http://www.asyura2.com/11/cult8/msg/260.html
Tweet |
月刊ザ・フナイ6月号より
誰も書かない世の中の裏側 いま秘かに進行中の策略
今回の福島第一原発事故をみたとき、4点、大きな問題がある。
1つ目は、放射能の恐怖心を煽っていること。すなわち、原発から放出された放射性物質は現在、東京までもうほとんど届いていない。にもかかわらず、恐怖心だけが日本国内に広がっている。
2つめ。責任という問題がないがしろにされている。まず東電の経営者たちの責任。それから日本国政府の責任。その内訳は、政府の機関である内閣府の行政機関である原子力委員会、及び原子力安全委員会、それから経済産業省の実働部隊である原子力安全・保安院の責任問題。これほどの巨大事故を起こして誰に責任があってどういう責任の取りかががあるのかということである。法律学的には、損害賠償義務のことを責任という。
責任のレベルを突き抜けているから誰も責任を取らないという事態が2ヶ月以上続いている。しかも、原因究明委員会や事故調査委員会が開かれない。
そして、原子力委員会や原子力安全委員会の人たちが誰も責任をとらない。まるで自分たちは東電や政府に対して、原子力安全・原子力の運転のことについて意見を言うだけの立場だ、というくらいに思い込んでいる。監督責任を負う気が見られない。誰一人として国民に本気で謝罪していない。こんなおかしなことをやっている国家体制は異常だと私は思う。
3つ目は、福島の原発の周辺、20km圏内と30km圏まで、それから飯館村、南相馬市、いわき市、この辺りの人たちが悲惨な状況になっている。日本のメディア、テレビ・新聞・雑誌は瓦礫の山を写したりはするけれど、放射能漏れを起こした原発そのものには接近しない。酷い目に遭っている住民たちから直接意見を聞こうとしない。
4つ目。何が今起こりつつあるのかということである。4月22日から、20km県内には住民(原発難民)ですら立ち入れなくなった。今も機動隊の装甲車が全国からどんどん向かっている。今後どんなことが起こるかを私が予測する。20km圏ぐるっと半径に描いて、完全に封鎖するだろう。おそらく高さ4mくらいの二十の金網をずっと敷いて、誰も入れなくしてしまうだろう。その中に放射線廃棄物の処理場を作るという噂が流れている。あるいは米軍が上陸してそこで実験を行うという意見まで出ている。日本民族をモルモット代わりの実験台にして、データを取った。原発事故が起きても水浸しにしさえすれば、最悪の事態は避けられるということが今回。証明された。これがアメリカという恐ろしい国がやったことである。そのことに対する怒りが、私たちになければいけない。
放射能の恐怖心を煽り立てる裏側にあること
3月28日頃から政府と東電の保安員の態度が急に変わった。それまでは、あれほど「原発は安全である」と言っていた政府や東電が、急に危険だと言い出した。これには策略が裏にある。
放射能の人体への影響については、放射線防護学とか放射線医学の人たちが、この健康被害の問題を扱っている。例えば、飯田哲也氏(環境エネルギー政策研究所 所長)は医師ではないけれども、1年間あたりの単純計算の100ミリシーベルト以下なら、健康に何の問題もないと書いている。それから、山下俊一(長崎大学の医学部教授で現在、福島県のアドヴァイザー)とか、ルポライターの鎌田 彗氏、東大医学部の放射線医学の中川恵一教授、札幌医科大学の高田純教授、そして国債放射線防護委員会(ICRP)も、「100ミリシーベルト/年までなら、がんの発生率は上がらないと証明されている」と言っている。それなのに、元来の「年間1ミリシーベルトまで戻せ」と騒いでいる人たちが今もたくさんいる。
やはりIAEA、国際原子力機関という組織がおかしい。と私は思う。ここの今の事務局長は日本人で天野之弥という外務官僚上がりだ。堂考えてもアメリカの金融財界人たちが世界の管理を続けるために選んだ人物である。ウィキリークスが秘密公開した情報の中に、天野さんが「自分はアメリカの言うことを何でも聞く」と言ったことが暴露されている。
だから、今回の事態の推移を一番大きな枠組みで見ると、アメリカの一番上の勢力が、ヨーロッパの核兵器や原子力ビジネスをやっている人たちを叩きのめそうと動いている。
ちなみに、今度の大地震に関して言えば、ベンジャミンフルフォード氏や、リチャード・コシミズ氏が唱える、地震兵器とか、HAARPで、人間が人工的に地震や津波を起こしたという考え方には、私は一切与しない。それほどの巨大なエネルギーをつくるだけの軍事技術や人工的破壊力を人類はまだ持てない。私はそこは断言しておく。であるから、人工的に核爆弾を仕掛けて富士山大爆発が起きるとか愚かなことは言わないでもらいたい。
この原発事故が起きてから後の動きをみると、日本国民に対する恐ろしい統制、管理が進んでいる。はっきり言えば、IAEAによる日本直接管理という動きである。日本政府は、IAEAに乗っ取られているように見える。
IAEAが率先して「福島原発は危ない。日本は危ない」を過剰に言い出した。そのために地元の住民たちが大変悲惨な目に遭っている。原発難民のまま、家に近寄ることもできない。たった1回、2時間だけ防護服を着て、預金通帳などの貴重品を持ち出すために自宅に帰れるというおかしなことになった。放射能など、もうほとんど無いのだ、現に私はこの2ヶ月間に、原発の正面ゲートや5km地点、10km地点に何度も行って各所の放射線量を測っている。私は普段着だし、マスクさえしていない。
現地にいる自衛隊も警察も消防もマスクをしている程度で、何の異様さもなく平然と働いている。ところが、テレビや新聞では全身防護服に包まれた恐ろしい格好をして画面に映るように仕向けられている。金網と鉄条網を敷かれてしまったら、もうそこの中には誰も入れなくなる。「放射能が危ない、危ない」と過剰に言い続けることによって、日本国民の精神を萎縮させ、復興の気持ちを奪いとってしまう。この大きな企み、即ちアメリカによる“日本占領”の企みを、私たちは見抜かなければならない。
やはり、IAEAなどの国際機関が、日本国民を脅している。もうちょっと言えば天然痘やコレラの大流行や戦争と同じような状態にみせかけて誰の責任でもないという理屈にもっていく、これが非常におかしい。
私が「住民が悲惨だ」と思うのは、彼らは冷たい床の体育館などの避難所にいて、やがて家に帰れるし補償金がもらえると思っていることだ。もっとはっきり言いましょう。どうせたいした補償金はもらえない。家にも帰れない。このことを何にもわかっていない。
IAEAとかで、世界を悪い意味で上から統制して、日本国民、日本民族を脅迫して計画的に自分たちの管理化に置こうとしている。そして日本国民の金融資産をもっと奪い取ろうとしている連中がいる。このまま行くと彼らの意図に乗せられてしまう。この悪だくみを皆で見抜かなければいけないと私は本気で思っている。
