http://www.asyura2.com/11/bd60/msg/331.html
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<野田佳彦政治哲学>と題した記事がある。野田首相が書いた論文として、PHP研究所が発行している月刊誌「VOICE」(2011年10月号)に公表した論文だが、忙しい泥鰌首相に書く能力も暇もなく、PHPの研究員がまとめた論文が、野田佳彦の名前で発表されたに相違ない。それには前例があり、松下幸之助の名前で発表された論文のほとんどは、PHPの研究員が書いて松下の名で発表し、「経営の神様」の虚名を作るのに成功していたからだ。
<貼りつけ>
http://blog.livedoor.jp/jlj001/archives/51932793.html
本澤二郎の「日本の風景」(913)
<野田佳彦政治哲学>
野田首相は、数日後の11月10日に「ワシントンのペット」であることを内外に誇示するようだ。この機会に改めて野田が、育ての親・松下政経塾の司令塔 であるPHP研究所が発行している月刊誌「VOICE」(2011年10月号)に公表した論文「わが政治哲学」を分析してみようと思う。偏狭な民族主義・ 国家主義が行間からくみ取ることが可能だ。
<日本に生まれてよかったと思える国?>
過去において、偏狭な民族・反共主義の元祖で知られた岸信介の孫・安倍晋三首相は「美しい日本」を政権の柱に掲げた。市民よりも国家を全面に出す日本政治家のほとんどは、岸・中曽根康弘に限らず、国家主義に傾倒する共通する点である。
野田もまた、国家主義の片割れと言っていいだろう。一見して優しい語句を使用するものの、それは彼らの権力統治をカムフラージュする巧妙な手法である。「日本に生まれてよかったと思える日本にする」という小学生向けの言い分である。
少なくとも中曽根バブル崩壊後の日本、そして現在の日本はとてもそんな状況にない。自殺者は多く、失業や生活保護を受ける国民は増大する一方である。肝心要の国と地方の財政は、破綻状況にある。
生まれてくる日本人は、その瞬間から900万円、1000万円の借金を背負わされる。「生まれてよかった」とはいえない。その反対だろう。
<偏狭な民族・国家主義>
彼は持論を正当化するために「中庸」という文字を取り出す。それは自由と平等を、時によって使い分けるのだという。「社会主義的な統制の束縛が重い社会 では、自由によって規制緩和、反対に現在のように困っている人が沢山いる時は、平等でもって格差を無くしてゆく」とややまともなのだが、彼が決断しようと しているTPP参加は、さらなる格差をあらゆる分野に生じさせる。極端な規制緩和へと突っ走ってゆく。
持論と行動が逆である。偏狭な民族主義者・国家主義者は、その場面で都合よく、矛盾する美辞麗句を平然と駆使する点にある。そのことに恥じらいをもたない。目的のために字句など大した意味を有していないのだ。
「プライドの持てる国」とも言い換える野田からは、国家主義への愛着を感じ取ることが可能だ。そのプライドとは「過去の歴史や伝統文化をきちんと学ぶ」ことなのである。
これで正体見たり、である。「A級戦犯は戦争犯罪人ではない」「A級戦犯を合祀した靖国神社への首相参拝に問題はない」というこれまでの持論を裏付ける。過去の歴史や伝統は、中曽根ら国家主義者と共通している。
伝統主義は、彼らにとってそれは天皇主義を意味する。天皇の戦争の正当化、皇国史観への共鳴なのだ。近代ではない。松下政経塾の政治家が、そろって「つくる会」など、歴史歪曲教科書採択に熱心なことからも、彼らの「誇れる日本」の全体像を知ることが出来よう。
国家主義は、必然的に平和憲法をないがしろにする軍拡路線へとつながる。「日本は良い国だ、と胸を張れるためには、政治がしっかりして、外交安全保障をき ちんとやっていく」というのだ。政財界右翼の路線そのものである。軍拡による安保論は、軍需財閥との結びつきを露呈している。ちなみに野田の父親は憲法違 反の自衛隊に入り、息子を大学に入れ、さらに松下政経塾へ足を向けさた。武器・弾薬との違和感は少ない。
政経塾で学んだのであろう古代中国の兵法書を紹介する。「戦いを忘れると、必ず危うい」という一節だ。侵略国の末裔がわざわざ指摘する内容だろうか。ここにも国家主義をチラつかせる。侵略を記憶している人々はどう感じるだろうか。
野田の場合、それは松下幸之助の教えともつながる。彼は「松下の日本政治への危機感」を引き合いに出す。彼のビジネス成功の背景には「政商・松下幸之助」の存在があったのだが、そこには言及しない。
彼は晩年の松下の言動を引き合いに出して、財政の危機を強調する。そこから増税論へと発展する。財務官僚の言い分と歩調をあわせる。しかし、松下の指摘は 84年当時である。これは不思議な言い分だ。日本財政は中曽根バブル(85年)が5年後に崩壊して、その後の20年に渡っての借金財政からのものだ。彼も また目下、膨大な借金予算を編成しようとしている。
増税は不況をさらに深刻化させる。その前になすべきことがある。行財政改革だ。政界・官界が身を削ることだ。それを抜きに10%消費税を導入すると、日本沈没を早めるだけだろう。民意不在の政経塾は所詮、財閥と官閥の傀儡政権といえようか。
<日米同盟進化論>
野田の歴史観は、日本が大英帝国との同盟を放棄した結果、その後の「外交の漂流」「大戦に向かっていく一つの要因」というものだ。これは侵略戦争を指すのだが、そうした史実を明解な言語で語ろうとしない。「天皇の聖戦」という認識ではないのか。
日英同盟による日清・日露の大戦は正当化したいのだ。不戦・平和主義の立場では全くない。
彼の日米同盟進化論は、対米従属路線を正当化することなのだ。ワシントンのいいなりになることが、日本繁栄を約束すると信じているらしい。対米自立派で はない。ワシントンが強行する関税撤廃のTPP参加は、彼にとって必然なのである。世界の大変動に全く盲目であることを物語っている。大局的認識を欠く失 格指導者である。
