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懲りない東電、被災者の人生より社員の老後を優先 ★企業年金の削減しない
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20110514/dms1105141514016-n1.htm
2011.05.14 夕刊フジ
福島第1原発の事故をめぐり、数兆円に及ぶ巨額の補償を迫られる東京電力の清水正孝社長(66)は13日、参考人として出席した参院予算委員会で、企業年金についての削減は考えていないことを明らかにした。日本航空破たんの際には、企業年金が減額されただけに、増税や電力使用料の値上げが避けられない国民からの反発は必至だ。
同委員会で質問したみんなの党の中西健治氏に対し、清水社長は「(社員の)老後の生活にも直結し、現時点で検討していない」と明言。この発言に、菅直人首相は「国民の納得が得られるかどうか判断してほしい」と、改めて減額を促した。
同社の企業年金は1人月額40万円以上とされ、賠償金の原資捻出に伴うリストラの有力候補だが、減額には同社OBと現役社員の3分の2の賛同が必要。トップ自らが早くも予防線を張った格好だが、老後どころか現在の生活のすべてを奪われた原発避難者からは怒りの声があがりそうだ。
東電の賠償金をめぐっては、13日の会見で枝野幸男官房長官が、「電気料金であれ税金であれ国民に転嫁せずにやっていくことに最大限努力する」と国民負担の極小化を強調。先ごろ明らかになった賠償の枠組みでも、官民で設立する機構を通じ、政府は交付国債の付与や公的資金の注入を実施するほか、原発を持つ電力会社10社も負担金を拠出し、金融機関も事実上無条件で融資するなど、国民が直接的な負担を感じない配慮がされている。
ただ、経済産業省は、電力各社が負担金を電気料金に転嫁することを容認する姿勢を示しており、全国的な電気代の値上げにつながる可能性は高い。それに、公的資金も元はといえば国民の税金だ。
同じく公的資金を受けた日航では、高額批判の強かった年金の削減が大きな焦点となり、現役が約5割、退職者が約3割をカットされた。東電でも今後、料金値上げなどで国民に負担を求める際に焦点となる可能性がある。
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