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韓国で原発反対運動が拡大し、住民の葛藤が深刻化 風力や太陽発電にまで、反対運動 李大統領「エネルギー自立のために原発新設
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投稿者 sci 日時 2011 年 5 月 19 日 11:04:53: 6WQSToHgoAVCQ
 

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韓国で原発反対運動が拡大し、住民の葛藤が深刻化 李大統領「エネルギー自立のために原発新設は仕方ない」

2011年5月19日 木曜日


 韓国のことわざの一つに「遠い親戚よりイウッサチョン」がある。イウッサチョンは「近所に住む人」と「いとこ」を合成して作った言葉。遠くの親戚より近所に住む他人の方が頼りになるという意味である。隣近所の人たちと身内のように親しくする、世話好きな韓国人の生活を象徴することわざだ。しかし、最近は田舎でしか見られない光景となった。

 都会では、庶民であればあるほど引っ越しの回数が多くなる。不動産投資のためにマンションを買い替える。賃貸契約が更新となる2年ごとに子供の教育のために引っ越しする(ソウル大学合格率の高い進学校に近い場所ほど不動産価格が高くなる)。失業のため、より安い賃貸を求めて転々とする。

 一方、田舎に行けば、自分が生まれた村から一歩も離れたことがないお年寄りがたくさんいる。彼らの関係は非常に密度が濃い。「隣の家の箸の数まで知っている」というほどお互いをよく知っており、悲しい時は一緒に泣き、うれしい時は一緒に喜ぶ。都会の生活に疲れ、こうした関係を求めて帰農する(中年になってから田舎に定着して農業を営むこと)人も年々増えている。

サムチョク市で原発誘致反対運動が激化

 江原道のサムチョク市は人口7万人、海と山がきれいなことで有名な土地だ。洞窟観光と水刺身(冷たい出汁に刺身と氷を入れて冷麺のように食べるもの)が名物である。イウッサチョンが助け合う古き良き時代の風習が残る静かな田舎でもある。ところが今、「原発誘致」の賛否をめぐって、イウッサチョン同士が賛成派と反対派に分かれ対立している。イウッサチョンの間にできた溝はそう簡単には埋まりそうにない。

 サムチョク市は2010年末、662万平方メートルの敷地に原発を誘致する申請書を韓国水力原子力に提出した。サムチョク市は「地元経済を発展させるために原発を誘致するべき」と主張している。

 これに対して住民らは「サムチョク原発誘致白紙化委員会」を結成し、「原発誘致に関する行政情報を公開してほしい」と市を相手取って訴訟を起こしている。住民らは自然豊かなサムチョク市のイメージが壊され、住民数が減り、特産物である米や水産物も売れなくなると反対している。

 去年までは、原発誘致に賛成する市民が7割近かった。だが、東日本震災後に様相が一変。サムチョク市の市民だけでなく、半径20キロ圏内にある他の市の市議会も、原発誘致反対声明を発表した。環境団体もこれに加勢している。

風力や太陽発電にまで、反対運動が飛び火

 1977年に韓国初の原発が建てられた慶尚道でも、原発周辺地域の市議会が次々に「原発寿命延長反対」「稼働中止」を求める決議案を採択している。釜山市は原子力安全対策委員会を発足させ、「WHOが公認する国際安全都市造成を目指す」としている。だが、原発がある限り、住民の不安が解消されることはない。

 4月に行われた江原道知事補欠選挙でも、原発誘致に対する姿勢が問われた。選挙直前に「原発誘致賛成」から「反対」に立場を変えた候補もいた。3人の候補は口をそろえて原発誘致反対を訴え、「どんなことをしてでも原発が地元には来ないようにする」と公約した。

 原発の怖さを知った韓国では、NIMBY(Not In My Back Yard、必要はあるが自分の地元には建設してほしくないという心理)と呼ばれる現象が起きている。原発だけでなく、風力発電、潮力発電、太陽発電などすべての発電所を「危険なもの」として建設に反対する運動だ。参加する住民らは「電力は必要だけど、うちの地元には建てたくない」と反対する。

