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東電、5年で済ますと言う工程表の罪深さ 最短で5年で燃料取出しまで行うと言う東電の当初の工程表がうまく行かないことがほぼはっきりした。1号炉でメルトダウンが起こっていたことは東電や保安院、安全委員会そして政府もつかんでいたようだ。 今日、いわき市で地元企業への東電の説明会が行われ、そこで、地元企業から「一刻も早く廃炉にしてほしい」という要求があったと言う。しかし、現実問題として、数十年は廃炉までにはかかる。多分、100年以上だ。通常の廃炉処理でさえ、10年単位で時間がかかるのだ。圧力容器の底が抜け、核燃料が格納容器の底へも、そして、格納容器の外へも高濃度汚染水に運ばれて、さまざまな放射性物質の微粒子が広く散らばっているとき、どうやって廃炉処理をするのか? 5年で済ますと言う工程表が作られたのは、全国の、または、世界の原発関係者への配慮もあったのだろう。反原発の動きが出てしまうと困る。新規原発の売り込みを今後予定している。その他その他、非常に奥の深い原発推進の動きがある。特にオバマ大統領が就任当時唱導していた自然エネルギーへのシフトに、その後原発を含めてしまったのは、そういった奥深さを示す好例だ。 しかし、原発の代わりに地熱発電を行えば、確実に世界のエネルギー問題は解決する。5km程度の深い地熱井戸を掘ればおよそどこの地域でも地熱発電が可能であることがほぼ実証されている。ある程度生活レベルが上がれば、人口増加率も減少する。現実に、オバマ政権下で一つも原発は着工に至っていないし、地熱発電の開発はアメリカが最も多く新規開発に踏み切っている。つまり、アメリカそのものも原発を本気で将来のエネルギー源とは考えてはいない。単に地震が起きないから現存の原発をなるべく長期に使いたいだけだ。このことには使用済み核燃料の問題も絡んでいて、現存の原発敷地内に保存しているから、なるべく廃炉を避けたいと言うことだ。 だから、日本はとっとと原発廃止に踏み切ってもいいはずで、世界に原発事故の困難さをきちんと知らせるためにも、福島原発事故処理が数十年ではまず片付かないことを公的に認めるべきだ。 そもそも、なぜ、福島県の原発周辺の不動産価格が暴落すると言うことが起こらないのか?少なくとも、報道には載っていないが、5年後には福島原発の5キロ圏内でも普通に生活ができるのだろうか? 311の地震の誘発地震が今後起こっていくはずだ。福島第一原発は日本の東端にあり、西風卓越なので、今後も、福島第一原発事故の放射性物質のチリが大規模に日本の各地に降り注ぐことはないのかもしれない。しかし、例えば、運転停止した浜岡原発が直下型の大地震によって崩壊し、使用済み核燃料から大規模な放射能漏れが起これば、福島県を含んだ非常に広い範囲が今の福島第一原発10km圏内と同じようになるはずだ。 直下型の地震が原発を直撃する可能性は確かにそれほど高いとは言えないだろう。全国の多くの原発でその可能性は数パーセントも行かないはずだ。よく小惑星の衝突の可能性と比較して、原発事故の可能性が高いとは言えないと言うような議論がされる。しかし、小惑星との衝突は避けようがないものだ。人知の基本的には及ばない領域での出来事であり、それを人間が金儲けのために作っている原発を原因とする事故と比べること自体が間違っている。小惑星と地球が衝突して人類が滅亡するなら、それはある意味人類の運命であり、いたしかたのないことだ。しかし、ある程度でも起こる可能性のある原発事故で何万人、何十万人の方が、または何百万、何千万という人々が命を落としたり、悲惨な目に合うのはおかしなことだ。少なくとも、一般人は望んで原発から電力供給を受けているわけではない。また、原発による発電コストが安いと言うことも実証はされていない。一時データは企業秘密と言うことで公開されていないし、廃炉や使用済み核燃料の処分費用も見積もりそのものが困難な状況にある。更に、過酷事故が起こった場合の賠償も原価には含まれていないだろう。電力会社や一部の政治家、官僚、学者が国策として原発を進めてきているのだから、彼らが責任をとれる範囲で、つまり、金銭的損害については彼らが一生損害賠償義務を負うと言う形で、命を落とすと言う損害については彼らが殺人罪という刑事責任を負うと言う形で、原子力発電を行うのはごく論理的だし、ごく常識的なことだ。 そして、それができないのなら、形だけの、人をだますような工程表など作るべきではない。震災直後には既にメルトダウンが起こっていたのは普通にいろいろな出来事を考慮すればわかったことであり、汚染水が大量に存在するのも常識的に分かっていたことだ。 非常に多くの方が、つまり、原発作業員の方たちだけではなく、福島県内に居住されている方たちも含んで、かなりの被ばくをしていると言う。ホールボディカウンターで測ると、1万CPM(カウント毎分)を超える方がかなり多くいられると言う話だ。少なくとも数千人とか数万人という単位になる様子だ。ホールボディカウンターではアルファ線を出すプルトニウムの内部被ばくを測ることが出来ない。普通なら1千を超える値は異常だとされるホールボディカウンターの値が1万CPMを超えるほどの被ばくが一般的に起こっているとすると、プルトニウムのエアロゾルもかなり拡散している可能性がある。つまり、メルトダウンが起こって、ヨウ素やセシウムがそれだけ拡散しているのならプルトニウムも拡散しているはずだと言うことだ。 東電や政府は多くのデータを持っているはずだ。今後何年ぐらい燃料の冷却にかかるのか、それも現在の発熱量をもとに計算ができるはずだ。単なる希望的な観測ではなく、実体の裏付けのある工程表を出し、原発が決して人類にとり良いものではないと、日本国内だけでなく世界の人々に示すべきだ。 *6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から一連番号を付しています。<<567>>
福島第一原発には一応無傷の5号機、6号機がある。これの処分をどうするか、まだ正式には決まっていない。
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