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「大至急、大麻を復活せよ!」
(世界戦略情報「みち」平成23年(皇紀2671)4月15日第336号)
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●福島第一原発の事故は、東日本大震災がもたらしたもう一つの悲劇だ。
半永久的に消滅しない放射能が拡散し、世界中がその恐怖に覆い尽くされようとしている。
しかし、この難局を打開する救世主などいないと絶望するのはまだ早い。この世には常識を覆す救世主がすでに存在するのだ。それは大麻である。
大麻はアサ科の一年草で、雌雄異株の双子植物である。成長は極めて早く、背丈は三〜五メートルにまで達する。
大麻は本来「おおぬさ」と称される。日本を代表する麻であり、わが国で麻といえば大麻を指す。
かつて、桑、漆(うるし)、茶、楮(こうぞ)、紅花(べにばな)、藍(あい)、大麻は四木三草と呼ばれ、日本の産業に活用された主要な植物であった。
葉は掌状をなし、小葉の枚数は一、三、五、七、九……というように奇数で増えていく。規則正しく成長する様は芸術的であり、神秘的ですらある。
開花後に受粉すると実を結ぶ。大麻の実には大豆と同等のタンパク質が含まれ、大豆よりも消化吸収が良い。
その種子は不老長寿の食材として古来から有名で、支那では大麻の実を麻子仁と称して重宝した。釈迦は七年間の修行期間中、一日一粒の種子を食したといわれる。
種子から抽出するオイルには、燃料油、食用油、マッサージオイル、機械油、化粧品の原料、塗料の原料、健康補助食品など多種多様な用途がある。
茎の皮から採れる繊維は、糸、紐、布、紙などさまざまな用途に利用することができる。石油化学繊維と比べて着心地が良く、肌にもやさしい。通気性と吸水性に優れ、肌着のように柔らかいものからロープのように丈夫なものまで幅広く加工できる。
大麻繊維で作られる断熱材は夏は涼しく冬は暖かい。まさに呼吸する省エネ建材だ。茎をチップ状に砕いて石灰と混ぜて作るボードは自由自在に成形しやすい。固まるとコンクリートのように丈夫で、非常に高い耐火性も持ち合わせている。
茎は大麻紙の原料である大麻パルプにもなる。木材パルプと比べて耐久性に優れ、同じ栽培面積で木材パルプの四倍もの紙を量産できる。
一七七六年の米国独立宣言の起草文は大麻紙に記された。耐久性は抜群で、いまだに劣化していない。
生育に数十年を要する木材と比べ、一年草の大麻は生産効率と対費用効果の面でも断然有利だ。欧州全土の一二%の土地に大麻を栽培すれば、全世界の年間需要が充たされるという調査結果も出ている。
また、茎からは環境に優しく土に還元するバイオプラスチックを作り出すことができる。
一九二九年、米国のフォード社は、車体の七〇%が大麻とサイザル麻と麦藁、三〇%が大麻樹脂結合材から車を製造し、大麻の種子から搾取した油を燃料にして走行する実験に成功した。
この車は従来の同型の車と比較して、重量は三分の一ながら衝撃強度は十倍もの強靭さを誇った。
大麻製の燃料は、化石燃料のように重金属や硫黄を放出しない。大麻は空気中の二酸化炭素を酸素に還元する力が他の植物よりも大きく、落葉樹の三〜四倍の二酸化炭素を吸収する。
仮に北米の六%の土地で燃料用大麻を栽培すれば、米国は化石燃料に依存する必要が全くないといわれる。
大麻からは、実に二万五千から五万種類もの工業製品を製造することが可能だ。南極、北極、グリーンランド以外の世界の全地域で栽培可能で、いかなる環境にも適応する柔軟性がある。農薬や化学肥料が不要であり、土壌から必要以上の養分を奪わない。
防虫効果と抗菌作用も極めて高い。害虫にも強く、除草剤や殺虫剤も必要としないため、土壌を改善し、地下水の汚染も防ぐことができる。
現代社会で深刻な問題となっている電磁波や紫外線などの有害物質に対しても絶大な効果を発揮する。
大麻の繊維は電磁波に影響されにくく、電磁波シールド測定法では電磁波に対してある程度の中和効果が認められるという。
わが国では古来から、神社、仏閣などで大麻繊維を利用して結界を張っていた。古代人は大麻の持つ電磁波中和効果、つまり罪穢れを禊祓う科学的技術を活用していたのである。
●さて、ここからがいよいよ本題だ。驚くべきことに、何と放射線対策にも有効だというのである。
チェルノブイリ原子力発電所の事故で汚染された土壌から放射能を取り除くために、ファイトレメディエーションという技術が利用されている。
この技術は、植物が根から水分や養分を吸収する能力を利用して、土壌や地下水中の汚染物質を吸収して分解するものだ。その目的に最も相応しいのが大麻であり、とりわけTHC(テトラヒドロカンナビノール)の含有量が少ない産業用大麻なのである。
米国の Consolidated Growers and Processors社とPHYTOTECH社、ウクライナのInstitute of Bast Crops社は、一九九八年からチェルノブイリ原発周辺に産業用大麻を植えるプロジェクトを始動している。
