http://www.asyura2.com/11/bd60/msg/523.html
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「マヨの本音」を主宰しているマヨさんと奥さんが、ホモ政治を論じた古典で絶版になり手に入らない本で知られた、『平成幕末のダイアグノシス』の中の記事を起こして公開した。
http://blog.goo.ne.jp/palinokuni/d/20111113
これは現在の野田内閣の性格を知る上で貴重なので、それを改めて広く公開する価値があるのと考え、何回かに分けて報告することにする。
いにしえのさんがお正月の休暇で郷里の天理市に戻ることになったので、奈良女子大付属中学・高等学校の後輩で平城クラブの会員の私が、クリシン先生の指示に従って連載のバトンタッチをして、前回から転載の仕事を引き継ぐことになった。謹賀新年。
「アメリカから読んだリクルート事件の深層」の三回目
2011年11月11日 16時05分05秒 | ひとりごと
結構長いものですな、たいした事はないと考え入力させたものの・・・、なかなか終わらない。
実は、この本「平成幕末のダイヤグノシス」は数年前にサムライさんからいただいたもので、確かに藤原氏はサムライさんが先生と呼ぶだけのことはあるなと感心したものである。それから数年、まさか今の政治体制を論じるに、この本のこの章が必要になるとは思わなかった。
それにしても政治と「ホモ?」・・・・、まったく世も末だ。
それでは今日の分です。
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警備警察が果たした特殊な任務
五五年体制は安保事件の教訓で警備警察を充実したが、その典型は総務庁長官として官僚ににらみを利かせ、同時に、官房長官として内閣の手綱を取る後藤田 正晴であり、彼は中曽根内閣の舵取り役を演じていた。後藤田は警察庁の長官から田中の用心棒になり、中曽根を助けるのではなく監視する目的で、ナビゲー ター兼お目付役として送り込まれ、乱行にのめり込みがちな権力の体現者を、側面から巧妙に誘導しているのである。
国家の番犬役としてかつて警察力を統括し、しかも、田中角栄の懐刀として監視役を果たした後藤田は、カミソリの鋭さで国政を切りまわしながら、田中が法 廷闘争で忙しくしている間のお目付役の任務を託され、留守番家老として中曽根の長期政権を支えてきた。自己顕示欲が強くて大言壮語の弊害があるが、強者に は無条件で追従する性格の中曽根は、弱みを威嚇できる扱いやすいタイプの権力者に属している。
だから、弱みを握っている限りは操縦がしやすく、その手始めにしたのかどうかはわからないが、元内調の調査員だった外交官による情報だと、中曽根内閣が 誕生する前の総裁選の段階で、内閣調査室にあった中曽根康弘のファイルが紛失していて、その資料は後藤田が握るところになったらしい。当然、中曽根についての全情報は目白台に届いており、弱みをすべて握っているつもりの田中角栄は、ロッキード事件を政治力で無罪にしうると安心していた。
それに、後藤田機関と呼ばれる警察の情報網を使えば、中曽根についての珍聞奇聞が幾らでも集まったから、真夜中の事務所で鬘を前に悦に入る光景や、キャ ンパスだけでなく体に絵具をぬって、得意にシャンソンを口ずさむ報告を受けるたびに、目白台の大将はさぞ胸糞悪い思いした下に違いない。
中曽根の最大の欠点は軽率な点であり、それを作家の平林たい子は「中曽根という人はカンナ屑のようにペラペラ燃えすぎる」と形容しているが、思いついたら突っ走って我慢が出来ないから、それを慌て者は中曽根の実行力と錯覚してしまうのである。
後藤田にとって最も気がかりだったのは、中曽根の複雑で奇妙な交友関係であり、友達との付き合いになると前後の弁えが無くなるから、首相好みの餅肌秘書 官を牽制するために、警官から選び抜いた屈強な人間を張り付けたが、問題は中曽根が住んでいる野球の長島から借りた家だった。世田谷区上北沢の長島邸は鉄 筋二階建てだが、長島が巨人軍の監督を降ろされた秘密は、試合に勝利するために有能な選手を結集して、彼らを戦力として上手く指揮しなければならないの に、長島にはそれが困難だったのが原因だそうである。
政治のように汚れているビジネスとは違い、野球は病的な悪癖に対して実に厳しいものがあり、人気稼業にはスキャンダルが致命傷だから、それがゴシップ化 しないように苦労した話を、かつて読売のトップから聞いたことがある。それでも、王監督による巨人軍はファンの満足を勝ち取って、読売は売り上げを落とさ ないですんだのだった。
その後としては、長島は自分の性格に似つかわしいモデル稼業に転身し、駅に並ぶ商品ポスターに不思議なスマイル写真を連ねて、モナリザ張りの謎の微笑を 投げかけているが、心理学者の平安女学院の上野千恵子助教授の説だと、あれはナルシストの寂しい微笑だということになるらしい。中曽根も長島もともにナル シストの傾向が強く、素人向きで力量を懸念されている二人だから、つまらない噂は摘むのが最良だというわけで、別の側面からのスキャンダル予防工作も進 み、商法改正を機会に後藤田の統制が厳しくなった。そして、この方面の情報は完全にカットされて、政権担当時代は大きなボロを出さずに済んだのに、リク ルート事件で江副や真藤だけでなく、株を受け取っていた顔触れのリストから、小姓人脈や側近グループの名前が続々と登場してしまった。
