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原発 : 汚染と給食   給食に 汚染された食材 は使えない!  [ 武田邦彦 (中部大学)]
http://www.asyura2.com/11/genpatu10/msg/167.html
投稿者 純一 日時 2011 年 4 月 29 日 12:43:51: MazZZFZM0AbbM
 

http://takedanet.com/2011/04/post_86dd.html


(平成23年4月29日 午前10時)

(この記事は、ある市の給食問題を取り上げたものを書き直したものです。書き直した理由は、私はこれまで、


「個人を批判せず、意見を批判する」


というのが信条で、今までも首相、東大総長など限られた人以外は、個人の批判を控えてきました。


しかし、このところ、市長などが市民に被ばくを強制する例が目立ち、つい具体的な市長の名前で批判をしました。


でも、やはり個人を批判すると論点が曖昧になりますので、書き直しました。内容はほぼ同じです.)


・・・・・・・・・


食材が汚染し、子供が被ばくしています。


その中で、福島を中心として学校で「地産地消」の食材を使った給食を実施しているようです.


福島ばかりではなく、東京などでも「災害地の農産物を使おう」というキャンペーンなどがあり、給食に「規制値内の野菜」が「安全なもの」として使われて、お母さんを心配させています.


給食の問題は複雑で、これまでもいくつかの論争がありました。


それらは、いずれも学校というものが「集団の規律を教えるところ」なのか、「自由な個人を育てるところなのか」でした。


・・・・・・・・・


給食は児童が一斉に食べますから、一人の児童が「わがまま」を言うと、給食自体が成り立たないという面があります。


一方では、憲法で「思想信条の自由」が認められていて、たとえば宗教上の理由で豚肉が食べられない児童に対して、どのように考えるかという問題があります。


このように給食の問題は、二つの見方がありますが、


「放射線で汚染されている食材を使った給食を児童に強制できるか?」


「市長、教育委員会、校長、給食担当専門家は、それを決める権限があるか?」


について考えてみたいと思います.


なお、「汚染されている野菜」とは、


「規制値内だが、普段に比べて汚染が見られる場合」


とします。つまり、規制値を超える野菜はもともと販売されていないと仮定します。


・・・・・・・・・


従来からの給食問題の議論は、アレルギーの子供の場合と、給食費が払えない親の問題です。これを「行列のできる法律相談所(2006年)」から見てみましょう。


問題は「アレルギーのある子供は当然、弁当が許されるが、アレルギーのない児童の給食拒否、弁当持参を禁止する教師は違法なのか」という設問です。


・・・・・・


【橋下徹弁護士】


弁当禁止は違法ではない。義務教育というのは英数国理社の科目を教える場ではない。
集団ルールを教えるのが義務教育で一番重要な事。アレルギーの場合は食べない自由は当然であり、弁当は許されるが、そうでない時に給食を食べない自由を許すと、授業を受けない自由や、体育の科目ごとに授業を受けない自由など、どんな自由でも許されるのかという事になる。 自由、自由と言っていたら集団ルールを守れるような子供には成り立たないので、弁当は禁止するべき。

【北村晴夫弁護士】


弁当禁止は違法である。給食を強制するため弁当を禁止するのは違法! 学校給食の目的は、集団行動を教えるためではない。 子供の成長の為、栄養を補給させる為である。 
経済的理由や母親が弁当を作る時間がない子供の為に支給している。 集団行動を教えるために「これを食べなさい」と強制するのは本末転倒であり、目的を取り違えている。 
学校は「人はそれぞれ違うのだからいじめてはいけませんよ」と教えるべき。「イジメにあうから主義・主張と違うものを食べなさい」というのはおかしな話である。

【住田裕子弁護士】


弁当禁止は違法である。今の世の中の流れとしては「多様性」。

健康上や宗教上の理由、ライフスタイルの信念など、ある意味では正当な理由があってやりかたも相当である限り、弁当持参は認めるべき。

【丸山和也弁護士】


弁当禁止は違法である。教育というのはそれぞれの生徒の個性を引き出してそれを発展させていくことが目的であって、画一的な教育というのは、日本の場合、強すぎるので、そう言うところは自由にしていったほうがのびのびした人間に育つ。

