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世界の原発ビジネス、「フクシマ」が新たな商機に 市場規模1兆ドル 次世代原子炉めぐり火花
http://www.asyura2.com/11/genpatu11/msg/144.html
投稿者 sci 日時 2011 年 5 月 13 日 22:00:10: 6WQSToHgoAVCQ
 

ポジトークの臭いもするが、思ったほど原発マーケットは弱くないのかもしれない
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-21053720110512?sp=true
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 [東京 12日 ロイター] 東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)福島第1原子力発電所の放射能汚染事故は、日本のみならず、米独など海外各国で反原発ムードを勢いづけた。しかし、世界の原発ビジネスには必ずしも逆風は吹いていない。

 新興国の電力需要や地球温暖化への懸念が高まる中、原発プラント各社はむしろ「フクシマ」を奇貨とし、安全性を掲げて新型原子炉の売り込みを加速させている。市場規模1兆ドル(約90兆円)とも言われる原発商戦。官民入り乱れ、激しい主導権争いが続く巨大市場の熱気は容易に衰えそうにない。

 原子力ルネサンス―。1986年4月に旧ソ連(現ウクライナ)で起きたチェルノブイリ原子力発電所事故以来、約四半世紀に及んだ「冬の時代」を経て、原子力発電は化石燃料に代わる有力エネルギー源として息を吹き返し始めた。地球温暖化阻止のため、原発の再認知は避けて通れない道というのが各国政府に共通した認識だ。しかし、その機運の高まりに「フクシマ」が冷水を浴びせた。

 東日本大震災とそれに続く東電・福島原発の事故の直後、ドイツのメルケル首相は1980年以前に稼働した国内の原発7基について一時稼働停止を発表。それに続いて、イタリア政府も原発再開に向けた議論を無期限で凍結する方針を表明した。スイスでは3基の原発建設手続きが中断、さらに同国経済相が「新規の原発建設は不可能」との見通しを示した。いずれも、国内に高まる反原発の世論を目の当たりにした突然の政策転換だった。

 全土に104基を抱える世界最大の原発保有国、米国。オバマ政権はクリーンエネルギーとして原子力発電推進の姿勢を変えていないが、福島原発事故の影響で、新規の建設計画はほとんどが棚上げ状態になっている。米電力大手NRGエナジー(NRG.N: 株価, 企業情報, レポート)は、東芝(6502.T: 株価, ニュース, レポート)が参加するテキサス州での原発2基の増設計画を断念した。安全基準をめぐる不透明感が高まっている、というのがその理由だ。

  <「フクシマ」がセールストークに>

 各国に連鎖する「フクシマ」ショック。しかし、世界全体を眺めてみると、福島原発の惨事が原子力産業にもたらした打撃は、チェルノブイリ事故の時ほどの深刻さを見せてはいない。日本を襲った放射能災害が一部先進国の原発計画を大きく揺さぶっているのは間違いないが、その一方で、中国、インド、中東、東欧などの新興国における原発需要は根強く、建設推進の方針に揺らぎはみられない。

 東日本大震災前、世界各国で建設を計画または提案中だった原子炉の数は300基を超す。その大半が新興国で、その後も計画を見直す動きはあまり表面化していない。変化があったとすれば、福島原発の惨状を知った発注者側が「より安全な原発」を求めるようになった点だ。「ノー・モア・フクシマ」。日本を襲った未曽有の放射能災害は、皮肉にも、世界の原発メーカーが次世代プラントを売り込む新たなセールストークになりつつある。

 例えば、チェコの国営電力会社CEZ(CEZPsp.PR: 株価, 企業情報, レポート)。同社には、総額300億ドルに上る大型契約を獲得しようと、米国、フランス、ロシアの3つの事業体から競うようにオファーが寄せられている。オーストリア国境に近いテメリン原発に2基、東部のドゥコバニー原発に1基、隣国スロバキアに2基の炉を建設する計画をめぐり、東芝傘下の米原子力大手ウエスチングハウス(WH)、ロシアの原子力企業アトムストロイエクスポルトと地元のシュコダの国際企業連合、仏アレバ(CEPFi.PA: 株価, 企業情報, レポート)が受注争いを繰り広げている。

 同社の原発プラント建設担当の幹部、ペトル・ザボドスキー氏はロイターとのインタビューで、「原子力エネルギーは過去の出来事からの教訓を踏まえてこそ活用できる」と表明。「日本で起きたことを分析し、そこから学んだことをサプライヤーの選択に生かすつもりだ」と述べ、プラント選定の条件として従来以上に安全性を重視する意向を示した。

  <次世代原子炉めぐり火花> 

 すでに各国の原発メーカーは、独自の安全技術を盛り込んだ新型炉の開発、売り込みに激しい火花を散らしている。技術力の高い欧米メーカーが有利になるか、あるいはロシアや韓国といった低価格炉のサプライヤーが勢力を伸ばすのか。少なくとも、先進各国で原発建設が立ち往生している現状では、各メーカーがその分小さくなったパイを争うこととなり、競争は激化する。「フクシマ」ショックが長期化すれば、原子力産業の勢力地図が塗り替わる可能性も否定できない。

