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原発事故だけで頭がメゲメゲなので、政治や経済(財政)のことは無視しようと思ってきたが、一言だけ書かないと気分がすっきりしないので雑な一文だがよろしく。
この間の原発事故賠償スキームにまつわる管政権の動きの後ろで、大多数の国民以外の東電ステークホルダー(株主・銀行・役員・従業員・退職者・社債権者・取引企業など)の高笑いが聞こえてくる。
菅首相は、東電福島第一の原発事故がまき散らしている放射能で受ける損害の賠償について、「最後まで国が面倒を見る」と胸を張っている。
そして、その言葉は、あまりものごとを考えようとしないひとたちには、魅力的で心優しいすばらしい政策のように受け止められているようでもある。
政治に関する日本のメディアの表現ですごく違和感をもつのは、「中央政府」を“国”と呼ぶことだ。
国=中央政府という“誤解”や“偏見”に基づく表現だろうが、私のような共同体主義的愛国者には実にイヤな表現だ。中央政府は国を構成する一要素でしかない。
大手メディアは、自覚しているかどうか知らないが、政府=国であるかのようなデタラメ表現を毎日ふりまくことで多くの国民を洗脳しているのだ。
国=中央政府という“錯覚”を押しつけているから、政府の政策に反対することが反日だとか非国民であるかのように勘違いする人まで出てくる。
(民主党は伝統的支配層の流れをそれほどくんでないから、民主党政権自体が反日のように思われているところもあるが..)
話が飛んだが、ちょっと冷静になれば、菅首相が「最後まで国が面倒を見る」と胸を張るのはおかしいことに気づくはずだ。
菅直人個人や民主党が面倒を見るということなら別にかまわないが、国が面倒を見るというのは「国民(&納税法人)」が面倒を見るということなのだから、一企業が引き起こした大災厄の賠償問題で軽々しく語れるようなことではない。
もちろん、東電という企業の特殊な性格を前提に、中央政府が東電の賠償責任を管理監督し成し遂げさせるということには反対どころか積極的に行うべきだと考えている。
しかし、管政権の賠償スキームの考え方や「最後まで国が面倒を見る」という公言は、政府と民営東電が運命共同体というか一蓮托生の賠償主体組織になることを意味しているように見える。
その何が問題かと言えば、政府までが事故の被害をできるだけ小さくしようと動いてしまいがちということである。
「少々の放射能は安全」という枝野長官のご託宣が決定打だと思うが、野菜をはじめとした農産品の放射能汚染から海洋生物の汚染、学校をはじめとする土壌汚染など、この間の管政権の判断や動きを見ていると、賠償や移転などの代替え措置費用などの負担をできるだけ小さくしたいという思惑が透けて見える。
それが人々にも伝播して補償はなかなかしてもらえないと思わせているせいか、農業者などが「放射能まみれの食品を平気で売りたがる狂気の商人」に思われてしまう事態を生んでいる。
マグロではなくオールMOX燃料の原発を大間に求める民主党岡田幹事長の「放射性物質の基準で厳格さを求めすぎ」という発言はともかく、福島や茨城の農家(農協)や県政府が出荷規制の緩和を求めたり、高濃度に汚染された飯舘村からわずかに北に離れた地域を抱える宮城県が野菜の検査をネグったり、千葉でサンチュやほうれん草の“闇出荷”が行われたり、お茶では静岡以東の産地が検査拒否でダダをこねまくるという醜態まで見せている。
このような事態は、管政権が予め被害が発生しそうな産品をリストアップし、その被害の補償は、迅速かつ従前の市場価格で行うと宣言しておけばほとんど起きなかったはずだ。
善良とまでは言わないが、日本の食を支えている人たちをとんでもない悪徳商人のような立場になるまで追い詰めている管政権は、日本を破壊する輩だと断じる。
東電の清水社長は、「資金がショートして公平で公正な補償の支払いができなくなるから管政権の補償スキームで早く今国会で成立してほしい」と国会で厚かましくも語っていたが、銀行への利払いや自分たちの報酬や給与(当座仮払い半額とか)の支払いを止めることをやっているのか?やっていない。
事故後最初の東電の給料日である3月25日以前に、東電が事故で避難生活を強いられている人たちへの賠償金の第1回仮払いを行うかな?と思ってみていたが、まったく頓着なしなしのつぶてだった。
まあ、どうしょうもない企業体質、あれだけの事故を起こしても蛙の面に小便といった会社=役員たちなのだ。
15日(日)のテレビ朝日「サンデー・フロントライン」で、玄葉国家戦略担当大臣=民主党政調会長が賠償スキーム問題で発言していたが、そこでもとんでもない論理が披瀝されていた。
東電の一時国有化に関して「東電への請求権がなくなり税金をつぎ込むことになってしまう」と説明した。
大笑いである。
東電は、現代生活の必需物である電力を地域独占でしかも売上高5兆円超規模で商っている大企業なのだから、“最後まで政府が面倒を見る”というのなら、それを国有化して、確実で迅速かつ正当に賠償できる態勢にすることこそが“全面的で最高の請求権の行使”なのである。
すべてを国家のものにしてしまう以上の請求権はないのであり、それでもなお賠償金が不足するというのなら、それこそ「国策原発」なのだから、政府が追加負担をすることになる。
東電の株式配当の総額は年間約800億円(09年度)である。
さすがにそれまでは無配だが、事故の賠償は終わったからといって、はい利益配分をいただきますという不埒な行為を許すわけにはいかない。
