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(回答先: 福島原発「ベント」周知せず着手 作業員、被ばくの危険に(共同通信) 投稿者 赤かぶ 日時 2011 年 5 月 01 日 19:57:41)
福島第一原発事故の対策を担っている主体的組織の二つが、揃いもそろって、一人ひとりの生を勝手気ままにもてあそぶカスだということに空恐ろしさを感じる。
福島第一の敷地内で作業にあたっていた人たちにベント情報が伝えられず、対策も指示されていなかったというこの記事を読んで愕然とした。
東電は相当レベル低い非人間的なやり方をしているとは思っていたが、事故後は一応メディアや政府の“目”もあるから、それなりの気遣いをしていると思っていた。
この記事を読むと、食事は1日1回だったとか布団はなく床に寝てたとか線量計を持たされずに危険な建屋内に入らされていたという話がごく当たり前の出来事に思えてしまうという奇妙な精神的ゆらぎに陥ってしまう。
おそらく、3月12日午前の段階では、電源復旧作業でバタバタし、管首相の来所もあってわさわさしている状態だったから、防護服や防護マスクは未着用だったはずだ。
時間的にもう少し前だった管首相も防災服だけで福島第一の地を歩いていたくらいだ。
「免震重要棟2階の対策本部」の連中は、ベントにためらいを見せたり政府指示を前面に出してベントを実施したことでもわかるが、ベントを行えば広範囲にとりわけ原子炉周辺でどのような“変化”が起きるかよくわかっていたはずだ。
それでもベント情報を作業者たちに伝えなかったのは、推測になるが、作業者たちが不安や恐怖心で浮き足立ったり職場放棄に動くような事態を懸念しそれらを避けたかったからだろう。
(もっと悪意をもって推測すると、防護服を着用させるのが面倒だったり、一定時間作業を中断し避難させることは非効率になりいやだったからかもしれない)
なんにしろ、作業者の身に問題が生じないようできるだけ配慮するという構えではなく、作業者をたんなる道具と考え企業の論理を優先させる構えだということだ。
このような心根は政府=管内閣とも共通のものだ。
1号機のベントが行われた3月12日午前、枝野官房長官は記者会見で、「先程、1号機の原子炉格納容器内の圧力を降下させる措置を行いました。このため、放射性物質を含む空気の一部外部への放出が行われますが、管理された中での放出でございます。また、こうした放出に備えて3km圏内からの退出をお願いをいたしておりまして、この管理された状況での放出をということについては、10km圏外に出ていただいているというのは、まさに万全を期すため」と口先だけの安全をグダグダ語るだけで、被曝リスクの存在や被爆をできるだけ抑えるための対処方法を国民に説明しなかった。
このため、南東北から関東甲信越までの広い範囲で、乳幼児から老人までが、避けることもできた余分の被曝量を上乗せするかたちで被曝することになってしまった。
このところで明らかになっている母乳の汚染も、一人ひとりの国民の健康や命を口先ではなくリアルな感受性で理解している統治者であれば、汚染をぎりぎりまで低減することができたのである。
記事に一つ疑問がある。
>事態が深刻な1号機で午前9時すぎ、二つの弁のうち、最初の弁の開放作業が
>始まった。 二つ目の弁の開放着手は午前10時すぎだったが、実際に蒸気の
>排出が確認されたのは午後2時すぎ。
>データによると、午後2時20分の線量は通常の約180倍で、午後2時の線量
>から2倍以上に跳ね上がっていた。
1号機のベントは3月12日午前10時17分が“公式時刻”で、排気塔から蒸気が確認できたかどうかはともかく、下記に添付した正門付近での放射線量測定値でベントが実施されたことが確認できる。
正門付近の放射線量は、6時半から10時10分まで1桁台(3.3μSV/hから6.6μSV/h)だったが、ベント時刻から3分後の10時20分に一気に180μSV/hに上昇し、10時30分に385μSV/h、10時40分に163μSV/hと推移し、11時には6.6μSV/hに低下している。
記事には、「午後2時20分の線量は通常の約180倍で、午後2時の線量から2倍以上に跳ね上がっていた」とあるが、 正門の線量は、14時で4.6μSV/h、14時20分で10.9μSV/hだから、確かに2倍以上に跳ね上がっているが、午前中の線量に比べればはるかに少ない。(福島第一の通常値は0.06μSV/h前後だから10.9μSV/hは「通常の180倍」と言える。午前中の最大値385μSV/hは、通常の6416倍である)
午前中の線量推移で説明ができるのに、なぜに午後2時あたりのデータを持ち出しているのか意味不明。
午後の線量を取り上げるならば、1号機が水素爆発を起こす直前の15時29分にMP4で測定された1,015μSV/hであろう。今回の事故で初めての1SV/h超えである。
この7分後の15時36分に1号機は爆発する。爆発のあとに1SV/hを測定したのなら理解できるがそのわずか前に測定されているのが不可解である。
(水素ともども希ガス、ヨウ素、セシウムなど揮発性や微粒子の放射性物質が1号機格納容器の蓋の隙間から出たとしても、放射性物質が正門近くまで飛散したのなら、より軽い水素だって建屋外に放出され建屋内の水素濃度は下がったと思うのだが)
正門の測定値は東電発表で、MP4の測定値は官邸発表というぐあいだから、当日の敷地内の放射線量は測定されていながら公表されていないというものもあるだろう。
とにかく手持ちのデータは包み隠さず公表すべきである。
※付表:【3月12日福島第一敷地内線量:単位μSV/h】
正門:1号機の南西およそ1.5km
MP4:1号機の北西およそ1.5km(飯舘村に通じる方向)
※ 当日は、南よりの風が1から2m吹いていたので、正門はやや風上、MP4はやや風下という位置関係になる。MP4のデータのみ官邸(原子力災害対策本部)発表で、ほかはすべて東電発表に基づく。
6:30,正門,3.29
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7:50,正門,4.97
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9:50,正門,5.03
10:00,正門,5.2
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10:30,正門,385.5
10:40,正門,162.9
11:00,正門,6.69
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11:20,正門,9.43
11:30,正門,35.77
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11:50,正門,17.1
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12:20,正門,11.56
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14:20,正門,10.9
14:30,正門,9.98,
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16:30,正門,3.32
16:40,正門,3.25
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