学校が弁当を禁止するのが違法という弁護士が多いのが現状です。


・・・・・・・・・


この議論で判るのは、


1. 法律違反をしてまで学校側が弁当を禁止できない(レベル1)、


2. 児童の健康に影響がある時は弁当を禁止できない(レベル2)、


3. 社会は多様化しているのだから、合理的な理由があれば弁当を禁止できない(レベル3)、


4. 給食は家庭の事情で弁当を持って来ることができない児童のための栄養補給であり、弁当禁止などはまったくできない(レベル4)、


という感覚の差があり、昔でも「レベル1合格」は当然で、今は「レベル3合格」ぐらいのところが社会通念だということも判ります。


・・・・・・・・・


これから見ると、「地産地消」という意味で、福島県の小学校が「福島産」の食材を給食に使うときに、保護者がそれを拒否できるかと言う問題を考えてみたいと思います。


まず、文部省が所轄する法律「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」によると、

1. 放射線の被曝はできるだけ少なくすること、

2. 児童(一般人)の被ばく限界を、食品からの内部被ばくも含めて1年に1ミリシーベルト以内にすること、

としています。


また、左の図は文科省の通達ですが、文科省(科学技術・学術政策局原子力安全課放射線規制室)は現在のホームページに法律の改正で被ばくをみだりに増やす行為に対する罰則規定を強化しています.


ここでは、「一般公衆の線量限度」を1年間1ミリシーベルトとし、かつ「放射性廃棄物」を排気するときの「クリアランスレベル」として、「1年間10マイクロシーベルト以下」としています.

つまり、「被ばくはいろいろなことが原因して起こるので、1つのことで規制するときには、規制値の100分の1」という通常、食品安全などに使われる考え方をそのまま踏襲しています。
(機会を見て「社会の安全を保証する100分の1のルール」についてお話しをします。)


だから、

1. 今、文科省が勝手に「1年1ミリシーベルト」を「1年20ミリシーベルト」にしているが、これは「有罪」で、1年以下の懲役刑になる、


2. 「この食材は大丈夫」というためには、1年間10マイクロシーベルト以下(規制値の100分の1)でなければならない、


と文科省自身がそのホームページで言っていることです。


・・・・・・・・・


つまり、福島産、茨城産のように、現在は1年に10マイクロシーベルト以上の野菜や牛乳が多いので、その食材を給食に使用することは「文科省の法律違反、懲役になる」ことであり、議論の余地無く、学校は給食に「汚染されている可能性のある食材」は使えない事になります。

よく「安全です」という用語が使われますが、給食の食材のような場合は、この文章で出てくる「クリアランス・レベル」を満足していなければなりませんから、「規制値以下」ではありません。

また、給食担当者は単に「安全なものを使用している」というのではなく、ヨウ素、セシウム、ストロンチウムの量を具体的に示さないと、民主主義ではありません。


文科省も先生方も、文科省の法律を犯してまで、児童を被ばくさせようとしないでください。

また、市長や教育委員会は「お殿様」ではなく「公僕」ですから、自分の考えで勝手に行動はできませんし、市民を指導することなどもっての他です。

(平成23年4月29日 午前10時 執筆)

 

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コメント
 
01. 2011年4月29日 14:51:49: BVHZwKDBLM
いつも武田先生の発言を読んで感心する。
わかりやすく、しかも、ためになり、論理的で、核心をついている。
この人はのほほんとしているけど、そうとうに頭のきれるひとだとおもいます。
わたしたちはこういう学者をもったことを誇りに思う。
だれかがテレビに出たがり屋だとか誹謗していたが、ネット以上にテレビから発言することは
多くの人たちに伝えることができる。
真摯で熱心な学者であればあるほど、あらゆる手段を使ってできるだけ多くの人たちに
放射能の危険性を訴えて警告したいと考える。その有効な手段のひとつがテレビなのだから、
いまのようなときに武田さんがテレビに出たがってもなんの不思議もない。

02. 2011年4月29日 16:59:47: cqRnZH2CUM
>「放射性廃棄物」を排気するときの「クリアランスレベル」として、「1年間10マイクロシーベルト以下」


これか
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/028/shiryo/attach/1286034.htm
5.クリアランスに係る個人線量の基準について

○昭和62年基本部会報告(クリアランスについて言及)
「原子炉の解体等に伴って発生する金属等の放射性廃棄物を一般社会に還元し、再利用する場合の基準の設定に当たっては、規制除外線量( 10マイクロシーベルト/年)と同様の考え方が適用できるものと考える。」
○国際的な動向

ICRP Pub.46(1985年)
 放射性廃棄物の規制免除に係る個人線量の基準:10マイクロシーベルト/年
IAEA RS‐G‐1.7 「規制除外、規制免除及びクリアランスの概念の適用」クリアランスレベルを10マイクロシーベルト/年を踏まえて設定
○我が国における状況
 我が国でも、上記基準類を踏まえ、原子炉等規制法にクリアランス制度を導入済み(10マイクロシーベルト/年に基づいたクリアランスレベル)

