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浜岡原発一時停止、主要紙社説がそろって賛同、解説、学者談話で温度差、朝日の懐疑的姿勢目立つ
浜岡原発一時停止、主要紙社説がそろって賛同、解説、学者談話で温度差、
朝日の懐疑的姿勢目立つ
浜岡原発を巡って朝日、読売、毎日、京都新聞など主要紙がそろって政府の方針に対する賛同を明らかにした。しかし仔細に記事を見ると解説や識者インタビューなどで温度の違いがある。特に朝日新聞が社会的混乱、産業への影響を問題視している視点が目を引く。
5月6日、菅総理は中部電力浜岡原子力発電所のすべての原子炉を停止するよう中部電力に要請した。浜岡原発は1号炉と2号炉の廃炉がすでに決まっている。3号炉は定期点検中、4,5号炉は運転中だか、新たな防災対策を講じている最中だった。
これに対し「危ないなら止める、へ、首相の停止判断は妥当、中部電力は要請を受け入れるべきだ」(朝日新聞、5月7日社説)、「中部電力は首相の要請を受け入れるべきだ」(読売新聞、月7日社説)、「首相の決断を評価する」(毎日社説、5月7日)、「首相の要請はきわめて妥当であり、評価したい」(京都新聞、5月8日社説)と述べた。このように菅内閣の一連の原発対策報道で、主要紙の足並みがそろったのは珍しいことだといえる。
しかし記事を仔細に見ると微妙に論点の違いがある。朝日は二面の識者の談話で、「あまりにも唐突」(住田健二、大阪大名誉教授)、「社会の混乱心配」(宮崎慶次、大阪大名誉教授)、場所自体が危険」(元京都大学原子炉実験所講師)の三本をたて、問題点が大きいという立場を見せた。
読売は経済面で「中部電、営業赤字転落、発電コスト上昇」、社会面で「突然停止、地元驚き」とフォロー、批判を押さえながら問題があることを提起した。
これに対し毎日は「もっと早い時期に」(石橋克彦、神戸大名誉教授)の談話を乗せた。また京都新聞は7日の紙面で「危険性明らか、停止当然」(川野真治元京都大原子炉実験所助教授)、「政府は安全基準明示を」(吉川英和京都大名誉教授)の二つの談話を載せた。
あえて色分けすれば朝日新聞が政府の「唐突の発表に問題あり」に力点がおかれ、読売が政府見解を評価しながらも。経済面の対策、地元民への対策の必要性を述べ是々非々で見守る姿勢を見せ、毎日、京都が停止に強く賛同している、ということになる。
浜岡原発の問題に対して、朝日が今後どのような報道をするのか、見届ける必要がありそうだ。(隅井孝雄)
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