<東アジア共同体NO>
ワシントンに追随する野田にとって、21世紀のアジアは見えてこない。東アジア共同体構想が、まるで理解できない。従って、鳩山内閣が打ち上げた同構想を言下に否定する。
「平成24年は、多くの国々で指導者が代わる年である。権力の交代時期には、とかく波風が立ちやすいことを忘れてはなるまい。今この時期に東アジア共同体などといった大ビジョンを打ち出す必要はないと私は考える」
国際社会にも発する首相論文である。それでいて年号を表示する。国際派ではない。天皇主義に取りつかれている狭隘な民族・日本主義者なのだ。ワシントンが推奨する構想でないと、動こうとしない対米従属派と言う点で中曽根や小泉レベルなのだ。
<外交・安保の強権主義>
「今なすべきは、領土・領海に絡む重大な事件が発生した場合、日本がいかなる姿勢を打ち出すべきか、改めてシュミレーションをしておくことだ」
実に、勇ましい首相であろうか。首相就任時にこんなに威勢のよい進軍ラッパを吹いた政権を知らない。少なくとも72年の田中内閣以降の永田町においては存在しなかった。
尖閣や竹島、北方領土での紛争を想定しているらしい。相手は中国と韓国、ロシアである。同時に、ASEANの一部諸国が懸念を抱いている領有権問題が火を噴くかもしれない。そのための準備を怠るな、ということなのか。
憲法9条など眼中にないらしい。恐ろしい内閣の誕生であろうか。野田論文からくみ取れる政権の体質は、本来、日本国憲法下では存在出来ない筈の政権ではないだろうか。
<脈打つ親米反共民族主義>
結びに、彼は震災復興・原発対応・経済再生・財政健全化に取り組むというのは当然のことだが、野田は加えて「安全保障体制の確立」を謳っている。ワシントンの先兵を意識したものだろう。中曽根の「不沈空母」というどぎつい言葉ではないが、中身は同じと見てよい。
日米産軍複合体に取り込まれた政権でもあろう。ワシントンに忠誠を誓う対米服従政権なのだ。言い換えると、親米反共民族主義が脈打っていると決めつけたらオーバーだろうか。
2011年11月6日記
本澤二郎は『東京タイムス』の元政治部長であり、最近は松下政経塾の政治の深層に関して、「日本の現在と未来」と題した対談を藤原肇と行い、特別大型対談企画と打って『財界にっぽん』という経済誌に発表している。
<貼りつけ>
http://fujiwaraha01.web.fc2.com/fujiwara/article/zaikai111102.html
『財界にっぽん』2011年11月号
藤原肇・本澤二郎が語る日本の現在と未来
−松下政経塾政権のスタートとその真相−
慧智研究センター所長 ジャーナリスト 藤原 肇
ジャーナリスト 本澤二郎
わが国は今、歴史的な困難に直面している。長引く景気の低迷の中で3・11地震による東日本大震災が東北地方を襲い、さらに原子力発電所の爆発事故によ る放射能汚染を筆頭に、民主党政権の稚拙な対応で被災者は泣いている。復興に向けて政治がダイナミックに取り込むどころか、相変わらず権力闘争にあけくれ ている。その実態はまさに危機的である。気鋭かつ異色のジャーナリスト2人が鳴らす警鐘に耳を傾けたい。(9月1日)
本澤 実は今日、僕は一番最初に聞きたいことがあるんです。 日本人に聞いてもなかなか分からないことなんですが、今年は外国へは一度、上海にしか行ってないんです。 それで秋から暮れにかけて一度行きたいと思っているんです。 ところが、今、超円高にもかかわらず格安のチケットが全然、格安じゃない。確かにガソリンも高騰したまま。 しかし、超円高がそれをカバーしているはずなんですが燃油サーチャージとかいってべらぼうに高い。 このカラクリが何なのか。恐らく石油業界も含めていろんな状況を上手く利用して相当ボロ儲けしているのではないかと疑っているのですが、 残念ながら僕は経済が分からないので(笑)教えていただきたい。
藤原 カラクリがあるところよりも、日本経済は完全に死に体ですから円高還元をするゆとりがないのです。 ただ、一見、金があるように見えるのは、企業がホールディング会社になって、例えば武田製薬が1兆円以上のスイスの会社を買収したりしているが、 あれは自分の金ではない。ファンドの金を動かしているだけで虚飾にすぎない。
経済の話は後半に譲って、今年の民主党の代表選挙の結果、松下政経塾の一期生が首相になったことについて、 あなたから教えてもらわなければいけない (笑)。というのも、僕はこの国に来た時には新聞・テレビは一切見ないことにしている。 余計なゴミが入っているので一週間滞在して外国に行くと、元に戻るのに三週間、三倍の時間がかかってしまう。
本澤 それは正解ですよ。僕も新聞を読むのを止めて七〜八年になります。読むと訳が分からなくなってしまう。一般国民を誑かす内容なんですね。 その結果、今年の代表選で野田(佳彦)が代表になった。
つまり、野田総理大臣をつくるために海江田(万里)を叩きまくった。それで見事に どじょう内閣″ができ、よいしょ記事″ を 書きまくっている。それまで野田は財務大臣として何もしていないばかりか、円高に対して4兆円も市場介入しても全然効果なし。 彼は落第生ですよ。その落第生をここ数日間、新聞・テレビは褒め称えた記事を流している。
藤原 松下政経塾から初めて首相が生まれたことはとてつもない大変なことだと僕は思う。
本澤 そうですね。
藤原 これはまさに1980年代に中曽根が首相になった時、日本にファシスト革命が始まると、非常に危機感を持ちましたが、それに匹敵する危機感を持っている。
落第生首相が誕生
本澤 藤原さんの先見の明は凄いですよ。正直なところ、僕は1972年中ごろから中曽根番の記者をやってまして、ある意味で中曽根を側面から支援していた。
当時、彼の最大の弱点は、青年将校上がりで軍国主義思想の持ち主ですから財界の支持が全くなかった。それで「経済界にもっとテコ入れしなければ大成できませんよ」とか 「土光(敏夫)さんを頂点とする経済界が今一番願っていることは行財政改革だから、行政改革を必死にやれば財界と仲良くなれますよ」みたいなことを、僕なんか教えていた方なんですよ。
