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高すぎる原発の発電コスト、LNG火力で代替せよ だぶつくLNG供給・十分な埋蔵量、日本は積極資源外交を
http://www.asyura2.com/11/genpatu10/msg/108.html
投稿者 sci 日時 2011 年 4 月 28 日 08:39:40: 6WQSToHgoAVCQ
 

当面は、シェールガスなどの化石燃料をメインにして効率的に使い、
いろいろなエネルギー技術をリスク分散して開発していくのがよいだろう
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/5952
高すぎる原発の発電コスト、LNG火力で代替せよ
だぶつくLNG供給・十分な埋蔵量、日本は積極資源外交を
2011.04.28(Thu)  日台 健雄
ロシア 
東日本大震災とともに全世界に衝撃を与えた福島第一原子力発電所の爆発事故は、発生から40日を経ても終息のメドは立ってない。
全世界に衝撃を与えた福島原発爆発事故

水素爆発で原子炉がむき出しになった福島第一原子力発電所〔AFPBB News〕
 福島第一・第二原発が停止し、さらに震災によって火力発電所の一部も稼働を停止したこともあって、4月上旬まで、東京都心を除く関東地方の大部分が「計画停電」の対象となった。
 しかし、停電が実施される際に鉄道輸送などで大きな混乱をもたらし、「無計画停電」と揶揄される事態に至った。
 そして、電力需要のピークを迎える夏に「無計画停電」が再度起こるのではないかという懸念もあって、日本のエネルギー政策を巡る議論が目下喧しく展開されている。
「脱原発」に向けた動きが活発化
 例えば、ソフトバンクの孫正義社長は、「原発依存から脱して自然エネルギーによる発電を推進するための政策提言を行う『自然エネルギー財団』を設立することを明らかにした。
 孫氏によると、社長を離れた個人の立場で財団に少なくとも10億円を拠出する」(4月20日付毎日新聞電子版)とのことである。
 また、脱原発を訴えて4月10日には高円寺に約1万5000人(4月10日付共同通信)、24日には芝公園に約4500人(4月24日付共同通信)が集まるなど、原子力発電に反対する大衆的な運動も盛り上がりを見せている。
再生可能エネルギーへの「過渡的」発電方法
 しかし、こうした「脱原発」に向けた動きが見られる一方で、太陽光や風力といった再生可能エネルギーが、現時点では、発電容量やコストの面で他の発電方法を代替するには不十分であるということも、現実として認識せざるを得ない。
 それでは、再生可能エネルギーが発電容量やコストの面で他の発電方法と競合し得る段階に至るまでの間、当面の過渡的な発電方法はどのようなものになるのだろうか。

 既存の発電方法を大別すると、目下問題となっている原子力以外に、水力、火力がある。そのうち水力はダムや発電所の建設に長期間かかるため、選択肢から除外されよう。そうなると、残された選択肢は火力となる。
工期とCO2の面で優位に立つLNG火力
 この火力発電は、燃料別に見ると石炭、石油、液化天然ガス(LNG)に分けられる。
 これらの中でLNGは、設置工期の短さと二酸化炭素(CO2)排出量の2点で相対的に優位に立つ。LNGを燃料とするガスタービンは短期間で設置が可能であるため、今年夏に向けた電力供給能力増加に当たって増備が進んでいる。
 また、二酸化炭素の排出量を見ても(単位:g-CO2/kWh)、石炭火力943、石油火力738に対し、LNG火力(汽力)599、LNG火力(コンバインド)474となっている。
 コンバインドサイクル・ガスタービンの場合、石炭火力のほぼ半分となっている(電力中央研究所報告「日本の発電技術のライフサイクルCO2排出量評価」)。
 では次に、コスト面で見た時に、火力発電は他の発電方法と比較してどのような位置につけているのであろうか。
発電コストの計算におけるバイアス
 コスト面で発電方法を比較する際に問題となるのが、依拠するデータによって数値が食い違ってくるということである。
 発電方法別のコストに関してよく引用されるのは、電力会社によるデータや、電力会社の資金提供によって運営されている任意団体の「電気事業連合会」によるデータである。
 しかし、これらのデータには原子力発電のコストを低く見せかけるための操作が加えられ、バイアスがかかっていることに注意を払う必要がある。
 大島堅一・立命館大学教授によれば、原子力発電の総費用には、(1)燃料費などの「発電に直接要する費用」、(2)使用済燃料再処理費用などの 「バックエンド費用」、(3)立地費用など「国家からの資金投入」、(4)「事故に伴う被害と被害補償費用」、以上4つの費用が含まれる。
 しかし、電力会社が算定する「料金原価」には主として(1)と(2)しか含まれていない。
そして、(3)は国家予算の一般会計ならびにエネルギー特別会計から支出され、(4)は料金原価にきわめて不十分にしか算入されていないというのが実情である(大島堅一『再生可能エネルギーの政治経済学』東洋経済新報社、2010年、55ページ)。
原子力発電よりもLNG火力発電の方が低コスト
 しかも、上記のような原子力のコストが過小評価された手法で算出しても、原子力は液化天然ガス(LNG)火力や石炭火力よりも高コストとなっている(【表1】参照)。
出所:電気事業連合会ウェブサイト
 また、上記の発電単価の算定では、「モデルプラント」を想定したうえで計算する方法が取られているが、この方法では実態との乖離が大きくなる可能性が生じる。
 それに対し、相対的に実態に近い値を算定する方法として、『有価証券報告書総覧』を利用して実績値を推計する方法がある。大島氏はこの方法を用いて発電単価の推計値を算定しているが、その結果は以下の通りとなっている(【表2】参照)。

