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きっこの日記 2011年5月9日
http://www3.diary.ne.jp/user/338790/
そんなこんなで、今日の日記は、母さんと行った温泉のことでも書こうと思ってたんだけど、いくら自分が西の果てに疎開してるからって、東ニポンが大変なことになってる原発問題をホッタラカシにはしておけない。ツイッターでは、チョコチョコと情報を流したり注意を呼びかけてるんだけど、文字数に制限がない日記じゃないと重要な情報は発信できない。だから、あたしの温泉の話は次の機会にして、今日は、あまりにも大変なことになっちゃった東ニポンのことを書こうと思う。
で、何が「あまりにも大変なこと」なのかって言うと、菅さんが鳴り物入りで発表した「浜岡原発を停止するように私の判断で要請しました」っていうグッドニュースの裏で、できるだけ国民に知られないようにコッソリと発表されたバッドニュース、「原発周辺の累積汚染度」のことだ。今までは、文部科学省だけが情報を独占して、何週間も経過してから都合のいいデータだけを公表してきたけど、今回は、ニポンの文部科学省だけじゃなくて、文部科学省とDOE(米国エネルギー省)による合同の航空機モニタリングだから、アメリカでもおんなじものが発表される。だから、ニポン政府も、データを改ざんすることができない今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、この
「文部科学省と米国DOEによる航空機モニタリング」
http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/__icsFiles/afieldfile/2011/05/06/1304694_0506.pdf
はPDF資料なので、見られる人は見てもらうのが早いんだけど、見られない人のためにザクッと説明しとく。これは、4月29日に、福島第一原発から半径80キロの範囲の放射能汚染度をヘリコプターと航空機から計測したもので、その結果が地図に示してある。で、地図を見た人はブッ飛んだと思うけど、「別紙2」の「セシウム134と137の地表面への蓄積量」がものすごいことになってるのだ。
地図を見れば一目瞭然だけど、1平方メートル当たり300万〜3000万ベクレルっていう殺人レベルの高濃度汚染が、原発から20キロ、30キロどころか、30キロ圏外の飯館村まで広がってる。チェルノブイリでさえも、最高で1平方メートル当たり380万ベクレルで、148万ベクレル以上は「強制避難」させられたんだから、この「300万〜3000万ベクレル」って数値が、どれほどのものか分かるだろう。ちなみに、チェルノブイリでは、1平方メートルあたりの放射能汚染度が148万ベクレル以上は「強制避難」、55万5000〜148万ベクレルは「強制移住」、18万5000〜55万5000ベクレルは「希望者は移住を認める」、3万7000〜18万5000ベクレルは「放射能管理が必要なエリア」とされてる。
この計測結果と、原発から40キロの飯館村でIAEAが計測した「1平方メートル当たり2000万ベクレル」っていう放射性ヨウ素の数値から推測すれば、どう考えてもチェルノブイリを遥かに超えた汚染が広がってることが分かるだろう。そして、その下のランクの100万〜〜300万ベクレルの汚染に至っては、原発から50キロ以上のエリアにまで及んでる。他にも、伊達市や福島市のように原発から60キロも離れてるのに、雨によって集中的に高濃度の放射性物質が降下した「ホットスポット」になってて、場所によっては60万ベクレルから300万ベクレルも汚染されてるエリアもある。これが、チェルノブイリで「強制移住」になったレベルだ。