それ以上に、会社は株主のものなのだから株主が責任をとるのは当たり前の話である。
(このような事故を起こさないよう奮闘してきた1株株主反原発運動の方々も連帯責任をとって自分の株券が紙切れになるのをいとわないだろう)
“リーマン・ショック”後の世界ではないが、「儲けたときは自分のもの、損したときは国家や社会のもの」という戯けた理屈を通用させてはならない。
本来なら、その前数年にわたって“金融詐欺”で得た配当金を返還するのがスジだと思っている。東電もそう言えるがそれはまあ言わない。
逆に、玄葉さんのように東電を破綻させないという前提に立ってしまえば、それこそ、アレバをはじめとする事故対策や廃炉の巨額費用で二進も三進もいかなくなったとき、その度に巨額の優先株購入(税金投入)で支え続けることになる。
東電の事業を承継するということを公言すれば、当座の賠償資金を国庫から先に出すことに異論を唱える人は少ないだろう。
東電事業を国家が承継するのなら、賠償金は、国有東電から得られる利益を原資にするという規定のもと全額国庫から負担していいのである。そうであれば、仮に賠償金を1年で5兆円払っても、電力供給事業に差し支える部分は政府が肩代わりし、国有東電は延べ払いで返済すればいい。
すなわち、国有の東電は、地域に電力を安定的に供給することと幅広い事故(放射能&“風評”)被害者への賠償責任を果たすことを目的とした企業になる。
そのためには、火力発電などの燃料費増加分も含めて、電気料金を極力上げずにそれが遂行できることを第一義的な経営方針とし、首切りをしないで給与及び退職金のカット、JAL並みの企業年金カット、電力供給に必要でない不動産等資産の売却で経営に臨まなければならない。
おかしな賠償スキームを成立させようしている管政権が、東電の電気料金16%アップを燃料費増分だと言い張って実施しようと考えているのは許せない。
国有企業はどうも好きじゃない気分が悪いというのであれば、所有と明確に分離した経営形態を定め、再民営化に移行する条件も予めきちんと決めておけばよい。
今回の事故対策で政府も様々な費用をかけているから、賠償金総額と政府費用全額を国有東電から回収した時点で国有東電の株式を売りに出せばいい。株式放出で得た利益は国庫に入れて有効に使うことになる。
東電の株式を東京都など公共団体が保有しているとか年寄りが配当をアテにしているとか天皇家も..といった話は表だって考慮する必要はない。
枝野長官が久々にまっとうな声を上げた金融絡みの話だが、
東電は、09年度ベースで、有利子負債残高:7兆3844億円、内訳は社債5兆1691億円、長期借入金1兆7922億円、短期借入金3580億円で、年間支払い利息は1295億円となっている。
(支払利息は低金利で90年代前半まで5千億円ほどあったが低減してきた)
社債(権者)は、法律(電気事業法第37条)で「他の債権者に先だつて自己の債権の弁済を受ける権利を有する」と規定され保護されているから、国有東電も利払いと償還を続けることになる。
銀行のほうが利率は高いが、銀行への利払いは368億円ほどと考えられる。
これは事故後の3月末に実施された2兆円ほどの融資は含まれていないし、その融資は政府の要請に基づくものでもあるから“保護”する必要がある。
東電が今すぐすべきことは、「今国会で賠償スキームを成立してもらうことを願う」のではなく、事故前の借入金に対する金融機関への利払いの停止である。
では、東電を国有化するにはどうすればいいのか。
もっとも穏便なのは、浜岡原発で見せたように、政府が巨額賠償金の支払いを理由に東電に会社更生法の申請を求めることである。
それをしないというのであれば、電気事業法ではぎ取るしかない。
電気事業法の第15条は「事業の許可の取消し等」が規定されており、そのなかに、「経済産業大臣は、第一項又は第二項に規定する場合を除くほか、特定電気事業者が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、第三条第一項の許可を取り消し」でるとし、「その特定電気事業を適確に遂行するに足りる経理的基礎及び技術的能力を有しなくなつたこと」という事由がある。
「経済産業大臣は、前各項の規定による許可の取消しをしたときは、理由を記載した文書をその電気事業者に送付しなければならない」ことになっているが、経理的基礎は巨額賠償金の支払い能力の欠如(社長本人がそう主張して国会を脅しているのだから間違いない)であり、技術的能力はあのような原発事故を引き起こしてしまったことで十分だろう。
そして、事前に承継企業を政府が成立し、経産大臣がそこに免許を交付しておく。
このような過激な方策をとらなくとも、従業員と退職者の生活を何より考え、国会議員の退職金や企業年金の減額要求をはねつけた社長なのだから、彼らのことを考え、より穏便な流れを選択すると思う。
話はまったく飛ぶが、最近国会中継を見ているのだが、民主党の森ゆう子参議院議員って、社会党の土井たか子さんに表情というか面構えが似ている気がする。がんばってほしいタイプだ。
※ 参照法律
「電気事業法」
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S39/S39HO170.html
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