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(回答先: ロイターオンライン調査:原発全廃80%・計画見直し減少12%・原発増設8%(5/4午後2時現在) 投稿者 あっしら 日時 2011 年 5 月 04 日 14:31:02)
http://8706.teacup.com/uedam/bbs/10211
「uedom.com」の掲示板から「原発無関心層の1億人は、推進派によって戦略的に生み出されてきた」を、フォローアップ投稿として転載投稿します。
=転載開始=
投稿者:ウエダ 投稿日:2011年 5月 4日(水)11時46分38秒
こんにちは、皆さん、植田です。
小出裕章氏の非公式サイトに、これまで小出氏が発表してきた論文、シンポジウム、講演の記録が出ています。
3.11以後になってから原発に関心を持った私には、実に貴重な記録集です。
http://hiroakikoide.wordpress.com/
小出氏が反原発の立場を明確にしたのは、1970年のことでした。
1968年に東北大に入学し、原子物理学を専攻したときは、原発の将来に夢をはせる真面目な学生でした。
「真面目な学生」という意味は、その時代の大学は学園闘争のブームでした。だから、「大学生たるもの、自分の頭で考えなければならない」、と自認する学生であれば、たいていは一度は学生運動に参加するか、そこまではいかなくとも、社会問題に関心をもつのが普通でした。
真面目な学生だった小出氏は、そこまでも行きませんでした。原子力の将来に夢を乗せた小出学生にとっては、学生運動は邪魔でしかありませんでした。勉強の妨害です。
ところが、事件はまさにその真面目な勉強の中で起こりました。
原子力の将来に夢があり、安全であるなら、原発は東北大学がある仙台市に設置されるに違いない、と彼は思っていました。なぜなら、東北地方で最も電力消費が多いのが仙台市だから、と。
しかし、小出氏が驚いたことに、原発の立地場所に選定されたのは女川でした。
ここで小出氏が疑問を覚えました、「なんで?」
答えは、女川に足を運んで、地元住民たちの中に入った時、たちまちわかりました。
原発は危険だから、仙台市には設置できない、と。
「原発がそんなに安全なら、女川ではなく、仙台につくれ」というのが地元住民たちの声でした。
真面目な原子力学生の小出氏が、ここから反原発学生に転身します。
そして、1969年に東大闘争が安田講堂陥落以後、反体制学生運動のブームが消えてしまったのに対し、小出氏の反体制運動は、そこからスタートしました。
以後、2011.5.4の今日まで40年。
思うに、小出氏こそは、マルクス主義者ではなかったのか。
なぜなら、原子力という「唯物」だけの次元で、反体制を貫いてきたから。
なまじ、イデロオギーの次元で反体制運動を行った60年代の学生運動家たちは、ほとんどすべてぽしゃってしまった、と。
小出氏の場合は、ぽしゃりたくても、ぽしゃることができませんでした。
原発のリスクは常に、そこにあるから。
小出氏を40年もの間、反体制運動の立場に置かせたのは、イデオロギーではなく、唯物論の立場でした。自然界の事実、です。
自然科学は、唯物論です。
ただし、量子力学者たちの中には、量子論は人間の意識の反映である、と見なす人たちがいます。たとえば、ハイゼンベルク。
しかし、自然科学が学問の研究対象として設定する存在の領域は、「唯物」の次元であることは疑いありません。人間の思い込みではなんともしようがない、ホワイトヘッドの言葉を借りれば、「頑固な事実」の世界です。
で、原子力の専門家たる小出氏は、その自然科学の認識に基づく原発のリスクから40年の反体制の立場を貫いてきたわけですが、では、原発推進を容認してきた1億人の素人たちはどうなのか、という疑問が出てきます。
私は、1億人の素人たちの原発無関心さは、原発推進派当局による戦略だったのではないかと思います。
1億人が無関心であること以上に、推進派にとって好都合なことはない、と。
もし、素人であっても、ごく普通に原発のリスクに関心を持てば、たちどころに反原発、脱原発への疑問を持つだろうから、と。特別の知力を有しなくても、人間であれば、原発のリスクがどれほどのものか、誰もがすぐにわかる、と。原発のリスクとは、それほどのものである。
だから、戦後日本の原発史の60年は、推進派によって戦略的に生み出された「1億人の原発無関心層」がいるために成功してきた歴史だった、ということになるかもしれません。
=転載終了=
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