http://www.asyura2.com/11/genpatu10/msg/293.html
Tweet |
◆ 怒鳴った菅首相(2011年04月30日)
http://openblog.meblog.biz/article/4542364.html
菅直人が東電幹部に怒鳴った、という話がある。(各紙)
「怒鳴るばかりで無能な首相」という評価が多かったが、実は菅直人が日本を救ったらしい。(日経)
──────────────────────────
日経 2011-04-30 の記事から。
海江田万里経済産業相は3月14日深夜、東京電力の清水正孝社長から電話を受けた。
「放射線量が多く、これ以上、現場では作業ができません。第1原発から退避して、第2原発に行きたい」
爆発寸前の第1原発を事実上、見捨てて、南に約10キロも離れた第2原発に大半が避難したらどうなるのか。政府と自衛隊に丸投げされても対処は不能だ。経産相から社長発言の報告を受けた菅直人首相は怒鳴った。
「そんなことありえないだろ」
午前に3号機が水素爆発し、午後には2号機で水位低下。午後9時には炉心の燃料溶融に関し、枝野幸男官房長官が1〜3号機とも「可能性は高い」と言明し、衝撃が走る。
炉心溶融か、という極限の状況を考えれば、だれよりも危険を認識していた東電が人命*を優先して事実上、第1原発からの全面撤退を決断したとしても一概に批判できない。
*( 引用者注。「人命」とは「東電社員の人命」のこと。国民の人命ではない。)
一方で首相の東電不信は頂点に達していた。国の存亡、自身の進退を含め、あとはない。第1原発には6つの原子炉と7つの使用済み核燃料プールがある。「チェルノブイリ原発をはるかに超える規模なのに、最悪の事態に関して聞いても誰も答えられない」
そこで首相は、原子力災害対策特別措置法をよく調べるように指示。「原子力災害対策本部長(首相)は事業者に必要な指示をすることができる」との文言を見いだすと、「これで東電との統合本部がつくれるか」と口にした。
東電側は「必要な人員だけ残し、その他は離れるとの判断なのに政府が取り違えた」(幹部)と説明する。だが、首相官邸と危機対応の現場では「複数のルートの情報があった。東電が事実上の撤退を念頭に置いていたのは間違いない」と見る関係者は少なくない。
首相は15日早朝の会談で清水社長に政府と東電の統合本部の設置を打診した。清水社長は「分かりました」と応じるほかなかった。首相が自ら東電本店に乗り込み、幹部らを前に「撤退したときは東電は百パーセントつぶれます」とぶった約1時間前の出来事だ。
統合本部には首相の名代、細野豪志首相補佐官が常駐する。放射性物質の封じ込めから米国との連携までを一手に担う。首相周辺は「統合本部こそが原発対応の要」と解説する。
政府が東電の意思決定プロセスに積極介入する一方で、東電を突き放すような態度も目立つ。厳しさを増す東電の経営に関して首相は「基本的には民間事業者としてがんばってもらいたい」との姿勢だ。賠償問題でも首相や枝野官房長官は「一義的には東電に責任がある」と歩調を合わせる。
4月17日に事故収束に向けて東電が発表した工程表の作成には政府側が強く関与している。「東電に工程表を作るよう指示した方がいい」と細野氏は進言。首相も東電の発表から5日後の記者会見で「国も含めて取り組めば十分、実現可能だ」と期待を口にした。
( → 日経 2011-04-30 )
──────────────────────────
つまり、菅直人が怒り狂って、東電の方針をひっくり返したわけだ。
では、首相が菅直人ではなかったら? 「首相が自民党の人だったら」でもいいが、おもしろおかしく書けば、下記の通り。
──────────────────────────
もし女子高校生が首相だったら……
(1)
東電 「福島第1原発から退避して、第2原発に行きたい」
首相 「えーっ、マジ? ありえなーい!」
東電 「怒ると、かわいくなくなりますよ。どうせなら、にっこり笑って、『いいよ』と答えてください」
首相 「じゃ、いいよ」
東電 「首相、かわいいですよ。この調子でお願いします」
↓
福島第1は放置され、メルトダウンで、その後、大暴走。大量の放射性物質がまき散らされる。4号機からはプルトニウムが飛散して、死者数万人。
その結果、東北地方は廃墟となり、もはや人間は住めなくなる。日本の国土は壊滅して、チェルノブイリを上回る史上最悪のプルトニウム汚染事故となった(はず)。
