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凡庸な悪 (表象の没するところ)
http://www.asyura2.com/11/bd60/msg/567.html
投稿者 乃依 日時 2012 年 1 月 21 日 10:40:10: YTmYN2QYOSlOI
 

http://yaplog.jp/hyekstrausst/archive/580
表象の没するところ-représentation-
より

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凡庸な悪

October 19 [Tue], 2010, 3:30


BSフジで旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷判事だった、多谷千香子さんに、福田和也さんがインタビューしていた。
福田さん、週刊誌でも言ってたが、多谷さんなかなか胆っ玉のすわった感じの女性である。まあ、大量虐殺戦犯を裁くのだから、身の危険もあったに違いない。
旧ユーゴは分裂後、ムスリムとセルビア人が対立して、お互い民族浄化の大量虐殺がおこった。NATO軍が、国連の決議なし、セルビアを爆撃。クリントン大統領の時である。

多谷さん、戦犯を見て初めて思ったことは、なんだ、普通の人じゃないか、と。
犯罪の結果のあまりの惨害に、人は、いかなる大悪人がこれをしでかしたのか、想像しがちだが、事実はむしろ逆で、小人によって、悲劇は起こされる。それが悲劇であるのだ。
東欧ということもあり、話は、ナチスドイツによるユダヤ人ホロコーストとの類比に及ぶ。
戦犯として指名され、逃亡していたナチスのアイヒマンは、戦後チリで捕まる。妻の誕生日に花を買ったのが、イスラエル情報部に見つかったのである。
高名なユダヤ人哲学者、ハンナ・アレントは彼を「凡庸な悪」と呼んだ。
アイヒマンは、忠実に命令に従っただけである、と。彼はガス室を管理する中で、忠実に働いて、大量虐殺に手を貸した。いわば、小官吏である。組織では、規則ではそうなっております。という人々である。
多谷氏は、このような犯罪が起こる人間性の根源として、大勢に順応的な人、組織人、であることを上げている。そうであれば、どんな命令でも、確実に実行するからである。
こういう日常というのは、実は身近に溢れているのではないか。
また、多谷氏は、生き残った人々は、自己を失わなかった人たちだ、とも。組織や、民族の団結の中で、自己以外の民族を殺せ、という大勢ができる。その体制に一番順応したのが、「有能な」小役人である。
ヒトラーは大悪であったかもしれないが、アイヒマンはあなたのデスクや職場のとなりにいる、のである。

大勢とは権力である。権力は暴力装置を備える。実際に生命を脅かされるか、会社であれば、左遷、解雇、である。

僕が司法を目指した一つの理由、東京裁判があった。これは事後法で裁き、事実は誤認、デタラメ、である。なんとか、日本の名誉を回復したい、と思っていたものだあるが、裁く側が、どういう筋書きで罪の事実を推認し証拠を集めるか。これは困難が伴う。よって、仮説たるべき見立てを立てざるを得ない、東京裁判では、集団陰謀罪(コンスパイラシー)で起訴された。しかし、これは歴史学的に見てまったく誤っている。事実は、日本に統一意思がなくばらばらと戦争に雪崩れて行ってしまったというところであろう。起訴する側からすれば、大網で一網打尽出来る武器であるが、限りなく構成要件の細かな認定が薄れる。共鳴したとされる人間を集団で、捕まえられるからである。
多谷さんはこの論理に近い、罪刑を認定しなかった。ある政治家に対して、つまり共犯ではあるが、主犯である認定をしなかった。僕は、この判断は日本人が受けた、東京裁判の事が頭に少しでもあったのではないか、と思った。集団の罪を認めること。これは近代法ではない。罪はあくまでも個人のものである。

凡庸な悪と、どれだけ折り合いをつけられるのか。
人が日々、直面する課題である。
ヒューマニズムの批評性は、ここにも深い意義があるのである。


隣県某ジュエリーショップのおばさんに、相手の好みをよく調べてくるべきだ、などと妙な口調で言われる。
18からデザインの選択失敗したことねえんだよ。ばあさん。上から目線の余計な接客だ。俺がそんなに野暮ったく見えたか。お門違いだ。
で、取りやめた。
接客って大事ですね。


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BSフジ 危険 民族浄化  

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