組織防衛だけが真実？

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どうも最近、言葉と心が完全に遊離していると思われる人を見かける頻度が高くなってきた。その一例として、子供の学校が学級崩壊した後担任に昇格した副担任の先生を挙げることが出来る。彼は混乱時に子供が他の子供に暴力を受けた件を報告に来たのだが、子供の心を直に感じている気配が微塵もなく、自己弁護に終止する態度から責任感が全くない人であることが分かった。教科書に載っているような綺麗事を延々と説き続けるものの、話す内容からリアル感が全く感じられないその精神性を僕は恐ろしいと感じた。教師資格試験を勉強していた頃彼は「思いやりとは何か」とか「他人の身になってみよう」とか綺麗事の文章を一生懸命暗記したのだろう。坊さんの読経のようにそれらの字句を延々と読み上げられたが、僕が尋ねている子供たちに本当に何が起きたのかについては鉄の扉の如く口を閉ざして何も語らなかった。目の前に子供の心の大事件が起きているのに、彼の精神はその事実と連動していなかった。彼と個人的に何度も話した結果、どうもこの人の頭の中には組織防衛の意図しかなく、組織と一体化することが彼にとって虚構ではない精神的真実の全てだということが分ってきた。彼の母なる「組織」を傷付けるかもしれない親も生徒も彼は敵と看做していて、それらが何を唱えていようがもはや関係なく、ただ読経のような言葉で時間を埋めてやり過ごそうとした。それは彼が純粋すぎるが故に観念論の世界に耽溺しているのではなかった。彼は尋ねられない限り自分から話を始めることがなく、尋ねられても上辺の言葉を流しながら言葉以外の語気や間や所作などで相手に与える影響（インダイレクト効果）につねに神経を尖らせており、その力で相手の意思を左右しようと何度も試みていたので、卑怯さを積極的に肯定している人であることが分かった。もはや言葉と魂の連絡が絶えてしまった人、積極的にもしくは潜在意識的にそうなっているかは別として事実上の偽善者に見えた。同様の人が日本社会の様々な分野でじわじわと増えてきている。このような人が増える傾向は上に立つ者にそのような人材を求める人が増えてきたためでもあろうが、実際の仕事に必要な知識をあまり問うことなく概念的な事柄に関する瑣末事項を大量に問う形に種々の選抜資格試験が変えられた結果、心の働きが乏しいが故に逆にどれほどくだらない内容でも苦もなく暗記出来る人が試験において有利となった反映だと思う。＜0595＞

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