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鬼塚氏の対抗勢力としての中田安彦
安全プロパガンダの当事者である中田君の最新刊が、
広島に原爆が投下された八月六日に発売されたときは、
カルトビジネスの抜け目なさと厚顔無恥ぶりに半ば感心しましたが、
ふと気づくと出版元が成甲書房です。
鬼塚英昭氏が福島原発事故のために緊急に書き下ろした
『黒い絆 ロスチャイルドと原発マフィア』が出版されてから二ヶ月半後、
同じ成甲書房から中田君のカルト本が出版された訳です。
鬼塚氏は前掲書の中で、『私は、日本人はどこかで大きな間違いを犯し続けていると思っている。第二次世界大戦で日本が敗北したのに、その真の原因が隠されたままではないか。今回の3・11巨大地震でも、起きるべくして福島第一原発の大事故が起きたのに、その真の原因を探ろうとする動きは見えてこないのである。私はその真の原因を読者に知らせるべく、降りかかるであろう苦難を百も承知で追及の旅にでている。』
と決意を述べ、原爆投下、冷戦構造、原発導入、原子力ルネッサンスの真相と真犯人について、ヴィクター・ロスチャイルドの名を筆頭に挙げて詳細な検証をしています。
『なぜ近代史を知る事が大事か。それは近代史を知ることで、今、平成に起きていることを知ることが出来るからです。日本を知るためには、日本の暗い部分を直視する必要がある。それをしないから外国に利用される。』というのが鬼塚氏のスタンスです。『明治維新以来、権力の中枢がスキャンダルを利用されてコンプラドール(操り人形)にされてきたことが、今の福島原発事故にも繋がっている。我々はこのことに立ち向かう時期に来ている』と。
一方、中田君はどうでしょうか。彼はSNSIのスタンスに常に忠実であったように、今回も従っています。デーヴィッド・ロックファラーを集中攻撃することで、ロスチャイルドの実態を粉飾する。果たせるかな『日本再占領』でも、ヴィクター・ロスチャイルドには一言も触れません。近代日本氏の暗部にも深く関与するロスチャイルド一族に触れることはSNSIのタブーーなのでしょう。つまり中田くんの最新刊は、平成に起きていることを韜晦するために書かれたと私は思います。
中田君の『日本再占領』では、『讀賣新聞社主の正力松太郎と中曽根康弘・衆議院議員が、アメリカに擦り寄って、戦後復興に必要な核エネルギーをアメリカの協力を得て日本に導入した。』とだけあって、この先はありません。彼は注意深く暗部には踏み込みません。中曽根がアメリカで誰と接触し、誰に命令され、帰国後、どのように導入したのか。改進党の若手の1人に過ぎない中曽根が、どうして自由党の吉田内閣の予算修正案の中に原発導入を通過させることが出来たのか。
五月晴郎君が阿修羅の政治版に貼り付けた中田くんの小論を読むと、中田君は吉田茂の正体を知っていることが分かります。吉田茂は近代日本史の暗部に繋がる人物です。太平洋戦争開戦翌年の6月に駐日大使グルーがアメリカに帰国した時から、御前会議クラスの国家機密情報をグルーを通じて、ステイムソン陸軍長官(原爆投下の総指揮をとったロス茶のエージェント)に流していたヨハンセングループの1人として。
昭和天皇の庇護者である牧野伸顕を首魁とする「吉田反戦グループ」=ヨハンセングループは、牧野の娘婿である吉田茂からその名前を取ったもので、吉田以下、樺山愛輔、岡田啓介、米内光政、白州次郎が主なメンバーです。中田君はこのうち米内光政だけ指弾することで、海軍悪玉説をデッチあげています。マンガ本にして販売していますが、早く資源ゴミに出すことをお勧めします。
尚、鬼塚氏は白州次郎の怪しげな行状から、ウオーヴァーグ家の庶子であると考察しています。(FRBを創設した金融マフィアの一人、ポール・ウオーバーグのウオーバーグ家)『モルガンとウオーバーグの手下がヨハンセングループにいた』と。また原爆投下の総指揮をとったステイムソン陸軍長官については、次のように考察しています。『ステイムソン長官はヨハンセングループについて、「彼らをたきつけ、持てる影響力を行使させる」とトルーマン大統領に語っていた。』よってヨハンセングループは確実に原爆投下を知っていた、戦争の幕引きが近づいているゆえに、彼らは日銀と横浜正金銀行から国際決済銀行の力を借りて、戦争で稼いだ大量のお金をスイスに移す作業に没頭した、これをステイムソンのご主人様である”陰の政府”が支えた、と。