だから、日本人よ、怯えるな、怖がるな、騙されるなと言いたい。福島の現地に行ってみてください。今回、核物理学や原子力工学の専門家の人たちは、専門家であるにもかかわらず、現地に行かなかった。3月中は、前述の中川恵一教授が「これくらいの微量の放射線なら健康に問題ない。人間には回復力があるから大丈夫」といい続けて、途中からNHKに出なくなった。私は、放射線医学の専門家たちは、決して“御用学者”ではないし、ウソも言っていないと考える。彼らの多くは冷静だ。
一番のワルで責任者は、小宮山 宏という東京大学の学長をした人である。この人は東電から長年多額の金をもらっている。この男は地球温暖化論学者で「CO2を削減しろ」といい続けた。それで「原発がクリーンなエネルギーだ」と私たちを洗脳した最高の責任者である。この小宮山宏は、東大の学長を辞めて今は三菱総合研究所の理事長だそうである。そして彼は今でも、東京電力の監査役である。この人の責任はものすごく重たい。ただでは済まない。
他には、班目春樹という今の原子力安全委員会の委員長。それからその先生にあたる、前の原子力安全委員会の委員長だった鈴木篤之という人。皆、東大教授である。彼らの責任が非常に大きい。彼らは記者会見でたった1回だけ謝ったふりをした。その時に使った言葉が「想定外の事故でした」だ。自分たちの想定外の事故が起きてしまって、「だから責任は無い」となる。想定外の大きな地震と津波が原因であるとして逃げようとしてる。
しかし、想定外というコトバで逃げられない。最大の原因は、大前研一氏も初めから言っている通り、やはり地震の段階で、電源が切れて、緊急用の冷却装置が壊れてしまった。これが非常に重要だ。このECCSという緊急時の冷却装置の水を循環させる電源が無くなった。それで自家発電のディーゼルエンジンが停止して、ポンプが回らなくなったから止まってしまった。
だが本当は、1号機は地震後1時間半、2号機の冷却装置は5時間動いていたということを西村肇東大名誉教授が突き止めている。西村肇先生たちのような東電から1円もお金をもらっていない本当のことを書ける小数の優れた学者が、科学的な根拠に基づいて、議論をして記者会見もしている。やはりGE(ジェネラル・エレクトリック社)の責任だ。
1号機はGE製だからだ。「マークI」という型の1960年代にアメリカで作られた原発だ。他のものもGE製を日本側(東芝、日立)が改良したものだ。
現場の作業員たち900人のうち850人は地震の直後から退避を始めた。2時間かけてからだをシャワーで洗って除染し、「メルトダウンだ」と言って東電の責任者の社員2人とGEの社員とともにわれ先に大騒ぎ逃げたとうことがはっきりしている。1号機の水素爆発は翌日3月12日の午後3時36分だ。地震から25時間(丸1日)たっている。
現実には防護服なんてあんなものを着なくても、20km圏内も、もう何の心配も無い状態で、警察や消防やらが動いている。その事実を誰も伝えようとしない。私は現場に何度も行ったから、このことを知っている。
大きな策略と仕掛け
いままさに、日本国民は大きく騙されようとしている。東電および、今度の事故の真の元凶であるGEに対して激しく怒るべきである。それなのに、日本人は皆へたれこんで、次の地震の恐怖もあるものだから、脳が混乱してわけがわからなくなっている。これが彼ら権力者、支配者たちの思うつぼである。権力者たちは、「ショック・ドクトリン」で日本国民と“ショックと恐怖”で支配しようとしているのだ。
私たちは同じく政府の機関である原子力委員会と原子力安全委員会の委員たち、および、政策実行部隊である原子力安全・保安院の官僚たちの責任も追及し裁判にかけるべきなのである。
日本国は敗戦後66年間、アメリカによって洗脳されてきた。自分たちの代表者たちに正しく権力(権限)を与えることによって、国民の代表者たち(実力政治家たち、民族指導者たち)に立派に責任をとらせるデモクラシーの実質を奪い取られてきた。だから、これほどの凶悪事件、国民存亡の大事件が起きても、誰一人として責任のとりかたを知らない。上に立つ者たちが、正しく責任をとることができなければ、多くの国民は悲惨な目に遭わされる。
本当に一番悪いのはIAEA(国際原子力機関)である。いま日本国に起きている事態は、このIAEAという凶悪な国際組織による日本国の占領、支配ちおう自体が起きているということなのである。あの天野之弥という今の事務局長は、日本人なのに、悪魔のような輩だ。3月18日には「福島原発事故は、収束に向かう」と日本に来て言った。ところが翌日ウィーンの本部に帰るや、「日本のフクシマ原発は、極めて深刻である」と報告した。それ以来、ヨーロッパ人が今にいたるも、とりわけドイツ人とフランス人が血相を変えたままである。フランス人やドイツ人と付き合いがあったり、結婚していたりするような人たちは、「全員ヨーロッパに着なさい、日本から離れなさい」と今も騒いでいる。それから大金持ちたちは日本から今も離れてなかなか帰ってこようとしない。海外からの渡航者も激減したままである。
IAEAに脅されて、日本政府(菅政権)自らが、世界に向かって「日本は核汚染された」と風評被害を撒き散らしている。愚か極まりない。事故から2ヶ月たってもまだ「福島県から避難しなさい」と福島県民に言っている。迷惑きわまりない。現地の福島県民は仕事を捨てて避難する先などどこにも無いとわかっている。被爆や放射能汚染など誰もしていない。臆病者たちだけが集団ヒステリーを起こして騒いでいる。
しかし、ヒラリー・クリントンをはじめとするアメリカの最高政治権力者たちは、早くも3月17日夜の時点で「フクシマはもう収まった、放射線量は激減した」と確認していた。もっと早く15日の時点でヒラリーたちトップは真実の数値を把っている。原発のすぐ周辺でも、400ミリシーベルト/時くらいしか出ていないことを把握した。スパイ衛星やグローバル・ホークという無人偵察機を12日から原発の真上に飛ばしているのだから。だから17日夜に協調介入G7の電話会議を開いて、米ドルの大暴落(1ドル76円)を阻止する動きに出た。18日から株も上げた。この時に、日本の政治家の実力者で菅直人を操っていると言われていた仙谷由人が、官房副長官に復帰して、17日の午後8時に天皇認証をもらっている。
即ちあの時に「日本国政府は米国債を売らない」という取引がアメリカのの間で成立した。合計1000兆円(12兆ドル)、そのうち政府の文だけでも250兆円くらい保有するアメリカ国債や、カリフォルニア州債や、ニューヨーク市債などのアメリカに貸し付けているお金を日本は持っている。貸し金の担保が、だから米国債とかの証券(紙キレ)である。それらを売ってお金を日本に取り戻すという動きを日本がしようとしたら、それはアメリカにとっての最大の危機となる。だからそれを阻止するために、アメリカは日本と秘密の合意を成立させた。