 安全性を重視した次世代原子炉の開発で先頭集団を走っているのは、原子力世界最大手の仏アレバ。同社が手掛ける第3世代炉「欧州加圧水型原子炉(EPR、出力1650MW)」は地震や津波といった自然災害に備えて複数のバックアップシステムと安全装置が付いた設計で、2001年9月の米同時多発攻撃のような航空機の衝突も想定した災害耐久力が売り物だ。

 「将来を担うのは低価格炉ではない」―。東日本大震災の数日後、「アトミック・アンヌ」の異名で知られる同社のアンヌ・ロベルジョン最高経営責任者(CEO)はこう語り、EPRの優位性を強調した。

 同社によれば、EPR1基が1年間に炉心溶融(メルトダウン)を起こす確率は100万分の1未満で、第2世代原発の1万分の1と比べて安全性が大きく向上した。仮に、最悪シナリオのメルトダウンが起きた場合でも、EPRが格納容器底部に備える「コアキャッチャー」が溶け出した炉心をせき止め、溶融物が地中に浸出するような事態には至らないという。「フクシマの炉がもしEPRだったなら震災に耐えられた」とアレックス・マリンチッチ最高技術責任者(CTO)は言い切る。

 EPRはフィンランドのオルキルオトで第1号機、仏フラマンビルで第2号機が建設中。さらに中国広東省台山でもEPRを2基建設しており、1基目は2013年、2基目は2014年に操業開始予定だ。契約額は80億ユーロという。

これに加え、フランスのある当局者はロイターに対し、中国が国内の中規模プラントに第3世代原発技術を導入する意向だと明らかにした。これはアレバ陣営にとって大きな追い風となる可能性がある。同社は三菱重工業(7011.T: 株価, ニュース, レポート)と合弁会社「アトメア(ATMEA)」を設立し、中型の第3世代炉である加圧水型軽水炉(PWR)「アトメア1」(電気出力1100MW)を開発・販売している。

 アトメアは英国、米国、インド、中国、チェコなどと約20のプロジェクトを交渉中。福島原発事故のため事業の遅れも懸念されているが、同社は2030年までに世界の新設原子炉市場で3分の1のシェア獲得を狙っている。

  <新興勢力も新型炉で追撃>

 世界の原子力業界は現在、アレバと三菱重工の連合、東芝傘下のウエスチングハウス(WH)、米ゼネラル・エレクトリック(GE)(GE.N: 株価, 企業情報, レポート)と日立製作所(6501.T: 株価, ニュース, レポート)の連合という3陣営がしのぎを削る構図となっている。最大手のアレバにとって、背後を脅かす最大のライバルはWHだ。

 WHは中国で、第3世代原子炉「AP1000」を計4基建設中。1基目の操業開始は2013年を予定している。最新モデルとされるAP1000は、EPRのように安全対策として幾重ものバックアップシステムを備えるのではなく、「受動的安全性」というコンセプトを採用。非常時には、原子炉上部に設けられた30万ガロン(115万リットル)の水タンクの弁が自動的に開き、重力で水が注がれて炉心を冷却する仕組みで、電力を使って冷却水を注入する必要がないためバックアップの動力も不要という。

 同社もアレバ同様、自社の新型炉であれば東日本大震災と津波の被害にも耐えられたと主張する。WHのアリス・キャンドリスCEOは、今秋にも中国でさらに10基のAP1000建設に最終合意するとの見通しを示した。また英国、チェコ、ポーランド、リトアニアにも同炉を輸出する交渉が進んでおり、ブラジル、インドとも予備交渉を始めたことを明らかにした。

 「フクシマの惨事を受けて多くの人が受動的安全性の利点を理解し、AP1000の市場シェアは伸びるだろう」と 同CEOは市場の先行きに強気を崩さない。

 「フクシマ」ショックの広がりにも、ひるむところを見せないアレバとWH。それに比べ、劣勢に立たされているのはGE─日立だ。両社の合弁「GE日立ニュークリア・エナジー(GEH)」は日本で「改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)」と呼ばれる第3世代機2基を運営しており、さらに新型の「単純化沸騰水型原子炉(ESBWR)」を開発中。米カーネギー国際平和財団のアソシエート、ジェームズ・アクトン氏は「福島第1原発の原子炉を設計したGEが受ける痛手はとりわけ大きい」との見方を示す。

 しかし、次世代原子炉の開発は、欧米企業だけの専売特許ではない。三菱重工の改良型加圧水型炉(APWR)、韓国製のAPR‐1400、ロシア型加圧水型炉(VVER)、中国のCNP1000はいずれも第3世代の新鋭原子炉で、アレバやWHにはあなどれない存在だ。

 韓国勢は2009年12月、アラブ首長国連邦(UAE)で中東初の原発建設プロジェクトを受注、原発輸出として初めての実績をあげた。韓国電力公社(KEPCO)(015760.KS: 株価, 企業情報, レポート)、現代建設(000720.KS: 株価, 企業情報, レポート)、サムスンC&T(000830.KS: 株価, 企業情報, レポート)で作る同国の企業連合が、アレバ、WH、GEHといった並み居る強豪に競り勝ったとのニュースは業界内でも驚きをもって受け止められた。

