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http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65722567.html 2011年04月29日23:49 カテゴリ原発文字おこし 小出裕章氏「技術的に想定できる」プルサーマル発電での水蒸気爆発への警鐘(文字おこし)
小出裕章氏(京大)と大橋弘忠氏の論戦の文字おこし。このエントリーではプルサーマル化原子炉内部で水蒸気爆発が起きるかの議論を取り上げる。福島原発事故でも水蒸気爆発については多くの人の関心を集めるところとなった。二人の見識の違いが大きく出ている。
大橋「我々専門家の間では、そんなことは、まあ、夢にも考えられていないんですけれども」 小出「軽水炉という、今の玄海原子力発電所の、の場合でも水蒸気爆発、水蒸気爆発が起きる、あるいは水素爆発が起きるということは、実は想定もできるのです。」 小出「国はある程度以上のことは、考えないというそういう姿勢を現在とっているというそういう事です。」 (※映像はじめ)
司会「はい、ありがとうございましたー」 ※映像切り替わる 小出「すいません、で、出ますでしょうか」 小出「はい、これはあのー、九州電力がですね、えー、質問、新聞に答えたときのまず質問です。」 小出「MOX燃料はウラン燃料より低い温度で溶けて危険性が増すと言われていますが、大丈夫ですか、という質問。」 小出「それに対して、えー、ウランにプルトニウムを混ぜると、溶融点、は混ぜたプルトニウムの量に応じて低くなります、と、」 小出「で玄海3号機で使用するMOX燃料ペレットの場合、溶融点はウラン燃料よりも70°C程低い約2720°Cとなります。えー、なかなか正直だなーと、先程から出光さんも仰っている通りです。」 小出「確かに、だから、いままで使っていたウラン燃料に比べて溶けやすくなるということは確実なわけです。」 小出「それで、えー、そうなったときにどうす、どうなるかというと、えーっと、これが回答なんですね。」 小出「MOX燃料ペレットの溶融点は約2720°Cですが、出力が異常に上昇する場合でもペレットの最高温度は約2250°Cまでしか上がらないため、MOX燃料のペレットが溶けることはありません。」 小出「これがだから九州電力の答えだし、今の出光さんの答えでもあるし、大橋さんの答えでもあるわけです。」 小出「えー、ただし、こういう考え方というのは私は駄目だと思っているのです。つまり技術というものは一歩一歩の蓄積で、もちろん少しずつは進歩するけれども、常に落とし穴もある、わけです。」 小出「で、間違えてしまうこともあるわけだし、想定していることに関しては対応できるけれども、想定しなかったことが起これば対応出来ないというのが技術なのです。 小出「だからこそ、安全余裕というものは必要なのだし、安全余裕はなるべく大きくとっておくということが、原子力のようなものを相手にするときの、鉄則であるわけです。」 小出「で、その安全余裕というものをすこしずつこういう形で、溶融点のこともそうですし、負荷度のこともそうですけども、一つずつ一つずつその安全 余裕を削っていってしまっているという、そのことが、私は問題だというふうに、あのー、先程も訴えさせていただいてたつもりです。」 司会「という小出さんのご指摘ですが、大橋さんどうぞ」 大橋「はい。これはもう、安全余裕を完全に間違えて理解しておられる方の考え方で、」 大橋「融点が溶けるということが、どういうプラントに問題を引き起こすかということから解析をして、何かが起こった時に、それが溶けるのか溶けないのか、そういう議論をしているわけです。」 大橋「ですから融点がちょっと変わったから、じゃあ危険になりますよ、怖いですよ、というような話は、技術的には何の根拠もありません。 大橋「で、1つ先程あの小山さんに、お伺いしたい。大変申し訳ないんですけれども、」 大橋「そのスリーマイル島の事故の時にですね、炉心が溶けました。で、炉心の下に落ちまして、原子炉の下に溜まって冷やされて固まったのがPMIの事故です。」 大橋「でー、えー、もちろん炉心がそもまま発熱を続ければ、えーと、原子炉の中から溶けて下に落ちたというのも考えられなくはないです。 大橋「で、小山さんの資料の中に、落ちたら水蒸気爆発が起こるかもと書いてありました。我々、水蒸気爆発の専門家です。ふけつ?さんもそうですけども。」 