本当の愛国者の政治家であったら、誰でもわかることだが「せめて100兆円、とにかくすぐに返してくれ。それで復興資金を作る」と言わなければいけない。それなのに、なんと4月に入ってから震災復興会議などというくだらない中曽根系の団体を作って、「復興税」という税金を国民から取ると言い出した。呆れ返るとはこのことだ。
こんな時に増税なんかしたら国民経済はさらに冷え切って、いよいよ日本は復興できない。景気回復もできない。税金をかけるために、こういう訳のわからない審議会を作って、それで国民的な合意が成り立ったみたいなフリをする。役人(官僚ども)はアメリカの手先で残酷な人々で、日本国民からお金をむしり取ることしか考えていない。だからアメリカに100兆円返してくれという政治家も愛国者も誰一人として出てこない。
「借金を返してくれ」というコトバを言うと、本当に殺されるらしい。人間世界の冷たい真実としてこのコトバくらいイヤな言葉はない。人間関係(信頼関係)はここで壊れる。
多くの知能ある日本国民は、なんとなくこのことの異様さに気付いている。外国勢力による日本国の実質的乗っ取り、占領が目下、実行されている。
東電と日本政府が怖いのは、IAEAとアメリカ政府(ヒラリー・クリントン)の恫喝、脅迫、強制的な上からの命令なのである。幕末の日本の瀑布の幕閣(老中たち、譜代の大名たち)と、お奉行さま(いまの官僚たち)は、ペリーヤハリスなどの外国人が威嚇的に上から頭ごなしに脅してくるだけが怖い。だから外国にはヘイコラする。ところが彼らは、自分たちが支配している日本国民は怖くもなんともない。だから20万人や30万人の日本国民が殺されようが、どんなに酷い目に遭おうがなんともない。それが権力者・為政者というものである。
真の元凶であるGE社の手先たちは、「GE製の原子炉を40年も使っていたのだから東電が悪い」という製造物責任の理念を故意に忘却させる扇動言論と騙しの風聞を故意に日本国内に流している。
海江田万里経済産業相は、ぶるぶる震えながら「東電の責任は当然にある」と小さな声でしか言わない。細野豪志首相補佐官で“実質、原発大臣”は、「東電の責任がまずある」とはっきり言った。この二人の若い政治家の判断が
まともである。しかし、ほかの原発推進派の、電力会社から金をもらってきた汚れた政治家たちは、たとえ若くても、民主党であっても、自己保身が先に走るので、東電の責任を口にしない。
いまや福島県民にとっても極悪人である原発推進の張本人の、渡部恒三(彼は自分が支配する福島の会津にさえ一度も帰ろうとしない)と、その子分である佐藤雄平(恒三の甥、かつ秘書だった)幻触の福島県知事が、原発を推進してきた政治家達である。ジェラルド・カーチスというジャパン・ハンドラー(日本操り班)の一人であるアメリカ人と、時事放談なんかに出て、「皆が菅君を攻撃するけれども、情けない。今こそ団結すべき」などと、いけしゃあしゃあと言っている。
福島県が地盤である玄葉光一郎も同じように東電の家来として原発推進はで育てられた政治家である。彼らにとどまらない。
このような大きな権力たちの横のつながりは、IAEAやアメリカ政府に対してだけは、ビクビクして頭が上がらない。その分だけ、日本国民を殺処分にしてもなんともない者たちだ。
原発から5kmの双葉町の鉄工所の若い経営者が、ついに怒りにかられて東電を裁判所に訴えたようである。「自分の仕事と人生を原発事故で、滅茶苦茶にされた」という怒りで、自然な行動として東電を裁判に訴えた。私は今から、この当然の怒りを自分自身のこととして、現地の人々とともに徹底的に言論で闘う。現地に事務所を構える。
なぜ、東電と原子力安全委員会たちが、刑事責任(刑事裁判)まで問われるべきであるか。
それは、普通の大企業であっても、もし工場が爆発事故を起こしたり、有害物質を周辺に撒き散らしたら、まず、工場長が警察の捜査を受けて逮捕される。従業員や作業員や周囲の住民が死んでいれば、業務上過失致死傷罪で裁判にかけられる。そして経営陣(社長、担当役員)までが、危険な工場の操業の状態を放置していたことがわかったら、経営陣まで逮捕し裁判にかけられるのである。
なぜ、今回はこれほどの巨大な事故、災害事故を起こしたのに、誰も刑事責任を追及する動きが出ないのか。おかしいだろう。かつての公害企業に対する社会の激しい批判と同じような、それを更に数百倍にした大きな批判が起きなければ、おかしいのである。
東電側は、すでに会長・社長見解で、想定外の(自分たちの予想を超えた)地震と津波のせいで放射能モレの事故になったのだ、と逃げの理論をどんどん構築中である。この動きを急いで断ち切らなければいけない。
地震の直後に、GE製の緊急用の冷却装置が壊れた。これが事故の原因である。応急用のディーゼルエンジンによる自家発電によるポンプの停止で、冷却水が回らなくなったのだ。それで原子炉の温度が上がって、大事故になった。だから、東電とGEの両方ともが徹底的に調べられて、本来なら刑事捜査の対象にならなければならないのだ。
私のこのような主張がすぐに出てくるとわかっていたので、だから政府と警察が20km圏内を封鎖して、やがて金網を張りめぐらして、すべてを隠ぺいしつくす気である。日本国民は怒らなければならない。東電とグルになって政府が証拠隠滅を図っている。
何か大きな策略と仕掛けが今、日本国内で起こっているのだと私は思う。このことをみなさんしっかりとわかってください。
1986年のチェルノブイリのときは大変な原発事故だった。あれは黒鉛式原発だったから黒鉛がバチバチ燃えて、ドカーンと爆発が起き、放射性物質が300kmまで広がった。再臨界が起きた核爆発だった。そして現場でモクモク出る高濃度放射線を生めるために参加した4000人(あるいは2万人)の作業員たちが、5シーベルト/時くらいの体調の放射線を浴びたので数年後に死んでいる。高濃度の放射線物質は100kmまで飛んで、そこで女の子たちだけが甲状腺異常で、「チェルノブイリネックレス」と呼ばれる、喉のところの甲状腺を取り除く残酷な手術をした。彼女たちが浴びたのはおそらく1シーベルト/時、年間では86シーベルトくらいだと推定できる。
当時赤ちゃんだった数千人の女の子たちだけに思春期以降、甲状腺異常が発生した。ということは、それ以外の人たちに大して病気が出なかった。このことを事実として私たちは確認しないといけない。わずか年間総量(単純積算)で100シーベルトにもならない福島の20km圏内の現実を知るなら、恐れる必要はない。逃げるべきなのは、年間で1000シーベルト(=1シーベルト)から上の時だ。
今回の福島第一原発事故は、最初はレベル4、そしてレベル5(スリーマイル島事故と同じ)と言っていたが「そんなもんじゃ済まない」とIAEAの天野たちが日本政府と東電と保安院を脅して、結局チェルノブイリと同じレベル7にさせた。そして高濃度の放射線が撒き散らされていると日本国民に思わせ、怯えさせて、ついでにヨーロッパ人、世界中を恐れさせている。