 「環境破壊」「危険」に加えて、彼らが発電所誘致に反対するもう一つの理由は、既に原発を建設した他の地域で起きている問題と関連がある。原発を受け入れる代償としてもらえるはずであった支援金が、20年以上たった今でも、支払われていない。地元経済を活性化するための大学・企業誘致といった約束も守られていない。それどころか、環境が破壊されて、生業である農業や漁業ができなくなり、地元を離れるしかなかったという人も多数いる。「政府機関の言うことは信じられない」「いつ見捨てられるか分からない」といった不安も作用している。

テレビも力を入れて原発反対運動を報道

 民放のSBSは5月10日、「現場21」という番組を通じて、原発誘致をめぐる住民の葛藤を伝えた。番組には、「住民同士の不信感と溝が深くなっている。この方が原発よりも怖い」と訴える、サムチョク市や慶州市の住民が登場した。これまで、人前に出ることなんて一度もなかった農夫が、原発反対運動の代表者となり集会に参加している様子を伝えた。サムチョクの美しい景色に惚れて帰農し、やっと農業に慣れて安定した生活を送れると思った矢先に、原発誘致計画によって住む場所がなくなった人が、悩みを語った。

 番組が映し出したサムチョク市は、賛成派と反対派のポスターで村中が埋められて、殺伐とした雰囲気になっていた。「原発」という言葉を口にするだけで喧嘩になるので、何も言いたくないという人もいた。

訪欧した李大統領は「原発推進を継続する」と言明

 一方、李明博大統領は5月8日からドイツ、デンマーク、フランスを訪問した、ドイツでは、韓国で稼働中の原発を廃棄し、新規建設計画を中断するよう求める市民団体が同大統領を出迎えた。ドイツに住む韓国人とドイツ人ら約50人は、韓国における原発の拡大を批判する集会を、李大統領の訪問に合わせて開き、大統領宮殿前を行進した。

 この日はドイツの緑色党共同設立者であるEva Quistorp氏もデモに参加し、韓国政府による環境破壊と原発拡大政策を強く批判した。韓国から同行した李大統領の警護チームは、これを李大統領に見せまいと市民団体を取り囲んだ。ところが逆に、「デモ隊の行進を邪魔しないでほしい」との理由で、ドイツ警察が警護チームを追い払う場面があった。

 ドイツは「安全が何よりも重要な資源である」として原発を減らそうとしている。このため、ドイツで開かれた記者会見おいて、李大統領に対して原発に関する質問が浴びせられた。李大統領は「韓国は原発を建設し続ける」という立場を表明した。「石油をはじめとするエネルギー源を韓国はほぼ100%輸入しているので、エネルギー自立のために原発は必要」「韓国の原発は最高に安全」と繰り返すだけであった。もちろん「日本と韓国は違う」という決まり文句も忘れなかった。

 韓国では原発だけでなく、口蹄疫、砲撃事件、新空港誘致、地方銀行の不法引出(銀行の営業停止前に公務員や金融監督院関係者だけが貯金を引き出し、一般顧客の貯金は引き出せなくなった事件)など、民心を不安にさせる事件が相次いでいる。

 このため、政権への不満が重なり、李明博大統領に対する支持率が急落している。ヘラルド経済新聞が19歳以上の成人男女1000人を対象に実施した調査によると、大統領の国政運営を「良い」と評価した人は5月時点で30.1%にすぎなかった(2011年1月は46.2%)。これは2009年の調査以来2番目に低い数字だという(最低は2009年1月は28.5%)。

 韓国は2010年時点で、電力供給の23%を原子力が占めている。これを2024年には48.5%に高める計画だ。

 しかし世界的な傾向から、新生エネルギーによる電力発電と、スマートグリッドによる効率的な電力使用への期待が高まっている。実際にチェジュは、2009年から、スマートグリッド実証実験に取り組んでいる。村に太陽光発電と風力発電の設備を設置して自家発電する。スマートテレビやスマートフォンを使って電力管理を行い、余った電気を蓄電して発電所に売る。筆者は2010年11月に現地を取材したことがある。実証実験に参加する住民の満足度は非常に高かった。