大橋「我々専門家の間では、そんなことは、まあ、夢にも考えられていないんですけれども、もしPMIで炉心が下に落ちて水と混ざっちゃったら水蒸気爆発が起こるかもしれないというようなのは、ど、どういうふうに判断されたんですか。」 大橋「これは、こうやってお聞きしているのは、こういう場所でそういう話を、いい加減な根拠でされると。そうするとまた、反対派の方が、いやPMIは水蒸気爆発が起きたんだろうというようなことを引用されるわけですね。 大橋「で、水蒸気爆発が起こると今度は、格納容器が壊れたんじゃないかというふうに拡大していくんですけれども、元の所は、どうお考えでどなたから お聞きになって、どういう判断で、PMIでもし燃料が溶けて下に落ちると水蒸気爆発が起こるかもしれないと書かれたんでしょうか。」 ※拍手 司会「小山さん。どうぞ。」 小山「ええっとー。その何か資料に基づいて話したんではありません。」 大橋「そうすると、こういう公の場所でお話されるには、極めて不適切がありませんでしょうか。」 ※拍手 小山「いや」 大橋「技術的な議論をしている時にですねえ。何の根拠のないお話を、いや、かも、という言葉をつければ、許されるというたぐいの内容ではないように思うんですけれど。」 小山「じゃあ、水蒸気爆発が起きないという証明が、出来るんですか。」 大橋「そういう、そのレトリックな話をしてるんじゃないんですよ」 小山「いやいや出来るんですか、と聞いてるんですよ。」 大橋「いや水蒸気爆発が」 小山「その条件によると思うんですが、だからね」 大橋「はい」 小山「どういう条件の時、スリーマイル島の場合のはなしをされてる」 大橋「はい」 小山「それは私はちょっとわかりません」 大橋「わからなければ書くべきではないんではないでしょうか」 ※拍手 小山「いやいや」 大橋「そのー、そこで書かれたことが、また2次的3次的に、引用されて怒るかもしれない、じゃあ起きる、いや格納容器が壊れると、そういうふうに必ずなっていくような構造をもってるように見受けられたから、大変恐縮だったんですけど、お伺いした次第です。」 司会「はい、ご指摘はそれで」 ※映像切り替わる? 司会「小出さん、ご発言あるそうで」 小出「えーっと、スリーマイル島の場合には、えーーーー、原子炉の半分が溶けました。でーー、圧力容器というところのそこに沈んでいた段階で、ようやくあのー、事故が終息できたということで、圧力容器は、幸い壊れなかったし、格納容器も壊れませんでした。」 小出「で、それは1つの、事故のシーケンスです。」 小出「ただし、そういうスリーマイルの事故が起きるまでは、ああいう事故は決して起きないと、日本の人も言っていたし、世界の原子力を推進、進める人たちが言っていたのです。」 小出「で、ところが事故は起きてしまったのです。」 小出「で、その時に起きた後もですねー、日本の原子力委員会や原子力安全委員会は、原子炉は溶けていないと言っていました。」 小出「私はちょうどその時、???の裁判ということで原告側の住民側の証人として出ていまして、炉心で、炉心が溶けたと私は証言しましたけども」 小出「えー、その時に、うちだひでお(打田日出夫?内田秀男?)という大変偉い学者さんが出てきてですね、原子炉は溶けていないということを発言されました。 小出「しかしその後5年経って、ようやく原子炉の中を覗けるようになって初めて、原子炉が溶けていたんだと、いうことがわかりました。」 小出「それで、その時に、その会社の経営者の人が、何と言ったかというと、もし、あの原子炉の事故の進行過程で、原子炉が溶けていたということがわかっていたならば、運転員が慌てて逃げてしまっていただろう、というふうに言ったんです。 小出「それほど事故というのは、どういうふうに進展するというのがわからないという、そういうものなんです。」 小出「ですから、たまたま、スリーマイル島の時には、水素、いや水蒸気爆発は起きませんでした。だから、じゃあ軽水炉というとこで水蒸気爆発が起きないかといえば、そうではないのです。」 小出「軽水炉という、今の玄海原子力発電所の、の場合でも水蒸気爆発、水蒸気爆発が起きる、あるいは水素爆発が起きるということは、実は想定もできるのです。」 小出「きちんと技術的に想定もできる。それを、どこまで考えて、どういう事故評価をするかというとこで、国はある程度以上のことは、考えないというそういう姿勢を現在とっているというそういう事です。」 (映像終わり) この映像は以下。 |