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4月23日の土曜日のことです。浜名湖の西隣り、静岡県湖西市の三上元市長から電話がありました。
彼は何十年も私のところ(船井総研)で私の片腕として、名経営コンサルタントとしても大活躍してくれた人で、船井総研の社員、役員などを歴任後、退職して、生まれ故郷の湖西市の市長になったすばらしい人です。ストレートで絶対にウソも言わない人でした。
いきなり「原子力発電所をどう思いますか?」と言ってきました。
「そんなものいうまでもない。やめるべきだよ」と答えると、「そうでしょう。静岡県の市長会で、それが問題になっており、やめるべきだ……と思うんですが、ほとんどの市長は、態度を明らかにしないのです。原子力発電をやめないで、つづけるべきだという人々が50%はいますから」と彼は言うのです。
経営者やトップというのは、「絶対に安全」と確信できないことにゴーサインを出してはいけないのです。これは経営者の常識です。というよりもこれは意志決定の原則なのです。「想定外の出来事がおこらない限り安全だ」と言っていた福島第一原発が、安全でなかったのですから、これを知っただけで、まともなトップなら「原子力発電所は止める」と意志決定するのが、トップとしての常識のはずです。
「これからの電力供給は、原子力発電以外によい方法が、いまのところではない。だから、徹底的に安全策を取って、原子力発電を続行するべきだ」というのが、政治家や世界の首長たちの大多数の意見のもようですが、このような人たちは、トップとしての意志決定法を知らないのです。非常時のトップの経験がないか勉強不足だと思います。
電力供給の方法というかエネルギーの供給の方法はいくらでもあります。
『聖書の暗号』には、日本は「この3/11事故を機にメタン・ハイドレードに、エネルギー供給の主軸を移すだろう」と読める「愛のコード」があります。
日本の近海には、多くのメタン・ハイドレードが埋まっているということです。
詳しくは稲生雅之さんの本でも、ブログでも見てください。
また、すでにフリーエネルギー技術が実験的には完成しています。それらは、いままで「闇の勢力」といわれている石油エネルギーを牛耳る一派に何百件もの特許を葬り去られ、開発者は脅され、なかには殺された人もいますが、現に私の友人にも、入力より出力の方が大きい装置の開発の成功者がいます。この面での闇の勢力(?)の圧力は、いま急減中です。
発電などの方法はいくらでもあります。日本には戦前、600をこえる発電会社がありました。それをいまのような半官的な独占業者に全面的に委せることになったので、世界でも最高度に高い価格の電気を、われわれは買わされています。中国やアメリカと比べても2倍以上します。それに電力会社の客に対する態度は常識外です。役人の悪い面に似ています。
たとえば東電の行なった計画停電のように(私の場合は病院の停電で緊急手術のためのCTやレントゲンが撮れず、危うく一命までキケンになるところでした)、まったくユーザー無視のとんでもないことが、一方的に行なわれました。ふつうの民間会社では、考えられないことです。
ここで少し話を変えますが、公私ともにいろいろ教えていただいた松下幸之助さんが、なぜ「松下政経塾」という変なものをつくられたかは、私にはいままで分らなかったのです。
私は創業者で、一代で大企業をつくった経営者から、もっとも学びました。
前記、松下幸之助さんやソニーの井深さん、ホンダの本田さん、ウォルマートのサム・ウォルトンさん、三星(サムスン)グループの李秉浮ウんなどからです。
これらの人々の意志決定法は特によく分りました。その中で分らなかったのは、松下さんが政経塾をなぜつくったのか? ……だけだったのです。
松下政経塾の卒塾生には多くの知人がいます。そのほとんどの人が正しい意志決定ができないように思うからです。
しかし考えてみれば、「政治家がいかに大事な仕事で、意志決定の原則がいかに大切か」を知りつくしていた松下さんは、それの分る人を創りたくて政経塾をつくったのでしょう。いま、ようやく分りました。
松下政経塾の卒塾生の大半は、トップのあり方を覚えなくて政治家などになったようです。私は成功した創業経営者が政治家に最適だと思っています。
松下さんは、その点についてはあの世で泣いておられるでしょう。
意志決定は、「世のため、人のためになること」「100%の人を納得させられ説得できる自信のあること」「絶対と言ってよい良い面での成功の確信のあること」がゴーサインの必須条件なのです。菅直人首相はじめ、いまの日本の政治家はこれらを知らないようです。世界の政治家の大半もそのようです。日本では特に、原子力発電はすぐにストップして、今後のよいエネルギー方策をトップ自らの権限で決めるよう再出発するべきでしょう。三上湖西市長の言は正しいのです。
=以上=
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