だが実情は違う。疫学的方法で四日市市喘息や水俣病の研究で毎日出版文化賞を受賞している西村肇東大名誉教授が記者会見を行い、緊急の論文を出した(4月8日)。そこで発表されたのは、「福島第一原発事故で放出された放射性物質の全放出量はチェルノブイリ事故の10万分の1である。最大限に見積もっても1000分の1である。1日当たりの大気中への放出量は10テラベクレルである。これが2週間続いたとして140テラベクレルである。チェルノブイリでの全放出量を167万テラベクレルとすると、福島原発は10万分の1である」と発表した。しかも、「海に出た分は空中の1000分の1である」と。「健康に害がない」とは西村教授は絶対に言わない。なぜなら放射線医学の専門化ではないから、自分のわからないことに関しては科学者としての厳格な態度を取るので一言も言わない。
私は、「チェルノブイリの10万分の1、多くても1000分の1」という西村教授の説を心底信じる。私は現に、自分が原発性もん前で体で味わって、実際に自分で測定して、ほんの微量の放射線しかないことを発表した。最後に原発正面ゲートに行って測った4月12日には、大気中が127マイクロシーベルト/時、地面の上が1088マイクロシーベルト(=1・08ミリシーベルト)/時だった。原発の正面でもこんなものなのだ。日本国民はこれらの事実をして、過剰に心配することなく、冷静に対応して、放射能の恐怖を扇動する人たちに惑わされることなく、知的ならなければならない。国民は団結して、このあと岩手県と宮城県と福島県の被災県に一気に土木業者、ゼネコンを入れて、瓦礫を片付けて復興するぞという決意を固めなければいけない。ゼネコンはじめ全国の建設会社や土建業者がいつでも待機して、一気に入れる態勢でいる。
本当は、首相と大臣たちと県知事が、原発の正面まで行って「大丈夫である。安心してください。国民は団結して、日本を復興しましょう」と言わなければいけないのだ。できれば、天皇陛下にも原発の正面に来ていただいて、国民を安心させ勇気づけて欲しい。そうすることが今の日本国にとって一番いいことなのだ。
ところが政治家たちは、トラック業者や、建設業者たちの利権を巡る争いを裏側でしている。
自覚せよ日本人
同時に、前述したとおり、責任者たちにきちんと責任を取らせなければいけない。土下座して謝れとかそういう話ではない。本当に彼らの責任を追及する場ができなければいけない。泣きわめいてでもいいから、東電の責任と保安院そしてGEの経営者たち、それから政府、官僚たちの責任を追及する人々が出てこなければいけない。それなのに地元の人たちでさえもまだ「補償金いくらもらえるかなぁ、国が何とかしてくれるだろう」という段階だ。
国は住民たちに、どうせたいした補償金をあげない。どんどん他所に移住して、散らばって居なくなれと思っている。だから「危険だ危険だ」とIAEAの尻馬に乗ってわめいている人々がいる。日本人自身が世界から見たら、放射能で汚れた国民のように思われている。困ったことに、そう言われて日本人自身もそれを受け入れてしまっている。
これが、日本国の弱体化であり、日本国民の本気になる力を奪い取られているのが実情だ。
原子力発電を日本に導入する際、GEとの間で免責契約が結ばれて免責条項があったとか言う人がいる。しかし製造物責任は、無過失責任、無限責任である。製造物責任は、欠陥があって損害が発生しなければいけない。「免責約款がある、特約がある」という理屈では通用しない。
ところが、ここで奇妙な主張があって、「今度の原発の放射能漏れで、死んだ人は誰もいませんよね」と勝間和代が言って、後で彼女が謝った。作業員で現場で死んだ人々はいる。その正確な人数や情況は隠されてはっきりしない。一般の避難者たちの中から死者は出ていない。ゆえに刑事責任は減少するという理屈がまかりとおりそうだが、そういう訳にはいかないだろう。凶悪な大事故が起きた以上、責任を取るべき人々が必ずいる。
この原発事故放射能問題では、責任者たちが責任を取ろうとしない、というおかしな居直りがすでにできつつある。電力事業は公的独占であり、国策会社である。「電力が止まっていいのか」という理屈とすり変えていくわけである。
やはり東電を解体しなければいけない。そうすると今度は東電の株を持っている銀行や大保険会社とかが打撃を受けるとか言う。けれども、それは日本国民が損になる話しではない。株主たちにも、東電株が紙くず(0円)になることで責任を負わせなければいけない。
大事件の時に誰も責任を取らないですむという奇妙な国家体制に日本はなっている。実は66年前の第二次世界大戦の敗戦の時に同じことがあった。誰一人として天皇陛下以下、責任を取ろうとしなかった。ただ東条英機首相たち7人の軍人だけが、極東軍事裁判で、アメリカの力で無理やり有罪、戦争犯罪者ということで首を吊られた。
日本国民の側からは何もそういう議論は出なかった。自分達で責任者を追求できない、だらしない民族になっている。その原因はアメリカが日本人を洗脳して実質支配しているから、優れた民族指導者(国民政治家、たとえば田中角栄のような)が出て来られないようにさせられているからだ。国民は自ずからの政府を自らの意思でつくっていないからである。
官僚という目に見えない訳のわからない人間たちや東大教授の悪い連中は、自分の出世しか考えない。東電や電通からいっぱい裏金をもらって腐敗の限りを尽くしている。日本の官僚や御用学者たちが実質的にどれくらい汚れているか、国民は知らない。主要なテレビ・新聞・雑誌も全部買収され、カネ(宣伝・広告費)の力で押さえ込まれている。
責任者に正しく責任を取らせる構図を持たない国、それが今の日本である。あるべき姿は、国民の代表者(選挙で選ばれた者)たちに本当の権限(権力)を持たせることだ。そのことを小沢一郎はずっと言ってきた。「官僚主導をやめて、政治主導にする」「国民の生活が一番」という小沢一郎のスローガンが偉い。官僚たちから権限を奪いとって、彼らをただの事務公務員に落とさなければいけない。代表者たちが正しく責任を取れる仕組みを作れと。代表者たちが間違ったことをやって国民に大変な被害が出てきた時は代表者を牢屋に入れる。それくらいの国家体制ができなければ、日本国には国家主権(sovereigty)なんてものはないに等しい。それは属国だ。自分たちの運命を自分たちで決める。自覚して国民が自分たちの代表を選んで、その代表たちからなる政府を作るために、政治改革をやるのだ。そしてそれは、アメリカからの部分的な徐々の独立なのだ。私はずっとこう主張してきた。
今のアメリカは、米兵たちの給料も払えないような国である。今回の原発事故で空母間代がヌーっとアリューシャン列島のあたりから出てきた。「ロナルド・レーガン」というそれまで誰も聞いたことのない、北朝鮮との核戦争用の空母である。「トモダチ作戦」と称して少しだけ米兵が上陸して災害復旧を支援した。「トモダチ作戦」という気持ちの悪いコトバで、日本からお金をふんだくるのが目的だった。