そんなことで彼がいざ総理になった頃まではまだ安心していた。ところがワシントンに行ったとたんに土下座して「日本は不沈空母です」と。 ソ連と戦争をしても日本は大丈夫ですよみたいなことをレーガンの前でやっちゃった。それで愕然とし、以来、反中曽根になった。
藤原 そうですか。僕は1970年代から中曽根は非常に危険な人物とみていた。特に福田(越夫)内閣が誕生した時に、ある雑誌に 『60年安保とファシスト革命の失われた鎖の輪』というタイトルで、福田内閣はファシスト革命の中間点と位置づけ、その後のファシスト革命を中曽根がやると書いた。
実は私、ファシズムの勉強をするためにヨーロッパに行った。ファシズムとナチズムに関しては日本で最も勉強した一人です。
本澤 そうですか。僕はすっかり油断していたんですね。
藤原 しかし、松下政経塾内閣ができたことについて、日本ではあなたが一番危機感を持っており、その辺りの背景をいろいろお聞きしたい。
本澤 松下政経塾は、これはまさにメディア戦略の成果といえます。多くの国民が尊敬している 経営の神様″ が創った政経塾というこ とで僕もそれにだまされていた人間の一人で、当初は悪いイメージはまったくなかった。ところが、十年位前から「はてな?」となってきた。 民主党内で彼等OBが中枢を占めるようになってから、話す内容、行動が可成りファシスト的で、調べる必要があると思った。
調べていくと、松下幸之助が70億円で塾を立ち上げている。僕は政治に影響力を行使できる巨大企業を 財閥″ と呼んでいるが、したがって、 塾は松下財閥そのもので、その財閥の政治部門です。その一財閥の政治部門が政権を牛耳っているというのは、戦前、戦後を通して初めてのことです。 かつて財閥は侵略戦争をやり戦後解体されたから、彼等はじっと沈黙して目立たないようにしていた。今は財閥から初めて経団連会長が出ていますが、 ともかく一財閥が日本の政権を牛耳ったというのは、空前絶後の非常事態といえる。最初は市民派ということで菅内閣を傀儡で使っていたが、 今度は正真正銘の一期生が総理大臣になった。
藤原 実は、僕は松下政経塾というかPHPとは30年以上の長い付き合い歴史がありました。
本澤 えー、その辺のことを詳しく聞きたいですね。
藤原 PHPは僕がエネルギー問題に詳しいということで、「VOICE」 の副編集長が読者だったこともあり、「創刊号を出したから 21世紀問題について、寄稿して欲しい」と言ってきた。そこで記事を書く暇はないが、21世紀は老人問題が大事だから、対談ならOK」 と返事してある作家と対談した。 そうしたら、2000年の12月号まで25年以上も、航空便で毎月アメリカまで送ってきた。凄い資金量と工作能力だと手の内が良く分かったが、 PHP研究所は若い研究者を「VOICE」にスカウトして、次に「諸君」や「正論」に送り込む役割を演じていたのです。
本澤 PHPは松下政経塾の司令塔で、「VOICE」はその機関誌ですね。
藤原 その通りです。それから五年後くらい経った時に、PHPの 総帥の江口克彦という人が、帰国する時に会いたいと連絡して来た。 そして、彼が京都から出てきて対談をしたが、この段階で外国のジャー ナリストから江口という人が、松下幸之助の隠し子だという話を聞いていたのです。
本澤 その話は僕も聞いたことがある。まさに幸之助の側近中の側近なんでしょうね。だからPHPが政経塾の指令塔で、前原や野田らに対して指令が出ている。
カルト集団PHP
藤原 彼に会った時、いつも雑誌を送ってくれていることのお礼を述べた後、僕の目から見ると、毎号松下幸之助の記名記事が載って いるが、5〜6人の若い人が書いていることはすぐに分かる。どうして松下さんの隣りに若い人を育てるためにも名前を載せてあげないのか、 といった批判的なことを言ったら、神様を批判する藤原は危険人物ということで、対談はボツになった。
本澤 そうですか。
藤原 それでもVOICEは30年近くも、毎号送ってきましたね。
本澤 江口氏とは今も交流はあるのですか。
藤原 ないないー。
僕は松下幸之助が政経塾を作った段階で、外国の諜報機関の人物から、松下幸之助が青山にマンションを借りてある男を住まわせ、その 母親が一緒に住んでいるが、その母親は松下のオンナではないという話まで取っていた。その若衆宿が松下政経塾の始まりだったとか。
しかも中曽根内閣の時に京都大学の高坂正尭教授が政府委員会の委員長や委員を数多くやっていた。
本澤 そうですね。
藤原 彼が東京に出てきた理由は男漁り。この情報も外国の諜報機関の連中からです。
本澤 (驚きながら) そういうことっだったのですか。
藤原 米国というより世界では、諜報機関においては強請るタネはホモ人脈が当り前になっている。
本澤 ほうー。
藤原 高坂の弟子が前原でしょう。
本澤 そうです。前原は高坂教授に言われて松下政経塾に行ったと言われています。
藤原 高坂はエイズで亡くなっていて、京都では知る人ぞ知るです が、日本のメディアは一切報道していない。実は、中曽根政権時代に海軍短現人脈が目立ち、男の友情が取り沙汰されたことがある。 男の友情は秘密を守る口の堅さに由来し、情報関係における歴史のキイワードです。『スパイキャッチャー』などを読めば、ホモ人脈 が重要な役割を演じていて、KGB,MI6,CIAといった諜報機関を支配していた。そのことは『平成幕末のダイアグノシス』の 中にヒントとして書いて置いた。 だが、日本の皆さんは、日本の裏社会のことは暴力団、同和、カルトの3つしか言っていないが、もう一つホモというのがある。 これは世界で通用する言葉だが、日本では分かっていても表には出てこない。
本澤 いや、全然分からないですね。
藤原 それは今、日本にはろくな情報機関がいないからだ。25年位い前は有楽町の電気ビルに優秀な 外国の新聞記者、情報機関がいっぱいいたが、そういう連中から情報を取ると全部出てくる。しかし日本人の記者は、外国の情報機関 を相手に情報を採れる人がいなかった。だから僕は今から30年前に石油事業を止めてフリーランス・ジャーナリストをやり始めた。
