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5月18日「国会で言いたい放題言ってきます」小出裕章
2011年5月18日
2011年5月18日(水)、MBSラジオの「たね蒔きジャーナル」に、小出裕章氏(京大原子炉実験所助教)が出演されました。
5月23日(月)に参議院の行政監視委員会に、孫正義氏、後藤政志氏、石橋克彦氏と共に招かれていることについて、小出先生が感想と意気込みを述べていらっしゃいます。
番組案内
2011年5月18日【水】
福島県の農家が思うこと
きょうは福島県の農家の根本敬さんが大阪のスタジオに来ます。根本さんは原発事故による影響で、福島県の農家がどんな思いをしているのかを訴え続けています。規制値を超えた農作物は出荷しないと国が決めていますが、風評被害でも農家は大きな被害を受けています。その風評被害を福島県の農家の人たちはどのように思っているのか、リスナーの皆さんに是非考えてもらいたいお話です。
福島第一原発事故についてはきょうも京都大学の小出さんにしっかり聞きます。来週の小出先生の動きについてのお知らせもあります。
録音
【福島原発】5/18/水★「国会に行って言いたい事を言ってきます」 1/2
【福島原発】5/18/水★「国会に行って言いたい事を言ってきます」 2/2
要約
・(2号機の建屋に作業員が4人入ったが、14分間で退出し、3.33〜4.27ミリシーベルトの被曝だった。東電は高くない被曝だとしているが、どうか?)普通の人の1年間1ミリという基準を考えると、十数分でその基準を超えている。私のような放射線業務従事者の年間20ミリという基準と比べても、たった十数分という時間を考えれば高い数字。現在は通常の状態ではないため、福島の作業員の方については250ミリという基準を国は作っている。
・(今回作業員の方はタングステンベストという重さ数キロのものを着用したというが、どういうことか?)放射能防護服は放射性物質が付着しないようにするもので、マスクは吸い込まないようにするためのもの。ガンマ線は透過性が高く、防護服でもマスクでも防げない。それを遮るためには、鉛のスーツのような比重の高いものを着用する必要がある。そのためにタングステンのスーツを着た。
・(ガンマ線が透過するというのは?)身体を突き抜ける。そういうガンマ線が建屋に充満している。それを遮るために、そういうものを着る必要があった。
・(外部被曝以上に内部被曝は危ない?)放射能は取り込むとその放射能から逃げられない。取り出せすことができない。いくらよそに動いても被曝は身体で続くという意味で内部被曝は危険だ。外部被曝は現場から逃げれば終わりという性質のもの。
・(内部被曝の検査を受けた作業員は全体の1割だけということだが?)今回のような劣悪な作業環境であれば、全員が検査を受けるべき。
・(一人に3万CPMという数値が出たが?)CPMはcount per minuteで、1分にどのくらいの放射線があるかを示す。感度の低い検知器だとカウントが上がらない。感度が高いものだと沢山カウントする。同じ状況でも数値は分かる。だから、単に3万CPMといっても、それ自体では判断できない。
・(水素爆発のときに、事前に予想できていたという話があった。水素爆発の前に退避すべきだったのでは?)そう思う。東電の判断の甘さ、あるいは事故を小さく見せたいという思惑が働いた。
・(JNNで作業員が証言。バーンという粉塵で空が真っ茶色になって、その後に綿のようになったというが?)建屋そのものが1号機も3号機も吹き飛んでいる。材料が粉々になって飛び散ったのだろう。石膏ボードのようなものもあったはず。綿のようになったのだろう。
・(放射性物質も飛んだ?)もちろん。水素が爆発をしたということは燃料が損傷を始めていて、放射性物質が充満していたはずで、それが爆発と一緒に飛び出した。
・(平田オリザ氏は、汚染水排出は米国の要請によるものだったと言ったが?)平田さんの情報が本当なら、日本は情けない国だと思う。
・(流された水は非常に低濃度で量も少なかったとも平田氏は言ったが?)事実に反する。低濃度ではない。日本の法律の限度の数百倍という猛烈な汚染水。量も1万数千トン。膨大な量が流された。
・(今まで2号機はロボットだけで、今回初めて作業員が入った。放射線量を測ることが任務というが、いまやっとそれを測るために入れたような状況で、東電の工程表と整合性はあるのか?間に合うのか?)私は元から出来ないと言っていた。当初のロードマップから一ヶ月たっているのに、何もできておらず事態は悪化している。だから、工程表通りにはできない。
・(専門家が9ヶ月では無理と言えないような何かが働いている?)もともとロードマップの公表は政府が東電をせっついた結果だ。
・(原子力が国策である以上は工程表は東電と政府の連名で出すべきでは?)政府には内容が分かる人はいないのではないか。現場を一番知るのは東電の福島の人。本来であればその人たちの見通しを尊重すべき。本社の人がきれいな説明書を作っているにすぎないのかなという印象。
・(5月23日に国会に行かれる。感想は?)良いことかもしれないが、私は政治が嫌い。本当は行きたくない。だが、ことがことだ。行政監視委員会は行政を監視するための場。言いたいことは昔から山ほどあるから、行くことにした。
・(メルトダウンを認めているような現状だと、政策転換があるのでは?)参議院の委員会でどんな話が出たとしても、政策を転換させるにはまだまだだろう。
・(小出さんが国会で話す状況というのは正直想像していなかった)私もだ。
・(そこまで国会も追い込まれている?)私は向こうの事情はよくわからない。言いたいことがあるから行くと判断した。行ってみて感想を持ってかえりたい。
・(ずっと我々は国にミスリードされているように思うが)言いたい放題言ってきたい。
・ひとつ訂正。昨日この放送でテクネチウム99は原子炉の構造外で出来るものと言ったが、間違い。セシウムやストロンチウムと同じ核分裂生成物の一種。ただしテクネチウム99の半減期は21万年。人間がいる限りは無くならないような放射能。それが水の中で検出された。
・(残念な方向の訂正か?)そうだ。
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