それから、二本松市、本宮市、郡山市、須賀川市などは、原発から50キロも離れてるのに、場所によっては30万〜60万ベクレルも汚染されてるし、それ以外のすべての地域も、一応は「30万ベクレル以下」ってことになってるけど、これが「0」じゃないことは誰にでも分かるだろう。それどころか、地図の下のほうを見ると、隣りの茨城県の北茨城市や高萩市まで汚染されてる。つまり、これは、あくまでも「80キロ圏内」だけを計測したものだってことで、実際の放射能汚染は、もっともっと広範囲にまで広がってるってことだ。これらは、チェルノブイリでの「強制移住」よりは汚染度が低いけど、それでも、何ヶ月も生活することはできないレベルだ。特に、子供や女性は、1日も早く遠くへ避難しないと大変なことになる。
現在94歳の医師、肥田舜太郎先生は、広島に原爆が落とされた時の数多くの患者を診てきた被曝の専門医だけど、この肥田先生が、先日、福島県を視察に行った。肥田先生の報告によると、すでに福島県の多くの人たちが、かつて自分が広島で診てきた二次被曝者たちとソックリの症状を発症してるそうだ。肥田先生は、原爆で直接被爆した人たちと、原爆の被害は免れたのに、あとから爆心地へ近づいたことによって内部被曝してしまった人たちを数多く診てきた。肥田先生が言うには、広島で内部被曝した人たちは、まず、原因不明の下痢を起こし、直接被爆した人よりも先に死んでしまう人もいれば、ガンや白血病を発病して、何年、何十年と苦しんだ果てに亡くなった人もいたそうだ。そして、今回の福島の視察では、広島の時とおんなじで、原因不明の下痢を起こしている人が何人もいたそうだ。
下痢の症状を起こしてる人たちは、ほとんどが避難所生活などのストレスが原因だと思い込んでるけど、これは内部被曝による最初の症状である可能性が極めて高いそうだ。だから、肥田先生は、「福島の人たちに、すでに広島と同じ症状が現われ始めている。この秋から来春にかけて、次々と広島と同じ症状が出てくるだろうと推測される。内部被曝の影響が大きい子供や妊婦は、早急に避難しないと危険だ」って警告している。
‥‥そんなワケで、セシウムの半減期は30年て言われてるけど、これは、「30年経ったら安全だ」とか「30年経ったらその場所に住めるようになる」って意味じゃない。チェルノブイリでは、事故から25年経った現在でも、未だに30キロ圏内は立ち入り禁止だし、原発から4キロの場所にあった作業員たちの町、プリピャチ市などは、人が住める放射線値まで下がるのは900年後だって言われてる。そんなチェルノブイリが、最大でも1平方メートル当たり380万ベクレルなのに、福島第一は推定2000万ベクレルなんだから、地図の赤いエリアに人が住めるようになるのは数千年から数万年も先、黄色のエリアでも数百年は人が住めないってことになる。
もちろん、その下の緑色のエリアや水色のエリアにしたって、30万〜100万ベクレルの汚染度なんだから、人なんか住めるレベルじゃない。たとえば、すでに原発事故が収束してて、あとは今までに汚染された土壌の放射性物質にだけ注意すればいいとしたって、これほどの高濃度のエリアで生活することは極めて危険だ。だけど、実際は、未だに原発からは1日あたり150兆ベクレル以上、1時間に6兆ベクレルを超える放射性物質が放出され続けてるんだから、汚染は増加の一途をたどってるのだ。最近は、原発の映像をテレビで流さなくなってきたから、もう大丈夫なんじゃないかと思い込んでる人もいるだろうけど、これは、5月7日の午前1時すぎの原発の画像だ。複数の原子炉から大量の黒煙と白煙が立ち上ってることが分かると思う。
そして、この大量の放射性物質の放出は、東京電力が菅さんに言われて仕方なく作った、何の具体性も根拠もない「行程表」の通りに、何かの奇跡でも起こって収束したとしても、あと6ヶ月から9ヶ月は放出し続けるのだ。だから、今後の風向きによっては、現在は低濃度の地域でも、チェルノブイリを超える汚染レベルになることだって考えられる。その上、一番危険なプルサーマルをやってた3号機は、しばらく前から水温の上昇が続いてて、注水量を増やしたのに水温の上昇は止まらない「お手上げ状態」になってる。もしも、このまま上昇が抑えられずに原子炉が水素爆発でも起こしたら、最初の建屋の水素爆発とは比べ物にならないほどの大被害が起こる。
‥‥そんなワケで、これらの状況から分かるように、この「80キロ圏内」は当然として、あたしは、もっと広範囲の人たちが、1日も早く、できるだけ遠くへ避難すべきだと思ってる。だけど、政府がやってることは、まるで正反対だ。これらの地域の暫定規準値を大幅に引き上げた上に、こんなに危険な地域の校庭や公園で子供たちを遊ばせてるのだ。