本澤 しかし中曽根さんはかつて著名な女性金庫番がいましたからそういう世界にいるとは思えない。
藤原 いやいや、両刀使いがいっぱいおり、むしろそれが当り前。 最近、岩瀬達也が『新潮45』に松下幸之助のことを少し書いているが、彼は奥さん以外の女性のことにふれているものの、他の女性で はなく若衆を相手にする世界には触れていないのが惜しかった。つまり、松下政経塾があってPHPはある意味、幸福○△党と同じでカルトといえる。
本質は改憲軍拡派
本澤 今のお話は何か分るような気がする。僕も政経塾を取材する まではPHPのことは分からなかった。取材を進めていくと本丸はPHPで、そこから永田町へ指令が出ると、今の国対委負長のように 自民党にもOBがいるから、民主、自民双方に指令が届く。ですから政経塾は絶対に超保守から外に出ない。実際、民主と自民それ以外にはいない。
特に調べていくと、心配になってきたのは、われわれ流に言うといわゆる改憲・軍拡派。戦争に加担する側、軍事産業とのつながり、 前原が特にそうですね。それとワシントン右派とのつながりが非常に強いことが分かった。リベラルでは全然ない。前原はもちろん、 野田もそうです、野田は最近、韓国で大騒ぎになったが、A級戦犯は戦争犯罪者ではないといって、怒りをアジアからくっていますよね。基本的に可成り偏向思想の人 たちだ。だから僕は非常に心配なんです。
藤原 そうした心配については日本を離れて外で見ていると、クリントン大統領も学んだワシントンのジョージタウン大学の中にある戦略国際 問題研究所(センター・フォー・ストラテジック・アンド・インターナショナル・スタディーズ=CSIS)。ここは実は、ナチス思想のアメリカ版ゲオポリティークスの砦です。
ジョージタウン大学はアメリカにおけるカトリック教会及び、イエズス会創設の最古の歴史を持つ大学で、日本ではそのヴァチカンのお目付け役としての上智大が、 東京の中心の四谷にある。そこには日本の反動思想の扇動者の渡部昇一とか、保守思想の大家だった篠田雄一郎教授が輩出している。
本澤 小泉元首相が、英語が得意というだけの理由で可愛がっていた女性議員(猪口邦子)もそうでした。小泉チルドレンの一番手で、 初当選してすぐ大臣になった。上智大の教授でその後、復職した。
藤原 上智はマッカーサー時代から占領軍の後押しがあり、あんな良い場所を確保している。
そういう意味でCSISは、世界戦略の中心になっているが、そこに実は、京セラの稲盛和夫(稲盛財閥)が5億円(6億5千万ドル)を提供して理事に納まっている。
本澤 (驚いて)そうですか。
藤原 だから稲盛の関係で京都は皆CSISに行く。
本澤 松下政経塾もですか。
藤原 いえ、政経塾だけでなく、小泉進次郎もCSISの日本部長をやっていたマイケル・グリーンのラインでそこに入っている。
本澤 成る程−。
藤原 だからアメリカの対日戦略の拠点としてのジョージタウン大学は注目しなければならない。
もう一つは、英国のアメリカ支配としてのコロンビア大学。進次郎はコロンビア大学からCSISに入っている。だいたい彼はコロ ンビア大学に入学できる力はなかったのに枠外で入った。ジェラルド・ カーチス教授というジャパン・ハンドが一役かった。
カーチスは日本に来て、大分県の佐藤文生の選挙を密着取材して「代議士の誕生」を博士論文に仕立てて日本通として認められるようになったが、 実力的には?がつくような人物で、しかし、奥さんのみどり夫人が優秀だった。
本澤 日本人ですか。
藤原 もちろん。アメリカの対日関係者の奥さんは、ほとんどが日本人ですよ。
本澤 成る程−。
藤原 奥さんが優秀だと、その男は出世する(笑)。ライシャワーもそうで、ハル夫人は松方財閥の お嬢さんでした。とにかく日本の女性は凄いですよ。世界のいろいろな国で奥さんになってるから、子どもができればその子は対日専門家になる。 世界のことを知らないからそういうことを調べた日本人はほとんどいない。もっとも、そうしたことを書くと人脈を断たれるのでアメリカにいる間だけは、 危ういという理由もあって僕も書かなかった。
本澤 対談に先だっての雑談で、藤原さんが日本はアメリカの属国ではなく、属領だとおっしゃったがよく分かりますね。
藤原 なぜ属領かというと、例えばマイケル・グリーン。彼は大臣でも政府の高官でもない。CSISの日本部長だった。 しかも、アメリカの対日要求を反映させるためのエージェントにすぎない。それにタコ入道のアーミテージだって国防次官補の属僚に過ぎません。
もうひとつ、アメリカの重要な大学としてジョーンズ・ホプキンス大学がある。この大学はワシントンに高等国際研究所を持っており、 そこのサナイエル・セイヤー教授の手引きで、1954年に中曽根が初めてハーバード大の夏期講座に参加した。その前にセイヤーはCIAのアジア太平洋部長だった。 それが縁で中曽根はCIAとつながった。ただ、中曽根は正力みたいなおっちょこちょいと違い、コードネームももたないからアメリカの隠れエージェンシーとして 出世するのに成功した。
本澤 秘密の代理人みたいなものですね。
藤原 そうそう。中曽根はそれで首相になれたわけですが、結局、ジョーンズ・ホプキンス大学の系列でもってハーバードの キッシンジャーのゼミに出席して、そこで洗脳されて、原子力の重要性をたたき込まれた。帰国後は、彼の伝記を読むと、手柄話として自分が 原子力予算をつけたことを書いている。
本澤 そうですね。
藤原 正力がスパイになった同じ時期に、中曽根もアメリカに協力していたことがはっきりする。
アメリカには外交官になる大学が2つあります。ひとつはジョージタウン大学で、外交官になるための学部がある。もうひとつは、 ハーバード大学とタフト大学が共同で、外交官になるための大学院大学を持っている。そこの大将が日本大使になると予測が流れた ジョセフ・ナイ教授です。
本澤 あ〜、ジョセフ・ナイ。成る程ねー。