そこに池田信夫 登場。「プルトニウムが飛散しても、日本全体が壊滅したわけじゃない.日本の大部分は安全だ。死者だって、たかが数万人であり、煙草の死者よりも少ない。これは原発が安全であることの証明だ」
(2)
東電 「補償は金がかかるので、困ります。このままじゃ倒産してしまいます。国で面倒見てください」
首相 「やだよ。そんな金はないもん」
東電 「お願いしますよ。ケータイ料金を負担しますから、いいでしょ?」
首相 「あたしのケータイ、タダにしてくれるの? なら、いいよ」
東電 「これからも賄賂を渡しますから、毎年よろしく」
↓
東電の補償は免除され、賠償金の大半は国家が負担する。その後、東電から賄賂がたっぷりと首相に渡される。(ただし首相は、忠実な秘書をかかえていたので、すべて秘書の責任にする。)
──────────────────────────
[ 余談 ]
ただ今、東電が菅内閣の倒閣を画策中。次期首相の本命は、小沢か、石破だ。
小沢ならば、買収は簡単。金で済む。小沢に千億円をプレゼントして、政府から 10兆円をもらう予定。
石破だって、簡単だ。スーちゃんはダメでも、ランちゃんがいる。AKB48 もいる。これらを使えば、たらし込める。
みんなでやろう、「菅直人は無能だ」キャンペーン。やった方には、電気料金を1割引。
──────────────────────────
【 追記 】
冗談を書き続けたが、よく考えると、話は「冗談じゃない」というところだ。
先の 4号機、危機一髪 でも記したことを思い出そう。4号機が安定したのは、「爆発の衝撃で隣接する場所から水が偶然流れ込み、プール内にあった核燃料の過熱を食い止めた」ということらしい。
ここで、「隣接する場所」に水があったから、その水が流れ込んだ。では、もし菅直人が怒鳴っていなかったら? 東電は撤退していたから、そこには水がなかったはずなのだ。水がなければ、貯蔵プールは過熱しっぱなしとなる。水素ガスが充満して、爆発する。
記事では「現状を大幅に上回る放射性物質が放出される最悪の事態もあり得た」と記されているが、「あり得た」ではなく、「きっとそうなっていた」と言うべきだろう。そして、その放射性物質とは、プルトニウムだ。
要するに、菅直人が怒鳴っていなければ、原発周辺はプルトニウムがまき散らされていたはずなのだ。
なお、政府が避難指示を出したのは、半径3キロに対しては3月11日。半径20キロに対しては3月12日。実行は3月13日からで、3月15日には完了。これはかなり迅速だと言える。爆発が起こったのは、1号機は 11日で、3号機は 14日だ。4号機で爆発が起こるとしても、15日ごろだろう。避難は間に合ったと言えそうだ。ただしそれは、政府が「退避せよ」と命令を出したからだ。この点では、満点ではないにせよ、合格点を上げられる。
・ 東電を怒鳴って、水を注入させた
・ 住民をさっさと退避させた(地震の翌日に決定した)
というのは、合格点だ。
仮に、自民党の首相や小沢首相だったら、こうは行かなかっただろう。東電の退避を了承しただろうし、水を注入させることはなかっただろうし、住民を退避させることもなかっただろう。その結果、半径 20キロ圏内の数万人は、プルトニウムを浴びて、相当多数が死んだはずだ。
つまり、無策であれば、大量の死者が出たはずだ。それを防いだという点では、十分に合格点を上げられる。実行力という点では、傑出した首相と言えるかもしれない。(この件については。)
菅直人は、エイズの場合と、原発の場合の、二つにおいて国民の生命を守る役割を果たした。経済も防災も下手くそだし、組織運営も下手くそで、経済的な復興は全然なっていないが、少なくとも国民の生命を守る役割については、十分に合格点だ。これだけの首相は、めったにいない。日本はついていた、と言えるだろう。
ちなみに、池田信夫が首相だったら、死者は 10万人ぐらいになっていたかもしれない。1号、2号、3号、4号のすべてが暴走して、その放射線は東日本全体を壊滅状態にさせたかもしれない。
(池田信夫の主張は、「放射線の発癌性は大したことはない」というふうに、発癌性のことばかりだからだ。これほどにも盲目的なのは、自らが真実に目をふさいでいるからだ。)
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 原発・フッ素10掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。