 この結果によって、原子力が、火力だけでなく一般水力よりもコストが高くつく発電方法であることが明白に示されている。
 なお揚水発電は、運転中に出力を一定に保たなければならない原子力発電の特性から、電力需要が低下する夜間に供給余剰分の電力を用いて揚水し、需 要が増加する昼間に揚水した水を落下させて発電するという、一種の「生産調整弁」のようなものであり、原子力発電が存在しなければ不要となる発電方法であ る。
 そのため、コスト計算の際には原子力単体を見るだけではなく「原子力+揚水」も見る必要がある。
しかも、上記【表2】の総単価には、原発事故の際の被害額、被害補償額は含まれていない。福島第一原発の爆発事故に起因する被害額、被害補償額を含めて考えれば、原子力発電は経済合理性に全く欠ける発電方法であることが分かる。
 そのため、安全面のみならず経済面からも、原子力発電から他の発電方法へとシフトすることが火急の課題であると言えよう。
夏に向けて増強されるLNG火力発電
 さて、電力需要がピークを迎える夏に向けて、長期計画停止されていた火力発電所の運転再開や定期点検からの復帰(約490万kW/h)、震災によって運転が停止した火力発電所の復旧(約810万kW/h)など、主に火力発電所の運転再開・復旧等によって、東京電力は夏の需要ピークを乗り切ろうとしている(「週刊東洋経済」2011年4月30日−5月7日号、37ページ)。
 上記の既存施設の運転再開・復旧以外に注目されるのは、LNGを燃料とするガスタービン発電設備の増強である。
 4月16日付毎日新聞朝刊は、「東京電力は15日、7月末で5200万kW/hの電力供給能力を確保できる見通しになったと発表した。ガスタービン発電機の新設などで、従来見通しの4650万kW/hから550万kW/h上乗せする」と報じている。
 また、上記「週刊東洋経済」によれば、夏にかけて増設されるガスタービン発電の容量は約60万kW/hになるとのことである。
 このように、新規発電設備の増強面ではガスタービンが主流になっているが、ガスタービンが主流になる要因として、LNGを燃料として相対的に発電コストが安いという点だけでなく、短期間で設置が可能であり、かつ稼働後に出力が柔軟に調整できる点も指摘できる。
燃料電池という選択肢
 ところで、電源を再生可能エネルギーにシフトする過渡期において、天然ガス火力発電以外に注目すべきエネルギー源として、「燃料電池」という存在がある。
 これは、水素と酸素の化学反応を利用して発電を行うものであり、近年になって家庭用の装置も市販されるようになった(商品名「エネファーム」)。
 最新の大規模火力発電所では、石油や天然ガスが持つ1次エネルギーの50%を電力に変換するが、送電ロスも発生するため、最終的なエネルギー効率は37%となる。
一方、家庭用燃料電池は、発電を行うと同時に発生した排熱を利用して給湯も行うため(「コージェネレーション」)、最終的なエネルギー効率は、電気36%と排熱利用41%を合わせた81%になる。
 さらに、家庭用の太陽光発電装置と組み合わせれば、一般家庭が消費する電力の85%を賄えるという。
「水の電気分解」の逆の反応で発電
 この家庭用燃料電池を動かすには、水素と酸素が必要となる。後者は空気中に存在するものを利用すればいいが、前者は空気中にほとんど存在しないため、メタンガスを主成分とする天然ガスと水蒸気とを反応させて取り出すことになる。
 そして、取り出した水素を酸素と反応させる、すなわち、電気分解反応<水+電気→水素+酸素>(その際、吸熱反応で水温は低下)の逆のプロセスを行う<水素+酸素→電気+水>(その際、発熱反応で水温は上昇)ことで、発電と蓄熱を行うメカニズムになっている。
 なお、熱エネルギーは断熱された容器さえあれば容易に貯めることができるため、貯めるのに蓄電池を必要とする電力よりも、エネルギーの効率利用がしやすいという特長も持つ。
LNGの供給と輸送
 上記の燃料電池において原料として必要とされるのは天然ガスであり、これから夏にかけて増設されるガスタービン発電装置(LNG火力発電)の燃料も天然ガスである。
 そこで問題となってくるのが、燃料・原料となる天然ガスの供給体制である。天然ガスは、日本国内の一部地域(新潟県や千葉県など)で生産されているものの、その供給源の大部分は外国となっており、輸入への依存度が高い。
 天然ガスは産出時点では気体の状態であるが、その輸送形態は、気体の状態でパイプラインによって輸送する方式と、摂氏マイナス162度まで冷却して「液化」したものをタンカーで輸送する方式の2通りに分けられる。
 パイプライン方式は液化方式よりもコストが安くなるというメリットがあるが(液化するプロセスを省けるため)、一方で供給国が固定化されるというデメリットもある。
日本の場合、天然ガス生産国との間にパイプラインが敷設されていないため、輸入はすべて液化天然ガス(LNG)の形態を取っている。
天然ガスの輸入相手国