藤原 その事ひとつとっても、日本にはアメリカに対する研究機関がひとつもないから、本当の情報を知る人がいない。
本澤 特にアメリカの情報はまったくないですね。
藤原 アメリカにいる時には、僕もそんなことは書けない(笑)。だから適当にぼかしてヒントだけは書いてるから、 分かる人には分かるんですが、日本人は自分で考えて絵を作る才能が残念ながらない。答を書いてやらない分からないわけですね。 だから書評で飯を食っている立花隆や佐高信などは、私の本は敬遠して書評しようとしない。
日本には謀略史観というのがあって、やれロックフェラーがどうだ、フリーメイソンがどうだとか出鱈目を書いているのを皆んな読んでいる。 やはり自分でフィールドワークをしなければだめだ。
本澤 確かにそうだ。
藤原 取材をして、あるいは事件を知っている人が死ぬまで絶対に話さないというのを聞き出す能力が必要だが、 そういう能力を持った新聞記者がいない。皆んなサラリーマンだし、下手に書くと消されてしまう。しかし、今回出した『生命知の殿堂』は 世界で最初のカミトロニクス書籍で、従来の紙の本と電子本を組み合わせて、情報を行間と遠近法で読み解くようになっている。 だから、パソコンで開くと、そういう記事が全部出ており、紙には書けなくても2〜3年先には世界中の半分はカミトロニクスになると思う。
稲盛財団が資金を
本澤 今の話と関連すると思うが朝日新聞の阪神襲撃事件で記者が殺されましたよね。事件の犯人が「俺がやった」と 言って出てきてその後、週刊新潮に2〜3回連載された。しばらくすると俺が犯人だという人物の核心は、自分は頼まれてやったんだと。 頼まれた先はCIAであると仄めかすわけですよ。そうすると途端に週刊新潮が謝罪文を載せて、その本人は分けの分からない形で死んじゃうわけです。 僕は完全に消されたと思っているんですが、それで何んとなく、CIAはますます日本では恐怖の対象にされてしまう。
藤原 CIAというのはわれわれ自由人と違って、役人として優秀な人が多く知識を一杯持ってる。 しかし、実際に自分でフィールドワークしてやっている人は本当に少ない。例えば「CIAは何をやったか」を書いたベアーみたいな人物は やはり組織の硬直性に愛想を尽かして辞めている。官僚組織と優秀な人とは合わないからですね。 官僚組織にいるのは頭が良く日本の役人と同じで、退職金を一杯もらい、天下りするという人が多い。
そのことはさておき、CSISの話に戻すと、例えば、国務長官のヒラリー・クリントンとかブレジンスキーとか、あるいは、国防副長官をやった リチャード・アーミテージのように、アフガン戦争の時にパキスタンに行き大統領に向かって「協力しなければパキスタンを石器時代に戻してしまうぞ」 と脅すような、倣慢な奴が集っている。
ただ、ここで何故、稲盛がCSISに基金を提供して、CSISの中に「アブジャイア・イナモリ・リーダーシップ・アカデミー」を作ったことに触れる必要がある。 アブシャイヤーはCIAと関係の深い諜報の専門家で、レーガン時代にNATOに大使として派遣され、ミサイル問題に精通していることで知られている。 しかも、CSISはナチスの生存圏の思想を作った、ハウスホーファーの思想を米国に輸入する目的で、イエズス会のジョージタウン大学に作られたシンクタンクとして、 地政学に基づく世界戦略を展開している。 松下政経塾−稲盛財団−ナチスの親衛隊の思想という、こんな不気味な構図が見え隠れしており、ヒムラーが作った親衛隊の組織構 成は、イエズス会を手本にしていることは良く知られ、近代化がゲシュタポを育てた事実が気がかりです。
また、ハウスホーファーという人物は、日露戦争の頃に日本に駐在武官として来ているが、彼はドイツの地政学者でミュンヘン大学の教授だった。 その弟子が副総統になったルドルフ・ヘスであり、彼はヒトラーの『わが闘争』の口述筆記をしただけでなく、メッサーシュミットで英国に飛んだ奇妙な 行動をしているが、ヘスは渾名が「お嬢さん」でホモとして知られている。そういう流れを辿っていくと、ナチスの分派が日本に流れてきて、松下政経塾になり、 稲盛財団になる。こういう大変な状況が起きていることを、日本で書けるジャーナリストがいない。
日本では松下政経塾の首相が誕生したという程度の扱いだが、これは大変なことなんですよ。
本澤 外交面でも外交戦略面でも当然、影響が出てきますね。
藤原 野田という男が最初に現われてきたが、これからはアメーバーのような奇妙な連中がぞろぞろと現われてくる。
本澤 稲盛がね……。我々には稲盛のイメージは悪くなかったのですがね…。
(一部敬称略・以下次号)
<貼りつけ終わり>
この記事は衝撃的な内容に満ちており、松下政経塾で教育しているタカ派思想が、ナチスの地政学と結びついている上に、イエズス会が設立したジョージタウン大学で、戦略国際問題研究所(CSIS)において洗脳工作の形で施され、政経塾出身の政治家たちは、そこで仕上げを施されている。しかも政商として名高い京セラの稲盛和夫が、そこに五億円も寄贈している事実が暴露されている。これには松下政経塾派驚いたに違いない。さっそく松下のマスコミ工作担当の電通を動かし、「特別大型対談企画」を中止させるように、マスコミを広告で支配する手口を発動するに違いない。「特別大型対談企画」とあれば、連載は4回か5回の連載を企画すると思われるが、連載打ち切りのために広告面で圧力をかけたり、カネが動くのはマスコミ口封じの手口だ。これが電通が使う常套手段であり、財界が使う巨大な広告費の威力で、日本の新聞、雑誌、テレビなどのメディアは、政府や財界の批判は封じられてきた。パナソニック、トヨタ、東電の巨大広告御三家は、そうやって日本のメディアの口封じを行い、執拗な小沢叩きで鳩山内閣を潰し、民主党を忠米ネオコン政治家の手で乗っ取り、松下政経塾政治の成立に導いたのだった。
http://fujiwaraha01.web.fc2.com/fujiwara/article/zaikai100601.html
平成無血革命と歪んだ日米関係
政治評論家、前参議院議員 平野貞夫
vs.
