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僕が学生の時に生化学を教わった先生(出口和雄先生)が、
「放射線のイロハから福島原発事故まで」
という本を自費出版しました。
一人でも多くの人に放射線、原発に対しての理解を深めてもらうよう本書を書くことを決意したとの事なので、著者の了承を経てPDF化・HTML化しました。
是非お読みください。
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序
東北関東大地震から一月後、被災地では徐々に復興の動きが始まった。地震、津波の被害は未曾有のものであったが、このような天災に対して日本人は、これまで民族として培ってきた勇気と連帯で克服できると思われる。
原発事故後、故郷を奪われた5万人以上の人々が原発難民として各地を流浪している。彼らには何時故郷に帰れるのか見当も付かない。仕事を奪われた農民、漁師が呆然と立ちすくんでいる。彼らには将来の生活の見通しが全く付かない。
このような人災である原発事故に対しては、勇気と連帯だけでは対処できず、知的能力が必要とされる。言うまでもなく、日本人は知的能力において世界に誇るべきものを持っているが、放射線、原発についての理解は大きく立ち遅れている。
現在、連日のように報道される原発事故を正しく理解できる人は少数と思われる。これは、日本における放射線教育の決定的遅れを反映している。国民大多数の理解なくしては、日本はこの人災である福島原発事故から立ち直ることは出来ない。
かつて放射線安全教育に携わった経験を生かして、一人でも多くの人に放射線、原発に対しての理解を深めてもらうよう本書を書くことを決意した。急を要することなので短時間で書き上げたため、言葉足らずのことも多いと思われるが、多少のお役には立てると信じている。
現在、我々が心すべきことを以下に示します。
いかなる犠牲を払おうと、日本人の責任において最悪の事態は回避しなければならない。
最悪の事態とは、本書を読めば理解してもらえると思うが、現在この最悪の事態を避けようと、原発事故現場で数千の人々が命がけで奮闘している。数千人程度で解決できるとは誰も思っていない。実際、彼らの体は放射線被曝のため悲鳴を上げ始めている。
福島原発事故との戦いは、今後数年、数十年続くと思われるが初期対応がきわめて重要である。
福島原発事故の影響を最小限に食い止めることは、事故を起こしてしまった我々の、世界の人々や未来の日本人に対する義務である。
2011年4月11日
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