この大麻を利用して、広範囲かつ地下深くまで浸透した放射能を大麻に閉じ込めて封印するというわけだ。
放射能汚染された土壌を浄化するために植えた大麻は、収穫後にエタノール蒸留すればバイオ燃料に転用できる。放射能を消去するまでには至らないので、残余物は焼却し、生じた灰は放射性廃棄物と同様の方法で処理する必要がある。
但し、電磁波や紫外線と同様に、放射線をも中和する効果があるという説もある。これが本当なら朗報であり、放射能除去にかかる処理負担は大いに軽減されることになる。
以上のように、現代科学では極めて困難と考えられてきた放射能除去処理が、太古から普遍的に存在してきた植物によって実現可能なのである。
それならば、放射能汚染が深刻な福島県はもちろん、隣接する東北各県や関東地方に一刻も早く大麻を植えようではないか。
●そして、大麻の活用を訴えるのにはもう一つ理由がある。
それは日本人が喪失した霊性を復活させる重要な鍵だからである。
日本では古来より大麻は神聖なものと崇められ、神々が大麻を伝って天から降臨したとの言い伝えがある。
大麻は罪穢れを祓う聖なる植物として、お札や御幣、神社の鈴縄、注連縄(しめなわ)、巫女の髪紐、狩衣、お盆の迎え火など、神事と関連してあらゆる場面で利用されてきた。
大相撲の横綱の化粧まわし、下駄の鼻緒、凧揚げの糸や弓弦、花火の火薬などの形で、大麻はわが国の伝統文化にも見出すことができる。
大麻には強い生命力がある。天皇家は大麻を魂の象徴、神の依り代として稲と並ぶ重要な植物と位置づけた。
古代から皇室祭祀の一翼を担った忌部氏は、神事執行のための空間や道具を創造し、麁服(あらたえ)という大麻繊維で作った神衣を織る役割を果たしていた。
このように大麻は天皇家や日本人の暮らしと不即不離の関係にあったが、二〇世紀に入ってから全世界的に推進された大麻排除の策謀にわが国も否応なく巻き込まれることになった。
米国政府と産業資本家は予め、大麻は毒性の強い麻薬だとでっち上げて、ネガティブキャンペーンを展開、麻薬=悪という洗脳工作を仕掛けた。
その間開発中だった石油繊維が完成するや、その拡販と寡占化のため競合する大麻繊維の排除に乗り出す。
彼らは一九二六年、「第二アヘン会議条約」の締結にこぎ着け、ヘロインとコカインに加えて大麻の使用を全世界的に禁じる道筋をつけた。
わが国はこの条約締結を批准したものの、条約が規制対象とする印度大麻草などの医療用大麻は国内には存在せず、国内で主に栽培している大麻は適用しなくても良いと機転を利かせて、引き続き大麻を規制しなかった。
だが大東亜戦争の敗戦後、GHQは覚書(メモランダム)なるものを振りかざし、大麻規制を強要した。これを受け昭和二三年「大麻取締法」を施行し、日本はついに大麻の取扱いを原則禁止とする厳格な措置に転換することを余儀なくされた。
GHQが覚書を発行して大麻禁止を迫った背景には、日本文明の根幹である国家神道と大麻の関連性を断ち切り、日本民族を精神的に去勢しようという狙いが隠されていた。
欧州各国では今日、医療用大麻の効能やエコロジー的有用性が再評価され、大麻規制を緩和し有効活用する動きが徐々に高まっている。
ところが、わが国はいまだに大麻禁止方針を頑なに墨守している。米国ですら規制に風穴を開けようとする気運が高まっているのに、日本ではかつてのGHQの亡霊に盲目的に追従して自己検閲し、復活に向けた動きを水際で封じ込める有様だ。
古代に神事で祝詞を司る中臣氏が変節し、それ以降徐々に言霊が乱れた。そして六〇余年前、祭祀空間と道具を司る忌部氏によって死守されてきた大麻にもついに魔の手が及んだ。
祭祀や食用などごく一部の用途を除いて栽培や使用が厳禁とされた。その分だけ日本人と神を結ぶ回路は閉ざされ、神から日本人に流れ込む生命エネルギーは激減した。
これが日本人の著しい霊性喪失をもたらしたことは明々白々だ。
●日本国民に告ぐ。直ちに大麻を復活せよ! 死の灰で穢れた東日本の大地を大麻の海原で埋め尽くせ!
空高く垂直に数メートルも伸長し、地中にも数メートルの根を張り巡らせる脅威の生命力は、復興の象徴として人々を大いに勇気づけるだろう。
収穫後に加工され所狭しと並べ吊された黄金色の繊維の束は、黄金の国ジパングが決して比喩ではなかったことを思い起こさせてくれるだろう。
東日本大震災は、放射能により日本民族と龍神の化身である日本の国土の肉体的生命を脅かしている。
冤罪の汚名を雪(そそ)ぎ大麻の名誉を回復させることが、肉体的生命の危機から脱する足がかりとなろう。それは同時に、失われた霊性の復活、すなわち精神的生命の蘇生にもつながる。
既に太古の昔から存在し、日本文明で中心的役割を果たしていた大麻を再評価する。そして、これを社稷の中心に据える。大麻こそ「神一厘の秘策」となりうるのである。
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