<結論>
我が国におけるクリアランスレベル導出に係る個人線量の基準:
 10 マイクロシーベルト/年を今後も適用。

お問い合わせ先


03. 2011年4月29日 17:09:54: cqRnZH2CUM
つまりロジックとしては原発から社会に出すときは「1年間10マイクロシーベルト以下」にしなくては法令違反だということだから

「1年に10マイクロシーベルト以上の野菜や牛乳」を食用とすることが
犯罪になるわけではない

長期では体外排出されてしまうCsが主体だから、
特に一時的な食用であれば、ほとんど問題にはならない・

ただし食べる側としては、あまり良い気分ではない

つまり精神的虐待になるから、給食で強制するというのは
かなり問題があるということになろう

特に田舎は同調圧力が強くて、一人だけ弁当で地元野菜を食べないなんて
いじめてくれと言っているようなものだ


04. 2011年4月29日 19:02:22: 8LQMpSZJfU
 http://peacephilosophy.blogspot.com/2011/04/blog-post_25.html カナダ平和哲学センターがチェルノブイリ放射能汚染の恐るべき実態と警鐘を報告している。
この報告の意味するものは、今のフクシマおよび日本の3分の1以上がすでに放射能汚染下にあり、今後はチェルノブイリと同じ被ばく状態か、あるいはそれ以上の最悪未経験レベルに突入していることを示唆する。
政府・マスコミが被ばく基準値を青天井で引き上げ容認し、人体には花粉症程度の影響しかないような宣伝や洗脳に忙しい。
いつから日本人は放射能汚染に強い人間になったか。
福島の子どもたちに年20ミリシーベルトでも良いとした悪魔の所業の決定責任者は、もはや人間性のかけらもない。
福島県教委や自治体教委、現場教職員は何の良心の痛みがないのだろうか。

05. 2011年4月29日 21:43:08: c2cw24JQGg
一億総玉砕や白虎隊のように、地元のためなら全員自決だろう。

06. 2011年4月29日 22:52:53: EGaQ73B5yp

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110429-00000085-mai-soci


<放射性物質>茨城沖でも検出 海水モニタリング

毎日新聞 4月29日(金)22時25分配信

 福島第1原発事故を受け、東京電力は29日、茨城県沖の海水中に含まれる放射性物質を分析した結果、ヨウ素131とセシウム134を検出したと発表した。茨城県沖の海水モニタリング結果が公表されるのは初めて。東電は「放射性物質の拡散が進んでおり、今後も継続して調査する」と話している。【中西拓司】

 調査は、海上保安庁が25日に実施したものを東電が分析した。福島第1原発に最も近い北茨城市沖から利根川沖までの約50キロを10キロ間隔に分け、沿岸から20〜30キロ沖の5地点で、表層、中層(深さ200メートル付近)、下層(同400メートル以上)の3層で調べた。

 東電によると、5地点のうち、利根川沖の海面でヨウ素131が海水1リットル当たり5.8ベクレル▽鹿島港沖の深さ582メートルでセシウム134が同12.6ベクレル▽日立市沖の深さ208メートルでセシウム134が同9.1ベクレル、深さ420メートルでヨウ素131が同6.0ベクレル−−検出された。北茨城市沖と、ひたちなか市沖の2地点は検出限界未満。セシウム137はいずれも検出されなかった。

 厚生労働省の暫定規制値では、魚介類についてヨウ素は1キロ当たり2000ベクレル、セシウムは同500ベクレルと定めている。

 拡散次第によっては漁業への影響もさらに深刻化する恐れがあるため、東電は「魚介類のサンプリング調査も合わせて実施する」と話している。

 モニタリング調査は、これまで福島県沖中心だったが、監視体制強化のために茨城県沖も対象に含まれた。東電は、茨城県の沿岸5地点も調査対象に加えてモニタリングを継続する。


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放射性物質:相馬産セリなど暫定規制値超え セシウム検出

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


07. 2011年4月30日 12:04:28: wI3fFGO9VM
ワールドビジネスサテライトで汚染地の野菜を使ったレストランの取材をやってたが、最初から最後まで「その野菜からは本当に汚染は検出されてるのかされてないのか」は一切出なかった!バカじゃねえの?「汚染されてるかはわからないけどみんなで食べましょうキャンペーン」だよ。ごていねいに「農家がアピールすれば消費者の心にも届く」とか一般人?に言わせるおまけつき。この番組作った奴は最低低脳最悪だな!てめえらが率先して風評作ってる最悪番組

08. 2011年5月01日 00:58:55: tEuMUcieh
弁当禁止かいなかの議論をすべきじゃないと思う。

今問題なのは、「放射能に汚染されているかもしれない給食の強要」だと
思う。
もし、そんな給食を拒否して、弁当を食べるのは当然、正当だ。

全く問題のない給食を拒否するかどうかとは別の議論であるべきだ。


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