ヒラリー・クリントンは、4月17日に、たった5時間日本に来て、松本剛明外務大臣に署名させ、天皇とも会って握手をし、美智子皇后の頬にキスをして、「次の大統領は私よ」みたいな押し付けをやった。お金だけふんだくって帰って行った。「支援料」としてのその額は、おそらく1兆円くらいだろう。
日本対策はCSIS(アメリカ戦略国債問題研究所)が全部仕切っている。CSISと、経団連やら農協、それから共同通信、電通、こんな大手町のアメリカの手先集団が、今も日本国を支配して、アメリカによる“日本再占領計画”を今まさしく実行しつつある。そのことを日本人は早く気つくべきだ。アメリカは、日本政府、財界、大企業を直接乗っ取ることによって、日本を哀れな国にしつつある。
このことを「日本国民よ、自覚せよ」までしか私にはいい様がない。私は国家予言者として、このように言う。
はあ、、、まだ国家予言者っていうんだね。恥ずかしいと思わんのかね。副島氏、あんたに霊感はない。ある意味キツネかオコジョでも憑いているんだろう。
今回は私のコメントは少な目にする。
後は東電や原子力安全委員会や保安院の将来についてはあなたが大好きな横田由美子嬢が知り合いの官僚達を読んで討論してもらっているのでその中から答えを見出したらどうですかね。
あまり気分のいい組み合わせの投稿ではないが、いままで秀逸な投稿文を副島氏の文章と一緒にカルト版に投稿するのがもったいなくなってきた。原発版で幅広く読んでもらいたい資料が全部カルト版にいくのはしのびない。だから、横田嬢が主催する官僚討論会と組み合わせることとした。
>放射能の人体への影響については、放射線防護学とか放射線医学の人たちが、この健康被害の問題を扱っている。例えば、飯田哲也氏(環境エネルギー政策研究所 所長)は医師ではないけれども、1年間あたりの単純計算の100ミリシーベルト以下なら、健康に何の問題もないと書いている。それから、山下俊一(長崎大学の医学部教授で現在、福島県のアドヴァイザー)とか、ルポライターの鎌田 彗氏、東大医学部の放射線医学の中川恵一教授、札幌医科大学の高田純教授、そして国債放射線防護委員会(ICRP)も、「100ミリシーベルト/年までなら、がんの発生率は上がらないと証明されている」と言っている。それなのに、元来の「年間1ミリシーベルトまで戻せ」と騒いでいる人たちが今もたくさんいる。
この文章に対して高田純氏について訂正しておく。
月刊『WiLL』 6月号で高田純教授は「福島の放射能恐るるに足らず」という論文を書いている。そこで、高田純教授の放射線の危険度を判断するための「線量六段階区分」を記載する。
以下引用
レベルAの線量範囲は四シーベルト以上で、人間は四シーベルトの線量を全身で受ける百人中五十人が六十日内に死亡する。
レベルBは一〜三シーベルトで、この線量を受けても、すぐさま死に至ることはない。当面、現れる症状としては嘔吐、脱毛症状、白血球の減少などである。ほとんどの場合、これらの諸症状は一時的なものだが、がん発生の確率が若干高まることを憂慮しなければならない。(投稿者註:癌の放射線療法は1日2Gy=2シーベルトを局所照射するのでこのような言い方をしなければ放射線療法が成立しない。)
レベルCは〇.一から〇.九シーベルトで、この線量の場合には自覚症状はない。ただし、レベルC以上では、わずかながらがんリスクが高まるほか、妊婦の場合には流産や胎児奇形のリスクがある。
私の研究グループは、国際放射線防護委員会の九十年勧告の放射線リスク係数にもとづいて、生涯がん罹患率や寿命短縮の割合を研究した。たとえば、二十歳の男性が二シーベルトの線量を受けると、生涯がん罹患率が二.二パーセント増加し、〇.二歳寿命が短縮されると予測している。
さらに留意すべきなのは、妊娠中の女性がこのレベル以上の線量を受けると、胎児が発育不全や小頭症などの障害を持つ可能性がでてくることである。つまり、レベルCからAまでが高線量で危険な線量派にということになる。
はい、ここまでで、100ミリsvが危険な範疇であることを高田純教授が主張していることが分かります。このリスク区分、私自身勉強不足でありWiLLでしか知らないので時間あたりの被爆線量なのか、累積線量なのか分かりません。また、この区分は20歳以上を対象にしているようです。要は乳児、幼児、学童、思春期の少年少女を対象には細かく規定できていないことを表します。高田純教授が100msv/年でがんの発生率が高まるとは言っていないことがわかります。副島氏は放射線について自分と同じ見解をしていると思い込んだ学者が一律に自分に都合が良いように解釈していることが分かります。
皆さん騙されてはいけません。
続いてD、E、Fのレベルに関して高田教授の基準を記載します。
レベルDは二〜十ミリシーベルトで、これは自然界にある放射線量や、たとえば病院におけるCT検査といった医療健診の際に受ける程度の量である。一般人が受ける年間線量の世界平均値は2.4ミリシーベルト。
中略
1ミリシーベルト以下のレベルEはさらに安全になり、自然界から受ける線量よりもさらに少ない。病院での胸部X線撮影等のレベルである。さらに〇.〇一ミリシーベルト以下のレベルFになると完全に影響のないレベルである。
と言ったように高田純教授でも安全な領域は10ミリシーベルトが基準なのだ。ICRPの安全でも暫定的に決める最高基準にしたのは日本人学者規定した医学データを無視したモルモットのための基準だろう。低線量放射線障害で人体の耐性を見るモルモットにしているのかもしれない。副島氏が信じるホルミシス効果を日本国民で検証するためのモルモットのための20msv/年なのかもしれない。それは、それはトーマス・ラッキー名誉教授(アメリカでホルミシス効果を言いだした人)にとって貴重なデータだし、その御先棒をかつぐ副島、六城氏には都合がよいだろうて。
話が長くなった。副島氏が大好きな横田嬢が主催する官僚討論会からこれからの原子力行政や東電の将来を語ってもらおうか。
月刊『WiLL』 6月号より
転載開始
経産省官僚匿名座談会
保安院は干された官僚の墓場 司会、構成 横田由美子(ルポライター)
――――五月十三日、菅政権は東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う損害賠償を支援する枠組みを、関係閣僚会合で決定しました。一時は危ぶまれた東電の存続が前提です。
A氏 正直、破綻を免れてホッとした幹部がほとんどだと思う。特にエネルギー畑を歩いてきた同僚は安心しただろうね。わが社(経産省)は基本的にバラバラですが、今回に限っていえば、比較的まとまったほうです。
B氏 今回のスキームは、財務省主導でつくられている。当初は、東電の破綻シナリオすらできていたそうですが、ひっくりかえったのは松永経産次官と勝財務次官が「握った」からと聞いています。
C氏 勝さんは経産省に恩を売りたかったのだと思いますよ。わが社には、中小企業庁がありますから。
B氏 かつて、これほど消費税増税に国民が前向きになったことはないですからね。上げるならこのタイミングしかないということですか。
