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http://www.vec.or.jp/2011/05/20/column_048/
第48回「福島原発事故〈知らぬではすまない自衛のためのデータ集@〉、ベクレル→シーベルト」
●シーベルト値は積算していく点に注意
●線量換算係数(ベクレル→マイクロシーベルト)
食べた(経口)、吸った(吸入)ことにより体内に入った放射性物質(核種)の一般人70歳に至るまで全身の内部被曝の影響を「生涯線量」という。生涯線量を知るための「線量換算係数」は放射性物質により、また年齢により異なる。あくまで目安、参考値だが、それぞれの核種1ベクレル(Bq)を経口、吸入した場合(カッコ内は5〜10歳に適用)、それが何マイクロシーベルト(μSv)に相当するかを知ることができる。ICRP(国際放射線防護委員会)の数値を転用。簡易的にはセシウム137、ヨウ素131については経口1ベクレル(Bq)=0.02マイクロシーベルト(μSv)。
経口 吸入
セシウム(Cs)137 0.013(0.098) 0.0086
ヨウ素(I)131 0.013(0.093) 0.0082
ストロンチウム(Sr)90 0.035 0.006
プルトニウム(Pu)239 0.97 120.0
これをみると、5歳から10歳時では、放射線が身体に与える影響が著しく高くなっていること、またプルトニウム(Pu)239は、経口、吸入とも換算係数は極めて高く、非常に危険な物質であることがわかる。個々の食事によって摂取したシーベルト値の算出については次回。
●1000マイクロシーベルト(μSv)=1ミリシーベルト(mSv)
1000ミリシーベルト(mSv)=1シーベルト(Sv)
●参考までに、チェルノブイリ事故では、当時のソ連は生涯線量として350ミリシーベルト(mSv)を採用。これは1年間に5ミリシーベルト(mSv)を70年間取り込むものとして算出された。
●現在日本での一般人の許容値は1年間で1ミリシーベルト(mSv)、一生涯で100ミリシーベルト(mSv)となっている。1年間に受ける線量1ミリシーベルト(mSv)は、365日1時間当たりでは0.14マイクロシーベルト(μSv)となる。
●100ミリシーベルト(mSv)多く放射線を浴びるごとに、がんになる確率は0.5%づつアップする。
【解説】いい例えではないのだが、いま、アルコール濃度がそれぞれ5%のビール、10%のワイン、20%の焼酎があるとする。100ml入るコップでお酒を飲むと、ビールでは2ml、ワインでは10ml、焼酎20mlのアルコールが体内に入る。それでは、それぞれのお酒から1ml分だけのアルコールを摂取しようとすると、ビール50ml、ワインでは10ml、焼酎は5ml飲めばよい。つまりビール50ml、ワイン10ml、焼酎5mlはどれを飲んでも体内に入るアルコール量は等量で1mlとなる。この1mlを身体が吸収する放射線量(1シーベルト)と読み替え、ビール、ワイン、焼酎をさまざまな放射性の核種と読み替えると、「線量当量」という「シーベルト」の単位を理解することができる。どの核種でも生体に与える影響を同じにして眺めようというのがシーベルト単位の主旨。
これによって、どんな線種でも1シーベルトは生体1kg当たり1ジュールのエネルギー効果を与えるという形で統一される。それぞれの臓器については、「組織荷重係数」がまとめられ公表されている。
体内被曝では、放射線の吸収の仕方は、各線種によって異なっている。「放射線荷重係数」と呼ばれるもので、β線やγ線の1に対して、α線やあるエネルギーの中性子線は20。つまり受けた放射線量を核種によって、これだけを重くみる。
“アルコールの濃度”に相当する核種の放射能は、それぞれ1グラム当たり、米に蓄積しやすいストロンチウム90で5兆3000億ベクレル、筋肉に入りやすいセシウム137で3兆6000億ベクレル、牛乳に入りやすいヨウ素131は4兆6000億ベクレルとなっている。
(多摩大学名誉教授 那野比古)
2011年05月20日
第48回「福島原発事故〈知らぬではすまない自衛のためのデータ集@〉、ベクレル→シーベルト」
シーベルト値は積算していく点に注意
2011年05月10日
第47回「今夏猛暑なら大停電?‐中小企業これを契機にコスト削減にもつながる節電、省電に注力」
電力ほど典型的なフロー製品はない。ストック、在庫はまったくきかない。精密な需要予測に基づいたリアルタイム生産が行われる。しかし需要が生産能力を上回るとお手上げだ。揚水発電などわずかなストックも焼け石に水で、産業界をゆるがす大規模停電が発生する。
2011年05月02日
第46回「米国でも福島第一1号機と同型炉で「外部電源喪失」事象−巨大竜巻が送電線を破壊」
日本ではあまり報道されていないが、去る4月27日、竜巻としては最大級カテゴリーF5のトルネード(米国では陸上の竜巻はトルネード、海上のウォータースパウトと分ける)が米南部6州を襲い、アラバマ州北部にあるブラウンズフェリー原発では3基の原子炉で外部電源が喪失する事態が発生した。この原子炉は、現在問題となっている東京電力福島第一原発の1号機と同じ米GE社製のマークT型沸騰水型炉(BMR)である。
2011年04月22日
第45回「ベンチャーの独創に期待‐原発事故で注目「水素爆発警報器」水素エネ時代にも必須」
今回の東京電力福島第一原発で一躍注目を集めたのは水素爆発。水素は空気中に3〜4%以上含まれると爆発をおこす。特に容積比で水素2対酸素1は爆鳴気として知られている。
2011年04月19日
第44回「“ガラパゴス原発国”日本‐再循環ポンプなど福島第一原発事故での基本的な疑問点」
原発事故はひと口に「規定外」といっても、その結果がもたらす被害がケタ違いに巨大なものとなることは誰でも想定できることで、想定外はあってはならないという安全思想が欠けている。
2011年04月12日
第43回「再び世界初「外部電源喪失」事故について‐原子力・安全保安院も2台以上非常用電源確保を指示」
本欄第36回の冒頭に、筆者が多摩大学で持つ講座「先端技術論」において、「外部電源喪失」は原子力発電所がもつ最大の弱点と口酸っぱく話していると書き、3重、4重の安全性が必須と指摘した。
2011年04月06日
第42回「海の中を流れる大河‐懸念される放射能汚染の国際問題化」
東京電力は3月4日、低レベルの放射能汚染水1万1500tを太平洋に投棄することを決めた。全体でどのくらいの放射性物質が海に流されるかは、低レベルというのみで明らかにされていない。
2011年04月04日
第41回「異なる損傷ステージの初の同時多発複合事故‐運転停止直後の炉内余熱は熱出力の何と7%」
本欄では、今回の東京電力福島第一原発の事故について、「史上初の外部電源喪失事故」、「残留熱除去系の回復に期待」など事故の本質についていち早く取り上げてきたが、本欄は興味本位の話題の提供が目的ではなく、あくまで客観的な信頼ある資料・データに基づいている。
2011年04月01日
第40回「姿を現した黒幕「プルトニウム」―危険な肺への沈着」
福島第一原発では3月15日、正門近くで中性子線を検出との報告があり、やがて土壌からプルトニウムが検出された。
2011年03月28日
第39回「災害地内外で活躍する中小・ベンチャー企業―義援金拠出者すべてを掲載する地方紙」
東日本巨大地震では、社会ストックが大幅に失われた。1995年の阪神淡路大震災では、道路、橋梁、護岸、港湾、建築物などで9.9兆円が失われたとされているが、今回の巨大地震ではこれが20兆円以上に達するとの試算もある。
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