慧智研究センター所長、フリーランス・ジャーナリスト 藤原肇
四回にわたってお届けした連載対談は、前号5月号壱もって完結 する予定であったが、民主党政権発足半年を経た今も「政治と力ネ」 間題をめぐって「小沢バッシング」は収まらない。それが影響して か、大手メディアの世論調査の結果は、政権支持率が低下する一方 であり、内閣が崩壌する様相さえ呈している。なぜこれほどまで執 拗な抵抗が続くのか。両氏がその背景を鋭く分析した。一部敬称略
混迷の度合いを
強めた日本の政治
藤原 鳩山首相による民主党内閣 が動き出して、ほぼ半年が経過し た現在の時点で見る限り、政治の 変化は僅かだという印象が強く、 国民は大いに落胆して失望してい る感じです。その原因に首相のリー ダーシップの不足と共に、今の日 本に何が最優先事項かを見定める 点で、プライオリティを決定付け る発想の欠如があり、それが政治 を空回りさせていると思います。
平野 それもあるが、民主党の国 会議員が平成無血革命について、 全くといえるほど認識を持ち合わ せていないので、これから何かや るという意欲がありません。真剣 に勉強して使命と責任について理 解し、どういう手順で政治に取り 組むかを考え、選挙民の期待に応 えなければならないのに、役職が 欲しくて出世したい者ばかりです。 しかも、それ以上に悲惨なのはメ ディアの堕落であり、政治の本質 にとって大切な問題を見失い、セ ンセーショナルな問題を大騒ぎし たが、それが鳩山と小沢の金銭ス キャンダルです。
藤原 利権と金権に国民が強く反 発したお陰で、自民党による暴政 を選挙で葬ったのに、革命政権の 首相と幹事長が不正を追及され、 火ダルマ同然になったのでは誉め られません。
平野 そういう批判があるのは当 然だと思うが、それが誰かによっ て仕組まれたものであれば、かえっ て危ないことだと危惧します。そ う考えたので私は政治家を辞めて、 過去の体験を総括して『平成政治 20年史』を書いたが、生涯を議会 政治の中で生きた私には、遺書と して次の世代に残す『懺悔録』で す。だから、私はこの本の「まえ がき」において、「昭和四〇年代 以降の重要法案や予算等の審議、 疑獄事件の紛糾処理のほとんどに 関わってきた。国会職員は法律で、 『政治的中立』を義務付けられて いるが、同時に各党派や国会議員 からのさまざまな依頼について、 誠実に対応しなければならないこ とになっている。私の特殊な職務 体験のせいか、与野党の多くの政 治家から、さまざまな相談事が持 ち込まれた。これらを可能な限り 私は記録しておいた」と書いたの です。
情報操作をする
ための陰謀グループ
藤原 インターネットでブロッグ の記事を検索していたら、平野さ んが書いた『平成政治20年史』が 素晴らしいとあり、本屋で買って 読んで思わず驚いたのは、たった 数行だが「三宝会」の記述があっ て、そこには「選挙が終わると、 国会の内外で小沢潰しが活発化し た。もっとも陰湿なのは、竹下元 首相の指示で、『三宝会』という 秘密組織がつくられたことだ。新 聞、テレビ、週刊誌などや、小沢 嫌いの政治家、官僚、経営者が参加して、小沢一郎の悪口や欠点を 書き立て、国民に誤解を与えるの がねらいであった」とあり、私に とっては「三宝会」という名前は 初耳でしたが、別の形でピーンと 思い当たったのです。
平野 その別の形で思い当たった ことについて、興味深いのでそれ がどんなことか教えてくれますか。
藤原 1980年代に電通がメディ ア工作用に「青の会」を作り、田 原総一郎がその幹事役に抜擢され て、学者や評論家を権力の御用に 仕立て上げ、メディアの上で派手 に活動していました。私が育てた 何人かの若い人材に手が伸び、雑 誌の座談会やテレビの討論会に、 出席する誘いが掛かってきたので 調べた。そうしたら、政府の機密 費と財界のカネが動いていて、若くて有能でもカネに飢えた人びと が、どんどん引付けられていたの です。
そういった工作の総元締めは川 島広守で、彼は警察庁の警備局長 から長官を経て、その後はセント ラル・リーグ会長に就任したが、 日本のプロ野球は読売の正力松太 郎と同じことで、公安警察向けの CIAの指定席なのに、日本人は お人好しだからその仕組みに気づ かない。
平野 政府には工作用のカネがあ るから、マスコミ対策として色ん なことをやっており、内閣の機密 費が利用されたようですな。
藤原 1970年前後からこうし た動きがあり、文芸春秋社が内調 のカネで「諸君」を創刊したが、 その担当をしたのが田中健五でし た。田中は清水幾太郎を転向させ た功労者で、『諸君』、『週刊文春』、 『文芸春秋』の編集長を経て、最 後には文芸春秋社の社長になって いる。だから、『文芸春秋』は政 府広報がダントツで、田中の出世 の足場は内閣調査室だったが、そ の使い走りが彼の人生の始まりで した。また、『諸君』や『正論』 で名を売った学者が集まって、 「政策構想フォーラム」などの組 織が発足し、それが大平のブレー ンを経て中曽根のブレーン政治に なる。そして、1980年代にP HPが「松下政経塾」を生み、 「世界平和研」や「笹川財団」な どと並んで、平野さんが指摘した 「三宝会」が発足するが、発起人 の福本邦雄は有名な政界フィクサー でした。
「三宝会」の系譜と韓満
人脈のコネクション
平野 福本和夫は戦前に福本イズ ムで一世を風靡し、その長男の邦 雄は水野成夫に拾われて、産経新 聞の記者を経て岸内閣の時代に政 界に入り、椎名官房長官の秘書に なっています。その後は京都放送 の社長や政界フィクサーになり、 画商として竹下の金屏風事件を仕 掛け、後で中尾栄一建設相の収賄 疑獄で逮捕されたが、竹下の利権 人脈のキイマン的な人物です。
藤原 言うならば、読売のナベツ ネや田中清玄みたいな存在ですね。
平野 そんなところです。また、 岸信介や椎名悦三郎という満州人 脈や、竹下登から政治の裏を指南 されたことで、情報操作と錬金術 に優れていたらしい。だから、 「三宝会」は竹下元首相を最高顧 問にして、財界とメディアによっ て1996年に作られており、野 党潰しを目的にして動き出すが、 その契機になったのが細川政権の 誕生で、狙いは小沢一郎を抹殺す ることでした。
藤原 どうして小沢一郎に狙いを 定めたのですか。
平野 1993年に細川政権が生 まれる前段階として、1992年 12月に「改革フォーラム21」が発 足したが、中心にいたのが小沢一 郎だからです。また、1994年 に社会党とさきがけを自民党が取 り込み、政権奪還した根回しを竹 下がやっており、この時に竹下は 小沢を最重要警戒人物と認定し、 小沢を封じるための秘密組織を使 うことにして、福本邦雄に「三宝 会」を作らせたのです。