先週、南相馬市を視察と激励に訪れた岡田克也幹事長は、まるで原発で作業してる人たちみたいに、全身を防護服で固めてた。お付きの人たちも防護服姿で、ゾロゾロとヘリコプターから降りてくる様子は、これから原発の中にでも入ってくようなモノモノシー感じに見えた。だけど、出迎えた市長さんたちは、みんな普通の作業着姿で、マスクもしてなかった。そして、分厚いゴム手袋をした岡田幹事長と、素手の市長が握手をした。岡田幹事長は、この完全防護服姿のまま、マスクもしてない現地の人たちを激励したんだけど、あたしは、何だかな〜って思った。
ま、政府の人間は現場のホントの汚染レベルを知ってるから、当たり前っちゃ当たり前のことだけど、枝野官房長官にしても、岡田幹事長にしても、自分が福島県に行く時に原発作業員とおんなじ防護服を着てくのなら、「直ちには健康に影響がない」とか「規準値以下なので食べても問題ない」とか言わないでほしい。今回の原発事故が起こった、わずか5日後の3月17日、政府は、食品の放射性物質の規準値を大幅に引き上げた。たとえば、根菜、芋類を除いた野菜類は、ヨウ素を2000ベクレル、セシウムを500ベクレルに大幅に引き上げたけど、これは、あくまでも「緊急時の暫定規準値」だ。つまり、原発が事故を起こした時なんかに、それが収束するまでの一定の期間とか、安全な場所まで避難するまでの一定の期間てことで、こんな規準値の野菜を何ヶ月も食べ続けたら大変なことになる。
先週は、いわき市、相馬市、伊達市などで採れたタケノコから、最大で1820ベクレルものセシウムが検出されて出荷停止になったけど、これだって今までの他の野菜とおんなじで、セシウムが500ベクレル以下になったら出荷再開になり、買わない消費者は「風評被害」だと批難され、小学校の給食や外食チェーンなどを通して多くの国民が内部被曝させられることになる。今回の「航空機モニタリング」の結果を見れば分かるように、福島県は全域が放射能汚染されてるんだし、周辺の県だって汚染されてることは間違いないんだから、ホントに農水産物の「風評被害」をなくしたいのなら、規準値を超えたから出荷停止、規準値以下になったから出荷‥‥ってことを数日おきに繰り返すんじゃなくて、規準値以上だろうが以下だろうが土壌汚染や海洋汚染が完全に安全なレベルに下がるまで、汚染エリアすべての農水産物の出荷を停止して、ぜんぶ東京電力に補償させるべきだろう。
今、政府がやってることは、危険な放射能汚染食品を国民に買わせて、国民のお金と健康を使って東京電力の尻拭いをさせてるようなもんだ。一度体内に入ったセシウムは、最低でも100日から200日は排出されないんだから、微量でも蓄積されていく。だから、「暫定規準値以下だから安全」て考えるんじゃなくて、「たとえ微量でもできるだけ食べないようにする」ってのが自分の身を守る方法だ。さらに言えば、政府はヨウ素とセシウムの数値しか発表してないけど、今回の事故では、他にも、プルトニウムやウランから、テルル、ルテニウム、ストロンチウムまで、分かってるだけでも10種類近い放射性物質が検出されてる。だから、たとえヨウ素やセシウムが暫定規準値以下だったとしても、他の放射性物質が規準値を超えてる可能性だって十分に考えられる。
‥‥そんなワケで、マスクもせずに生活してる現地の人たちが「普通」なのか、完全防護服姿で視察に行った政府の人間が「普通」なのかは、放射能汚染の実態を知らされてないか知ってるかの違いなんだから、どちらも「普通」と言える。だけど、何が「真実」なのかは、数年後にハッキリと分かるだろう。もちろん、その時には、菅直人は総理大臣じゃないし、枝野幸男は官房長官じゃないし、岡田克也は幹事長じゃないし、民主党が政権を担当してる可能性も極めて低い。この人たちが福島入りした時の完全防護服姿を見れば分かるように、この人たちは「今の自分のこと」しか考えてないんだから、あたしは、自分の身は自分で守るしかないと思ってる今日この頃なのだ。
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