このようなグループの一員であり、「臣・茂」を自称する保守反動の吉田が首相を務めた内閣で、若造の中曽根康弘が予算修正案を通過させたカラクリ、この筋書の背後に隠れている真打のジャパンハンドとカウンターパーツを、鬼塚ファンである中田君は知っているはずです。しかし彼は鬼塚氏の考察を逆行させる体制派のプロパガンダをあえて新刊書に書いている。中田君が使い分ける目的は、二番手三番手を囮にして真犯人を免罪することにあると思われます。彼はそのために『ジャパンハンドラー&カウンターパーツ』という、秀逸なテクを編み出したのでしょう。”肝心なことは言わない”という中田君の特徴が、見事にカモフラージュできるからです。
『果たせるかな、戦後の日本人は原子力エネルギーをまるで「猿の惑星」で祀られるコバルト爆弾のように崇め奉ってきた。自分が賢いと思い込んでいる「猿たち」が、原子力安全信仰にどっぷり漬かって、原子力の輸出を新しい国策として推進しようとした矢先に、今回の大地震が襲った。』(中田安彦『日本再占領』)これを読むと、原発導入が奥の院で国策とされた経緯には触れず、戦後日本人を「猿たち」と称して嘲笑する中田君には、真因を追究する気などハナからないし、原発事故被災者に同情のカケラもないということが分ります。
それは中田君の仲間も同様です。中田君が司令塔を勤める学問道場は、安全宣言プロパガンダの一環として、被災地に『福島復興活動本部』と称する事務所を開いています。被ばくの後遺症を生来持って生まれたという元会員の方が、真剣に危惧するコメントを連投すると、副島グループとおぼしき7名が総勢で人格攻撃を始めました。先天性の原爆の後遺症を抱えて半生を生きてきた元会員に、集団リンチをするような連中がどんな「福島復興活動」をするというのでしょう。笑わせるじゃありませんか。
彼らは元会員の方だけでなく、副島隆彦の講演会の書き起こしをしたkanegon様にも、ストーカー、時給で雇われた工作員、ユダ公、等の言い掛かりをつけています。よっぽどkanegon様にあの狂気の沙汰のソエジの言動を書き起こされたことが不都合だったらしいです。同時期の管理お知らせ版を見ると、でkanegon様を人格攻撃している複数の人間がいます。連中のIDを見ると、上記の7名のうち4名までが同じメンツです。こういうのを『共同謀議』といいます。こんなに連中が過剰反応してくれているのだから、是非ともkanegon様には後半も書き起こして、連中の期待に応えてやってほしいと思います。尚、私は彼らは副島隆彦を囲む会の関係者だと思っています。私と彼らしか知らない情報を無意識に使っているからです。
さて抵抗勢力としての中田君の最新刊『日本再占領』に戻ります。彼はかつて次のようなコメントを鬼塚氏の処女作に寄せました。『本書を推す! 中田安彦「ジャパンハンドラーズ」著書 これまで戦後日本のタブーを暴いた!』と宣伝されてきた本は数多くあるが、この天皇のロザリオ』ほど日本言論界に衝撃を与える本はないだろう。戦後日本の真実を探求する人々にとって「必読の書」であると私は断言する。』
では、中田君が戦後の真実を探求する人びと必携の書と太鼓判を押した『天皇のロザリオ』と、中田君の『日本再占領』を比較対照してみましょう。
『日本再占領』『終戦直後に、何があったのか。それは言うまでもなく、「国体」が崩壊寸前までいったのである。非常に大雑把に言えば、明治維新を経て、日本は大日本帝国憲法という一種の「王権神授説」に基づく国家体制=国体をつくっていたのである。天皇を現人神として崇め奉るという形で国民の行動原理(エートス)が形成されたわけだ。
それがガタガタと崩れたのは、神国日本のアメリカに対する完膚なきまでの敗北であった。それを象徴するのが、昭和天皇の玉音放送、それに続く天皇の人間宣言である。連合国最高司令部(GHQ)の総司令官ダグラス・マッカーサーの意向もあり、日本の再占領統治には天皇の存在が必要だった。ゆえに、昭和天皇は他のA級戦犯と異なり、何も罪を問われなかった。アメリカと結託した海軍の米内光政らが、陸軍の東条英機らを”スケープゴート”として差し出した。この終戦処理の結末によって、日本の急性アノミーは最悪の状態は避けられた。