鬘趣味を江副の女装七変化
文芸春秋社から出版した「アメリカから日本の本を読む」の中に、私は「日本ではナルシスト集団の饗宴の日々が、司祭政治としての中曽根時代を特徴づけ た。(中略)中曽根首相の私的諮問グループに結集した学者の八割が、倒錯精神によって特徴づけられる人材だったという事実」といった指摘をしておいた。す ると、これを東京に行って話題にした時、日本の最上流の家庭の奥方が教えてくれた話に、中曽根が長い髪を垂らして女装している写真があり、それがカルメン の姿だったという情報だったから。このエピソードを「加州毎日」新聞の記事に書いたところ、情報誌の「インサイダー」が日本国内に紹介した。そのために、 日本から国際電話が沢山かかり、週刊誌や新聞記者と情報を交換し合ったが、多くのジャーナリストやルポライターが注目し、中曽根、江副、鬘という奇妙な組 み合わせに関心を持って、わざわざ高い国際電話を使ったり、中にはロスまで取材に来た人まで出現した理由は、ここに突破口があると感じたプロとしてのカン があったからだろう。私が「加州毎日」に書いた記事は中曽根の鬘姿だったが、東京からの情報は江副と鬘についての物が多かった。最初の頃に江副が雲隠れして入院した時に、鬘をつけた変装で外部と連絡したことは有名だが、それ以前から彼には鬘をつける趣味があり、その後にも、岩手から女装して東北線で上野駅 に到着したところを、週刊誌に証拠の写真を撮られている。
また、中曽根が財界から寄付を集めて作った「世界平和研究所」には、リクルート事件で世界的に名を上げる以前の段階で、事業家の江副浩正が女装で時々出 入りしていたと言われている。ある新聞の社会部記者の話によると、世界平和研究所は女装趣味を持つ集団の拠点らしく、この研究所を地検が家宅捜査すれば、 ダンボールに幾箱もの女装用のかつらが押収できそうだ、という実にうがった珍説まであるそうだ。それに、中曽根が行った弁明記者会見によると、中曽根が江 副と公式に会う時には、いつも奇妙に演出家の浅利慶太の同席があるが、演劇は鬘のコレクションの宝庫だとすれば、リクルート事件の別の側面は鬘コネクショ ンではないのだろうか。
そのような状況分析が始まった段階で、NTTの真藤会長が株式受領で浮上して、急速度で逮捕から基礎に移行したし、中曽根に影のように付き添う瀬島竜三 が、NTTの取締役で相談役であることが注目されており、これも事件の見落とせない隠れた鎖の環である。最初は否認していた真藤が観念して、事前共謀と村 田秘書の工作を供述した理由は、検察当局が江副と真藤の特殊な関係について、何か確証を握ったことが重要な決め手らしい。
かつて写真雑誌「フォーカス」を舞台にして、女の写真をめぐって中曽根と江副の嫉妬に基づく暴露合戦が起こり、そこを突破口にして追及した地検は、江 副、真藤、中曽根の三角関係について何かを探り当てたようだ。それを掘り起こされると政経官界の恥部が露呈し、支配体制は崩壊しかねないので、たとえ竹下 内閣を潰しても中曽根の召喚を防ぐというのが、体制防御総司令官の後藤田が下した最終的な決断であり、それを自民党執行部が承認したということである。
それにしても問題はまだ色々と残っているのであり、児玉誉士夫、三島由紀夫、小佐野賢治、長嶋茂雄、瀬島龍三、江副浩正、高坂正尭などの中曽根康弘を囲んでいる顔ぶれには、将来の或る時点で精神病理学の専門家の手によって、詳しい分析が行われた時に初めて明らかになる、実に興味深い共通の病症例が観察で きるそうである。
江副は物心身の全領域で中曽根と真藤の稚児役であり、それは日本のエスタブリッシュメントの、歪んだ部分の小姓とピエロ役を演じていたが、リクルート事 件で一番分かり難かったのは、株のやり取りと利益金の保管を秘書が関与して、当事者達は一切知らないというパターンの横行である。しかし、議員や経営者の 年間給与を上回る金額を、卑しい目つきで金脈漁りに明け暮れ、パーティー券を売り歩く人々が知らないわけがない。
それは元議員秘書たちを取材すれば明らかになるが、秘書の役目は雑用担当の男の女中である。万一の時はご主人の身代わりとして、罪を背負って切り捨てら れるが、時には。名代役を果たす責任も与えられている。秘書は一種の女房役だから、繊細な配慮にたけている必要と、主人の代理役として見せる決断力も要 り、秘書役に向いた人材は二重人格と倒錯精神が重要である。
こうして、主人と秘書の間に奇妙な友情が芽生え、けじめの訓練ができていない人間だと、そこから奇妙な倒錯感情に支配されて、遂には生死をともにしかね ないほどになり、泥沼の愛人関係に発展してしまう。これは封建時代の殿様と小姓の関係と共通で、支配と服従の複雑な二重関係から、サディズムとマゾヒズム が共存になるのであり、軍隊やヤクザの感覚と共通だと言われている。そして、こういう異常な心理状態が支配的になると、狂態が常態として罷り通って、何が 異常だかわからなくなってしまうのである。
親しい友人で国会議員の経験が長い人の話だと、自民党議員の三割は秘書官と議事愛人関係にあり、それが拡大すると派閥の愛憎関係に転化するから、派閥は政治とエロスが一体になったものだそうだが、果たしてこの話は本当なのだろうか。
はい、お疲れ様、本日はここまで。
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