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福島第1原発1号機の原子炉で、大半の燃料が溶けて落ちる深刻な炉心溶融が起きていた。
溶けた燃料の熱で原子炉圧力容器の底に複数の穴があいたとみられる。外側の格納容器も損傷している可能性が高い。
東京電力は、悪条件を直視し、収束に向け着実に前進できる新たな工程表を示す責務を果たすべきだ。事態を過小評価してはならない。
東電が先月作成した工程表では、圧力容器と格納容器を水で満たして原子炉を冷却する「水棺」方式が採られた。
この手法は、両容器が無事であることが条件だ。最も順調と思われていた1号機で、早々と作業の前提が崩れたことになる。見通しが甘かったと言わざるを得ない。
水位計が復旧したことで、これまでの注水量に見合った水がたまっていないばかりか、燃料棒が全面的に露出していたことが判明した。
早い段階から、国内外の専門家は1〜3号機で既に炉心溶融が発生したとの見方を示していた。
こうした指摘に耳を貸さず、東電は楽観的な見通しにこだわったと受け取られても仕方がない。
いったん溶けた燃料は、冷えにくくなる。一部は圧力容器から漏れた恐れもある。格納容器からは、大量の汚染水が漏出したとみられる。
破損箇所と放射性物質の流出経路を早急に特定し、対策を講じる必要がある。
燃料の半分近くが溶ける炉心溶融事故を起こした米スリーマイルアイランド原発では、事故後1カ月で原子炉は安定した。だが、溶けた燃料の取り出しや汚染水の処理に14年かかっている。
福島第1原発はいまだ冷却システムを構築する見通しが立たず、深刻さははるかに上回っている。
炉心溶融を渋々認めるような東電の態度からは、当事者としての責任感が伝わってこない。政府と東電は常に危険の度合い、作業に与える影響などを客観的に評価すべきだ。
もともと工程表は急ごしらえの感があり、事態の推移によって見直されることになっていた。
東電に最悪の想定を率直に語る姿勢がなければ、工程表への信頼はますます失われてしまう。
1〜3号機で炉心溶融が起き、容器も破損したことを前提に、工程表は修正されるべきだろう。
原子炉のデータを正確に把握することから始めねばならない。その上で、専門家の知見を添えた、情報公開の徹底が求められる。
国民の不安の根は、福島原発で何が起きているか、一向に見えてこないことにある。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/292291.html
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