やはり私には、3月16日午後に急遽放送された天皇陛下の国民に向けてのメッセージが、広島・長崎の原爆を受けて出された昭和天皇の終戦時の玉音放送に重なってならない。あの玉音放送によって大東亜戦争は終結した。日本人はアメリカの占領統治という「敗北」を抱きしめる戦後を歩み始めた。今回の震災の被災地を、心を痛められながら訪問された天皇陛下、美智子皇后陛下の姿は、戦後まもなくの昭和天皇の行幸にぴったりと重なる。』
『天皇のロザリオ』『私は、明治天皇がかつて大室寅之祐といわれる部落出身者であると書いた。彼は、天皇族ではない。したがって、仏教の帰依をあっさりと捨てえた、と思っている。だからこそ、伊藤博文の主導ですすめられた”新しい神”となったのである。私たち日本人は、明治に入ってから創造された日本歴史を、正しいと思って信じ込まされている。”神”とは何かさえ、真実を教えられていないのである。神とは日本人が信じていた神とは、産霊(うぶすな)の神である。その神は自然の霊の中に宿る神である。血で塗られた十字架上の神や、天皇族の神とはまったく異質の神である。
吉田はマッカーサーとの会見の模様を天皇に報告し、何をマッカーサーとの会見で話すべきかを天皇と検討したと思える。「東条が私を裏切った」という天皇の発言は、吉田の「東条に戦争責任をすべて被せよう」という主張とダブって見える。吉田は敗戦直後から東条主犯論を、親しい政治家や外交官、皇族たちに説いていた。
すべては、宮内府(一九四九年六月一日からは宮内庁)と総司令部の合意のもとに作られていた。正しくは、仰々しい「奉迎場方式」を宮内府が決定する。これをGHQの民生局が承認する。最終的にはマッカーサーがこれらのすべてを認めたのである。ブライアンズは天皇のみすぼらしい服装に、隠された秘密があることを知っていた。しかし書けなかった。マッカーサーはアメリカ人の記者の記事でさえ、天皇に関するものは厳密にチェックさせていた。
新しい神話とは、大元帥の天皇を隠しに隠し、軍閥に裏切られたという偽りの悲劇の天皇を民衆の前にさらし、わざと古着をまとい、擦りへった靴をはいて、哀愁を漂わせ、偽りの同情を買おうとする平和天皇の物語である。純情な国民は、裏切られたのに、父や兄が殺されたのに、母や姉妹が空襲で殺されたのに、新しい神話にもう一度殺されたのである。天皇は何を想い、民衆の中へと入っていったのであろうか。絶対的な忠誠を誓わせ、赤紙一枚で命を捨てさせた民草はもういない。しかし、天皇は何かを確信すればこそ、かつての民草の中に入っていったに違いないのだ。
こうして天皇は敗戦の責任を無にしえたのである。この奉迎場の熱狂場面を語らずして、天皇の戦争責任を追及しても意味がない。天皇をして「戦争責任を語り、民草の父や兄を戦場で殺した罪を謝罪するより、民草にバンザーイを言わせるほうが、自分の神聖さが高まっていく」と思わせたのは、この行幸で得た知恵からであろう。
かくして天皇は日本国家の無責任の象徴となった。このとき以降、日本の道徳心は荒廃した。荒ぶる神から和魂(にぎたま)の神へと見事に変身した天皇は、「全国をくまなく歩いて、国民を慰め、励まし、また、復興のために立ち上がらせるための勇気を伝えることが自分の責任である」と堂々と述べるにいたった。』
以上、比較対照してください。中田君の使い分けの『生態』が『如実』です。前回でも言及しましたが、中田君の次の文章もデタラメ、デマ、情報汚染です。恐らく中田君は、少数の誠実な近代史家の努力をドブに捨る目的で、小室直樹のネームナリューを悪用しているのだと思ます。『アメリカと結託した海軍の米内光政らが、陸軍の東条英機らを”スケープゴート”として差し出した。この終戦処理の結末によって、日本の急性アノミーは最悪の状態は避けられた。』