 では、LNGはどのような国々から輸入されているのであろうか。
 2010年における輸入相手国別シェア(重量ベース)を示すと、【図1】の通りである(日本国財務省貿易統計データより筆者作成)。
 この図を見ると、マレーシア、オーストラリア、インドネシアというアジア・オセアニアの3カ国で全体の約57%(以下、「約」の表記を省略)。
 ブルネイも含めた4カ国では65%を占めている。
 一方で、中東への依存度はそれほど高くはない(中東のカタール、アラブ首長国連邦、オマーンは合計で22%)。
新規LNG供給国としてのロシア
 また、その一方で、ロシアが8%で第5位となっている。これは、三井物産および三菱商事も出資する「サハリン2」プロジェクト(ロシア国営ガスプロム、ロイヤル・ダッチ・シェルが主要株主)からの供給によるものである。

 このロシアのプレゼンスの増加は、2005年のデータと比べると一目瞭然である。
 2005年におけるLNGの輸入相手国別シェア(重量ベース)は、【図2】の通りとなっている(日本国財務省貿易統計データより筆者作成)。
 2010年時点で第3位の18%を占めるインドネシアは、2005年時点では25%で第1位につけていた。
 つまり、2005年から2010年にかけての5年間でインドネシアはシェアを7%落とし(輸入量も10.2%減少している)、その分をロシアが埋めたという構図になる。
 また、この5年間において、2005年時点で全体の4分の3以上の76%を占めていたアジア・オセアニア4カ国のシェアは、2010年には65%まで低下している。
 そしてその一方で、距離の面で日本に近く輸送コストが相対的に安いロシアからの供給が新たに開始されている。ここにおいて、この5年間における「LNG供給源の地域的な多様化」の動きを見て取ることができる。
福島原発爆発事故を受けてLNGの日本向け供給量は増加へ
 このようにLNG供給源の多様化が見られる一方で、地震発生後、LNG供給国から供給量増加の意向が表明されている。
 LNG火力発電の稼働が増加することによって追加的に必要とされるLNGの量は、石油天然ガス・金属鉱物資源機構の石井彰氏によれば、2011年については年間300万〜500万トンと見込まれる(石井彰「ポスト『福島』:本格的な天然ガス時代突入へ」)。
 これに対し、例えばカタールの国営ガス企業であるカタールガス社は、今後1年間に400万トンの液化天然ガスを追加供給する旨を明らかにしている(4月16日付ロイター)。
 また、インドネシア政府は、年内に計18カーゴ(約100万トン)を追加供給することを表明し(4月20日付時事通信)、オーストラリアのジュリア・ギラード首相も、4月21日の訪日時に液化天然ガスの安定供給を表明している(4月21日付毎日新聞電子版)。
ロシアもLNGの追加供給を表明
 ロシアも、事故発生翌日の3月12日にウラジーミル・プーチン首相が日本向けLNG供給量を増加させるよう指示しており、さらにドミトリー・メドベージェフ大統領も3月14日に日本向けLNGの供給増を指示している。
 これらの指示を受けて、国営ガス企業のガスプロムが4月と5月にそれぞれ10万トンずつ日本にLNGを追加供給する旨、イーゴリ・セチン副首相が表明している(3月14日付RIAノーヴォスチ通信)。
 そして4月16日には、東京電力富津火力発電所のLNG基地に、ロシアが日本に追加供給するLNGの第1船が到着している(4月18日付読売新聞電子版)。
 これら一連の追加的な供給により、当面の間はLNGの供給不足を免れる見通しとなっている。このことからLNGによる火力発電は、現在最も合理的な発電システムとなっている。
 もちろん、LNGの価格も変動する。そのリスクはあるが、実は米国発のシェールガス革命によって価格も安定、原油のように高騰する危険性は薄い。その点については次回(明日)触れたい。
(明日につづく)