C氏 いざ消費税を上げるとなっても、そもそも、財務省としてはどう転がしても良かった。東電を一回潰して国有化して、段階的に原発部門をなくしていくという方法もあったわけです。そうしなかったのは、「優良顧客」を見つけたようなものだということに気がついたからですよ。
A氏東電からは徹底的にむしろ取るつもりなんでしょうね。事業者責任を錦の御殿に、トチなどの資産を売却させるなどして、ギリギリまで返済させるつもりでしょう。〇九年のバランスシートを見ても、純利益で一千億以上ある。
D氏 ただね、賠償が完了するまで管理下に置いて支援を続けると言えば聞こえはいいけど、要はもう一度規制改革をするということでしょう。財務省とわが社にとっては非常に都合のいい内容になっているけれど、事業計画を東電に提出させて経産省がそれを認可するのはやはりおかしい。
経産省にとっては、電力という最大の規制先がなくなれば、省の存在意義すら危うくなるということなんでしょうが、これでは、わが社もそうですが、東電の膿を出されることにもならない。
A氏 政府が東電の経営合理化を監督するとありますが、要するに新規事業などには手を出させず、ひたすら安定経営を続けさせるということですよね。
C氏 枝野官房長官が、東電の取引銀行に債権放棄を求めたことにも驚きましたね。損害賠償の額も見積もりすらできていないなかで、債権放棄の条件である債務超過の認定など、どうやってするのか不思議でならない。しかし、銀行の債権カットを行わなければ、五兆円規模で国民負担が増える。株主責任を問うという方法もありますが。
免責不採用の理由は?
A氏 政府というか、財務省は気にしていませんよ。交付国債を出して一時的に賠償金の資金を立て替えるわけですから、安定的に借金を返してもらう必要がある。言い方は悪いですが、戸籍をなくして、風俗で働かせて上前をはねる。今回の政府の東電再建策って、突き詰めればそんな構図でしょう。
D氏 賠償額の上限をつけないことになりましたが、当初は上限をつけようと、上層部は相当、仙石官房副長官やよさの経済財政担当相に働きかけていたようです。いずれにしろ、国民の負担になることには変わりありません。「電源開発促進税」として全ての電力会社の電気料金に転嫁するのか、東電が賠償して電気料金に転嫁するのかという違いだけですから・・・・。
C氏 東電は、原発の被害に遭った住民から何らかの被害を訴えている間は切り詰め経営をせざるをえない。それは、上限がつこうがつくまいが同じ。いずれにしても、現状ではどのような形にしても国民負担は避けられないので、時間が経つほど批判は高まっていくでしょう。
B氏主張しておきたいのは、今回は「一千年に一度の大津波」だったといことです。〇九年に経済産業省の審議会で、岡村行信委員が、寺坂信昭原子力安全・保安院院長に八九六年の貞観地震について指摘していて、想定しえないことを想定するのがリスク管理だということは理解しているつもりです。しかし、免責事項にあてはまることもたしかではないですか。それなのに、財務省は払いたくないから今回のような賠償試案を引いたのでしょう。
C氏 「異常な天変地変による免責」を採用しない理由がわからない。異常な天災地変の定義や、今後同様の事故に適用されるか否かも曖昧なままです。
国は東電を見捨てた
D氏 将来的な事故の賠償に備えるとありますが、どの程度の確率で、どの程度の規模の事故が起きるかの想定もないですからね。ただ、言い逃れできないのはけ、経産省所管の独法「原子力安全基盤機構」は、大津波がきっかけで起きる原発の炉心損傷を〇七年度から報告書のなかで想定し公表していたことです。つまり「想定外」の大前提が崩れたということになりませんか。
B氏 しかし、原子力は国策として推進してきた。国が意思決定をし、事業者が執行してきた。それなのに事業者=民間企業に丸投げしてきたという事実はあまりにも軽んじている。支援枠組みを見れば、国が東電を見捨てたことは一目瞭然です。
原子力災害の賠償を支援する組織として『機構』を新設するとありますが、原発を保有する電力九社に負担金を義務づけるわけでしょう。ほとんどの会社は納得しないですよ。
C氏 経団連の米倉会長も激しく反対しましたからね。
D氏 個人的な見解では、東電を「民間企業」とすることに非常に違和感をもっています。旧電電公社や国鉄と同じ体質です。東電本店では現在、政府東京電力統合対策室の共同会見が行われていますが、質問にも答えにもまとまりがない酷いもの。
しかし、それ以前の東電の会見はさらに酷くて目も当てられなかった。紙の配布の仕方から専門用語を羅列した説明の仕方まで、お役所以上にお役所体質だと呆れました。
B氏 共同会見については、役人からも現場からも異論が出ていたのを、細野豪志補佐官が強引に進めた。見せ場だと踏んだのではないですか。案の定、会見初日から罵声が飛んで、収集がつかなくなっていました。
―――――一時は電力会社から原発部門を切り離すという案もでていましたが。
C氏 国が設計・建設許可を出し、安全基準まで作成していた。国家主導だったのに、国がリスク管理をしないとなれば、電力会社から国へ「原発の大政奉還」もあり得ると思う。
B氏 私はそれはないと思います。
原発リスクが高いことは間違いない。一方で、どの電力会社も原発が利益を生んでいるジレンマがあるのです。原発がなければ赤字に転落する会社がすぐにでも出てくるでしょう。菅政権が新規に原発をつくることはないでしょうが、むしろ問題は、途中まで建設を進めている原発をどうするかということです。
C氏 私ら、というより経産省が怯えていたのはむしろ、資源エネルギー庁を解体するという話のほうですよ。
電力の自由化の道は
A氏 たしかに。内閣府原子力局ができるのではないかという懸念はあります。マニフェストにも明記してありますし。今回、財務省が再建策を主導しているわけですが、過去を振り返ると、財務省の非情さは、金融危機の時に苦しい立場にあった金融庁を本体から切り離した経緯でもよくわかります。
B氏 実際問題、当時、金融庁に置き去りにされた官僚がちょうど幹部クラスになっていますが、彼らのなかで、当時の本省の仕打ちに対する恨みは相当根深いものがありますからね。
A氏 そう考えると、原子力庁という線もある。
D氏 私は経産省からエネ長を切り離して、内閣府原子力局を創設するということについて、柔軟に議論を深めていく時期にきているのではないかと思う。菅さんのことだから、「自然エネルギー局」とか「自然エネルギー庁」になるんでしょうが・・・・。(笑)
A氏 菅首相は日中首脳会談でも、「再生可能エネルギー重視」へのシフトを打ち出していましたが、産業界にとっては原発から再生可能エネルギーへの急激な転向は、ものすごくコスト高になる。だから経団連は反発する。
D氏 でも今回、東電の経営破綻を免れようと、珍しく一丸となって頑張ったのはわが社でしょう。三月末に銀行に強引に融資をとりつけさせたわけですし。まあ、競輪と原子力でもっている省庁ですから、生命線がなくなるのは痛いですよね。
