http://www.asyura2.com/11/genpatu11/msg/625.html
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今日の衆議院予算委員会の審議で見たグラフをもとに、昨日投稿した1号機問題の内容を少し訂正、補足させていただきたい。
「1号機は津波ではなく地震による損傷でメルトダウン:再循環パイプの破損で津波前から毎時25トンの冷却水漏れ」より引用:
「20:00頃に全部の炉心がメルトダウンを始めたと言うことだから、16:41から3時間20分後ということになる。マイナス5mで燃料棒は全部露出することになる。
上記の計算では5m−0.9m=4.1mが毎時2.25mで下がるので1時間50分後に全炉心露出になるが、燃料の露出が始まってからは、燃料棒まわりの水が少なくなるので蒸発量が減り、崩壊熱は過熱水蒸気の発生に多く回るようになるから、水位の低下は冠水しているときよりも減少するので3時間過ぎなのかもしれない。」
(http://www.asyura2.com/11/genpatu11/msg/584.html)
衆議院予算委員会で公明党斉藤代議士(菅首相と大学が同じで細野氏絡みで電話云々が出た人)が、原発事故絡みの質問で使っていたグラフ(東電が15日に配ったものらしい)に1号機の地震後の原子炉圧力容器の水位変化が載っていた。
地震直後に水位が2、3度激しく上下し、午後6時過ぎに全炉心が露出するマイナス5mまで一直線に低下していく事故直後の1号機原子炉の無惨な経緯が示されたグラフである。
そのグラフをベースに考えると、全炉心が露出したのが16:41から1時間50分後の18:30と考えて問題ないようだ。
そして、温度上昇の傾向から、メルトダウンが始まったと考えていた午後8時には、全炉心が溶融を終わらせていたと見方を変えたほうがいいだろう。
そうなると、事故発生当日の菅政権の対応は、国民(周辺住民)の安全をまったく無視したとんでもないものであったことがあきらかになる。
3km圏内の住民に避難指示を出した午後9時23分の時点は、1号機のすべての燃料のメルトダウンが終わった後であり、“水素爆発”や“水蒸気爆発”といった次なる危機が明確に見えていたときである。
国民(住民)の安全を第一義として考えるのであれば、午後8時半までには、30km圏内レベルの人々に避難指示を出さなければならなかったのだ。
時刻的にも、午後9時過ぎくらいまでなら子供を含む避難も無理なくできるが、夜中に危機的な事態が発生したら、それこそ、大混乱(パニック)に陥ってしまい避難行動自体で負傷者のみならず死者まで出かねない。
3km圏内避難を説明した午後9時半前の記者会見でも、枝野官房長官は「万一のためでありまして・・・」と悠長に説明し、周辺住民を不安感のなかで朝まで居続けさせ、朝になったら(5時44分)どたばたと避難指示を10km圏内に拡大し、20km圏内に避難指示を出したのはなんと“水素爆発”が起きた後の午後6時25分である。
国民のパニックを避けるというお題目を共有した管政権は、ただただ事故を小さく見せることだけを考えて対応を選択したということだ。
週刊新潮は5月26日号の29ページ『福島原発「メルトダウン」の後始末』という記事の冒頭に「1号機の炉心は大半が溶融していた―――と、事故発生直後に聞いたなら、わが国民はパニックを起こしたに違いない。」と選民意識丸出しで書いているが、その記事を書いたひとの頭のなかほどのパニックになる国民は少ないと思うし、パニックにならないようにきちんと説明しできるだけの安全対策を実施するのが政府の努めである。
少し前になるが、原子力安全委員会の班目委員長や菅首相が「水素爆発が起きるとは考えていなかった」としらっとウソをついたのは、“水素爆発”や“水蒸気爆発”が起きる可能性を予見していながら、それに対応して十分な住民避難策を採っていなかったことを責められるのがイヤだからに違いない。
あまりどうでもいい海水注入停止問題では、「再臨界を言うはずがない。私の原子力に関する知識をばかにしている。侮辱もいいところだ」と怒って見せた班目委員だが、11日から12日にかけての1号機で“水素爆発”の可能性を本当に考えていなかったとしたら、海水注入停止問題よりずっとバカに思われ侮辱される話だと言っておきたい。
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