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スッタモンダの交代劇 東電社長、最後まで“トンズラ”
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20110521/dms1105211609009-n1.htm
2011.05.21 夕刊フジ
注目されていた東京電力の役員人事。福島第1原発の事故直後、体調不良で入院するなどトップ不在の異常事態を招いた清水正孝社長(66)が、6月28日の株主総会で引責辞任することになった。後任には西沢俊夫常務(60)が昇格するが、「会社がこんな状況では誰もやりたがらない」(東電関係者)と水面下では、やはりスッタモンダがあったようだ。
20日午後3時半、都内の本店。水色の作業着姿の清水社長が次期社長に内定した西沢常務ら役員4人とともに会見場に現れた。カメラのフラッシュが一斉にたかれるなか、清水社長は深々と頭を下げ、福島第1原発事故の被害者に謝罪。「広く社会に迷惑をかけたことを鑑み、経営の責任を取った」とこのタイミングでの辞任を疲れ切った表情で説明した。
清水社長の辞任は経営責任というより「退かなくてはいけないほど体力、精神面で疲弊していたため」(民主党関係者)と、体力面での限界が真相だった。
勝俣恒久会長(71)は当面留任し、事故対策にあたるが、新社長人事が固まるまでモメにモメたという。
「こんな時期に社長になりたいなんていう役員はいない。外部からの招聘案もあり、一時は資生堂の相談役の名も挙がったようだが、結局、内部昇格させるしかなかった。西沢さんはいずれは社長になるとみられていたが、それは事故前の話。本人としてもまさかこのタイミングで…と思っているはず」と東電関係者は語る。
西沢常務は、勝俣会長の右腕として企画部門を歩み、電力自由化が進む中で、経営戦略の立案の中心になってきた。経済産業省を中心に、霞が関や政界に広げた人脈にも定評があり、清水社長は「課題が山積する中で粘り強い信念を持って取り組んでくれる」と起用の理由を説明した。
見えない事故の収束、難航を極める賠償問題、2011年3月期連結決算で1兆2473億円という巨額赤字に陥り大揺れの経営…。粘り強い信念の持ち主とはいえ、この課題を一体、どうクリアしていくのだろうか。
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