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直下型地震が来たら、運転を停止していても原発は危険 福島第一原発の様子が落ち着いてきたので、マスコミによる報道もだいぶ少なくなってきている。ニュース以外のテレビ番組は以前と同じ娯楽番組だ。しかし、これで大丈夫だろうか? 今回の原発事故で明らかになったのは、制御棒が作動して原子炉の連続核分裂が停止してもその後の冷却が何年にもわたり必要で、それができなければ、水素爆発や水蒸気爆発、又はメルトダウンから核爆発へ至ることがあると言うことだ。しかも、これは原子炉だけでなく、原子炉と一緒に設置されている使用済み核燃料保管プールも同じことなのだ。使用済み核燃料に含まれているプルトニウム量は全国ですでに50トンほどになる。そういった状況の中、プルサーマル発電が各地で導入されていて、「使用済みウラン燃料が50年冷やして地下に埋められる温度に冷却できるのに対して、使用済みMOX燃料は500年もかかるとして、とりあえず『100年間貯蔵し、その後に再処理するか、しないかの判断を下す』」( http://go2senkyo.com/report/0903/00004274.html )とプルサーマル先進国のフランスではされている。 つまり、使用済み核燃料は普通のウラン燃料でさえ50年の地上保管が必要だし、プルサーマル発電に使うMOX燃料は100年単位の地上保管期間が必要なのだ。使用済み核燃料は原子炉から取り出した後、数か月から一年ほどでかなり発熱量が下がるのだが、その後は、ずるずると同じ程度の発熱量が続く。そして、その段階でも冷却がうまくできなければ、熱がたまって数千度になり、燃料棒のメルトダウン、水素爆発に至るのだ。 原発の危険性は原子炉での連続核分裂が制御できず核爆発に至ることだけだと思われてきたが、決してそれだけではなく、安全に核分裂が停止しても冷却がうまくできなければやはり危険であり、それは、使用済み核燃料も同じだと言うことだ。 3月11日の東北地方太平洋沖地震はマグニチュード9.0の1000年に一度の大地震だった。西暦800年代に起こった貞観地震の再来とされ、そのころ、富士山の噴火(貞観噴火)や東海地震、東南海地震、南海地震の同時発生があったようだ。 2004年に起こったスマトラ島沖地震は東北地方太平洋沖地震と同じような海溝型の大地震で、毎年のようにその後マグニチュード7以上の地震を隣接区域で誘発している。 2004年12月26日 スマトラ島沖地震 (2004年) 9.1 スマトラ島北西沖 つまり、今後、日本各地で、マグニチュード7から8の地震が年に1回ほどのペースで起こっていくことはほぼ確実なのだ。福島第一原発を入れて、日本各地には54機もの原子炉がある。沖縄を除いて、その他の全電力会社は原発を持っていて、日本各地にまんべんなく原発が立地している。 東北地方太平洋沖地震で福島原発は壊れたのではなくて、津波で壊れたのだから、津波対策さえしておけば原発は安全だと言う主張が多くされている様子だ。しかし、これは誤りだ。 東北地方太平洋沖地震は福島原発や女川原発から100km以上離れたところで起こった。原発を襲った揺れも大したものではなかった。福島第一原発で観測した最大加速度は400ガル程度のものだった。もし、直下型の大地震が起こったら、とてもこのぐらいの揺れでは済まない。日本を含めて、原発が直下型の地震に襲われた例は世界で一例もない。 直下型の地震は縦揺れが卓越するはずだ。ところが、耐震設計はほとんど横揺れについてしか行われていない。これは一般の住宅やビルについても同じことだ。更に、縦揺れそのものではなくて、縦波による衝撃が問題だ。縦波は衝撃波と呼ばれ、今年初め新燃岳の噴火による空振で10km以上離れた建物の窓ガラスが割れると言う現象が話題になったが、この現象も衝撃波によるものだ。 揺れは、基本的に加速度の大きさが問題だが衝撃波は加速度の問題ではなくて、ハンマーで叩いたように破壊が起こる。つまり、基本的に縦波のエネルギーの大きさが問題であり、直下型の大地震による縦波がどの程度のエネルギーを持つのか、分かっていない。船が海底での地震の震源域の真上を航行していると、地震の衝撃波によって船体が壊されることもあると言う。原発のような大きな建物が衝撃波に耐えることが出来るかどうか、それが問題だ。 すでに150年間以上起こっていない東海地震は、その震源域の真上に浜岡原発を持っている。東海地震の震源深さは10kmから20kmほどだとされてい、かつ、東海地震は海溝型の地震なのでその跳ね返りのエネルギーは大変に大きなものになるはずだ。緊急地震速報はP波(縦波)をとらえてS波(横波)の到来を予告するものだ。つまり、もし、東海地震が起これば、強い縦波が真っ先に浜岡原発を襲い、制御棒が作動する猶予もなく大規模に原子炉が破壊されてしまう可能性がある。もしそうなれば、連続核分裂は停止せず、原子炉が破壊されて、すぐ横にある使用済み核燃料プールの燃料棒もメルトダウンし、それこそチェルノブイリを数倍上回る規模の原発震災に至るはずだ。 そして、問題は、仮に浜岡原発が停止されていても、原子炉そのものの破壊や冷却がうまくできなくなる可能性は高く、大規模な核爆発による放射性物質の吐き出しが起こらなくても、福島第一原発で起こっているのと同じような長期にわたる小中規模の放射性物質の吐き出しが起こることがほぼ確実であることだ。 地震の多発期に突入していることと原発のこういった危険性を一般市民に積極的に知らせ、原発を、使用済み核燃料をどうするか、それを国民レベルの議論をして決めなければいけない。 繰り返すが、原発の運転を停止すれば安全だと言うわけではなく、使用済み核燃料があるだけで十分に危険なのだ。日本において、安全に保管できる場所があるとは思えない。しかし、何処かに保管しなければいけないはずだ。現状のように全国各地にバラバラに置かれていることは、どこで地震が起こっても原発震災につながる可能性を残すわけで、このことをどうするのか、きちんと議論するべきだ。 *6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から一連番号を付しています。<<544>>
2005年3月28日 スマトラ島沖地震 (2005年) 8.6 メダン南西沖
2007年9月12日 スマトラ島沖地震 (2007年) 8.5 ブンクル南西沖
2009年9月30日 スマトラ島沖地震 (2009年) 7.5 パダン西北西沖
2010年4月6日 スマトラ島沖地震 (2010年4月) 7.8 バニャック諸島付近
2010年5月9日 スマトラ島沖地震 (2010年5月) 7.2 バンダアチェ南南東沖
2010年10月25日 スマトラ島沖地震 (2010年10月) 7.7 パダン南沖
( http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%88%E3%83%A9%E5%B3%B6%E6%B2%96%E5%9C%B0%E9%9C%87 )
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