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より
菅政権に潜む日本解体の思想
私が注目するのは菅首相が所信表明演説の「はじめ」の部分で「真の国民主権の実現」の見出しの下で次のように述べていることだ。「私の基本的な政治理念は、国民が政治に参加する真の国民主権の実現です。その原点は、政治学者である松下圭一先生に学んだ『市民自治の思想』です。従来、我が国では、行政を官僚が仕切る『官僚内閣制』の発想が支配してきました。しかし、我が国の憲法は、国民が国会議員を選び、そして、国会の指名を受けた内閣総理大臣が内閣を組織すると定めています。松下先生が説かれるように、本来は、『国会内閣制』なのです。政治主導とは、より多数の国民に支持された政党が、内閣と一体となって国政を担っていくことを意味します。これにより、官僚主導の行政を変革しなければなりません。広く開かれた政党を介して、国民が積極的に参加し、国民の統治による国政を実現する。この目標に向けて邁進いたします」
所信表明演説で松下圭一氏に言及したのだ。そして松下氏の理論をもとに「『官僚内閣制』から『国会内閣制』へ」という、これまた耳慣れない変革を行うことを宣言している。鳩山内閣は「新しい公共」と「地域主権改革」を行うとし、もちろん菅首相の所信表明演説でも触れているのだが、「国会内閣制」の実現という新たな課題が加わったことになる。「国会内閣制」の実現はあくまで手段であって、目的は「地域主権」に「国のかたちを変える」ことだというのだ。それは何を意味するのか。
市民運動をしていた時代に松下氏の著書を読んで以来、「松下理論を現実の政治の場で実践する」のが自分の基本的なスタンスだというのだ。松下氏の「市民自治の憲法理論」は35年前の著作で品切れとなって久しい。それが今頃になってよみがえろうとしている。人は誰でも若い頃に出会った人や本に大きな影響を受ける。菅氏も例外ではない。若い頃に読んだ松下氏の著作で思考が出来上がっている。そしてそれを実現すべく最高権力者の地位に就いてしまったのだ。民主党と言う政党は結党以来、党として松下イズムなるものを政治理念や政策のベースに持っている。その意味では民主党は松下イズムを実現するためにこそ作られた政党であり、そのことを誰はばかることなく公言する政治家が遂に内閣総理大臣の地位に就いてしまったというのが菅政権の本質なのだ。
言うまでもなく、松下理論は憲法学や行政法学では異端の学説だ。学会の支持は得られていない。そのような理論に基づいて国家改造、いや国家解体が公然と行われているのだ。仮に参議院選挙で民主党が過半数を獲得したらどうなるか。法案の強行採決は常態化するだろう。それを行うことを菅氏は既に宣言しているのだ。強権政治、専制政治の実施宣言だ。強権政治は手段にすぎない。目的である「地域主権改革」という名の国家解体が行われ、「新しい公共」という左翼市民運動家の政府乗っ取りが組織化される。また、家族共同体の解体も次々に進んでいく。マルクス主義の目標は「国家の死滅」と「家族の廃止」だが、民主党政権の帰結するところと同じだ。マルクスを使わないマルクス主義、これが菅民主党政権の性格だろう。果たして国民多数、いや、民主党の議員や候補もそのことが分かっているのだろうか。賢明な判断が求められる。
(正論、八木秀次、高崎経済大学教授、2010/8より要約) [目次へ戻る]
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