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実はソ連に対抗するために核による軍拡のお先棒を担がされたことが明らかだった。それについては有馬哲夫・早稲田大学教授の『原発・正力・CIA』(新潮新書、2008年)に詳しい。若く血気盛んな中曽根元総理と野望ある正力氏は、米国の術中にはまっていく。
読売新聞が牽引した日本の原発建設
中曽根康弘元首相〔AFPBB News〕
もちろん、米国が正力氏を見込んだのにはわけがある。日本国内だけで1000万部という世界最大部数にまで育てた新聞事業と日本初の民放、日本テレビの影響力だ。結局、それらをフル活用されて日本は原発大国へと大きく歩を進めていく。
米国に招待されて核施設を見に行った中曽根元総理は、自著『自省録』(新潮社、2004年)の中で、次のように書いている。「日本もこの流れに乗らないとたちまち取り残されると、大いに焦燥感に駆られます」
帰国した中曽根元総理は居ても立ってもいられず、当時予算委員会の筆頭理事だった立場を最大限に利用して原子力の調査費を予算計上する。その額は2億3500万円だったという。この数字に具体的な意味はなく、熱中性子を受けて核分裂するウラン235の235をただ取っただけだった。
このように事前調査が十分でない段階で、中曽根元首相はこの時、一挙に8本もの原子力関連法案を提出して可決させている。このあわてぶりからも、まず原発ありきだったことがうかがえる。
このようにして日本が米国から原子力技術の供与を受けられるようになる前、米国はすでにアジアでもイラン、イラク、インド、パキスタンなどに原子力技術を供与していた。米国に滅ぼされたイラクを除けば、これらの国は今や原爆保有国である。
原発を持った一国の権力者が原爆を持ちたくなるのは道理だろう。隣国などと紛争を抱えていればなおさらだ。現在、原発を持っている国を調べると、その下心が透けてくる。それをデータで示してくれたのがこの記事(「知らないのは日本人だけ? 世界の原発保有国の語られざる本音」)だ。
原発を保有している31カ国の下心
「現在、31カ国が原発を所有している。原発による発電量が最も多い国は米国であり、その発電量は石油換算(TOE)で年に2億1800万トンにもなる(2008年)」
「それにフランスの1億1500万トン、日本の6730万トン、ロシアの4280万トン、韓国の3930万トン、ドイツの3870万トン、カナダの2450万トンが続く。日本は世界第3位だが、韓国も第5位につけており、ドイツを上回っている」
「その他を見ると、意外にも旧共産圏に多い。チェルノブイリを抱えるウクライナは今でも原発保有国だ。石油換算で2340万トンもの発電を行っている。その他でも、チェコが694万トン、スロバキアが440万トン、ブルガリアが413万トン、ハンガリーが388万トン、ルーマニアが293万トン、リトアニアが262万トン、スロベニアが164万トン、アルメニアが64万トンとなっている」
「旧共産圏以外では、中国が1780万トン、台湾が1060万トン、インドが383万トン、ブラジルが364万トン、南アフリカが339万トン、メキシコが256万トン、アルゼンチンが191万トン、パキスタンが42万トンである」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/7890?page=6
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