C氏 嫌な雰囲気だと思うのは、わが社のなかでパージされながら細々と生き残っていた電力自由化論者のなかに、財務省や玄葉政調会長に同調する動きが出てきていること。
A氏 それは他の電力会社にも飛び火していく話だから困りますね。
原発で自由化に対抗
―――――-経産省では旧通産省の時代、一度、電力自由化路線に舵を切ったことがあります。それが、原発推進に再び揺り戻されたのはなぜだったのでしょうか。
B氏 村田成二時間(現NEDO理事長)の次代の話ですね。彼は発送電分離、電力完全自由化論者だった、東電と熾烈な争いがあった。当時村田次官が当時の東電名誉会長だった平岩外四と会長職にいた荒木宏を他院させたことは、語り草になっています。
C氏 〇二年ですよね。あの頃はとにかくいろんなことがあった。今思えば。〇一年から〇二年にかけてが、日本のエネルギー政策というか経産省、東電にとってひとつの転換期だったのではないか。
A氏 原発でいえば、それより前の九七年に、京都議定書が第三回機構変動枠組み条約締約会議(COP3)で採択された時が分岐点だった。京都で開催したがために、無理をしてでもまとめざるを得なかったのが、結局は尾を引くことになった。
D氏 たしか産業界ははじめ、二酸化炭素排出量の削減目標を六%にするなんてとんでもないと大反対していた。ところが唯一、電力業界は「原発推進に使える」と考えた。それで、当時のエネ庁長官が「原発増設」とそれぞれの業界の自主的な取り組みで削減する「自主行動計画」で、産業界を納得させた。
A氏 電力会社が、原発で電力自由化に対抗しようとしていたのが当時の構図だったことはたしか。原発は自由化にそぐわない。一方、わが社のなかで村田元次官が電力自由化を主張しはじめたのは、電力会社と政府系金融機関とのもたれあいに端を発することは言っておきたい。
B氏 九〇年代後半に、電力会社は利潤を上げられるようになった。原油価格も下がりましたし、円高で輸入差益も得られるようになったからです。ところが財務は相変わらず悪い。当時の自民党政権が、日本開発銀行などの政府系金融機関から市場よりも高利でカネを借りさせて、刑事対策の一環として設備投資をやらせていたんですよね。宮澤内閣の時代だったと記憶しています。
D氏 その借金が有利子負債として経営に重くのしかかっていたわけ。政府系金融機関は逆に、高利でカネを貸すことで何とかもっていた。電力会社はそのカネで日立や東芝といったプラントメーカーに発注していたのですが、最終的には電力料金で回収できたので赤字にならずに済んでいた。ところがその結果、日本のメーカーのブランドは高価になりすぎて、日本以外では一基売ることができなくなっていたという流れでした。
A氏 企業に余剰金がなくなれば、ITやバイオといった新規産業に投資することもできなくなる。電力業界が経済原理に合わない投資をしているかぎり、日本産業界全体の国債競争力が落ちる。だから、電力の自由化は必要だというロジックでした。
しかし、省内は完全に二分されたし、東電のなかも分裂してしまう。財務体質を強化して普通の会社を目指す企画部系と、公益法人のような形を目指す総務部系です。
「おいしいビジネス」
D氏 企画部系のエースだったのが、九九年に総務部系をおさえて社長になる南直哉元会長と、それを引き継いだ勝俣恒久会長だった。彼らは自由化路線で、〇一年の段階で「電源開発凍結宣言」というのを出して、福島原発の七号基、八号基をつくらないことを一度決めた。けれどすぐに撤回したのです。地元の県議や市議の意向がかなり働いたのでしょうが。
B氏 原発マネーの影響が大きかったことは間違いないでしょう。佐藤栄佐久下知事も当初、反対はポーズだけだったはずですし。佐藤さんが地元の意見を受けて、東電に申し入れをしたのもあり得ない話ではない。
D氏 いや、あの時はむしろ東電は高金利の有利子負債が膨らんでいて、自由化路線に転じていたから、新たな社債発行は金利コストが上がると予想されていた。
公益事業なら電気料金をあげれば回収できるけど、「自由化」となれば、料金の値下げは「届け出」、値上げは「認可」という方針が示されていて、そうなると必ずしも原価を回収できない。だから、南社長は七、八号基を作りたくなかったという話なんです。しかし、ここで問題の京都議定書が出てくる。何としても二酸化炭素排出量を削減しなければならない。
B氏 そのために当時、原発を十四基増設するちう話があるいました。そういう状況のなかで、東電に七、八号機が建設中止になると、その他の原発も立地で苦労することは目に見えていた。
D氏 私の印象では、罪は経産省にこそあった気がする。あの頃の経産省はまだ力があった。自由化路線に反対の幹部がむしろ奔走して政治家を動かし、原発推進を推し進めていったという印象です。
C氏 一方、自由化派もすごかった。「十九兆円の請求書」という記事が週刊誌に出たのもこの頃ですからね。
B氏 永田町でA4で二十枚ほどのペーパーが、いわゆる自由化論者である村田はの若手官僚によってバラ撒かれた。
C氏 要は、使用済み燃料の処理など「バックエンド」にかかるコストを説明したもの。十九兆円という数字を強調することで、発電コストが不明な原発は電力自由化の妨げになるから反対、プルサーマルも反対、というのが主旨だった。この頃はプルサーマルでもめていて、プルサーマルが原子力村の住民にとっておいしいビジネスだったことは間違いない。
「保安院は要らない」
B氏 このバラ撒きは経産省二・二六事件と呼ばれているのですが、つまり彼らはやりすぎてしまった。上層部としては、最終的に彼らを切らざるを得ず、一人は詰め腹を切らされて民間企業に転職していきましたよ。
C氏 複雑な利権が絡んでいただけに、後味の悪い決着でした。
A氏 省庁再編のドタバタで、原子力安全・保安員を科技庁から強引に分捕るなど、かなり強引なことをしましたからね。
B氏 経産技官のためのポストをつくる必要があったんですよ。わが社の技官は旧建設省などとは違い、次官や局長どころか課長にすらなれない。しかし、保安院の幹部名簿をみると、技官が審議官ポストに就いている。
それまでは「工業技術院機械技術研究所」という独法がその役割を果たしていたのですが、内容的にも歴史的使命を終える頃だった。だから、代わりに技官の巣窟となる場所が必要だったというのはあります。
B氏 十八日の総理会見で、総理が保安院独立に言及しましたが、構造を分かっていない。
D氏 でも正直、事務官のほとんどは保安院なんて要らないと思っていたはずです。基本的に干された官僚のいく場所でしたから。
A氏 いずれにしても、九〇年代の紅斑から旧通産省と電力会社の関係がシーソーのようにゆれたことに違いはないと思います。私個人としては、経営者が独自に使えるカネがなくなったことも影響したと思う。後に発覚する裏金問題に加えて、外郭団体だった『財団法人・雑豆輸入基金協会』で得ていた課徴金支払いがなくなったのも、九〇年代紅斑なんですよ。
B氏 なんですか、それ?
