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(回答先: 共産が「脱原発」強める 志位委員長がメーデーで主張[朝日新聞]共産党は“科学信仰”(笑)だから反原発ではなかった。 投稿者 あっしら 日時 2011 年 5 月 02 日 21:10:00)
http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-May/009213.html
[CML 009340] 日本共産党の原発政策の転換について 京都 岩佐英夫
Hideo Iwasa iwasa at minami-lo.jp
2011年 5月 2日 (月) 21:26:42 JST
日本共産党の原発政策の転換について 京都 岩佐英夫
皆さん、2011年5月1日の第82回中央メーデーでの日本共産党の志位委員長の
挨拶で、原発問題について極めて重要な発言がなされたことに気づかれたでしょうか
?
5月2日付け「しんぶん赤旗」4面に全文が掲載された同委員長発言では、大震災を
ふまえて、三つの国民運動が提起されている。即ち、第1は「被災者支援と復興のた
めの国民的運動」であり、第2は「原発政策の根本的転換」であり、第3は「ルール
ある経済社会をめざす」たたかいをあらゆる分野で発展させることである。
第1、第3は、震災後、同党が一貫して提起してきたことであるが、第2は、従来の方
針から大きく踏み出したものである。
即ち、第2において志位委員長は、福島原発事故が明らかにした点としては@いまの
原発の技術は本質的に未完成で危険をはらんだものであること、Aこうした施設を世
界有数の地震国で世界1、2の津波国である日本に集中立地することはとりわけ危険
きわまること、Bしかるに歴代政府が「安全神話」にしがみつき、繰り返してなされ
た警告を無視して安全対策をとらなかったことが大事故につながったこと、との三点
を指摘したうえで、
「この大事故をふまえ、私は政府に対して、原発からの撤退を決断すること、原発を
ゼロにする期限をきめたプログラムを策定することを強く求めるものです」と明確に
原発ゼロ政策をよびかけた。
これは、実は日本共産党の原発政策にとって大きな転換である。従来の共産党の原
発政策は、あらゆる原発に反対というものではなく、「(核兵器開発につながらな
い)平和で安全な原子力研究開発」は認めていると理解されてきたからである。
共産党内部(中央委員会あるいは幹部会等)で、どのような議論がなされて、こう
した志位委員長発言になったのかはつまびらかではない。しかしながら、こうした提
起は、原発廃棄を求める運動の統一に大きな影響を与えることは間違いないであろ
う。既に、東京都足立区長選挙に立候補された吉田万三氏(もと、都知事選候補)は
脱原発を明確に打ち出している。
☆日本共産党の原発政策の経緯をふりかえると次のとおりである。
1、綱領の四、民主主義革命と民主連合政府(一二)【経済的民主主義の分野で】3
項では、
「食料自給率の向上、安全優先のエネルギー体制と自給率の引き上げを重視し、農
林水産政策、エネルギー政策の根本的な転換をはかる。」となっている。
2、2011年3月31日の「被災者救援・復興、原子力・エネルギー政策の転換を
―東日本大震災にあたっての提言 」の
3項、「原子力行政、エネルギー政策の抜本的転換を」では、
(1)「安全最優先の原子力行政への転換を」では
・正直で科学的な原子力行政へと転換することを強く求める。
・原発総点検、原発新増設とプルトニウム利用の燃料政策の中止の基本的立場に
立って、原子力行政の思い切った転換をはかる必要がある。
・新しい安全基準をつくり、それに基づいて全国の原発の総点検を
・14基以上の原発を新増設する計画はきっぱり中止すべき。
・想定震源域の真上に位置する浜岡原発の停止、老朽化した原発の「延命」の中
止、危険きわまりない高速増殖炉「もんじゅ」、ウランより危険性の高いプルトニウ
ムが入った燃料を一般の原子炉で燃やすプルサーマルなど、プルトニウム利用の核燃
料サイクル政策の中止。福島原発は廃炉にすべき。
(2)「自然エネルギー、低エネルギー社会への戦略的転換を」では、
・原発依存のエネルギー政策から、自然エネルギー(再生可能エネルギー)へ
の戦略的転換を決断すべき。
・「24時間型社会」という社会のありかたを、根本的に見直し、低エネル
ギー社会への転換をはかるべき。
となっている。
3、共産党の公式見解を反映していると思われる「前衛」2011年5月号の柳町秀
一氏論文(29頁〜40頁)の
最後に、五、「核兵器のない世界」と「平和で安全な原子力研究開発」との項目
があり、「トリウム溶融鉛炉」は、非軍事的体系であること、原理的に過酷事故のお
それがないこと、現在の原子力政策の「負の遺産」であるプルトニウムと放射性廃液
の消滅に有効として、肯定的に紹介されている。
☆但し、この点について、4月28日に開催された自由法曹団京都支部主催の学習会
で安斎郁郎氏(東大原子力工学科第1期生、放射線防護学の専門家。立命館大学名誉
教授、国際平和ミュージアム名誉館長)は、この論文についての質問に対して、「今
の原発はウラン235や、プルトニウム239のモックス燃料を使っている。トリウムを使
うと核兵器への転用はしにくいが、いずれにしても核分裂反応を使うので、放射性廃
棄物を発生させる。トリウム炉はあまり信用していない。」と回答されている(要
旨)。
同氏は、4月28日に「かもがわ出版」から「福島原発事故をどうする?」を発
売され、従来からあった「原発 そこが知りたい」「放射能 そこが知りたい」等の
ブックレットの最新改定版を出しておられ、いずれも正確でわかりやすい基礎概念解
説をふまえた貴重な文献である。
以
上
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