中田君のこの文章は、東京裁判史観のコインの裏です。副島隆彦も同様のことを書いています。富田メモに書かれた昭和天皇のリアクションにイチャモンをつけた会員がいたようで、副島はその会員に『大御心に従え!バカめ』と痛罵しています。東京裁判の結果に従った大御心に従え、A級戦犯合祀に不快を示された大御心が分らないのか、バカめ!と例のごとく口汚く罵ったのです。
前回、A級戦犯というのは、宮中グループとアメリカ保守反動グループが結託して選定したことを検証しました。吉田茂に任命された昭和天皇御用掛・寺崎秀成と、生粋の宮廷官吏・松平康昌がカウンターパーツになって、国際検察局のロイ・モーガン課長やGHQボナー・フェラーズ准将とのパイプ役になり、東条ら陸軍、松岡洋右、広田弘毅元外相らをスケープゴートにしたと。それが「大御心」だったからです。A級戦犯は「大御心」と国際検察局との共同作品です。それをブチ壊すようなA級戦犯合祀は不快である、という「大御心」が分らぬか!と副島隆彦は吼えているのです。(尚、これらの共同作業を指揮監督したジャパンハンドラーは、『20世紀のファウスト』ことアヴェレル・ハリマンです)
中田くんの上記の文章は副島のこの精神を踏襲しています。中田君は自作自演して、副島先生とアルル君の距離を置いた師弟愛を演出し、「結論は、頑張れアルル君ってこと」な〜んちゃって自らにエールを送っているようですが、「ソエジ&アルル師弟は互いに補完し合っている似たもの同士、同類項だってこと」と私は思いますね。
さて中田君と鬼塚氏の比較対照でも触れましたが、明治天皇=大室寅之祐がインターネット上で流布してきた昨今ですが、中田君サイドの新手が現れています。とうとう大野芳が新著『天皇の暗号‐明治維新140年の玉手箱』で対抗してきました。大野自身が「毛利公爵家の分家から、明治天皇は長州のお方と聞いていた」と明治天皇すり替えを認めた上で、明治維新の『勝利者にうしろめたさがあるとすれば、南朝の天皇を利用した仕掛けにこそある』と、明治維新=南朝革命という詭弁を正当化する本を出しました。田布施村の人々が所持していた南朝の系図は、江戸時代に流行った巻物で、しかも大室家にはその巻物さえ無かったというのに。もとより私は、明治天皇の出自にこだわることが、真実を見つめることだとは思いません。鬼塚氏もそのように語っています。天皇家が被差別部落民でも何でもかまわないと。
しかし今でも荒涼とした山口県熊毛郡田布施村の、その小さな山間の村を流れる田布施川の両岸から、目を剥くような歴史的人物が輩出され、彼らによって近代日本が舵取られ創出されてきました。伊藤博文、山縣有朋、岸信介、佐藤栄作、鮎川義助、久原房之助、松岡洋右、安部源基、難波作之助、河上肇、宮本賢治・・・鬼塚氏が大室寅之祐と田布施村のことを書いたら、近代史家の大家・秦郁彦が突然電話を掛けてきたそうです。「あんたは大室寅之祐の戸籍を見たことがあるのか。大室寅之祐という人物は存在しているのか」と。鬼塚氏が戸籍は見たことがない」と言って色々な角度から調べた情報を話すと、その度に同じことの質問のくり返しの挙句、鬼塚氏の説明に「私もよく知っているよ。私も田布施川の近くで生まれたんだ」と秦氏。(ああ、それでこの人はタブーを隠蔽するために歴史学者になったんだな〜)と納得したと鬼塚氏。
中田君はもっと志が低いです。福島原発事故が第三の敗戦であり、日本が再占領されたといいながら、原発導入の真因をボカして「猿たち」のせいにし、天皇制プロパガンダを使って戦後日本史の闇をさらに塗り込める。『日本再占領』とは、自己PRと営利目的でしかない本を書けるソエジの精神を受け継ぐ、直系の弟子としての中田君を再認識できる本です。
中田君お勧めの『天皇のロザリオ』から、さらに一歩踏み込んで書かれた鬼塚氏の第二作『日本の一番醜い日』には、広島・長崎に原爆が投下されるまでの経緯が描かれています。マンハッタン計画の仕掛けであるヴィクター・ロスチャイルド、そのエージェントであるステイムソン長官、彼らとヨハンセングループが原爆投下のシナリオを合作した経緯です。生体実験に供されたのは一般市民だけではありませんでした。本土決戦に備えるという名目で総軍を二つに分け、そのうちの第二総軍を広島に配備させ、昭和天皇の信頼が厚い米内光政を通じて第二総軍総司令官・畑俊六元帥に通達し、8月6日早朝に総軍を召集させてその頭上に原爆を投下させました。(もちろん畑は事前に避難させる)第二総軍を全滅状態にすれば、終戦工作の邪魔をする陸軍の反乱を防げるという一石二鳥の側面があったからです。徹底した自己中集団ヨハンセングループの一人としての米内の言葉、「原爆投下は或る意味天佑である」を日本の一番醜い言葉として挙げています。