藤原 『夜明け前の朝日』に詳し く書いたが、竹下は平和相互の小 宮山一家や許永中とも繋がり、京 阪神の暴力団と密着していたため に、イトマン事件や皇民党事件に 巻き込まれています。しかも、最 後には奇妙な死に方をしているが、 あの頃のアングラ事件の謎解きに 関しては、『朝日と読売の火ダル マ時代』と『夜明
平野 「三宝会」には大手企業が 参加しているが、法人の年会費が 36万円もしているだけでなく、個 人会員の参加費が一万円もかかる のに、新聞では朝日(5人)、日 経(3人)、毎日(3人)、読売 (3人)、共同(3人)、テレビで は日本(2人)、テレ朝(2人)、 フジ(1人)、TBS(1人)、出 版では文芸春秋(3人)、講談社 (2人)、プレジデント(1人)、 選択(1人)、朝日出版(1人)と いう具合です。また、メディアを 代表する世話人としては、高橋利 行(読売・世論調査部長)、芹沢洋 一(日経・政治部次長)、佐田正樹 (朝日・電子電波メディア局長付)、 後藤謙次(共同・編集委員)とい う顔ぶれが並び、こういった人が マスコミ対策を指令しました。
藤原 法人会員の顔ぶれを一瞥し たら、韓満人脈の影が私には読み 取れますよ。しかも、それが太平 洋を越えて戦後の米国人脈になり、 岸信介や正力松太郎がCIAに使 われて、アメリカの日本支配の手 先だったが、この事実は公開され た米国の外交資料が証明している。 「歴史は繰り返すという」教訓か らして、同じパターンは最近の日 本の政治にも反映し、それが検察 ファッショとして現れていること は、私にはパターン認識と直観で 分かるのです。
メディア操作と
検察ファッショ
平野 検察ファッショは政治的意 図による強権的捜査を指し、戦前 の「番町会事件」が代表的である が、ロッキード事件の時の捜査の 仕方は、国民の多くに検察ファッ ショを感じさせた。田中首相を外 資法違反で逮捕して、一応は首相 の犯罪として話題を賑わせたが、 アメリカ側には免責条項を適応し たのに、日本側の捜査には無理が 目立って、どう見ても納得できる ものではありません。
藤原 それは軍備が絡む汚職だっ たからであり、本当は対潜哨戒機 (P3C)の購入に際して、防衛 庁長官(当時)の中曽根康弘が関 与した、極めて重大な結果を生む 防衛疑獄だった。だから、検察が 架空の物語をでっち上げて、疑惑 を隠すために問題をすり替えたが、 全日空のトライスター旅客機の輸 入の形で、手癖の悪い田中角栄に 冤罪を押し付けたのは、CIAが 中曽根の罪を救うためでした。
平野 リクルート事件で自民党を 離党しているが、ロッキード事件 では深手を負うこともなく、中曽 根は首相として米国に貢いでいま す。
藤原 その後の日本の政治は米国 のしたい放題で、中曽根と竹下が カジノ経済とヤクザ政治を行い、 バブルが炸裂して日本はガタガタ になった。しかも、SII(構造 障壁攻略)に続き追い討ちの形で、 金融を使った企業の乗っ取り工作 が進み、ネオコン路線に追従する 小泉や安倍が、対米追従のゾンビ 政治を続けたのです。
平野 バブル経済から現在までの 四半世紀が、僅か30秒か40秒の時 間で説明されており、現在に至っている点で実に明快です。確かに、 藤原さんらしい鳥轍的で客観化し た総括だが、過去20年の政治史を 一冊の本にして、数百人の人間の 判断や行動を描いた私にとっては、 その総括では物足りないように思 う。そこに生きている人間が不在 のために、へーゲルの歴史哲学を 読む感じがして、もう少し人間臭 のある観点がなければ、自分が生 きた時代として面白くないし、淋 しすぎて楽しくないという気がし ます。
日米関係におけるCIAの
役割とジャパン・ハンド
藤原 分かりました。25年間に僅 か四人の首相の名前の登場だけで、 日米両国がゾンビ政治やネオコン として規定され、病院の無菌室の ような空気を感じて、面白みを欠 いてしまったかも知れない。そう なると細部を描く必要が生まれ、 個人レベルの体験調書の登場にな るが、日米関係の歴史を決定付け ているのは、CIAと結んだ自民 党に陣取った政治家と、日本人を 操ったジャパン・ハンドの関係で す。岸信介と正力松太郎に関して は衆知だが、児玉誉士夫と中曽根 康弘に関しての情報は、それほど 知られていない状態が続く。だが、 中曽根がハーバード大でのゼミに 参加を手配したのが、ジョンズ・ ホプキンス大のセイヤー教授であ り、彼はSAIS(国際問題研究 所)の日本担当教授で、元CIA のアジア太平洋担当の部長だった し、彼は中曽根の英語論文の代筆 までしました。
平野 その辺にCIAコネクショ ンの原点があり、ロン・ヤス関係 で中曽根が日本を「不沈空母」と 発言したが、軍事同盟の太いパイ プが読み取れますな。
藤原 その後継者が立川基地が 地盤の長島昭久で、彼は自民党の 石原伸晃の秘書をやってから渡米 し、SAISのブレジンスキ了教 授のゼミで仕込まれた。しかも、 ジョージタウン大のCSIS(国 際戦略研究所)で日本部長をやり、 ブッシュのネオコン政権で東亜部 長として日本を手玉に取った、マ イケル・グリーンの弟子になって 帰国した長島は、民主党から出馬 して議員になった。彼は防衛省の 政務官に就任しているが、グリー ンがどんな思想と行動の持ち主か を知れば、長島が時限爆弾になる 危険性は高い。また、CSISの 研究員としてグリーンに指導され、 親父の渡部恒三衆議院副議長に対 して、強い影響力を及ぼしていた のが息子の恒雄であり、民主党の 元最高顧問は間接的にグリーンに 引きずり回され、渡部恒三は日本 の議会政治を歪めているのです。
平野 それで「偽黄門」がブレま くったのであり、渡部恒三が見せ びらかす閻魔帳の印籠が、政治を 狂わせる原因を作って来たのです。
藤原 最近のブロッグで四年前に 平野さんが書いた、「『偽黄門』 と『阿波狸』が民主党のガン」と いう記事が話題になり、コピーし て来たので読んでくれませんか。
平野 サワリはここです。「『黄 門さん」を自称している老人が、 前原体制のつっかえ棒として登場。 東北弁で国民的人気者になりかけ た。これが『偽黄門』であること を、民主党もマスコミも見抜けな いから困ったものだ。…マスコミ も『偽黄門』だと知っていて、秘 密をもらす貴重な人物として大事 にするという、日本の民主政治を 堕落させる存在なのだ。それまで 小沢改革が成功しそうになると、 人格攻撃をくりひろげ、足を引っ ぱってきたのが『偽黄門』の正体 だ」。これは偽メール事件があっ た2006年に書いたものだが、 四年後の今でも似たようなことが 繰り返されて、「七奉行」などが 騒がしく右往左往していますよ。
M・グリーンという
日本叩きの太鼓屋の怨念
