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東電、賠償免責の見解 「巨大な天変地異に該当」:朝日新聞
2011年4月28日15時32分
福島第一原発の事故に絡み、福島県双葉町の会社社長の男性(34)が東京電力に損害賠償金の仮払いを求めた仮処分申し立てで、東電側が今回の大震災は原子力損害賠償法(原賠法)上の「異常に巨大な天災地変」に当たり、「(東電が)免責されると解する余地がある」との見解を示したことがわかった。
原賠法では、「異常に巨大な天災地変」は事業者の免責事由になっており、この点に対する東電側の考え方が明らかになるのは初めて。東電側は一貫して申し立ての却下を求めているが、免責を主張するかについては「諸般の事情」を理由に留保している。
東電側が見解を示したのは、東京地裁あての26日付準備書面。今回の大震災では免責規定が適用されないとする男性側に対して、「免責が実際にはほとんどありえないような解釈は、事業の健全な発達という法の目的を軽視しており、狭すぎる」と主張。「異常に巨大な天災地変」は、想像を超えるような非常に大きな規模やエネルギーの地震・津波をいい、今回の大震災が該当するとした。
一方、男性側は「免責規定は、立法経緯から、限りなく限定的に解釈されなければならない」と主張。規定は、天災地変自体の規模だけから判断できるものではなく、その異常な大きさゆえに損害に対処できないような事態が生じた場合に限って適用されるとして、今回は賠償を想定できない事態に至っていないと言っている。
菅政権は東電に第一義的な賠償責任があるとの立場で、枝野幸男官房長官は東電の免責を否定しているが、男性側代理人の松井勝弁護士(東京弁護士会)は「責任主体の東電自身がこうした見解を持っている以上、国主導の枠組みによる賠償手続きも、東電と国の負担割合をめぐって長期化する恐れがある」と指摘。本訴訟も視野に、引き続き司法手続きを進めるという。これに対して、東電広報部は「係争中であり、当社からのコメントは差し控えたい」と言っている。(隅田佳孝)
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201104280255.html
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隕石の激突で原子炉設備が崩壊した場合は間違いなく「巨大な天変地異」だが、今回の東日本大地震が原子力損害賠償法でいう「巨大な天変地異」に当たるのかは議論の分かれるところだろう。
それはともかく、東電が、貞観津波問題や吉井代議士の危険性指摘などに応じ、それほどの負担ではない内陸部高台に予備電源を設置するなどで今回レベルの被災なら乗り越えられたのだから免責は無理だ。
まさに、仮処分申し立てをした男性側が言う「規定は、天災地変自体の規模だけから判断できるものではなく、その異常な大きさゆえに損害に対処できないような事態が生じた場合に限って適用される」というのが正当な解釈だと思う。
東電側が言う「免責が実際にはほとんどありえないような解釈は、事業の健全な発達という法の目的を軽視しており、狭すぎる」という主張は、言い分とは逆に、原発事故は国民負担が当たり前という話になり、原発の存在そのものの妥当性に疑問が投げかけられ原発事業の存続がかえって危ぶまれることになる。
東電がとことん争ったほうが、原発が理と利にかなうものなのかが広く大きく論議される機会になっていいだろう。
どのみち東電は地域独占事業体だから、国民が税金で負担するのか地域住民と企業などが電気料金で負担するのかの違いしかないのだが...。
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