A氏 もう解散してしまった組織ですが、小豆などの雑豆を輸入割り当てを受けて輸入した会社が、国産の豆の価格と輸入価格との差益を自主的に基金に納めていた。ここから、当時の通産省と密接だったJETRO(日本貿易振興機構)へ数百億ものカネが渡っていったという話もあるけれど、今となっては全てが闇のなかです。動悸でも雑豆のカネについて知っていたのはほんの数名だった。貿易総務課長補佐(JETRO班長)が扱っていたカネですが、それこそ大蔵省や若手政治家、企業との接待費として使っていた。我々が大蔵省や企業と一歩も引かずにわたり合えたのはこのカネがあったからで、なくなったあとは相当不自由したはず。
テロの標的にはならない
―――――――経産省の集落のはじまりということですね。・話はかわりますが、GW中にアルカイダの指導者、ウサマ・ビンラディン容疑者が殺害され、全世界に衝撃を与えました。パキスタンではすでに八十人が死亡する報復テロが起きています。原発がテロの標的になるという危険性はないのですか。
B氏 原子力発電所はどの国でもテロの攻撃対象とされていて、特に9・11以降、警戒態勢の大幅強化がなされるようになりました。でも、日本の場合は大丈夫でしょう。
C氏 わが国では、主に警察と海上保安庁が担当しています。原発事故を受けて巡視船を増やしたのは行方不明者の捜索の業務はもちろんおこと、念には念を入れてという意味なんですよ。
A氏 実際問題、イスラム原理主義者にとって、日本でのテロ行為が成功したところで仲間内から認められない。だから何なの、というレベルですからね。米国や英国を攻撃目標にしないと、尊敬されない。
共同通信の記者が、〇八年にザワヒリ氏に対してインタビューを行った時に「日本も攻撃対象ですよね?」と聞いていますが、最悪の質問でした。そうでなくも「そうです」と答えるしかない。日本で危ないのは米軍の関係施設でしょう。
D氏 それにしても、わが国は一時、原発ビジネスの海外への売り込みに熱心でしたが、影響はないのでしょうか。政府は公式には否定していますが、使用済み核燃料の国際的な貯蔵・処分施設を、米国と共同でモンゴルに建設する計画を進めていたと報じられた。
B氏 あれは中東に原発を「押し売り」しているフランスや韓国に対抗するためです。仙谷副官房長官が国家戦略担当相だった昨年頃から、熱心に取り組みはじめたと聞いています。
C氏 ベトナムでも受注に成功しましたし、インドやトルコにも売り込みをかけていましたが、モンゴルの案件も厳しいでしょう。
A氏 韓国はアフガンに軍を出しているので、ドバイの原発がテロの対象になる危険性は出てくるかもしれない。
B氏 一番の攻撃目標は米国と英国ですが、原発をテロの対象とするのは非常な困難が伴うことにアルカイダも気がついている。〇二〜〇四年にかけて、米国が頻繁に各国に呼びかけて、対テロ協議を行い、原発のなかで働く人間の身元確認や警備を格段に厳しくしたからです。まあ、米国の呼びかける協議は、「協議」というより「指導」だとみな陰口をたたきますが。
後退は許されない
C氏 いずれにしても、原子力事故が起きたからといって、日本のエネルギー政策を後退させるわけにはいかないという思いはみな共通していると思います。
D氏 自然エネルギーにぶれ過ぎているのが心配ですね。国債競争に勝っていくだけでも、日本は偽牛津開発の手を緩めるわけにはいかないし、電力自由化をもう一度真剣に考えてもいいと思う。
B氏 しかし、電気を送る技術はあまりに複雑です。分離している国は途上国がほとんどなんですよ。輪番停電になれていますから。日本では難しいと思いますよ。
A氏 どうでしょう。はじめに東電の存続が前提という話がありましたが、私は「おもちゃ」のように解体されていく気がします。発電部門の土地、権利の売却には送配電の分離切り離しも必要になってくる。そういう意味で、やっぱり東電は民間企業だけど、感覚は役所なのかもしれません。
転載終了
よこた ゆみこ
埼玉県出身。九六年青山学院大学卒。在学中よりライター活動を本格化。新聞、雑誌で主に、女性、官僚、政治をテーマに記事を執筆。テレビでは「ザ・インタビュー」(BS11)アシスタント・キャスター・著書に「ヒラリーをさがせ!」(文春文庫)「私が愛した官僚たち」(講談社)がある。近著に「官僚村生活白書」(新潮社)。
まあ、官僚さん達のテロに対する無警戒ぶりには呆れますが。まあ、東電は解体されるそうではありませんか。副島氏の大嫌いな官僚たちがそう言っているんでそんなに熱くならないでもいいんじゃありませんか?あなたの大好きな横田由美子嬢が司会した官僚対談で答えが結構あると思いますが。
ただし、官僚さんたち言い子ぶった返答をしているけど、もっとぶっちゃけた汚い裏があるんでしょうに。それに迫ってほしかったなぁ〜。
弁護士を雇っても怒鳴っているらしいし。
副島氏本当に法学部卒というコメントも他の投稿で散見されました。
福島の物産地消に一役買うおじさんのままでいたら如何でしょうか?放射線安全教はいただけませんが。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。