 

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コメント
 
01. 2011年4月28日 11:16:39: LyN36jbHSQ
原発のトータルコストは高くつく!。

が、今回の勉強。
学習能力がないとは言わせない。

電力会社も、国策原子力活用の背中を押され、走ってきた。
いざ事故が起こったら、全責任転嫁される。
国の言うこと聞いていたら、会社がなくなります。
いざ事故が起こしたら、生活環境破壊、会社存亡の危機になる。
こんなリスク、民間企業は取れない。

東京電力株で評価損を抱えました。
こんなリスクがあるとは、、不覚でした。
だから、発言したいのです。
”原子力発電活用は、国策としてふさわしくないと”。
事故が絶対ゼロ、は、ない。

地球温暖化も、今から地球冷たくなる時代に入るそうです。
太陽の放射熱には周期がある。江戸時代は冷たい時代だったそうです。
二酸化炭素も、植物には大切な栄養素で、必要なのです。


02. 2011年4月28日 11:50:25: AQqyLULhMc

LNG火力で代替に賛成、孫さんの自然エネルギー高額強制買い取りに反対。

03. 2011年4月28日 14:51:46: QraYAZIYzI
@TAIRAMASAAKI: 今日の委員会で明らかになったこと。
放射能汚染水を除染する技術がフランスのアレバという会社にある。東電が依頼。
同僚議員によると相場は1トン2億円。福島原発敷地内に汚染水は6万トン。
当然今後の交渉次第だが、単純計算で12兆円。汚染水は今後まだまだ増える。
http://twitter.com/#!/junsaito0529/status/63383952769024001
こりゃ原発は経済的にペイするわけない。
国家的ぼったくりバーかなんかに引っかかったと思って腹くくるしかないのか?
http://twitter.com/#!/junsaito0529/status/63384450867802112

事実なら、こりゃ、膨大な金が必要だな。
もう政府通貨でも発行しないとだめかな。


日刊ゲンダイ。「保安院の西山審議官の娘は、東電の社員だった。」
新入社員は、1000人。大卒の事務は100人、技術系が300人。女性は20人。
西山は、保安院では、院長、次長に次ぐナンバースリーだ。
その娘が東電社員では、まともなチェック、監視など、望むべくもない。
http://twitter.com/#!/junsaito0529/status/63249274414182400


04. 2011年4月28日 17:38:21: YSkvpY2EXQ
今後しばらくシェールガスを取り出す技術の向上によって天然ガスの市場は売り手が増加する見通しである。先物価格はこの数年大きく下がっている。

原油は埋蔵量が中東地域に偏たっているが天然ガスは世界中広く分布している。勿論永遠にとはいかないが現時点では原子力に替わる最有力な資源である。

原発がなければ原始時代の生活になるなどのアホな理屈に騙されないように。石原慎太郎に投票した人はよく考えること。


05. 暇つぶし 2011年4月29日 20:20:32: YffGUHwxMJanU : Wkyt1ew4OM
右寄りの政治家や評論家で原子力利権に汚染されてる人はけっこう多いみたいだね。ただ、元民主党政治家の西村眞吾だけは汚染されてるというより、右のルーピーなんじゃないかという気がする。西村は京都大卒だけど、仙石と双璧を成すめちゃくちゃな理屈で原発擁護。でもやっぱり汚染されてるからこそ、めちゃくちゃな理屈で擁護するしかなかったのかな。

06. 2011年5月13日 20:42:26: WAVrfYxjGs
40年も原発の不合理さを指摘していた真摯な研究者の意見をきかず原子力版白い巨塔を築きあげてきたのですね。学閥、閨閥、で自浄作用のない日本のシステムが今日の原発事故が象徴しているように思えます。

07. 2011年8月21日 16:46:55: pFvm0S4NJ6
ありがとうございます☆
とっても役立ちました、今度授業でパネルディスカッションするんですけど、難しくって難しくって。
でも、ちょっとだけ分かったような気がします
 ありがとうございました

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