藤原 その震源地はワシントンの CSISであり、そこでマイケル・ グリーンに手なづけられて帰国し た一人が、横須賀の海軍基地の手 配師一家で、ゾンビ政治とロカビ リーで親父が日本の体面を傷つけ た、世襲四代目議員の小泉進次郎 なのです。政治家の不出来な息子 を筆頭に、動機を持つ在日系や松 下政経塾の留学組は、「奇貨をお く」対象として恰好のカモです。 かつてロスに留学中の安倍晋三に、 KCIAの朴東宣が接近してスカ ウトしたが、結果は勝共連合の大 戦果を生んでおり、脇の甘い留学 生は情報戦の標的です。
平野 それで、小泉純一郎の息子 もグリーンの洗礼を受け、目出度 く世襲代議士としてお披露目した わけだか、子分や手先のリクルー トの仕掛けは巧妙なものですな。
藤原 当事者たちが亡くなって時 効だから、30年前の話を披露して もいいと思う。
実は、私がカンサスで石油会社 を設立した時に、サムタクという 計器会社を経営していた椎名素夫 さんが、エネルギー開発の重要性 を評価して、開発事業の仲間に参 加してくれました。そして、同時 にサントリーの佐治敬三社長が、 石油ビジネスを教えて欲しいと割 り込んだ話は、『地球発想の新時 代』に書きました。そこで、椎名 さんは森財閥の森暁さんと一緒に、 ハートランド掘削会社を作った後 で、政治家として政界に軸足を移 しました。
平野 椎名素夫さんは原子力の専 門家だが、石油にも関係したとは 初耳でした。
藤原 椎名さん米国の政界で信頼 されたので、私は彼と友人関係を 維持しましたが、彼は防衛問題に 専念するようになり、中曽根と接近したので距離を置きました。
だが、選挙で小沢に苛められた 話は良く聞き、岩手の選挙区で小 沢の熾烈なやり方を教えてもらい、 政治の世界の嫌らしさを痛感しま したよ。
平野 でも、二人は同じ選挙区で 国会議員になっています。
藤原 だが、後日談がありまして、 最初は英語教師として来日したグ リーンは、東大の佐藤誠三郎教授 に師事した関係で、中曽根や笹川 財団に接近したのです。しかも、 椎名議員に拾われた若き日のグリー ンは、事務の手伝いや秘書役をし ているうちに日本通として、ファ シスト的な軍事オタクになった。 そして、帰米したグリーンはFS X問題で論文を書き、日本の防衛 政策の専門家として成長し、謀略 家で悪名高いアーミテージに従い、 ホワイトハウスで日米同盟を担当 したことで、日本が受けた打撃は 絶大になったのです。
平野 それはどういうことですか。
藤原 怨念という言葉は不適切か も知れないが、選挙で小沢が椎名 を苛めた仕返しの形で、グリーン は日本を小沢と見立てており、奇 妙な怨みの感情のために日米関係 を歪めたのです。それが検察官僚 をファッショ化に駆り立て、前原 などの七奉行が呼応する形になり、 政治的な混迷を継続させた構図に なった。
平野 検察ファッショが継続した 原因が、その辺にあると何となく 分かるのだが、対策にどうしたら 良いのでしょうか。
デコンストラクションと
21世紀型の選挙
藤原 小泉流の刺客は悪魔の選挙 戦術だが、小沢流の強引なやり方 も時代遅れであり、新世紀にふさわしいインターネットを活用し、 情報化時代の選挙のやり方の採用 が必要です。それを活用してオバ マは大統領になり、国民が政治参 加の意識高揚に成功しているが、 キイ概念はデコンストラクション (脱構築)でして、それを参考にす るのが良いかも知れません。
平野 それはどういう概念なので すか。
藤原 変化の全体像を洞察して構 造を作り変え、変化に次元転換を 与える革命的な手法で、フランス 哲学の精髄の政治への応用です。
平野 具体的にはどういう選挙の やり方をして、政治を変えて行く のでしょうか。
藤原 選挙は応用のひとつに過ぎ なくて、21世紀の社会がどんな内 容かを理解すれば、選挙のやり方 は自ずと分かってくる。『ジャパ ン・レボリューション』という題 の本があるが、これは二年前に亡 くなった正慶孝先生が、私と共著 で出した民主革命の指南書でして、 この中にノウハウのヒントが書い てあります。正慶教授は小室直樹 博士と並んで、意味論の権威とし て日本の双壁であり、文明学者の ダニエル・ベルの伝道解説者でし た。
平野 その本の中に、選挙や革命 のやり方が書いてあるのですか。
藤原 文字になくても行間に書い てあって、直観力で全体像を把握 することにより、それが浮き上がっ てくるのですが、残念なことに本 は手に入りません。実は3500 部刷ったのだが売れなくて、出版 社が3000部ちかく断裁してし まい、見つけ出すのがほとんど不 可能です。本の在庫には税金がか かるために、出版社が在庫を確保 できない税法があり、日本の出版 文化は絶滅に瀕しています。こう した狂った税法を改めた上で、パ チンコ業界や擬似宗教から税金を 取り、それで得た税収で国民に減 税をすれば、平成無血革命は成功 に一歩近づくし、この本の存在は それを教えています。昨日は出版 社に行き倉庫を探してもらい、やっ と二冊だけ見つけ出して来たので、 一冊は鳩山首相に私がプレゼント します。だが、もう一冊はあなた が熟読した後で結構だから、小沢 一郎に読むようにと手渡してもら えれば、平成無血民主革命の行く 手を照らす松明として、きっと役 に立つと確信しています。
平野 分かりました。必ず渡して 役に立ててもらいますが、それに しても、本が売れなければ断裁処 分にするとは、何とも日本は情け ない文化国家ですな。
藤原 これが現代日本のギロチン の正体ですよ。ところで、平成無 血民主革命を成功させるためにも、 小沢幹事長が実権を揮う地位から 退き、長老の立場で組織運営をア ドバイスするという、世界の指導 若のやり方を使うように、平野さ んから彼に助言して欲しいですね。
平野 いずれそうしようと小沢は 考えているが、今ここで長老にな るわけに行かないと思って、参議 院選挙を全力投入で指揮していま す。とにかく、政治が何かが分か らない代議士が沢山いて、今の民, 主党は混乱状態に陥っているが、 自民党がより支離滅裂で壊滅状態 だから、何とか持ちこたえている のが実情です。だから、数日前に 私が小沢一郎に会った時に、「あ なたの功績は選挙に勝ち革命を始 めたことだが、最も悪い点は出来 の悪い人間を国会議員にして、政 治が何も分からない代議士を大量 生産したことだ」と言ったのです。
藤原 選挙は理想を実現するため のもので、目的に挑むための手段 に過ぎないし、単に勝てば良いと いうものではなく、優雅で鮮やか な形で勝負を競うことです。しか も、理想の社会を作るためには、 どんな政治を如何にやるかである し、その実現にはどんな人材が必 要であり、そうした資質の人を議 会に送り出して、活躍してもらう 選挙を目指すこと。それが平成革 命の成功への道であり、共生と博 愛を目指す政治を背後から支え、 小沢や鳩山の革命コンビが安心し て、民主党の長老の席に陣取ることで、次の世代が育つように導く のが、革命人生を飾る花道になる と思います。(終わり)
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