その後の国策としての原発導入、原子力安全信仰、原発ルネッサンス、その直後の福島原発事故。ヴィクターの優秀な代理人シュトラウスが日本の原発乱立に関わった詳細については、「副島隆彦は八百長のプロパガンダをやめよ」の意見投稿に転載してあります。
原爆の被害の実態を洩らさない、原爆投下を非難しない、という黙約に従い、広島・長崎の原爆被災者が検体としてデータを取られるだけで見殺しにされていく過程は、今の福島原発事故の被災者の身の上に再現されていると思います。広島では、ジュノー博士が差し入れようとした医療品が日本赤十字に拒否されました。日本赤十字の総裁は昭和天皇の弟・高松宮。被災者を見殺しにるす日赤と、その親分である国際赤十字委員会は、天皇のスイス秘密口座の凍結解除には尽力しました。
作家の工藤美代子がその著書『香淳皇后』の中、スイス赤十字国際委員会とイギリスの外務省との間で、昭和21年8月から昭和23年9月にかけて交わされた外交文書Fo369/3969 Fo369/3970を調査して、昭和20年4月香淳皇后が赤十字国際委員会に一千万スイスフランの寄付を申し出たことを明らかにしています。(尚、この本には昭和天皇が、カトリックとおぼしき礼拝堂で、脱帽して頭を垂れ佇立している後ろ姿の稀少な写真が載っています)
『一千万スイスフランは現在のレートで約7億円。当時と現在のスイスフランの購買力を単純に比較すると約33億円に上る。寄付の形で動かすことを阻もうとする米英と、寄付の正当性を主張するスイス政府、ICRC(国際赤十字委員会)が対立した。この紛争は46年6月、極東委員会と連合国軍総司令部(GHQ)にゆだねられた。極東委員会は同年10月「ICRCの主張に根拠はない」として送金禁止を決定。しかしICRCは米国の弁護士を雇い、巻き返しに成功。米国務省は49年3月、スイス政府の裁量を認めて送金に同意。英国も49年5月「所有権の主張」を撤回した。送金は49年5月末。スイスが横浜正金銀行の資金凍結を解除して実行された。ICRCは英国への配慮から一連のプロセスを「極秘」扱いとし、日本にも細かい経過を知らせなかった。』(ジュネーヴ十三日共同=藤井靖)
『この文章に見えてくるのは、一千万スイスフランの数十倍か数百倍の金が、天皇と皇后の秘密口座の中にあり、凍結されかかっているので赤十字国際委員会(ICRC)に依頼し、凍結を解除し、他の銀行に移そうとする天皇の壮絶な闘いである。』(鬼塚英昭『日本の一番醜い日』)
昭和天皇が逝去したとき、時の政府は「戦後の復興は昭和天皇が赤子である国民を慈父のように温かく見守ってきたからだ、戦後日本の繁栄は昭和天皇の存在なくしてなし遂げられなかった」という政府公式見解をコメントしました。天皇が赤子の慈父であるならば、秘密口座のお金はどうして被災者のために使われなかったのでしょうか。中田君は昭和天皇と平成天皇の行幸が重なって見えると賛美しています。広島・長崎でも福島でも、両天皇は質素な格好で行幸して見せただけです。中田君は偽善だとは思わないのですか。私は「同情するなら金をやってくれー」と裏で糸を引いているグループに叫びたくなります。ICRCには仲介手数料として7億円も包んだ、だったら被災者にも十分な見舞金をはずんでやってくれーーーと。
中田君が絶賛した鬼塚氏は、「日本がやり直すためにはもう知らないで済ますことは罪である、どうか辛い真実を直視してほしい」と語っています。知っていながら使い分ける中田君はどうなるのでしょうか。本当は真実は使い分けられない。使い分けられないからこそ真実であって、私が中田君が使い分けているというのも一種の方便です。一見使い分けているかに見える中田君の言論は破綻しています。
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