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(書評/転送・転載を歓迎します)
日本の原発技術が世界を変える(祥伝社新書225)
豊田 有恒著
エディション: 新書
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(書評)
「高速増殖炉は作れない」と言ふ原発技術者の言葉を豊田氏はどう聞くか?
私は、豊田有恒さんが好きである。豊田氏の韓国論は、厳しく、そして公平である。『韓国が危ない』などは本当に良い本で、厳しい批判をしながらも、その底には韓国への愛情が溢れて居る。私は、そんな豊田さんの本から多くを学んだ。その豊田氏が、何故、原発の話に成ると、こうもおかしな本を書くのだろうか。想像であるが、東京電力などの人たちと親しく成りすぎて、技術を客観的に見れなく成ってしまったのではないか?失礼ながら、そんな気がして居る。
豊田氏と原子力発電を支持する読者の為に、こんな話をしておきたい。私の友人で、高速増殖炉の専門家であった人が居る。この人は、某原発メーカーで、高速増殖炉の開発に従事して居た専門家中の専門家である。この人は、今は、原子力の仕事自体から足を洗ひ、全く別の仕事をして居るが、彼は、何と、「高速増殖炉は作れない」と言ひ切って居るのである。理由は、ナトリウムを管理出来無いからだと言ふ。更に興味深い話として、彼が働いて居た原発メーカー社内においても、高速増殖炉の研究は冷笑されて居たと言ふ回想を彼は述べて居る。即ち、これは、この技術者の個人的見解ではなく、彼が居た原発メーカーの人々もが、抱いて居る高速増殖炉についての「本音」なのである。豊田氏は、この技術者の言葉をどう聴くだろうか?
原子力発電について、これだけ知識の有る豊田氏であれば、高速増殖炉が作れないと言ふ前提の下で、ただ軽水炉による原子力発電を続ける事にどれだけの意味が有るか?考え直す事は出来る筈である。豊田氏が、その素晴らしい知性と率直さから、原子力発電に対する考え方を改める事を祈り、あえて、本書の評価を、大甘だが、星二つとする。
(西岡昌紀・内科医/福島第一原発の行方を見守りながら)
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