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米国のシンクタンク「ノーチラス研究所」は21日までに、東日本大震災で失われた電力の供給を回復するには原子力や火力の発電所を再稼働、新設するよりも、省エネや再生可能エネルギー、小規模分散型の発電を拡大する方が、供給を早期に実現できる上に、年間の費用も安く済むとの調査報告書をまとめた。
省エネや再生可能エネへの投資は不確定要素が少なく、短時間で復旧が可能な上、二酸化炭素(CO2)の排出量も大幅に減らせるとしている。
同研究所は、日本の研究成果や国際的なデータを基に東京、東北両電力管内に建設可能な風力、太陽光発電の投資額や設備容量、コストを試算。小型、中型の発電機や燃料電池など小規模分散型の発電設備を増やすことも加味して、地震で失われた発電能力をカバーできるかどうかを調べた。
その結果、15年3月末までにこれらの手法で発電した電力量に、省エネで節約した電力量を加えると、その総量は計809億7400万キロワット時。施設整備には年平均では8370億円が必要と推定された。
原発の改修や火力発電所などの建設でほぼ同量の発電をする場合は、防災対策や地域の合意取り付けなどに多大な時間を要するため、実際の発電が実現するのは大きく遅れる上、年平均のコストは8470億円とかえって高くつくという。
報告書は「省エネ効果を加えれば、原発や火力で発電するのに比べてCO2排出量を5000万トン減らすこともできる」と環境保全面での利益を強調。再生可能エネルギーや分散型発電に適した次世代送電網(スマートグリッド)の開発など、日本の送電網の改革を復興計画の一環として進めることを提言した。
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20110421k0000e040060000c.html
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