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「[1号機問題 その2]メルトダウン(全炉心溶融)は3月12日から始まり翌13日朝までに全溶融か」(http://www.asyura2.com/11/genpatu11/msg/228.html)の続きです。
■ 1号機の圧力容器にいつ頃“穴”があいたのか?
圧力容器に何らかの“穴”があき、溶融して沈殿している燃料物質が格納容器にこぼれ落ち始めたのは3月20日ころだろうと考えている。
それは、格納容器内で計測されている放射線量(CAMS)の変化と圧力容器まわり温度の変化から推測した。
まず、格納容器の放射線量から説明したい。
CAMS(格納容器雰囲気モニター装置)は、格納容器内及び圧力抑制室内の放射線検出値で公表データの一つ、通常運転中の格納容器内値は1.00×10↑−3(10のマイナス3乗)Sv/h:0.001Sv/h=1mSv/hとされている。
BWR(沸騰水型原子炉)は、それゆえ、運転中でも格納容器に入れるという冗談があるそうだ。
前述したように、1号機は地震で配管が壊れ圧力容器と格納容器がスルーの状態になったと考えているが、CAMS値が初めて公表された3月17日17:00時点の値は、4.10×10↑−3Sv/h=0.0041Sv/h=4.1mSv/hである。
水漏れを起こすほどのスルー状態でこの値が妥当なのかわからないが、通常運転時の4倍程度の値である。
(上記の値が妥当性のないものであれば、地震で配管に亀裂などが生じておらず、ベント絡みで格納容器のCAMS値が4倍ほどになったということになる。そして、11日から12日にかけて格納容器の圧力が急上昇し圧力容器と同等になったのは主蒸気逃がし弁開放の効果だったことになる)
1号機のCAMS値を時系列で示す。
【1号機CAMSの時系列データ】
※但し19日のデータは非公表か未入手?また、線量は毎時の値だが/hを略す
17日17:00[0.0041Sv=4.1mSv]
18日03:00[0.0038Sv=3.8mSv]
18日14:00[0.0041Sv=4.1mSv]
20日16:00[12.0Sv=12000mSv]
21日05:00[46.6Sv=46600mSv]
21日16:00[47.6Sv=47600mSv]
21日17:00[47.6Sv=47600mSv]
22日07:30[48.0Sv=48000mSv]
22日11:00[47.8Sv=47800mSv]
23日06:00[46.0Sv=46000mSv]
23日12:00[48.8Sv=48800mSv]
23日18:00[48.0Sv=48000mSv]
24日05:00[43.9Sv=43900mSv]
19日のデータがないのは痛いが、20日からはとんでもない線量になり、放射線好きの原発推進派でも、入るどころか近寄る気もしないはずの値になっている。
CAMS値のこの急上昇は、本来、圧力容器=原子炉にしかない放射性物質が格納容器にそれなりの量で入り込んだことを意味する。
次に圧力容器の温度推移を説明する。
1号機の圧力容器まわりの温度は、そのデータが公表された最初の3月22日から異常に高いものだった。
(上述した放射線量の関係から3月19日から20日にかけてのデータが重要なのだが見ることは今のところできない)
最初の公表データである3月22日11:00現在の値は、今騒がれている3号機より高い「給水ノズル温度:383℃」・「圧力容器下部温度:394℃」であり、そこまで高くなったからアリバイ的に焦って公表を始めたと疑いたくなるものである。
そして、13時間後の3月23日0:00には、給水ノズル温度・圧力容器下部温度とも測定上限を超える400℃以上になっている。
そのためだと思うが、1号機は、この時点から消化系ラインではなく給水系ラインでの注水に切り替えられる。
消化系で2m3/hだった注水は、給水系になってその9倍の18m3/hに急増大する。
福島第一現場サイトで必死の冷却が試みられたことがわかる。
3月23日12:00には注水量増大の甲斐あってか、温度は測定可能内になり、給水ノズル温度345℃・圧力容器下部温度350℃になる。
給水ノズル温度は輻射熱、下部温度は伝導熱の影響が強いはずだから、とにかく溶融した燃料の表面温度を下げれば、中のほうの温度は別として測定温度は下がる。
このあと、給水ノズルの温度は、22日5:00に200℃台に下がり、以降200℃前後で推移するが、28日から30日までは300℃台に戻っている。そのあとも4月15日まで200℃台が続く。16日からは100℃台の前半まで給水ノズルの温度は下がる。
3月23日前後の圧力容器まわり温度の異常な高さは何を意味するのだろうか。
それは、溶融して沈殿していると思われる燃料系物質に水がほとんどかぶっていなかったことを示唆する。
この時期の圧力容器の圧力はゲージ圧で2から3気圧(絶対圧で3から4気圧)だから、水の沸騰温度は百数十度でしかない。
発熱体が水に浸っていれば圧力容器上部にある給水ノズルは蒸気の温度以下になるから、異常に高い温度になっていた1号機は、溶融した燃料の崩壊熱もしくは核分裂反応熱がそのまま圧力容器内部にあたっていたことを示している。
たぶん、1号機の圧力容器は、溶融した燃料にほとんど水がかぶっていない状態が続いた間に“穴”が開いたと思う。
1500℃以上の発熱体がくっついていればたとえ16cm厚の鋼鉄製圧力容器に穴があいても不思議ではないが、最低でも制御棒や中性子計装管の通路の溶接部分は溶けただろう。
CAMS値の推移から20日午後4時には溶融物が格納容器にこぼれ落ちたと思われるが、それからさらに23日まで設計値を超える異常高温が続いているので、圧力容器本体に穴があいた可能性も高いと思っている。
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