」を補足:ますます見えてくる管政権の国民軽視のエセ言動」
http://www.asyura2.com/11/genpatu11/msg/625.html
「ふざけるな!ナメルな!1号機「非常用復水器」停止問題:この期に及んでもウソをつく東電と同罪か無能の枝野長官」
http://www.asyura2.com/11/genpatu11/msg/361.html
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