 一方、ロシアは「第3世代プラス」型となるVVER1000、VVER1200を武器に、海外市場で攻勢をかけている。同国の目標は、原子力関連資材・技術の輸出を2030年までに現行の3倍の年間500億ドルへ拡大すること。国営原子力企業ロスアトムの広報担当は「われわれはこの25年間、チェルノブイリ事故から学び続けてきた」とロシアの優位性を強調、福島原発事故の影響を気にする様子は見られない。国際原子力機関(IAEA)出身の同国の原子力専門家は「チェルノブイリは悲劇だったが、そこから教訓も得られた。ロシア製原子炉は完全にIAEAの基準を満たしている」と胸を張る。

 ロシアの第3世代プラス炉の価格は1基30億─60億ドル。世界のウラン濃縮能力のほぼ4割を有し、年間約30億ドルの核燃料を輸出するロシアは、自国の原子炉の購入者には特別価格で燃料販売も行っている。

 震災直後の3月15日、ロシアのプーチン首相はベラルーシに飛び、90億ドル規模の原発建設案に合意を取り付けた。その翌日にはメドベージェフ大統領がトルコのエルドアン首相と面会し、ロシア製原子炉4基を輸出する200億ドル規模の計画推進を確認した。自ら「首脳セールス」を展開してロシア製原発を売り込んだプーチン首相、メドベージェフ大統領が強調したのは、自国製の安全性の高さと価格競争力だった。

  <台風の目は中国市場>

 「原発ルネサンスの推進力になってきた世界の社会的、政治的、経済的な条件は依然として整っている。その条件とは、原油価格、エネルギー安保、資源不足、そして温暖化を防ぐ低炭素系燃料の必要性だ」。ロイド船級協会(LR)で国際的な原子力問題を担当するリチャード・クレッグ氏はこう指摘し、反原子力ムードの高まりとは裏腹に、世界各地で原発建設の動きが続くと予想する。

「台風の目」となりそうなのが中国の動向だ。現在、米国、フランス、ロシアのメーカーから原子炉を輸入している同国だが、原発輸入国からの脱却を目指し、国産原子炉の開発・生産にも拍車をかけている。

 2007年3月、海外技術を導入して国産の第3世代炉を開発することを望んでいた中国は、アレバではなく、WHと契約を結んだ。WHが53億ドルでAP1000の技術移転に合意したからだ。一方、技術移転に消極的だったという理由で苦杯を喫したアレバも、手をこまねいていたわけではない。WHとの受注競争に敗れて以降、中国広東原子力発電グループへの技術移転に同意し、台山原発などへEPRを供給する契約を相次いで締結するなど、WHを猛追している。

 アモイ大学エネルギー研究院の李寧院長は、フクシマ危機によって、中国でも主流の原子炉が第3世代型にシフトするとみている。WHとアレバに競争上の優位性があるとしても、中国メーカーがその技術を習得するのは遠い将来ではない。李院長は「わが国が第3世代炉技術の完全国産化を達成すれば、ほどなくして原発輸出国となるだろう」と予測する。

 中国がこの先、第3世代炉の輸出ビジネスでアレバやWHと肩を並べるまでになるとの予想もある。世界の原子力業界に詳しい米国の独立系原子力コンサルタント、ジョン・ポルシン氏は、中国が既に「EPRを含む原子炉をアレバの3割引きの価格で請け負えると公言している」と述べた。同氏によると、中国は南アフリカ、アルゼンチン、サウジアラビアに対し、「国産の第3世代」とうたうCNP1000の売り込みに乗り出しているという。

 価格競争力を備えた中国の次世代原子炉が世界市場に参入すれば、既存のサプライヤーにとって新たな脅威となりかねない。「中国は2013年から原発技術の輸出をスタートする方針を示している。福島原発事故により若干の遅れが出るとして、私は2014年か2015年に実現するとみている」というのがポルシン氏の予想。「フクシマ」でいったん萎縮した「原発ルネサンス」が、中国を軸に再び広がる可能性は少なくない。

 (Geert De Clercq、Muriel Boselli、植竹知子、編集:北松克朗)

© Thomson Reuters 2011 All rights reserved.  

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コメント
 
01. 2011年5月13日 23:10:26: rWmc8odQao
誰も書かないので、ここに貼っとこっと。

甘利明氏
「太陽光では山手線の内側全部、風力では琵琶湖の面積が必要というのも事実です」
http://www.amari-akira.com/act/image/amariakira-act20110506-1-001.pdf

金子勝氏
「山手線区内の面積が64平方キロから58平方キロに縮んでる?…技術は日進月歩です。」
https://twitter.com/#!/masaru_kaneko/status/69008574692601856

残念、甘利氏。事実じゃなかった…
【教訓】知識の劣化に気をつけよう。特に技術分野は。


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