 「新生エネルギーだけでは電力が足りないから原発を建設するしかない」と主張する人もたくさんいる。だが、技術はものすごいスピードで進歩している。「原発がなくても生きていけるのではないか」という「逆の発想」から、エネルギー政策を考えてもよいのではないか。

 福島の教訓をどう生かすか? 安全を第一に掲げるドイツがうらやましいのは私だけだろうか。
このコラムについて
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 韓国人ジャーナリスト、研究者の趙章恩氏が、日本と韓国の文化・習慣の違い、日本人と韓国人の考え方・モノの見方の違い、を紹介する。同氏は東京大学に留学中。博士課程で「ITがビジネスや社会にどのような影響を及ぼすか」を研究している。
 趙氏は中学・高校時代を日本で過ごした後、韓国で大学を卒業。再び日本に留学して研究を続けている。2つの国の共通性と差異を熟知する。このコラムでは、2つの国に住む人々がより良い関係を築いていくためのヒントを提供する。
 中国に留学する韓国人学生の数が、日本に留学する学生の数を超えた。韓国の厳しい教育競争が背景にあることを、あなたはご存知だろうか?

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著者プロフィール

趙 章恩(チョウ・チャンウン)

 研究者、ジャーナリスト。ソウルで生まれ小学校から高校卒業まで東京で育つ。韓国ソウルの梨花女子大学卒業。現在は東京大学社会情報学修士。ソウル在住。日本経済新聞「ネット時評」、西日本新聞、BCN、夕刊フジなどにコラムを連載。著書に「韓国インターネットの技を盗め」(アスキー)、「日本インターネットの収益モデルを脱がせ」(韓国ドナン出版)がある。
 「講演などで日韓を行き交う楽しい日々を送っています。日韓両国で生活した経験を生かし、日韓の社会事情を比較解説する講師として、また韓国のさまざまな情報を分りやすく伝えるジャーナリストとしてもっともっと活躍したいです」。
 「韓国はいつも活気に溢れ、競争が激しい社会。なので変化も速く、2〜3カ月もすると街の表情ががらっと変わってしまいます。こんな話をすると『なんだかきつそうな国〜』と思われがちですが、世話好きな人が多い。電車やバスでは席を譲り合い、かばんを持ってくれる人も多いのです。マンションに住んでいても、おいしいものが手に入れば『おすそ分けするのが当たり前』の人情の国です。みなさん、遊びに来てください!」。
日経BP社   

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コメント
 
01. 2011年5月19日 11:18:38: JgyS3UTymo
>テレビも力を入れて原発反対運動を報道

いいなあ。



02. 2011年5月19日 12:50:59: QRdizuenVU
 朝鮮人は、狂っている。
日本人は「、最狂っている。
日本人が、朝鮮人だからだ。
 げ〜〜〜え

03. 2011年5月19日 19:21:36: Get9aY0xRA
安心しろ。

半島は中国大陸と同じく中国地塊に属する安定大陸(安定陸塊)で、先カンブリア時代に原型ができていたと考えられる。非常に古く安定した大地のため、付近に断層などはなく、よって地震も非常に少ない。火山も少ない。
by wikipedia「朝鮮半島」から

らしいから、地震による倒壊は心配せんでええようだ。
ただ、廃棄物処理の問題は同じようにあるからな。


04. 2011年5月19日 22:52:30: pwOKWLRRmY
ならば、韓国からケーブルを引いて電力を輸入すれば、電力不足は一発で解消される。違うか?

05. 2011年5月20日 01:58:00: PZ8xrWZkBs
韓国は地震がないし津波も来ないのに、これほど反原発運動が盛り上がるとは!
韓国の方が、日本より民度が高いんだな。マスコミもちゃんと機能してるんだ。
全くうらやましい。

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