http://www.asyura2.com/11/genpatu11/msg/381.html
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先ほどNHK7時のニュースをビデオで見たが、水野解説委員は非常用復水器停止問題で「運転員が3時(8分後)頃に止めたのは一気に100℃下がっているからマニュアルに照らして問題ないが、津波のあとの一大緊急時での駆動→停止の繰り返しは問題だ。緊急時のマニュアルがないのか、ないなら問題」(趣旨)と説明していた。
しかし、ECCSがきちんと動作していない問題は無視しているし、あれから2ヶ月経っているのに、運転員が止めた可能性もあるというモヤっとした情報を事実であるかのように話をまとめるのはどうかなと思うね。
gataroさんがコメントで教えてくれた「「メルトダウンを意図的に隠蔽」(ZDF) 」(http://youtu.be/VDTN0pWxCmg)の最後に収録されている17日朝6時のNHKニュースでは、非常用復水器の自動起動時刻が14:52と書かれている文書がシメされていたが、非常用復水器に関する時系列情報は、
18:10 IC(A)系 2A、3A弁開/蒸気発生確認
18:25 IC(A)系 3A弁閉
と続くだけで、15:00頃に止めた云々の話はまったくない。
ICは非常用復水器のことで、A系とB系の二つが装備されており、それにはA系のみの話が載っており、2Aは原子炉圧力容器から出る蒸気を非常用復水器に送る配管にある弁、3Aは非常用復水器で水になったものを再循環ポンプに送る配管にある弁のはず。
18:10の操作で圧力容器から非常用復水器に蒸気が流れ込んだことを確認したと思われる。
18:25に、水を再循環ポンプに送る3Aのみを閉める操作をなぜ行ったのか不明。
3Aを閉めるのなら、高圧・高温の蒸気が無駄に復水器に入り込むのを防ぐため2Aも閉めるのが妥当な措置だ。そうしなければ、復水器の温度だけが無駄に上がることになり、へたをすると配管などが破損する可能性もある。
ここからは私が自分の気分転換のために聞いた“空耳”だと思ってほしい。
東電(と政府)は、1〜3号機まで揃ってのメルトダウン(圧力容器下部の“穴”まで)を否定しなかったり、1号機の非常用復水器問題を公表したりと、事故発生からほどなく起き、これまで匂わせるだけで秘匿してきた事象や情報を矢継ぎ早に公表している。
そして、その部分(汚れ仕事)だけは、官邸・保安院・東電の統合記者会見ではなく、かつてのように東電単独で行わせ、政府は、それを否定しないことで実質的に追認するという無責任極まりない対応をしている。
じゃあと考えると、ここまでくれば、残された重要秘匿事象は、部分的で局所的な「再臨界」と「4号機問題」になる。
「再臨界」は、中性子線検出や核種分析で匂わせてきたので、そう遠くない時点で公表されるような気がする。
但し、公表は、1〜3号機の現状がどんなかたちであれ臨界状態になく今後も臨界には達しない予測が条件で、臨界といってもわずかなレベルでしかなく爆発の危険もないものだったという説明がされると思う。
ということで、「再臨界」が公表されるかどうかは、3号機の行方次第ということになるだろう。
不思議なのは、燃料棒が2800℃まで熱くなってウランもすべて溶け落ちた可能性が大きいと発表されているのに、なぜか「再臨界」の話がほとんど聞こえてこないことだ。
燃料ペレットがぽろぽろと崩れ落ちたというレベルではなく、プルトニウムやウランまでがどろどろに溶けそれなりの圧力で注入される冷却水で撹拌されながら落ちていったのだから、比重が重い物質がより下に沈み、軽い物質が上もしくは側面に積もったと考えられる。中性子を吸収するホウ酸だって軽いので上のほうにあるだろう。
ウランやプルトニウムは近い重さの重い物質なので下の方でかたまって存在することになる。
燃料ペレットのなかでは3%くらいしかないウラン235が、溶けて集まったある領域では非常に高い濃度となり、しかもプルトニウム239(やウラン238)がそばに存在するという事態が生まれる。
わかりやすい比較をすると、臨界事故を起こしたJCOの18%濃度のウラン溶液に匹敵するレベルに濃度が達した部分が生まれても不思議ではないと思う。
今回のようなメルトダウン事故であれば、部分的であっても臨界量に達した可能性があると思うのだが。
3号機の発熱は、燃料被膜管はとっくに溶け落ちているから酸化反応熱はなく、崩壊熱エネルギーと、あるとすればそれに加えて臨界熱エネルギーによるものだ。
メルトダウンしているからそのまま適用はできないが、崩壊熱予測式によれば、3号機の崩壊熱は、すでに定格熱出力(2381MW)の0.3%(7MW)まで低下している。MOX燃料が部分的に使用されているからといって崩壊熱が多くなるわけではないようだ。
東電や政府は、このような知識をもとに、注入している水の量を考慮して、ただ崩壊熱によるものか臨界に伴う熱エネルギーもあるのかをすでに計算しているはずだ。
(崩壊熱は、燃料棒が維持されていることを条件に様々な条件を加味した経時的予測式がある。今回は、全炉心が溶融しているからある時点からは適用できないとしても、自動停止した1秒後で定格熱出力の約7%まで低下する。1分後にはさらに3.2%と急速に低下する。1号機であれば、定格電気出力は460MWだが、定格熱出力は3倍の1380MWである。これは、原発の熱エネルギーの67%ほどが海水の温め(冷却)に使われていて、発電に使われるのは33%程度だけということを意味する。なんということはない、地球温暖化を防ぐためには原発だと声高に主張しながら、正しいかどうかはともかくこのところ騒がれている二酸化炭素経由ではなく、ダイレクトに地球を温暖化させているのが原発なのである)
「4号機問題」は公表されそうもない気がするので、明日か明後日か、1号機の投稿が終わったら、原発関連投稿予定の最終稿として投稿したいと考えている。
政府・東電が「情報大清算モード」に突入したのは、今月下旬の国際向け報告と来月に発足させると言っている事故調査委員会に向けての地ならしなんだろうと考えている。
最後に、多くの方が読まれているようだが、Ananさんの「宮城県南部の衝撃的な汚染状況と 良心的な生産者の悲痛な訴え」(http://www.asyura2.com/11/genpatu11/msg/160.html)のような農家がいることが確認できてうれしい。
他にも大勢いらっしゃるのだろうが、大手メディアだと、少々の放射能だったら出荷させてほしいという人たちしか紹介せず、それがちょっと悲痛のタネになっていたのでたいへんありがたかった。
あのグリーンピースが周辺海域の海洋生物の汚染調査をやっているようだが、日本政府は、どこもかしこも(大気・水・土・海洋・食材など)放射能汚染はもう終わったことと思わせたいのか、積極的に汚染調査をやろうとはしていないように見える。
南足柄に続いて茨城でもお茶の葉から規制値を超えるセシウムが検出されて出荷が自主規制になったが、かの有名な“狭山茶”については検査を指示したのかどうかさえわからない。
なにが「国民の安全と安心がいちばん」だ、と言いたい。
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